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LLMはステートレスである

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May 08, 2026
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 LLMはステートレスである

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May 08, 2026

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  1. 「ステートレス」とは LLMは純粋関数: f(トークン列) → 次のトークンの確率分布 同じ入力 → 同じ出力(temperature=0なら) 推論時にモデルの重みは 一切変わらない

    内部に「記憶」を保持する機構がない → HTTPサーバーの1リクエスト1レスポンスと同じ世界観 ※ temperature は出力分布の鋭さを変えるパラメータ。0で最も決定論的だが、GPU演算の非決定性で完全一 致しないこともある 2026-05-08 / 28 3
  2. 「会話の記憶」はどこにあるか [1回目] user:「Pythonでソートを教えて」 → 入力: [system] + [user1] [2回目] user:「もっと短く」

    → 入力: [system] + [user1] + [assistant1] + [user2] LLMにとっては 毎回が「初めまして」 。 過去の文脈は、入力テキストとして 外から注入 されている。 2026-05-08 / 28 4
  3. 「ステートフルに見える」錯覚の正体 錯覚 実態 会話が続いている アプリが履歴を毎回送信している 名前や文脈を覚えている プロンプトに含まれているから読んでいるだけ 性格・口調が一貫する System promptが毎回注入されている

    学習しているように見える Fine-tuningは別プロセス、推論中は学習しない → 人間のメンタルモデル(相手は記憶を持つ)を投影してしまうのが原因 2026-05-08 / 28 5
  4. アナロジー: 『博士の愛した数式』の博士 数学の天才、ただし 記憶は80分しか持たない スーツのあちこちにメモを留めて生きている ( 「新しい家政婦」 「私の記憶は80分しかもたない」 ) 会うたびに「初めまして」

    、でもメモを読めば状況を把握できる メモを読んで初めて、最初からいたかのように振る舞える メモに書ききれない情報は、博士には存在しないのと同じ → LLM もまったく同じ構造 (数学の知識=モデルの重み、メモ=プロンプト、80分=コンテキストウィンドウ) 2026-05-08 / 28 6
  5. プロンプトの構成要素 ≒ 関数の引数 ステートレスな関数に、毎回「状態を組み立てて渡す」 : 要素 役割 System prompt 人格・ルール・制約

    Few-shot examples 期待する振る舞いパターン 会話履歴 文脈 RAGの検索結果 外部知識 ツール定義 使える関数の仕様 → 全部「関数の引数をどう組み立てるか」の問題 2026-05-08 / 28 8
  6. 制約ではなく 利点 でもある ステートレスだからこそできること: 並列化 — 同じモデルを何並列でも干渉なし (multi-agent、self-consistency) 再現性 —

    同じ入力なら同じ出力(temperature=0) プロンプト保存=結果再現 デバッグしやすい — 入力を見れば原因がわかる ステートフルなシステムでは難しい性質。 2026-05-08 / 28 9