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2025年の税制改正、 freee⼈事労務はどう開発したか

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December 05, 2025

2025年の税制改正、 freee⼈事労務はどう開発したか

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December 05, 2025

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Transcript

  1. 稲葉 康太 (shiro)
 2025 年 4 月 freee 入社。
 人事労務の給与計算の開発を担当。


    AWS とフルスタック TypeScript を
 こよなく愛す。
 AI エージェントの活用の探索が好き。
 給与労務開発部 エンジニア
  2.   税制改正の中⾝を軽くキャッチアップ • 基礎控除、給与所得控除の引き上げ ◦ いわゆる「103 万の壁」が 123 万まで UP

    • 「源泉控除対象親族」範囲拡⼤ ◦ 従来「控除対象扶養親族」、⼀律の壁 ◦ 19 歳以上 23 歳未満は「特定親族」、さらに 165 万円まで引き上がる • 税額表の更新 ◦ 「給与をいくらもらっていて、扶養親族が何⼈のとき、所得税はいくら」 被扶養としてカウントされる条件が緩和され、 扶養している⼈は税⾦が安くなる
  3.   • セルが結合されているので規則的に参照 して抜き出せない • 文章中に出てくる数字だけ欲しいが、表記 のパターンが多くて、人間が数字めがけて コピペしたほうが絶妙に早いので自動化す るモチベが起きない •

    レンジが「〜 0 円を超え」と表記されている ところは、実際のロジックでは「〜 1 円以 上」で判定したいので要書き換え • 例年、これを DB のレコードの体裁に変換 するのに Eng が 3 人並行作業して突き合 わせをしている AI に奪われない仕事 (泣) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/ zeigakuhyo2026/01.htm 月額表 Excel より
  4.   AI を開発フェーズで存分に活⽤するには • ドメイン知識がすべて プログラム / LLM フレンドリーなテキストの形で 表現されていること

    (狭義のデジタル化) ◦ LLM は⽂章の解釈は得意 ◦ マルチモーダルなモデルなら PDF や画像でも解釈は可能で はあるが、難あり ◦ 表形式もたまに間違う ▪ これは実態がテキストである CSV や markdown であっ ても
  5.   AI を開発フェーズで存分に活⽤するには • 静的な解析やテストを最⼤限に活⽤する ◦ LLM の出⼒のゆらぎによって発⽣する疑念は最⼩化したい ◦ 正しさを担保するための⼿段

    ◦ 型注釈やテストケースの充実 ▪ ドメインが型として表現できていれば、期待する振る舞 いがテストケースになっていれば、それぞれプロンプト 経由でコンテキストに詰めなくていい ◦ 「これを守っていれば勝⼿に正しくなる」ガードレール、 ワークフロー、使いまわせるパーツの形で保管する ◦ 膨⼤な出⼒の量を短時間でこなすことは LLM の得意分野
  6.   AI を開発フェーズで存分に活⽤するには 労力 • ゴールが見えているコードの出力 • テストケースの列挙 • etc

    能力 • ドメインと照らし合わせて実装があるべき形 を守れているかどうかを見抜く力 • ドメインを過不足なく切り出し、変換して LLM に伝授する力 https://codezine.jp/article/detail/20111?p=3 和田卓人氏の金言
  7. 給与だけプロジェクト制なワケ → 法令改正の差し込みが頻繁にあるから 例えば今回の税制改正対応なら • 2024/12/27 財務省 令和7年度税制改正の大綱 2025 年中のどこかで開発しなくてはいけないことがわかる

    • 2025/06~08 国税庁 令和8年「扶養控除等申告書」「令和 8年分源泉徴収税 額表」 この間、少しずつ改修に向けた下調べはできるが、作業開始はできない • 2026/01 の給与は 2025/12 から計算を始めたい → 11 月中にはリリースしないといけない FY, Q の開始時点のロードマップと随時組み換えを行い、 Eng のアロケーションを調整するニーズが給与ドメインにはある
  8. 職能の「越境」 • 開発に携わる職種は PdM、AD、Eng、QA と分かれているものの、 AI の支援を借りて異なる職能に入門することは容易になった ◦ PdM 並みにドメインや製品、ユーザー行動に詳しい

    Eng ◦ コードベースの調査や修正まで自力でやってしまう PdM、AD ◦ 実際にそういうモチベがある人もいるし、 集まって越境勉強会をやっている ▪ PdM が Ruby を、AD は React を学び、 Eng は給与を手で計算している • 「フルスタック」という言葉の射程が エンジニア以外の職能にも伸びていく流れの興り ◦ がんばろうね