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【人手不足解消にスマート農業を】 AWS IoT を使って クラスメソッドが農業を始めてみた
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kikuchitakeshi
July 04, 2024
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【人手不足解消にスマート農業を】 AWS IoT を使って クラスメソッドが農業を始めてみた
kikuchitakeshi
July 04, 2024
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Transcript
【⼈⼿不⾜解消にスマート農業を】 AWS IoT を使って クラスメソッドが農業を始めてみた 2024.7.4 クラスメソッド株式会社 菊地 武
Xへの投稿の際は ハッシュタグ #tohokutech でお願いいたします。 2 お願い
⾃⼰紹介 3 菊地 武 KIKUCHI Takeshi (キクタケ) 出身/居住地 • 出身地:
岩手県奥州市(大谷翔平と同郷) • 居住地: 宮城県仙台市宮城野区 経歴 • 国内大手通信キャリアでマネージドサービスの立ち上げなどに従事 • 2021年4月にクラスメソッドへ入社 ◦ 2023年7月よりAWS事業本部 運用イノベーション部へ異動 好きなこと 草むしり、土いじり、開墾
いま農業が 危機的な状況です 4
農業における課題 • ⼈⼿不⾜( 3K 労働の代表格) • 後継者不⾜ • 担い⼿の⾼齢化 •
離農の増加 • ⽶の買取価格の下落 などなど 5 ちょっと ⽥んぼの様⼦を ⾒てくる
地元の農家さんとの会話 相⼿:来年80歳のおじいちゃん(後継者なし) • 葬式とか介護とかの話 • 近所が離農した or 業者に任せた • ⽶価が安くて割にあわない
• ⾜腰が痛くてしんどい • 猛暑で朝晩しか仕事が出来ない などなど(頃合いをみて退散...) 6
IT を使って 地元東北の農業に 何か貢献したい 7
IoT デバイスが ⼈⼿不⾜の解消に 役⽴つかも 8
IoT デバイスの開発 9
デバイスの選定 10
IoT マイコン「ESP32」 11 • 名刺サイズ ⅓ ほどの⼤きさ • 1,600 円程度と低価格
• Wi-Fi と Bluetooth を内蔵 • IoT として必要⼗分なスペック • -40℃ から +125℃ で安定動作 • 消費電⼒が低い ◦ DeepSleep が可能
他デバイスとの⽐較 12 Raspberry Pi Raspberry Pi Pico ESP32 参考価格 11,550
- (Raspberry Pi 5 / 4GB) 1,540- (Raspberry Pi Pico WH) 1,600- (ESP32-DevKitC-32E 4MB) CPU quad-core 64bit 2.4GHz dual-core 32bit 133MHz dual-core 32bit 240MHz Wi-Fi あり あり あり OS 搭載 可能 不可 不可 消費電力 大きい 小さい 小さい 安定性 普通 高い 高い 情報量 多い 少ない 多い
センサーの選定 13
接続可能なセンサー 14 ESP32 は、オンボードの GPIO(汎⽤ IO )を経由して、 様々なセンサーを接続することが可能 【開発イメージ】 ブレッドボードと
ジャンパーピンを 経由して ESP 32と センサーを繋ぐ (センサーの例) • 温湿度センサー • 距離センサー • ⽔分量センサー など センサーは1個300円〜 と安価で、選択肢も豊富
プログラムの開発 15
統合開発環境「Arduino IDE」 16 • マイコン⽤統合開発環境の1つ ◦ C ⾔語ベースでマイコン開発⽤の機能追加 ◦ プログラミング学習などで使われる
◦ Windows / Linux / macOS に対応 • 元々は Arduino ⽤に開発されたものの、 それ以外のボードにも対応可能 • サンプルやライブラリ、情報量が豊富
Arduino IDE 画⾯イメージ 17
スケッチ(コード) 18 144⾏のスケッチ
低コスト化の⼯夫 19
低コスト化の⼯夫 20 • ESP32「DeepSleep」機能の活⽤ ◦ 待機時間に消費電⼒を⼤幅に抑えることが可能 • オフグリッド環境での乾電池駆動の採⽤ ◦ DeepSleep
の活⽤により、安価な動⼒源を採⽤ ▪ 太陽光パネルや蓄電池を搭載するより安価 ▪ リチウムイオン電池を搭載するより安全 ◦ 1時間1回の通信で2ヶ⽉程度の動作(机上検証)
AWS 環境の構築 21
全体構成 22
全体構成 23
⼤まかな流れ 24 • ESP32 が Wi-Fi に接続( AP は既設を流⽤) •
AWS IoT Core に認証を⾏い、MQTT プロトコル で JSON データを Publish • CloudWatch Logs に出⼒し、CloudWatch Alerm がメトリクスを監視して、アラート状態になった ら Amazon SNS トピック経由で E メール通知
いよいよデプロイ 25
その前に名前をつけよう! 26
命名 「テクノボー1号/2号」 27
宮沢賢治「⾬ニモマケズ」 28 我が郷⼟の偉⼈の代表作より命名 テクノボー テック ( Tech ) を使った デクノボー
「そういうモノ (Thing) に 私はなりたい」 ※ IoT = Internet of Things の略 ⾬ニモマケズ ⾵ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ (中略) ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ
いよいよデプロイ 29
実験場所 30 • 岩⼿県奥州市(私の出⾝地) ◦ 近所の農家さんの⽔⽥ ◦ 実家の家庭菜園 ※ 奥州市
HP より借⽤
テクノボー1号 31 ⽔⽥の⽔位を測定(1時間に1回)
テクノボー2号 32 畑の⽔分量を測定(1時間に1回)
かかった費⽤は おいくら? 33
かかったコスト 34 テクノボー1号 テクノボー2号 マイコン ESP32-DevKitC-32E 1,600- 1,600- センサー 超音波距離センサー
HC-SR04 300- 土壌湿度センサー SEN0114 500- 電池ボックス 85- 85- 昇圧コンバータ 300- 300- 屋外設置ボックス 日東工業 OP10-12A 881- 881- メッキ杭 1,480- 898- 合計 ※ 4,646- 4,264- ※ 市販品は約2万円〜(別途 API 利⽤料⾦が必要な場合あり)
開発でハマったこと 35
原因① AWS IoT 設定ミス 36
①ポリシー設定ミス • AWS IoT のポリシー設定が 間違っていた ◦ AWS IoT Core
のログを 有効化してデバッグ 37 デフォルトのログレベルが無効 状態なので、ログが出⼒されな いために設定ミスに気づくのに 時間を要した
原因② DeepSleep タイミング 38
②DeepSleep タイミング • 省電⼒化を狙うあまり、 Publish 後に DeepSleep するタイミングが早過ぎて Publish の成功率が異常に
低くなってしまった ◦ delay 時間を調整して Publish 成功率を⾼めた 39
トラブルシューティングに 役に⽴ったナレッジ 40
AWSJ 三平さんのナレッジ 41 https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/EV_aws-iot-deep-dive-3 -310-topic1_Mar-2021.pdf
開発を⾏ってみての感想 42
所感 43
所感 44 • 開発⾃体は思っていた以上に簡単 ◦ DevelopersIO の情報で簡単に動かせる ◦ ⽣成 AI
の活⽤も⾮常に有効? • ⾃宅から遠隔監視が出来るのは便利 ◦ 特に⾬天時や⾼温時は⾮常に助かる • アイディア次第で⾊々なことが出来そう • 安価なので気軽に試せるのもメリット
気をつけるポイント 45
気をつけるポイント 46 • あまり精度を追い求めない⽅が良さそう ◦ 軽量プロトコル「 MQTT 」のメリットが 享受出来ない( QoS
の設定も可能だが) ▪ 消費電⼒の増加にもつながる ◦ CloudWatch 側で閾値設定や⽋落データの 処理をした⽅が良い
今後トライしたいこと 47
今後トライしたいこと 48 • 動作期間の延⻑ ◦ 最適な給電⽅法の模索 • Bluetooth Long-Range の採⽤
• アラート時のアクション呼び出し ◦ ⽔⾨の調整、⽔やりの開始、など • 他センサーやカメラとの連携 ◦ 機械学習と画像認識/動画分析 など
まとめ 49
まとめ 50 安価なデバイス、様々な開発⽀援、AWS サービスの 活⽤により、思っていた以上に簡単に IoT デバイス の開発が出来ることが判りました。 農業のみならず、アイディア次第で様々な創意⼯夫 が出来ると思いますので、みなさんもぜひお気軽に
IoT デバイス開発にトライしてみてください!
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