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オフラインだけで上手くいかないなら、オンラインも取り込もう! OJT研修をハイブリッド化した話

中川 凌汰
June 24, 2024
59

オフラインだけで上手くいかないなら、オンラインも取り込もう! OJT研修をハイブリッド化した話

オフラインだけで上手くいかないなら、オンラインも取り込もう!
OJT研修をハイブリッド化した話ということで、発表をさせていただきます。

発表に入る前に、自分が誰なのか知らない人の方が多いと思いますので、
自己紹介させていただきます。

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自分は中川凌汰と言い、出身は奈良県になります。
富士ソフトに5年ほど勤めています。

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現在はNRIのMiroの代理店チームとして活動している、
チーム「オキザリス」の一員として、黄色の森さんや金山さんと仕事しています。

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資格は、認定スクラムマスター等の資格を保有しており、
IT業界では使わないであろう、危険物取扱者の資格も持っていますw

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趣味は、たまに一眼で写真を撮ったり、お酒を飲むことが好きで、
自宅にはこんな感じでお酒を貯めこんで、週6ぐらいで飲んでますw

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そんな自分なんですが、
おととしに自社の新人と居酒屋で飲んでいました。

そこで新人にOJT研修がどうだったか尋ねたところ、こう返ってきました。

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「先輩社員がリモートで新入社員教育をしてくれたが、リモート上でコミュニケーションをうまくとるのが大変だった」

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以前までのOJT研修では入社1~2年目の先輩社員が
新入社員とペアを組んで、対面で業務や申請等のやり方を教えていました。

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しかし、コロナが日本に上陸したことで、
対面でのOJT研修を実施できなくなり、今まで通りのコミュニケーションが取れなくなりました。

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また、急にOJT研修のやり方がリモートでのチャットベースになったことで様々な問題が発生しました。

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・情報が時間と共に流れてしまう
・意味が自分の意図とずれて伝わってしまう
・ノウハウが蓄積しずらい
・相手の表情がわからない

このような問題が新入社員のOJT研修の大きなハードルとなっており、
この現状を変えるために、自分にできることがあるのではないかと思いました。

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先ほど自己紹介の際にもお話しさせていただきましたが、
自分は森さんや金山さんと同じチーム「オキザリス」にて仕事をしています。

オキザリスでは、こんな感じでZoomやMiroを利用してフルリモートで業務を行います。

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そこのノウハウをOJT研修でも活用できるのではないかと考え、
自分は上司にOJT研修を取りまとめる旨を提案しに行くことにしました。

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このことは後になって森さんから、
「自分の上司に提案に行くのは怖くなかったの?」と聞かれました。

この質問に自分は正直戸惑いました。
なぜなら、「何が怖いのか、よくわからなかったから」です。

上司にビクビクして相談や提案ができないのが
「普通」と言われればそうなのかもしれないです。

ただ、みんなが困っていることの、改善案を出して怒られる理由なんてないんです。
これが昭和の時代なら話が変わってくるかもしれないですが、今は令和です。

提案しただけで怒られるような会社なら、この先、衰退しかないでしょう。
そんな会社に骨をうずめる方が自分にとっては怖いことだと思います。

自分はそういう考えを持っていたため、
上司に提案することに抵抗はありませんでした。

ただ、きちんと準備とかはしましたけどねw

そんな思いがあり、
自分は上司にOJT研修を取りまとめる旨を提案しに行きました。

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そのさい、「研修の取りまとめ役」の必要性を問われ、
自分は「研修の取りまとめ役はスクラムでいうスクラムマスターのようなポジション」でり、
OJT研修での障害を取り除き、コミュニケーションを活性化させることを伝えました。

また、自分がフルリモートで仕事をしているため、オンラインでコミュニケーションを活性化させるノウハウを持っており、
それを自社に活かせることもあり、
おととしのOJT研修において「研修の取りまとめ役」を任せてもらえました。

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OJT研修では「Gather」と「Miro」の2つのツールを導入しました。

Gatherとは、ドット絵RPG風のバーチャルオフィスツールで、
アバターの距離や場所によって声量が変わる通話ツールです。

Miroはオンライン上で利用できるホワイトボードですが、ホワイトボードの機能以外にも様々な機能があり、
ビジュアルコラボレーションプラットフォームとして利用されるツールです。

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Gatherの利用方法として、
新入社員と先輩が同じ場所にいない場合は「Gather」に常時アクセスし、いつでも話しかけられるようにしました。
その結果、実際にオフィスにいて話しかけに行くような行動が可能になりました。
また、全体での朝会やふりかえり時の通話でも利用していました。

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Miroでは、様々な使い方をしていました。
詳細な使い方などは後ほどご紹介させていただきますが、全員がアクセスできるボードで、
連絡事項やスケジュール管理、ノウハウの共有を行いました。
以前までの研修ではペア毎に先輩が新入社員に共有しており、情報の洩れや粒度が異なっていたのですが、
Miroで一括で共有出来るようになったため、同じ粒度の情報を新入社員に一度で伝えられる様になりました。

さらに、スクラムの知識である、
タスク管理やフィボナッチ数列を利用した見積り方法などを新人に共有したことで、
新人たちは自分のタスクを正確に管理できるようになり、
先輩から頼まれたタスクを先輩の想定通りの精度でこなせるようになっていきました。
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また、ペア毎に作成した専用のボードではレビューや日報、タスク管理や質問事項などを管理することで、
コミュニケーションがとりやすくなり、共有などが容易になりました。
新入社員と先輩はMiroでコミュニケーションを取っているため、
ペア毎に共有しているボードを覗くことで、コミュニケーションの活性化具合が見てわかりました。

それにより、
一部のペアではMiroの利用頻度が少なくコミュニケーションが上手くいっていないことに気付けました。

「なんとかしなくてはいけない」と思った自分は、
新人と先輩全員と1on1を実施していきます。
1on1を実施する際に気を付けたことは「順番」です。

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1on1では必ず、「新人」「先輩」の順で実施しました。
こうすることで「新人」の不満や疑問をあらかじめヒアリングし、「先輩」と解決に向けて動けるようになるからです。

さらに、1on1の順番は「上手くいっているペア」から必ず行います。
心理的に「上手くいっていないペア」からヒアリングをして解決したくなると思うんですが、
「上手くいっていないペア」から行うと解決策を持たないままヒアリングに挑むことになります。

なので、最初に「上手くいっているペア」からヒアリングを行い、
「なぜ、そのペアは上手くいっているのか」を分析します。

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それにより、具体的な解決策をもって、
「上手くいっていないペア」に提案できるようになり、問題の解決を行えます。

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そういったことを続けていくことで、
「オフライン」「オンライン」それぞれのメリットが見えてきました。

オフラインでは
・「新人」と「先輩」が現場にいるため、相手の様子を伺える
・顔を見て話せるため、相手の感情がわかりやすい
・自宅に比べ、オフィスの方が気持ちの切り替えがしやすい
etc...

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オンラインでは
・顔を合わせていないため、人見知りが起きにくい
・質問事項やレビューをあらかじめ記載しておき、時間がある際に確認できる
・自分のペースでリラックスして業務が行える
etc...

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こういったメリットがわかってからは、
オフライン / オンラインをペアや状況に応じて、切り替えながらOJT研修を行いました。

その結果、
その年のOJT研修では、「新人」と「先輩」は自発的にコミュニケーションを行うようになり、
次第に業務効率が上がっていきました。

また、「新人」と「先輩」にOJT研修の感想を聞いたところ、

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「先輩と積極的にコミュニケーションが取れた」
「以前に比べてコミュニケーションを取りやすくなった」
「新人教育がやりやすくなった」

など、高評価をもらえました。

そんなおととしのOJT研修でしたが、
翌年、現在からすると去年ですね。

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自分が多忙を極めており、取りまとめを行うことができず、

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チャットベースでのやり方に戻ってしまいました。

正直がっかりしましたが、
コミュニケーションを活性化させるためのノウハウを持った人が少ないため、
これは仕方ないことだと思います。

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そして今年、自分が担当したOJT研修の新人・先輩社員からの高評価もあり、
上司の方から直接「研修の取りまとめ役」を頼まれました。

これは、上司が自分のことを評価してくれたのだと思っています。

そんなことから、自分は前回の経験をもとに、OJT研修を6月から実施しており、
すでに進化の兆候が見えているように感じます。

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たとえば、今まで自分がだけが蓄積していたノウハウを、
先輩社員たちからも蓄積するようになりました。

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ほかにも、前回の研修では、新人と先輩のみが、朝会・ふりかえり会に参加していましたが、
今年からはリーダー格の人が参加してくれています。

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ここまでOJTのお話しをさせていただいて、
何を伝えたかったのかというと、みんなが幸せになれる提案を言わないのは
みんなを不幸にしているのと同じということです。

スクラムの語源になっているラグビーでもこんな言葉がありますよね?
「ワンフォーオール オールフォーワン」「みんなは1人のために、 1人はみんなのために」
周りのことを思って行動したことは、巡り巡って自分に返ってきます。

今回、自分は後輩たちが研修をやりやすいように改善したことで、
意図せず、巡り巡って自分の評価につながりました。

皆さんも周りで困っている人がいる際は、
上司に改善案等を出してみてはいかがでしょうか?

提案するだけならただですよw

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ここまでは前半戦として、ハイブリッド化に至った経緯をお話しさせていただきました。
ここから、後半戦ではMiroの具体的な使い方をさらっと紹介させていただければと思います。

その後、ディスコード等で質問いただいた内容について、
時間が許す限り深堀させていただきます。
ぜひ、説明の終了を待たず、疑問に思った時点で質問していただけると幸いです。

では、Miroの具体的な使い方をさらっと紹介させていただければと思います。

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まず、OJT研修でMiroを利用する際、5種類のボードを作成しました。
・練習ボード
・Miroの説明ボード
・全体ボード
・ふりかえりボード
・ペア毎の専用ボード

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「練習ボード」は新人にMiroの機能をいろいろ触ってもらうためのボードになります。
このボードを利用することで、Miroに不慣れな時期に、お試しで触って情報を消してしまうことを防げます。
けっこう汚くなるくらいには練習してくれてますね

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「Miroの説明ボード」はMiroとは何なのか?利用事例等を紹介するボードです。
このボードを利用することで、Miroの様々な使い方を知ることができます。

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「全体ボード」では関係者全員の自己紹介、
連絡事項やMiroの使い方や業務のノウハウ、今週のスケジュールを管理しています。
このボードは朝会で利用していました。

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「ふりかえりボード」では1週間に一度、ふりかえりを行う際に利用していました。
毎週同じふりかえり手法を利用するのではなく、都度違った手法をすることで、
様々な観点からふりかえりが行え、カイゼンが行えます。

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「ペア毎の専用ボード」は、タスク管理、日報の作成だけでなく、新人と先輩のコミュニケーションでも利用します。
ペアの数だけボードを作成し、持ち主のペアにだけ編集権限を付与します。
持ち主でないペアには閲覧権限を付与することで、互いにMiroの使い方を参考にできます。

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ここまで、さらっとMiroの使い方を、さらっとご説明いたしました。
この中で、気になる内容等はありましたでしょうか?

ご清聴ありがとうございました。

中川 凌汰

June 24, 2024
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