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耳鼻咽喉科

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May 12, 2024
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 耳鼻咽喉科

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Nobunari Shouta

May 12, 2024
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  1. 突発性難聴とは    診断 ▪3つの主症状 ・突然発症 ・高度感音難聴 (参考事項:純音聴力検査での隣り合う3周波数で各30dB以上の 難聴が72時間以内に生じた) ・原因不明    の3つを全て満たす場合に診断される。                   

     (厚生労働省「難治性聴覚障害に関する調査研究班」2015年改定) ・左側突発性難聴の聴力 像 引用参照:日常臨床に役立つチョイ足し耳鼻咽喉科診療エッセンス   渡邊 毅(メディカルビュー社) 
  2. 突発性難聴とは    診断 ▪突発性難聴 重症度分類 Grade1: 40dB 未満 Grade2: 40dB 以上、 60dB未満 Grade3:

    60dB 以上、 90dB未満 Grade4: 90dB 以上  注1 純音聴力検査における0.25kHz、0.5kHz、1kHz、2kHz、 4kHzの5周波数の閾値の平均とする。  注2 この分類は発症後2週間までの症例に適用。  注3 初診時めまいのあるものではaを、ないものではbを付け て区分する。      (例:Grade3a, Grade4b)  (厚生労働省「難治性聴覚障害に関する調査研究班」2015年改定) Grade1 Grade2 Grade3 Grade4
  3. 突発性難聴とは   治療の基本方針 ▪初期治療としてステロイドの全身投与   ・・・・・・ただし、有効性について明確なエビデンスが現時点ではない。          →とは言え、他に選択肢も無く、無治療は倫理的に許されないため、本邦の92%の    症例でステロイドが使用されており、ほぼ標準治療となっている。   →用量として、1mg/kgから始めて一週間程度で漸減していくことが多い。なお、    パルス療法は推奨されていない。

      →一週間以内に治療開始した方が聴力の改善率は上がる。                      なお、治療開始が24時間以内と7日以内で改善率に有意差無し Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jul 2;2013(7) Westerlaken、Larygoscope 2007 Huy, Otol Neurotol, 2005 Kitoh,Acta Otolaryngolgy, 2017 Kitoh,Acta Otolaryngol, 2017 (※ステロイド全身投与の有効性を対象群と比較したシステマティックレビューで、2 つのRCTのうち1つは同等、もう1つはステロイド有効と報告され、結論一致せず。)
  4. 突発性難聴とは 注意すべきステロイドの副作用 〇高血糖  未治療を含む糖尿病患者ではステロイドの副作用により高血糖をきたす為、ステロイド投与前にHbA1c の測定が必要。また、入院中は血糖測定のフォローを行い、必要に応じてインスリン併用での治療も行う。 〇B型肝炎  ステロイドによりHBVが再活性化し、de novo肝炎を発症する可能性がある。ステロイド投与と同時もしく はその前にHBs抗原を測定し、陽性なら専門医へのコンサルを。 〇せん妄・精神病

     プレドニゾロン40mg以上の投与で高リスクとされており、特に高齢者で多い。不眠症、軽い躁鬱状態~ 幻覚、妄想を伴うこともあり、精神科の受診による鑑別が必要になることも。 〇消化性潰瘍  ステロイド服用により、胃・十二指腸での潰瘍が生じやすくなることが知られており、PPIの服用等により 対応を。
  5. 突発性難聴とは 治療・検査のタイムライン(当院 耳鼻科クリニカルパスより) 1日 8日 14日 発症日数 ▪検査 ▪治療 聴力検査

    ステロイド全身投与 血糖測定 アデホス メコバラミン 150mg ステロイド (PSL) 100mg 50mg 30mg 5mg ステロイド 鼓室内投与 発症 ステロイド経口投与 7日 発症後7日以内には初期治 療を開始すべき! 聴力検査