Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AHC051解法紹介

Sponsored · Ship Features Fearlessly Turn features on and off without deploys. Used by thousands of Ruby developers.
Avatar for eijirou eijirou
August 13, 2025

 AHC051解法紹介

Avatar for eijirou

eijirou

August 13, 2025
Tweet

More Decks by eijirou

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 問題概要 ごみをできるだけ正しく分別するごみ処理場を建設する問題 2 入力 • 処理装置の場所 • 分別器の場所 • 分別器の種類ごとの識別確率

    出力 • 処理装置のごみの種類 • 分別器の種類と行き先 • グラフはDAGにする • 辺が交差してはならない
  2. 方針の概要 1. 初期解の構築 • TSPを解いた結果である細長いグラフを用いる 2. 焼きなまし法 • 近傍は「1つの分別器の種類と行き先を変更する」 •

    適当なトポロジカル順序で近傍を生成する • スコアの差分計算を高速化するため • 行き先を固定した後、複数の分別器を試す • 分別器だけを変更するときのスコア計算が高速なため • 108 回ほどのスコア計算が行える • 受理率は1%ほど 4
  3. 初期解の構築 初期解に求めること • 全ての処理装置に対して到達確率が 𝜖 以上あるとよい • 𝜖 = 0.01

    ぐらいのイメージ • 分類成功確率が極端に低いごみがあると、後の焼きなましで改善しづ らい • 短い辺が多い • 後の焼きなましでグラフの自由度を上げるため • 「グラフの自由度を上げるため」は嘘かも (問題や方針によるが、)初期解は生スコアよりも構造が大切 6
  4. 初期解の構築 • TSPを解く • 分別器の順序を決める • 始点は搬入口 • 終点は処理装置同士の中で最も距離が短いペアの片方 •

    最後の分別器の行き先を両方とも処理装置にするイメージ • 2-optで焼きなました後、辺の交差があれば修正する 7
  5. 方針の概要 (再) 1. 初期解の構築 • TSPを解いた結果である細長いグラフを用いる 2. 焼きなまし法 • 近傍は「1つの分別器の種類と行き先を変更する」

    • 適当なトポロジカル順序で近傍を生成する • スコアの差分計算を高速化するため • 行き先を固定した後、複数の分別器を試す • 分別器だけを変更するときのスコア計算が高速なため • 108 回ほどのスコア計算が行える • 受理率は1%ほど 15
  6. 新しい辺の取得 • 辺を追加する面をランダムに選ぶ 右のグラフで頂点0から伸びる辺を追加 する場合を考える • 隣接リストは [1, 7, 5]

    なので、辺を追 加する場所は以下の3通り • 頂点1と頂点7の間 • 頂点7と頂点5の間 • 頂点5と頂点1の間 • 頂点5と頂点1の間が選択されたとする 17
  7. 新しい辺の取得 • 面を取得する • 頂点0から頂点1の方向へ進む • 頂点1の隣接リストは [0, 2] なので前

    の頂点0の次である頂点2へ進む • 同様に繰り返す • 2: [1, 3] で1の次は3 • 3: [7, 2, 4] で2の次は4 • 4: [3, 5] で3の次は5 • 5: [4, 0, 6] で4の次は0 • 0: [1, 7, 5] で5の次は1で戻るため終了 19
  8. 新しい辺の取得 • 追加可能な辺を列挙する • 追加したい辺が面の内側かつ、面を構 成する辺と交差しなければ追加可能 • 辺(0, 2)は追加可能 •

    辺(0, 3)は追加できない • 頂点3は、頂点0から見て頂点5と頂点1 の間にないため • 辺(0, 4)は追加できない • 辺(0, 4)は辺(1, 2)と交差するため 20
  9. 確率の差分計算 • ごみ 𝑖 が頂点 𝑣 に到達する確率を 𝑓𝑣,𝑖 とする •

    トポロジカル順序でdpすることで 𝑓 が求まる • ごみ 𝑖 が頂点 𝑣 にいるときに、ごみ 𝑖 を処理する処理装置に到 達する確率を 𝑔𝑣,𝑖 とする • トポロジカル順序の逆順でdpすることで 𝑔 が求まる • 𝑠 種類目の分別器がごみ 𝑖 を出口1に出す確率を 𝑝𝑠,𝑖 とする • 問題文と同様 • 𝑝𝐾,𝑖 = 1 とする • 分別しない分別器を追加する 22
  10. 確率の差分計算 分別器 𝑠 の寄与 Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑓𝑎,𝑖

    (𝑝𝑠,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 + 1 − 𝑝𝑠,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 ) 23 • 𝑔 を求めた後、トポロジカル 順序で 𝑓 を更新しながら近 傍を生成することで、1つの 近傍あたり 𝑂(𝑁) で差分計算 できる • 𝑓 と 𝑔 を逆にすることも可能
  11. 複数の分別器の種類を試す • 更新前を 𝑏′, 𝑐′, 𝑠′、更新後を 𝑏, 𝑐, 𝑠 とする

    • スコアの差分 −Δ𝑏′,𝑐′,𝑠′ + Δ𝑏,𝑐,𝑠 • 𝐾 + 1 個の 𝑠 と 𝑏, 𝑐 を入れ換えたものを試す • −Δ𝑏′,𝑐′,𝑠′ は共通なので約2倍の高速化になる 24
  12. 複数の分別器の種類を試す Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑓𝑎,𝑖 (𝑝𝑠,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 +

    1 − 𝑝𝑠,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 ) = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 • 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 と 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 は 𝑠 によらないので使いまわせる • 演算回数が減る 25
  13. 複数の分別器の種類を試す • Δ𝑏,𝑐,𝑠 を試した直後に Δ𝑐,𝑏,𝑠 を試す Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0

    𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 Δ𝑐,𝑏,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 26
  14. SIMD Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 −

    𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 • 𝑖 同士は独立なのでSIMD化できる • 単精度でAVX2を使えば8つの要素を同時に処理できる • 𝑁 ≤ 20 なので高々3ループ • 高々3ループなので完全に unroll すると 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 や 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 はレジスタに乗る • 私は unroll した関数3つを実装しました 27
  15. SIMD Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 −

    𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 • Σ の計算に min 𝑁, 8 − 1 回の加算が必要で、そこがボトルネッ クの1つだった • seed=0 のスコア計算回数 • (明示的な)SIMD化なし: 9 × 107 • SIMD化あり: 1.7 × 108 • 2倍も速くなってなかった... • SIMD化なしのほうで自動ベクトル化が行われたかも? 28
  16. その他の工夫: トポロジカル順序の決定 • 𝑓 や 𝑔 の更新を1周するごとにトポロジカル順序を計算し直す • DFSでトポロジカル順序を決定する •

    2つの行き先のどちらを先に探索するかはランダムに決定する • (BFSではなく)DFSにすることで多様なトポロジカル順序を生成で きる 29
  17. その他の工夫: 対数評価 https://lipoyang.hatenablog.com/entry/2021/02/03/202242 • log 𝑥 の(高精度な)計算は重い • SIMD化する場合は自分で実装する必要がある •

    粗い近似で高速に求める • 参考: https://lipoyang.hatenablog.com/entry/2021/02/03/202242 • SIMD化も可能 • 対数評価は 0.2秒も行わないので高速化の寄与は小さい 31
  18. コンテスト中に気づけなかった点 • 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 は Σ の外に出せるので先に計算できる • コンテスト終了後、@noshi91 さんに教えていただきました

    Δ𝑏,𝑐,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 + ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 Δ𝑐,𝑏,𝑠 = ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − ෍ 𝑖=0 𝑁−1 𝑝𝑠,𝑖 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑏,𝑖 − 𝑓𝑎,𝑖 𝑔𝑐,𝑖 33