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【登壇資料】AI×プロダクト開発の最前線_2025/09/16

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September 29, 2025
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 【登壇資料】AI×プロダクト開発の最前線_2025/09/16

サポーターズColab主催のイベント「AI×プロダクト開発の最前線」に弊社 富田が登壇しました。日々の実務から得た知見をスライドにまとめています。是非ご覧ください!

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September 29, 2025
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Transcript

  1. - 1 - © Legalscape, Inc. #AI×プロダクト開発の最前線 #Legalscape Kaggle Grandmasterと創る、リーガルAIモデル開発の最前線 富⽥

    晃弘(Akihiro TOMITA) Legalscape, Inc. 2025.09.16 AI×プロダクト開発の最前線 〜AIにフルベットする4社の挑戦と現在地〜
  2. - 2 - © Legalscape, Inc. #プロヒス2024 #Legalscape 富田 晃弘(Akihiro Tomita)

    Legalscape, Inc. 趣味は絵を描くこと、家庭菜園、温泉めぐり ➢ 東京大学法学部→日本銀行 経済調査課→ミシガン大学MBA→ 日本銀行 政策企画課→PKSHA Technology→Legalscape ➢ Kaggle Grandmaster(純文系) ➢ リーガルAIの設計・実装 登壇者紹介
  3. - 3 - © Legalscape, Inc. #プロヒス2024 #Legalscape ◎ 株式会社Legalscape ◎

    リーガルスケープ × LegalScape × リーガルスペース × リーガルスコープ × リーガルフォース ← 他社さんの製品 はじめまして、リーガルスケープです
  4. - 8 - © Legalscape, Inc. #プロヒス2024 #Legalscape 要するにRAGをやってます Watson 書籍DB

    ユーザー Holmes 埋め込みモデル 前処理 LLM 後処理 クエリ スニペット 検索結果 プロンプト 生成結果 質問文 UI
  5. ©Legalscape, Inc. プロトタイプとしては良くても、プロダクトとしてはこんな疑問が 1. 実現したいことを考える ↓ 2. AIで動くものを作る ↓ 3.

    動いたら喜ぶ AIは確率的に挙動するけど、 何を持って「動いた」 というの? AIはデータを「学習」して精度が上が ることが強みなのに、 どうフィードバックをかける の?
  6. ©Legalscape, Inc. (おそらく皆さん)こうしたいと思うはず 1. 実現したいことを定式化する ↓ 2. 定式化に基づいて定量評価できるデータセットを構築する ↓ 3.

    評価が良くなるようにモデルを構築・改善する ↓ 4. 十分良いモデルができたらデプロイする ↓ 5. ログやユーザー FBからデータセットを拡充し、 2.へ戻るループ
  7. ©Legalscape, Inc. 1. 実現したいことを定式化する ↓ 2. 定式化に基づいて定量評価できるデータセットを構築する ↓ 3. 評価が良くなるようにモデルを構築・改善する

    ↓ 4. 十分良いモデルができたらデプロイする ↓ 5. ログやユーザー FBからデータセットを拡充し、 2.へ戻るループ 今日はここの概要を話します (おそらく皆さん)こうしたいと思うはず
  8. ©Legalscape, Inc. RAGの要素である検索を題材に考える 1. 実現したいことを定式化する 実現したいこと:「膨大な法情報から、ユーザーの求める文献を素早く見つける」 定式化(数式やルールとして明確に表現する ) - ユーザークエリqに対して(入力)

    - 最も関連するdocをk個を(出力) - N万件の文献集合から(データベース) - 精度指標αが最高となる形で(精度) - X秒以内に(速度) - Y円以下で(コスト) - 検索する(タスク)
  9. ©Legalscape, Inc. If you cannot measure it, you cannot improve

    it. 2. 定量評価できるデータセットを構築する LLM-as-a-judge データセットを(高すぎて遅すぎる) FrontierLLMにアノテーションさせる (※ライセ ンス要確認) 例:クエリに対する正解・不正解ドキュメント を判定させる Expert-in-the-loop ドメインの専門家(弁護士)によるドメイン知 識を活かしたアノテーション 例:この質問には必ずこの最高裁の判例を 参照するべきなので、正解データに加える query: “労働者の定義に関する判例を教えて” true_doc_id: [111,222,333,444] query: “労働者の定義に関する判例を教えて” true_doc_id: [111,222,333,444] query: “労働者の定義に関する判例を教えて” true_doc_id: [111,222,333,444] query: “労働者の定義に関する判例を教えて” true_doc_id: [111,222,333,444]
  10. ©Legalscape, Inc. ここまで来たら、実質 Kaggle 3. 評価が良くなるようにモデルを構築・改善する 精度 リソース(速度/コスト等) プロダクトととして 満たすべき一線

    ビジネス上、 許容できる一線 使い物にならない プロダクトとして 価値ある状態 使い続けられない このどちらかを 目指す
  11. ©Legalscape, Inc. まとめ 動くだけで満足しない AI開発 • プロダクトにAIを組み込む上で大切なのは、単に「動いた!」で終わらせないこと • 定式化 →

    評価設計 → モデル構築 のプロセスを通して、ユーザーに本当に価値あるものを 評価設計が実務のカギ • 「AIをどう正しく評価するか」 をどうデザインするかで、プロダクトの成否が決まる • ここをしっかり設計できれば、あとは Kaggleのように改善を楽しむサイクルに入れる Legalscapeでの挑戦 • 「膨大な法情報」を扱うという難しい領域で、まだ解かれていない課題に取り組み、リーガル AI とい う新しい分野を切り拓いています • 今日紹介したRAGはその一例にすぎません。挑戦すべきテーマはまだまだあります • AIを動かすで止まらず、価値を生み続けるプロダクトをつくりたいなら、 Legalscapeへ