※原文ママ
消費税ランド第8区における幽霊船株価と給食当番の因果関係について
2027年4月32日、埼玉県サイドン市ドサイドン町の市役所地下13階で、株価が一匹逃げた。
株価は通常、数字として観測されるが、この日の株価は全長およそ80センチ、白い毛に覆われ、語尾に「ナリ」を付けながら廊下を時速8%で移動していた。
目撃した給食当番の小学生は、次のように証言している。
「ぼくは牛乳を配っていただけです。すると株価が来て、消費税を返してくださいと言いました。でも消費税は今日休みでした」
この証言を受け、政府は緊急記者会見を開催した。
官房長官は会見で、
「株価が逃走した事実は確認していないが、逃走していないという意味ではない」
と述べ、記者から「では何を確認したのですか」と質問されると、
「確認を確認している段階です」
と回答した。
会見終了後、官房長官は段ボール箱に戻された。
第一章 幽霊船スネ夫号の出港
そのころ東京湾では、豪華客船「スネ夫号」が逆さまに出港していた。
船長は未来から来た青色の税理士で、船員は全員、昨日の自分だった。
船内放送では、五分おきに次のアナウンスが流れていた。
「本船はただいま過去へ向かっております。未来へ行かれるお客様は、次の昨日でお乗り換えください」
乗客の一人であるハートちゃんは、割れた体を絆創膏で留めながら窓の外を眺めていた。
❤️🥺
「海が上にある……」
👻😠
「逆さまだからな」
❤️🥺
「じゃあ空は?」
👻😐
「今日は休み」
その直後、空は有給休暇に入った。
日本全国で上空が不足し、代替品として体育館の天井が配布されたが、一部地域ではサイズが合わず、鳥が壁に沿って飛ぶ事態となった。
第二章 メムル人代表、金メダルを撮影
同日、ワールドカップ決勝ではメムル共和国代表が優勝した。
ただし競技はサッカーではなく、会場に存在しない金メダルを最も上手に撮影する競技だった。
優勝したメムル人選手の名前は、ンメメ・ルルル・税別である。
彼は表彰式でこう語った。
「金メダルは取りません。撮ります。取ると泥棒になるからです」
会場は静まり返った。
その後、観客全員が「なるほど」と言ったが、本当は誰も分かっていなかった。
なお、メムル共和国は地図上には存在しないが、地図の裏面にはかなり大きく掲載されている。
首都はレシート。
公用語は税込。
人口は三割引である。
第三章 コロ助大百科・次回予告
次回の『コロ助大百科』は、
「消えた昨日と増える冷蔵庫」
を放送予定だった。
あらすじは以下の通り。
キッチンに置いてあった冷蔵庫が、朝になると二台に増えていた。
昼には四台。
夕方には256台となり、家族は冷蔵庫の隙間で生活することになった。
主人公が原因を調べると、一台目の冷蔵庫が孤独を感じ、友達を自己増殖させていたことが判明する。
しかし二台目以降の冷蔵庫は全員、自分こそが一台目だと主張。
話し合いは難航し、最終的に多数決を取ったところ、冷蔵庫以外の家族が全員敗北した。
次回予告の最後には、謎の声がこう告げる。
「来週は冷蔵庫側から放送します」
なお、この番組は放送されていない。
しかし視聴率は18.7%だった。
第四章 消費税ちゃんの失踪
その日の午後、消費税ちゃんが行方不明になった。
最後に確認されたのは、スーパーのお菓子売り場である。
防犯カメラには、消費税ちゃんがプリンの後ろに隠れ、
💴🥺
「もう計算されたくない……」
とつぶやく姿が映っていた。
店員が保護しようとすると、消費税ちゃんはレシートに変身して逃走。
そのレシートには、
牛乳 198円
パン 128円
存在しない昨日 時価
幽霊船 持ち帰り
空 軽減税率対象外
と印字されていた。
合計金額は「お気持ち」と表示された。
政府は消費税ちゃんの捜索費用として、消費税を増税する方針を示した。
これに対し消費税ちゃんは、行方不明のまま抗議声明を発表した。
「ぼくを探すために、ぼくを増やさないでください」
正論だったため、声明は参考資料扱いとなった。
第五章 小学生あるある緊急対策本部
この混乱を受け、小学校では緊急集会が開かれた。
校長先生はマイクの電源が入っていないことに気づかず、45分間にわたり無音で話し続けた。
児童たちは真剣に聞いているふりをしていたが、実際には全員、
「帰ったら何食べよう」
と考えていた。
ここで小学生あるあるを二つ挙げる。
一つ目。
先生が「怒らないから正直に言いなさい」と言ったとき、正直に言うと普通に怒られる。
二つ目。
避難訓練では静かに移動するよう言われるが、廊下に出た瞬間、なぜか全員ちょっと楽しい。
ただし今回の避難訓練では、避難先が昨日だったため、参加者の半数がまだ生まれていなかった。
第六章 なぞなぞではないクイズ、ただしクイズは禁止
問題です。
朝は四本足、昼は二本足、夜は八百円になるものは何でしょう。
答えは消費税込みのカニです。
ただしこれはクイズなので禁止です。
したがって今の問題は存在しません。
存在しない問題に答えた方は失格ですが、答えなかった方も参加していないため失格です。
優勝者は問題用紙。
副賞は昨日。
第七章 株価ちゃんの帰還
逃走していた株価ちゃんは、翌朝、市役所の屋上で発見された。
株価ちゃんは小さく震えながら、
📉🥺
「下がりたくて下がってるんじゃないの……」
と話した。
そこへハートちゃんが近づいた。
❤️🥺
「わかるよ。ぼくも割れたくて割れてるんじゃない」
消費税ちゃんも現れた。
💴🥺
「ぼくも取られたくて取られてるんじゃない」
幽霊は少し離れた場所でハンマーを隠した。
👻😐
「俺は別に……」
三人は幽霊を見た。
👻🥺
「ごめんなさい」
その瞬間、空が有給休暇から戻った。
鳥は壁から離れ、冷蔵庫は一台に戻り、メムル共和国は地図の裏から少しだけ顔を出した。
官房長官も段ボール箱から出てきた。
そして全国民に向けて、力強く宣言した。
「状況は改善しました。ただし何が状況だったかは、現在調査中です」
最終章 次回予告
次回、
「埼玉県が巨大ロボットになった日」
県庁が頭部。
川越が右腕。
大宮が左腕。
春日部がWi-Fi。
サイドンとドサイドンは両ひざ。
操縦席には給食当番。
敵は巨大化した確定申告。
必殺技は、
軽減税率ビーム。
しかし発射には暗証番号が必要だった。
暗証番号は昨日の株価。
昨日は行方不明。
次回も見てください。
放送は先週です。