Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

大人数でのスクラム / Scrum with many people

nako418
July 27, 2023
450

大人数でのスクラム / Scrum with many people

Chatwork社の社内イベントにてゲストとして登壇させてもらったときの資料です。

nako418

July 27, 2023
Tweet

More Decks by nako418

Transcript

  1. チームのこと • ⼈数構成 • プロダクトオーナー 1⼈(わたし) • スクラムマスター 1⼈ •

    開発メンバー 21⼈ • 期間 • 2020/07〜 • コロナで100%リモートになった頃から • 2023/07でちょうど3年
  2. チームのこと • 特徴 • 開発チームは専⾨領域をつくらないフィーチャーチーム • 変化 • スクラムチーム内でのチーム替えや、異動等によるメンバーの⼊れ替えはある •

    扱うプロダクトと、プロダクトオーナー、スクラムマスター変わらず • 周辺事情 • うまくいっているねと⾔われることが多い
  3. ⼤規模スクラムのフレームワークを使うとコミュニケーションパスが減る • LeSSにもScrum@Scaleにも、コミュニケーションパスを減らすプラクティスがある • LeSSでは開発チームを複数持つ • Scrum@ScaleはScrum of Scrumでスクラムチームを複数持つ •

    それぞれ、内部で定義されたチームごとに⾏うイベントと、その代表者が参加して⾏うイベント がある • 1つのイベントに参加する⼈数が⼤⼈数になりすぎない ී௨ͷεΫϥϜͱͷࠜຊతͳҧ͍͸ਓ਺͔ͩΒͦ͜ɺ ಛఆͷҰਓ͔Βݟͨͱ͖ͷύεΛԾ૝తʹݮΒ͢Α͏ͳϓϥΫςΟε ͕͋ΔͷͰ͸ʁ
  4. ⼀度にできることが増えるとどうなる︖ • 優先順位付けが難しくなる • 分業が進む • 知らない領域が増える • 全体が⾒えなくなる •

    同じ⽅向を向きにくくなる • 部分最適が進みやすくなる いずれも、⼤⼈数でスクラムをやるうえでのトレードオフ(向き合わなければならない課題)
  5. ⼀度にできることは本当に増えるのか︖ • チームの⽣産⼒ (開発メンバーの⽣産⼒の合計) * (チームによる相乗効果) • 例 Α͋͘ΔεΫϥϜνʔϜ େਓ਺ͷεΫϥϜνʔϜ

    ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ             ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ ͷ࿨ εΫϥϜνʔϜͷνʔϜྗ -F44νʔϜ
  6. ⼀度にできることは本当に増えるのか︖ • チームの⽣産⼒ (開発メンバーの⽣産⼒の合計) * (チームによる相乗効果) • 例 Α͋͘ΔεΫϥϜνʔϜ ਓ෼ͷྗ

    νʔϜྗ ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ             ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ ͷ࿨ εΫϥϜνʔϜͷνʔϜྗ -F44νʔϜ ഒ ഒ େਓ਺ͷεΫϥϜνʔϜ
  7. ⼀度にできることは本当に増えるのか︖ • チームの⽣産⼒ (開発メンバーの⽣産⼒の合計) * (チームによる相乗効果) • 例 Α͋͘ΔεΫϥϜνʔϜ ਓ෼ͷྗ

    νʔϜྗ ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ             ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ ͷ࿨ εΫϥϜνʔϜͷνʔϜྗ -F44νʔϜ ഒ ഒ େਓ਺ͷεΫϥϜνʔϜ
  8. ⼀度にできることは本当に増えるのか︖ • チームの⽣産⼒ (開発メンバーの⽣産⼒の合計) * (チームによる相乗効果) • 例 Α͋͘ΔεΫϥϜνʔϜ ਓ෼ͷྗ

    νʔϜྗ ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ             ਓ෼ͷྗ νʔϜྗ ͷ࿨ εΫϥϜνʔϜͷνʔϜྗ -F44νʔϜ ഒ ഒ ഒ ഒ େਓ਺ͷεΫϥϜνʔϜ
  9. 起きていそうなこと • ⼈数が多ければ多いほど、みんなが同じ⽅向を向きにくい • 船⻑(PO)はこっち(どっち︖)って⾔っている • 各チームの代表者はそれを聞いているが、その場にいなかった⼈には伝わらないケースも • 各チームでは部分最適化が進む •

    代表者は各チームに戻ると情報共有しつつも⾃分たちのやるべきことにフォーカスする • 天気(周囲の状況)が変わっていることに気づけないことも • 隣のチームの出⼒があがってバランスが崩れたことに気づけない • いろんな⽅向に⼒が働けば働くほど相殺されて前に進まない、進みが遅くなる • 全体の不調和にいち早く気づき共有する • 遠くから全体が⾒えている監視員(SM)が今の向き先にある課題を共有する • チーム間で連携を取る新たな動きがうまれ、安全な航海ができる
  10. なにをしたのか • 課題はたくさん • ⼈数が増えて⼀度にできることが増えることで起きる課題 • コミュニケーションにおける課題 • なにをしたのか •

    コミュニケーションをスムーズにするための⼯夫 • 向く⽅向を揃えるための⼯夫 εΫϥϜνʔϜͷϝϯόʔ͕ͦΕͧΕͷ෼໺ͰΞϓϩʔν
  11. アイテムの詳細を書き出す • ⽬的 • 情報共有を記憶に頼らない • 同じ⾔葉で情報を視覚的にも取得できるようにする • やったこと •

    プロダクトバックログアイテム⽤のテンプレートを作成 • リファインメントでお話した内容をコメントにメモ チームで利⽤しているテンプレートの例
  12. レトロスペクティブでスクラムチームについて話す • ⽬的 • スクラムチームの全体最適 • やったこと • スクラムチーム全体を⾒ているスクラムマスターから課題を提⽰ •

    チームの課題をスクラムチーム全体で取り上げる場合はスクラムチームとしての課題かの確認から • 課題だけでなく、理想像や良かった取り組みの共有もおこなう
  13. Working Agreement の⾒直し • ⽬的 • チームの関係性の質をあげる • チームに対する期待値を可視化 •

    やったこと • Working Agreementをルール(守らせたいもの) ではなく、チームに期待することと定義 • チームとして⼤事にしたい価値観上位3つ • それぞれの価値観に沿った⾏動と 反した⾏動を元に「⾏動指針」を作成 Working Agreement 作成ワークショップ
  14. マネージャー間での情報共有とメンバーとの1on1 • ⽬的 • 個々のメンバーの成⻑に向けたフィードバックに活かす • マネージャー同⼠が向いている⽅向を揃える • やったこと •

    マネージャー陣で会話しまくる • メンバー個⼈の良い⾏動や課題、フィードバック • それぞれの視点から⾒える情報を共有する • ⾃分以外の視点も踏まえてメンバーと1on1 Θ͍Θ͍
  15. プロダクトオーナーとメンバーで1on1 • ⽬的 • プロダクトオーナーと開発メンバーの距離感を近づける • わたしがメンバーのみんなと仲良くなる • やったこと •

    定期的に1on1でお話する時間を設定 • 雑談やプロダクトに関する相談、振り返り ࠷ۙͲ͏Αʁ ఱؾ͕ྑ͗ͯ͢ॵ͍͠ɺ ম͚ͯ͠·͏ͷ͕ؾʹͳͬͯɻɻ ͍͍೔ম͚ࢭΊ͋ΔΑʂ ڭ͍͑ͯͩ͘͞ʂ ࠷ۙͲ͏Αʁ ྑͦ͞͏ʂϓϩμΫτͰ΍ͬͯ ΈΑ͏ΑʂΞΠςϜ࡞ͬͯ΄͍͠ͳ ͥͻʂΞΠςϜ࡞Γ·͢ʂ ΍ͬͯΈ͍ͨ͜ͱ͕͋ΔΜ Ͱ͚͢Ͳɺɺ͜ΕͲ͏ࢥ͍·͢ʁ
  16. 半期ごとのキックオフ • ⽬的 • 半期のプロダクトゴールを提案 • チームがいまいる場所の認識を揃える • 今期もがんばろうという気持ちになる •

    やっていること • 前期のふりかえり • 前期できたことを確認 • 今期の⽬標 • 今期⼒を⼊れること 2021H2キックオフ資料より↑→
  17. 半期ごとにインセプションデッキを作成/⾒直し • ⽬的 • ⾃分たちが担当しているプロダクトに向き合う • チームメンバーがお互いに考えていることを知り、すり合わせる • やっていること •

    プロダクトのフェーズに合わせてスコープを提⽰ • ⼀部の項⽬にフォーカスして議論 • 事前のグループ分け&ワールドカフェ形式での議論 • 参考 • https://agile-monster.com/blog/5minutes-inception-deck/ インセプションデッキのテンプレートより https://github.com/agile-samurai-ja/support/tree/master/blank-inception-deck
  18. 毎スプリント内でのリファインメント • ⽬的 • アイテムだけでなくエピックレベルの情報にも⽬を向ける • ⾃分のチームが担当していないことの状況を知る • やっていること •

    リリース計画 • 直近の周囲の情勢を共有 • 情勢にあわせてロードマップを アップデート ある四半期のざっくりなロードマップ ある⽉のスケジュール
  19. 毎スプリント内でのリファインメント • ⽬的 • アイテムだけでなくエピックレベルの情報にも⽬を向ける • ⾃分のチームが担当していないことの状況を知る • やっていること •

    リリース計画 • 直近の周囲の情勢を共有 • 情勢にあわせてロードマップを アップデート ऴΘͬͨ΋ͷʹ νΣοΫΛೖΕͨΓ ある四半期のざっくりなロードマップ ある⽉のスケジュール ௕Ҿ͘΋ͷ͸ εϥΠυͤͨ͞Γ
  20. ⼈数が多いからこそロールに沿ったアプローチをする • 各チームは開発者としての責任を全うするためのアプローチを • ⾃分たちのチームの最適化 • 周囲のチームとの連携 • スクラムマスターはスクラムチーム全体を⾒たアプローチを •

    チーム単体では気づきにくい課題の提⽰ • 先を⾒据えた提案 • プロダクトオーナーはスクラムチームが向く⽅向を揃えるアプローチを • スクラムチームが向かう先を常に指し⽰す ⼀度取り組んだら終わりではなく、課題の解消/改善を続けていくのがだいじ ⼩さくても1つずつ確実に良くしていく