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加速するDevinの進化とAI活用最前線
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Eisuke Watanabe
June 16, 2025
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加速するDevinの進化とAI活用最前線
Eisuke Watanabe
June 16, 2025
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Transcript
加速するDevinの進化とAI活 用最前線 2025/06/18 AI Engineering Summit 2025
自己紹介 名前: 渡邉 英資 所属: 株式会社スマートラウンド プロダクト部 プロダクト開発 プロダクトエンジニアとしてWebアプリケー ションの開発を担当。 Devin活用による開発基盤構築
自律型AIエージェントを開発プロセスに統合 し、効率化を推進。
Devin導入の経緯と初期の取り組み 1 導入開始 2025年1月、DevinのGA後すぐに導入。情報が少なく試行錯誤を重ねた。 2 検証期間 様々なタスクを任せ、得意・不得意領域を特定。 3 知見の共有 「自律度」の観点でDevinを分析し、技術記事を執筆・テックブログに公
開。社内でDevinの運用ドキュメントを作成。
初期運用での課題 1 限定的な活用範囲 完全に自律して対応で きるタスクは、シンプ ルな機能改修やバグ修 正などに対応が限られ ており、複雑な要件の タスクは任せづらい。 2
人間による手戻りの 発生 Devinが作成したPRの多 くで修正や手戻りが必 要だった。
発想の転換 完全自律化した開発に期待し ない 現状のDevinで「PRの作成からマ ージ」を達成することにこだわら ない。 開発での部分的活用の模索 開発プロセスの特定フェーズで Devinの強みを活かす方法を検討 した。
人間との補完関係を構築 それぞれの強みを活かした補完関 係を構築する。 従来の「Devinに開発タスクを全て任せる」という考え方から脱却し、より実用的な部分活用へと発想を転換し た。
開発での部分活用 PR内容の自動補完 PRの作成時にDevinがテンプレートを自動入力。 Devinによるファーストレビュー エンジニアにレビュー依頼する前にDevinがコードをレビュー。 レビュー指摘事項の修正 Devinにレビューで指摘された問題を人間が修正。 Devinに再レビュー Devinの最終確認を経てエンジニアにレビュー依頼。 Slack上でDevinがPR内容の自動補完とレ
ビューをしている様子
開発外での活用 プロダクト仕様の調査 非エンジニアが直接プロダクト仕様を確認できるようになり、仕 様に関する問い合わせの約95%をカスタマーサポートが自己解決 できるようになった。 エラー解析 DevinがSlackスレッド内で表示されるエラーログを解析し、発生 している問題の根本原因と具体的な解決策を即座に提示。
LinearとDevinの連携で見えた新しい可能性 社内でDevinを部分的に活用しながらも、PRの作成からマージまでを完全に自動化できるタ スクを明確に特定し、適切なものをDevinに任せたいという構想を持ち続けていた。 💭 そう思ってた矢先、Devin2.0のリリース 🚀 により、LinearとDevinの連携が可能となり、そ の構想を実現できる可能性が生まれた。
Linear連携で可能になったこと 自動行動計画 Issueに「Devin」ラベルを付けると自 動的に行動計画を立案。 対話型修正 Devin Spacesで計画について質問や 修正が可能に。 自動PR作成 ボタン一つでプロンプト自動生成・
実行が可能に。 Linear上のIssueに記載されているDevinの行動計画
Linear連携の具体的な効果 プロンプト作成時間削減 詳細なプロンプトが自動生成される ようになる。 コスト削減 行動計画作成とSpaces利用はACUを 消費しない。 タスク委任判断の精度向上 タスクを委任すべきかどうかをセッ ション開始前に判断できる。
委任判断精度の向上が広げる新しい可能性 「人的リソースとDevinの能力を効率的に組み合わせた最適な開発 体制の構築」が可能に タスク委任判断の精度向上 上の状態を目指すには、タスクの委任判断の精度が高いことが前提にある。
委任判断精度の向上を実現するためのフロー 行動計画の評価 エンジニアが行動計画を確認して問題がなけ ればそのままPR作成をDevinに依頼 方針の調整 行動計画がずれている場合はDevin Spacesで やり取り 委任の判断 検討違いな行動計画には委任を控える
Linear連携による委任判断精度向上の効果 セッション事前判断 Devinへのタスク委任を事前に判断 可能。 PRのマージ率が増加 適切と判断したタスクのみにPR作成 依頼をし、破棄されるPRが減少。 修正の軽微化 必要な修正が軽微なものへと変化。 開発プロセスの流れが改善され、PR作成からマージまでの時間短縮にもなっている。
信頼度判定機能によるこれからの可能性 信頼度の可視化 行動計画に信頼度が高 🟢 中 🟡 低 🔴 として表示され る。
精度検証中 実際のタスクを使った信頼度判定の精度検証を実施 中。 迅速な委任判断 信頼度判定の精度が高いことが実証されたら、タスク 委任の意思決定を加速させられる可能性がある。 → 迅速な委任判断ができるだけなく、非エンジニアが信頼度高 🟢 のタスクを任せれるようになるかもしれない。
新たな組織形態「フロンティア・フ ァーム」への道 Microsoftの「Work Trend Index」(2025年4月)では、人とAIエージェントが協働す る新たな組織形態「フロンティア・ファーム」の出現が報告された。人間による 監視とエージェントの効率性との最適なバランスを見つける必要があると述べら れている。 Devinをはじめとした、その他のAIエージェントと人間の協働を仕組み化すること は単なる効率化を超え、組織変革の可能性を示している。
現状の組織 AIエージェントを組織に適応させて いく過渡期。 未来の組織 全従業員が「エージェントボス」と なり、AIと共に働く新しい形態。
まとめ:人間とAIの最適な協働を目指して 実践を通じてAIエージェントの進化を日々 体感し、人間とAIが協働する新しい開発体 制 を模索し続けていくことが未来の組織へ の投資となる。 Devinの活用はその第一歩 🚀