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【登壇資料】「それGPTでよくない?」にどう抗うか_2025/12/13

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December 17, 2025

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  1. - 2 - © Legalscape, Inc. 富田 晃弘(Akihiro Tomita) Legalscape,

    Inc. 趣味は絵を描くこと、家庭菜園、温泉めぐり ➢ 東京大学法学部→日本銀行 経済調査課→ミシガン大学MBA→ 日本銀行 政策企画課→PKSHA Technology→Legalscape ➢ Kaggle Grandmaster(もう3年ぐらい前、上のアイコンはKaggle) ➢ AIエンジニアとして、リーガルAIの設計・実装 ⾃⼰紹介
  2. - 12 - © Legalscape, Inc. Before 自然言語+非言語 プログラミング言語 非エンジニア

    ソフトウェア エンジニア エンジニアに頼む しかない かぁ ユーザー 時間もお金もかかった けどこんなもんかぁ プログラミング言語を 操れるのは私たちだけ! 分厚い壁 「プログラミング⾔語」という壁があったが、
  3. - 13 - © Legalscape, Inc. After? 自然言語+非言語 プログラミング言語 自然言語

    非エンジニア ソフトウェア 生成AI エンジニア 生成AIを使えばソフトウェア 作れるやん もっと早くできねぇの? ユーザー このソフトウェアは生成 AIで良くね? どんどん賢くなるよ! ・・・ 「プログラミング⾔語を操りソフトウェアを作れる」というエンジニアの わかりやすい専⾨性が⽡解しつつある
  4. - 14 - © Legalscape, Inc. この整理で浮かび上がるキーワード:「⾃然⾔語」と「責任」 自然言語+非言語 プログラミング言語 ①⾃然⾔語

    非エンジニア ソフトウェア 生成AI エンジニア ②なんか おかしいんだけど ユーザー ②責任は 取れません!
  5. - 15 - © Legalscape, Inc. 「⾃然⾔語」はAIの燃料 AIは「⾃然⾔語」で表現された「形式知」しか理解しない ありたい姿 ありうる姿

    明確、論理的で 完結した⾔語化 自然言語での「言語化能力」がAIでレバレッジされる 曖昧、⽭盾があり ニュアンスに依存した⾔語化 ⽣産性/創造⼒を⾼めてくれる 有益なアウトプット それっぽいけど表⾯的で 使えないアウトプット
  6. - 16 - © Legalscape, Inc. 「タスク」の分業から「責任」の分担へ AIは「タスク」を完了させても「責任」を取らない AIのない時 (タスク分業)

    AIのある時 (責任分担) 責任者 作業 「責任」のバトンを受け取れないとAIに置き換わる Eng 責任 作業
  7. - 18 - © Legalscape, Inc. でもどうやって「責任」を持つの?重いな‧‧‧ 責任 ↓ Responsibility

    ↓ Response + Ability ↓ 応答する能力 ↓ 「状況を受け入れ、どう応えるか判断できる」
  8. - 19 - © Legalscape, Inc. 「仕事」の3段階 レベル3:熟達/Mastery 内部化された経験で対応できるもの レベル2:⾃⾛/Autonomy

    ⽅針は⽴つが、外部に経験を求めるもの レベル1:模倣/Imitation (誰か or )⽣成AIがあればできる 状況がギリわかるぐらい 不安を覚えながらも意思があれば 「責任」を取れる 心揺れることなく「責任」を取れる
  9. - 20 - © Legalscape, Inc. No「思考の丸投げ」 ⽣成AIがあると「模倣」レベルの仕事は、 できるようになってしまう ⽬先の「アウトプット」を

    出したい 楽をするために ⽣成AIに「思考」を丸投げ AIの出⼒を”ふんわり”理解し 作業を終わる 早く終わって嬉しい! 仕事早い!! (が、レベル1のまま)
  10. - 24 - © Legalscape, Inc. AIプロダクトの価値の整理 AIプロダクトの価値を因数分解すると、アプリ( UI/UX)・AI・データの3層構造 アプリ層:「どう使うか?」

    ユーザーとの接点を担い、AIの出力を「ユーザー体験」に転換 する層、いわゆるUI/UX AI層:「どう考えるか?」 データをユーザーにとって有益な出力に変換する層。中核は生 成AIだが、周辺の仕組み(検索、各種 Toolなど)を含む データ層:「何を知っているか?」 AI層に対して入力することできる情報を蓄積する層
  11. - 25 - © Legalscape, Inc. ①LLM Wrapper型 ユーザー入力/Web検索 既存LLM

    + プロンプト エンジニアリング 圧倒的に 優れたユーザー体験 • LLMやデータはありものを使い、 UI/UXに注力 して勝負する型 • 良いUI/UXを実現できれば、スピード感を持って スケールできる • 技術的な参入障壁が低く、大手や競合に模倣さ れるリスクと常に隣り合わせ ◦ Cursor vs Antigravity
  12. - 26 - © Legalscape, Inc. ②顧客データ活⽤型 LLM + 検索他周辺モジュール

    業務に適した体験設計 顧客データ • 顧客の持つ業務データから価値を作る型 ◦ プロジェクト型のほとんど • 業務に密結合した価値を実現できる&顧客自身 では不可能な技術力で高みに登れれば⭕ • 起点となるデータは顧客所有のため、内製化圧 力に晒されうる ◦ NotebookLM等をうまく使えばできることも 多いか ◦ MCP等の発展で社内データとの接続の ハードルは下がっている
  13. - 27 - © Legalscape, Inc. ③独⾃データ保有型 LLM + 検索他特化モジュール

    業界に適した体験設計 • ドメイン特化の独自データを蓄積し、ドメイン 最適化で垂直統合する型 ◦ 弊社は法情報を網羅するという意味でこの類型 ◦ 独自データはプロダクトの利用によって生み出される ものでも良い • 独自データをそのドメインの価値に転換できれ ば、参入障壁は高い(はず) • データもAIもUIUXもと、プロダクト開発の領域 が広くなる 独自データ資産
  14. - 28 - © Legalscape, Inc. 3類型の⽐較 私自身は③に流れ着いた ①LLM Wrapper

    ②顧客データ活用 ③独自データ保有 ユーザー入力/Web検索 既存LLM + プロンプト エンジニアリング 圧倒的に 優れたユーザー体験 LLM + 検索他周辺モジュール 業務に適した体験設計 顧客データ LLM + 検索他特化モジュール 業界に適した体験設計 独自データ資産
  15. - 32 - © Legalscape, Inc. 私たちはどうするべきか 生成AIが社会を飲み込むことは避け難い、代替されるという健全な不安を持とう 良くない状態 •

    「自然言語」の重要性を忘れて、「プログラミング言語」に固執する • 「責任の分担」という視点がなく、「タスクの分業」から抜け出さない • 目先の生産性に囚われて、 AIの「模倣」をしてしまう • 自分の作るものに興味なく、どの類型でどう抗う戦場にいるのか自覚がない