多くのブラウザで廃止されつつある3rd party cookieが担っていたユースケースを実現するためにPrivacySandboxというAPI群が実装されています。中でもweb広告のユースケースを実現するために、webブラウザ上で広告オーディションを実行するProtectedAudienceAPIという仕様があります。ブラウザ上での広告オークションの実行はユーザーのPrivacy情報を漏らさないようにauction workletという特殊な環境で実行されますが、auction workletの制約に加えてユーザーのWeb閲覧を妨げない高速なオークションロジックの実行も求められます。
本発表ではauction workletが持つ制約のポイントや、auction worklet環境下で開発/テストを行い、高速にオークションを実行するための方法について説明いたします。
筆者は2022年から株式会社サイバーエージェント(CyberAgent)にてProtectedAudienceAPIを含めたPrivacySandboxの検証を行なっており、PrivacySandboxAPIの議論を行なっているWICGへフィードバックやIssueを提出したり、tech blogにてPrivacySandboxの記事を執筆したりしています。