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加速するDevinの進化とAI活用最前線_Devin_meetup_Japan__2_.pdf
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Eisuke Watanabe
June 20, 2025
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加速するDevinの進化とAI活用最前線_Devin_meetup_Japan__2_.pdf
Eisuke Watanabe
June 20, 2025
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Transcript
加速するDevinの進化とAI活用最前線 〜開発ワークフローの革新と組織変革への道のり〜 2025/06/17 Devin meetup Japan #2 1
自己紹介 渡邉英資 - 株式会社スマートラウンド 現在の役割 プロダクト開発に従事 Devinを活用した開発基盤構築に取り組み 2
アジェンダ 1. Devin導入の経緯(2025年1月〜2月) 2. 初期運用での課題と学び 3. PRマージにこだわらない部分的活用(3月〜4月) 4. Linear連携で見えた新しい可能性(4月〜現在) 5.
委任判断の精度向上への取り組み 6. 新たな組織形態「フロンティア・ファーム」への道 7. まとめ 3
1. Devin導入の経緯(2025年1月〜2月) GA直後の早期導入 2025年1月 - DevinがGA(一般提供)された直後に導入 手探りの検証期間 世の中に活用方法が出回っていない状況 試行錯誤を重ねながら効果的な活用方法を模索 1ヶ月間の検証結果
明確な得意・不得意領域の発見 4
知見の体系化 技術記事の執筆 「自律度」 という観点でタスクの種類ごとの得意・不得意 な領域を整理。Devinと働く上で必要なマインドセットにつ いても記載。 社内ナレッジ・運用体制の強化 Devin運用ドキュメントの作成 社内でDevinの活用方法やベストプラクティスを体系化 Knowledgeの拡充
社内固有のルールをナレッジベースに蓄積 5
2. 初期運用での課題 限定的な適用範囲 完全に自律して対応できるタスクは、シンプルな機能改修やバグ修正などに対応 が限られている 複雑な要件のタスクは任せづらい 手戻りの発生 作成したPRの多くで 人間による修正や手戻りが必要 使用頻度の制約
上記の課題を認識されるようになってから、社内でのDevinの使用頻度が下がる 6
3. PRマージにこだわらない部分的活用の浸透(2月〜4月) 発想の転換:完全自律化した開発に期待しない 新しいアプローチ 現状のDevinで 「PRの作成からマージ」を達成することにこだわらない より実用的な 部分活用 へと発想を転換 人間とAIの補完関係を構築
それぞれの強みを活かした 相互補完関係 の実現 7
部分活用の2つの具体例 開発プロセス内での活用 開発プロセス外での活用 これら2つの観点で、PRマージにこだわらない実践的な活用方法を深掘りする 8
開発プロセス内の部分活用 PRのドキュメント作成・レビュー 1. PR内容の自動補完 2. Devinによるレビュー 3. 指摘事項の修正 4. Devinによる再レビュー
→ Devinが直接実装していない開発タスクにおい ても、この部分的な活用方法が有効であり、社 内では3ヶ月以上にわたって定着している Slack上でDevinがPR内容の自動補完とレビューをしている様子 9
レビューの課題 Devinのレビューは 一般的なコーディングルール に基づく → 社内固有のコーディング規約には未対応 取り組み 過去のPRレビューコメント から社内コーディング規約を体系化 →
Devinに学習させる 期待効果 より精度の高いレビュー実現 エンジニアのレビュー作業負担軽減 10
開発プロセス外での活用 Devin Search 非エンジニアがエンジニアを介さずに プロダクトの詳細仕様を直接確認 → コミュニケーションコスト大幅削減 (社内からの声 「95%程度のお問い合わせが自己解決できる」
) エラー解析 DevinがSlackスレッド内で表示されるエラーログを解析 →発生している問題の根本原因と具体的な解決策を即座に提示 11
4. Linear連携で見えた新しい可能性(4月〜現在) Devin 2.0の新機能 2025年4月 - Linear連携機能がリリース → 弊社は偶然Linearを使用していたため即座に検証開始 当初からの構想
「PRの作成からマージまでを完全に自動化できるタスクを明確に特定し、適切なもの をDevinに任せる」 実現への道筋 Linear連携により構想実現の可能性が見えてきた 12
Linear連携の具体的な機能 自動行動計画 Issueに 「Devin」ラベル を付けると: 要件や画像から 自動的に行動計画を立案 信頼度の格付け が表示 Devin
Spacesでの対話 Linear上の行動計画について質問 計画の修正 を実行 Linear上でDevinが行動計画を立案している様子 13
Devin Spaces上で行動計画を修正 14
Linear連携の具体的な効果(1) プロンプト作成の劇的な効率化 Before(手動プロンプト作成) - 要件 - 修正対象のファイル - 具体的な実装コード例 -
該当箇所の画像 - 社内ルール(チケット番号、ブランチ名など) After(Linear連携) 行動計画内のPR作成ボタンを押すだけ → プロンプト作成時間が大幅削減 Linear連携で自動生成されたプロンプトを実行する様子 15
Linear連携の具体的な効果(2) コスト最適化 Linear上の行動計画作成は ACUを消費しない Devin Spacesの利用も ACUを消費しない タスク委任判断の精度向上 タスクを委任すべきかどうかをセッション開始前に判断できる 16
委任判断精度の向上が広げる新しい可能性 最重要ポイント →タスク委任判断の精度向上により、 「人的リソースとDevinの能力を効率的に組み合 わせた最適な開発体制の構築」 が可能になるのでは? 17
5. 委任判断精度の向上を実現するためのフロー 精度向上の具体的手法 行動計画の状態 対応方法 問題なし そのままPR作成を依頼 方針のずれ・質問あり Devin Spacesで方針調整した後、PR作成を依頼
検討違い・ニュアンス伝達困難 Devinへの委任を控える 18
委任判断精度向上の成果 改善された指標 項目 Linear連携前 Linear連携後 セッション事前判断 困難 容易 PRのマージ率 少ない
増加 手戻り時の修正 大幅な修正 軽微な調整 19
信頼度判定機能によるこれからの可能性 信頼度の可視化 行動計画に信頼度が 高 ・中 ・低 として表示される 精度検証中 実際のタスクを使った 信頼度判定の精度検証を実施中
迅速な委任判断 信頼度判定の精度が高いことが実証されたら、タスク委任 の意思決定を加速させられる可能性がある → 迅速な委任判断ができるだけでなく、非エンジニアが 信頼度「高」のタスクを任せられるようになるかもしれな い Devinの信頼度判定表示 20
委任判断精度の向上は、AIエージェントと人間が協働する 「フロンティア・ファーム」実現の鍵となります ここからは、組織全体がどう変革していくのかを見ていきます 21
6. 新たな組織形態「フロンティア・ファーム」への道 Microsoftの「Work Trend Index」(2025年4月)では、人とAIエージェントが協働する新 たな組織形態「フロンティア・ファーム」の出現が報告された 人間による監視とエージェントの効率性との最適なバランスを見つける必要があると 述べられている →Devinをはじめとした、その他のAIエージェントと人間の協働を仕組み化することは 単なる効率化を超え、組織変革の可能性を示している
現状の組織 AIエージェントを組織に適応させていく過渡期 未来の組織 全従業員が「エージェントボス」となり、AIと共に働く新しい形態 22
7. まとめ 実践を通じてAIエージェントの進化を日々体感し、人間とAIが協働する新しい開発体制 を模索し続けていくことが未来の組織への投資となる Devinの活用はその第一歩 23
🚀 Let's Shape the Future Together! 👉 24