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Azure の知識地図の執筆にあたって

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July 26, 2025
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Azure の知識地図の執筆にあたって

.NETラボ 勉強会 2025年7月 での発表内容です。

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skmkzyk

July 26, 2025
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Transcript

  1. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. https://www.progrive.co.jp https://www.progrive.co.jp

    株式会社プログライブ コンサルティング Kazuyuki Sakemi (酒見 一幸) Azure の知識地図の執筆にあたって 2025/07/26 1
  2. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Summary Azure

    を中心とした開発や運用自動化のスペシャリストとして、 日系・外資系 SIer や日本マイクロソフトを経験し、現職にて活躍中。 独法や文教業界を中心に、要件定義から設計構築、NW/SV/アプリ 運用までの幅広いプロジェクトに従事。日本マイクロソフトでは、顧客の コスト最適化や人材育成に向けたコンサルティングを中心に、ビジネスの 加速に貢献。2024年08月、Microsoft MVP for Azure に選出。 自己紹介 https://twitter.com/_skmkzyk https://zenn.dev/skmkzyk https://atbex.attokyo.co.jp/blog/001013001/ 酒見 一幸 (Kazuyuki Sakemi) from 株式会社プログライブ コンサルティング https://speakerdeck.com/skmkzyk
  3. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. アウトプットするモチベーション 4

    ◼ 誰かに褒められたいから ⁻ 「~さんの記事、読んだよー」とかはうれしい ◼ 副次的なブランディング ⁻ 「(ある技術について) といえば~さんだよね」みたいなみんなの認知を得られる ◼ 未来の自分を助けるため ⁻ 何か調べてものをしていたら過去の自分の blog 記事にたどり着く、なんてこともしばしば ⁻ 何でも覚えておくことはできないので、blog 記事にしておけばいったん 安心して忘れられる ◼ 技術を調べるのの補助になる ⁻ アウトプットしようと思うとある程度整理する必要があり、それがまた勉強になる ⁻ (塾の講師を 6 年間やっていましたが) 誰かに教えるためには結構深く知っておく必要があるので、知識が増える ◼ なぜ技術記事を書くのか (日本マイクロソフト 土田さんの blog) ⁻ https://zenn.dev/07jp27/articles/why-i-write-tech-blog
  4. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. アウトプットのパターン 5

    ◼ Twitter (現 X) ⁻ 呼吸をするようにポストできるタイプ ⁻ あまりまとめずに生まれた感情をそのまま発露できる ⁻ 他、Facebook、LinkedIn など生息地は様々 ◼ Blog ⁻ 文章の長さは人それぞれ ⁻ 文章の構成、図・表を入れるかどうか、 ちゃんと書こうとすると結構時間はかかる ⁻ Zenn、Qiita などのプラットフォームが有名 ◼ 登壇 ⁻ 今みたいなやつ ⁻ いろんな勉強会があるので 登壇の機会はいっぱいある、しよう、してほしい ◼ 同人誌 ⁻ (ここではバーコードがつかない本ということで) ⁻ 電子版オンリーでもやりやすい ⁻ あんまりお金儲けのためにやるというよりかは Blog 等のアウトプット欲の延長線上にあるイメージ ⁻ コミケ、技術書典、技書博 などがある ◼ 商業誌 ⁻ (バーコードがついている本) ⁻ (ちなみになんでバーコード 2 本あるかご存じですか) ⁻ 一般の本屋さんに並ぶ、とてもうれしい ⁻ 編集者さんに入ってもらって、絵がきれいになったり、 全体の構成もまとめていただけたりする ⁻ 印税が入る
  5. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure の知識地図の執筆となったきっかけ

    9 ◼ 技術書典に “もっちりソフト” というサークルで何度か参加 ⁻ Azure MixBook というオムニバス形式の Azure 同人誌を毎回出していた ⁻ 自分たちの興味のある内容を書いているがゆえに、割りと難しいというか、込み入った内容が多かった ⁻ Azure MixBook を理解するためにまた別の本を読む必要がある・・・? ⁻ 日本マイクロソフト 土田さんから、「じゃあそういう本書こうか」みたいな流れに ⁻ この本は ”Takeoff into Azure” という本で、技術書典 16 で出していた分のみしか世の中に存在していません ⁻ 技術書典 16 が開催される頃には出版社の方にお声がけいただいており、 自分たちの中でカニバってしまうことになるため “Takeoff into Azure” の増版はない、という結論に ⁻ Microsoft Azureの入門書「Azureの知識地図」を出版します! ~ 経緯と内容の紹介 https://zenn.dev/07jp27/articles/book-release-azure-roadmap
  6. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 技術同人誌のアウトプットが商業誌につながった 11

    ◼ 実現はしなかったものの、技術書典に出しているとほかの出版社の方にお声がけいただくこともある ⁻ うわさで聞いた話だと “技術の泉シリーズ” は結構技術同人誌がもとになっている様子 ◼ Azure の本は最近増えている、出版社の方も執筆者を探しているかも ⁻ Azure OpenAI Service の導入をきっかけに、Azure を利用しているユーザーも増えつつあるのでは ⁻ AZ- などの資格試験対策の本も、徐々に増えてきている肌感 ◼ 特に、入門書については比較的売れる傾向がある ⁻ 全体のパイが比較すれば大きい、ただそもそも IT エンジニア向けというフィルターがかかる ⁻ 技術的に込み入った本についてはどうしても読者が減る、仕方ない
  7. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 本の書き方 13

    ◼ 「千差万別で何も言えねぇ」というのが正直なところなのですが、1 例として私たちのパターンということで ◼ もっちりソフトとして ⁻ Re:VIEW (https://github.com/kmuto/review/) を使わせていただいております ⁻ Re:VIEW フォーマットという文法で書くことになり、やや慣れるのに時間がかかるかも ⁻ 実際には Re:VIEW Template (https://github.com/TechBooster/ReVIEW-Template) を使ってる、はず ⁻ 技術書典で利用するようになんかカスタマイズされたやつ ⁻ 最終的には TeX をバックエンドとして利用しているため、TeX の命令を書けば何でもできる
  8. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 本の書き方 (contd.)

    14 ◼ Azure の知識地図として ⁻ Takeoff into Azure の原稿や図 (の .pptx) をお渡しする感じ ⁻ 細かい組版などについてはお任せなので細かいところはあまりわからない ⁻ 初稿、みたいな形で先方から送られてくるので、変更点を書いて、伝えて、直していただく
  9. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 大変だったこと 15

    ◼ Takeoff into Azure の時 ⁻ Azure の歴史を振り返ろうと思うと、公式なものがなんかほとんどない ⁻ Microsoft Learn はどんどん書き換わってしまっていて、過去の情報が全然ない Silverlight 時代 クラシック ポータルがさぁとか “Windows” Azure だったんだよぉ  (ちなみにさけみさんが Azure 触れ始めたのは 2017 年くらい、たぶん、クラシック ポータルの思い出はあんまりない) ⁻ ブチザッキとさとうなおきさんのブログとかを見ながら当時のことを書いていたりした、ありがたい ◼ Azure の知識地図の時 ⁻ ケースバイケースですが、修正依頼が pdf にコメントを打つ、だった。。。 ⁻ (GitHub 上でのやり取りとかがよかったなぁー。)
  10. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 無事出版されました! 17

    ◼ とっても嬉しい! ◼ 技術評論社さんの場合 ⁻ 初版の見本誌が 3 冊届きます ⁻ (めでたく!) 2刷の見本誌は 1 冊 (たぶん)、届きます ◼ わたしが #旅するAzureの知識地図 で持ち歩いているのは当初もらった見本誌のうちの 1 冊です ⁻ 日本から一番遠くまで行ったのは Seattle ⁻ Microsoft Ignite @ San Francisco のほうが遠いかも?
  11. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. なぜ #旅するAzureの知識地図

    をやっているのか 18 ◼ 面白いから → 80% ⁻ 「ぬい撮り」という文化がある、ぬいぐるみと一緒にいろいろ回って写真を撮る ⁻ んじゃ自分の書いた本で「本撮り」すればいいのでは?? ◼ 販売促進のため? → 20% (後付け) ⁻ いくらいい本だとしても、やっぱ露出が増えたり、話題にならないと売れないらしい “技術書とお金の話” というイベントがたまーにあるんですが、とても面白い、オフレコオンリー ⁻ とりあえず面白そうってことで始めた #旅するAzureの知識地図 が販売促進につながるかもしれない ⁻ イベントとかで日本各地、アメリカとかに行ったときに写真を撮って Twitter (現 X) に流せば とりあえず誰かの目には止まる
  12. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 印税・・? 20

    ◼ ご想像のとおりの感じの印税がたまに口座に振り込まれる ⁻ 本の価格 x 売れた本の数 x 印税の割合 / 著者の数 ⁻ 契約ごとなのでケースバイケースかと思っていて、おおよそ ↑ のとおりではあるが細かいところは違いがありそう ◼ で、いくらなんです・・・? ⁻ 受け取っていないのでわからない。。。 (大きな金額にはならなさそうなので断った) ⁻ 他の著者に会うことがあったらこっそり聞いてみてくださいー!
  13. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. モチベーションはひとそれぞれ 23

    ◼ Public でも private でもいいとおもう ⁻ Public なら Zenn、Qiita、スライド系 ⁻ もう少し手間が欠けられるなら技術書典、技書博などにもトライすると◦ ◼ Zenn や Qiita には private な記事の機能もある ⁻ とりあえずメモ書き的においておきたくて、GitHub で管理して Web でどこからでも見れる、とか ⁻ もう少し込み入ったことをしたければ Obsidian という手もある ◼ 一旦書いておけばあとは LLM が拾ってくれる時代 ⁻ 乱雑に書いておいたとして、他人に読ませる文章じゃあなかったとしても LLM ならなんとかしてくれる ◼ やっていない人を下げるつもりはなく、わたしとしてアウトプットすることに様々な価値を感じている ⁻ ..。。(今日もなんかどこかでさけみさんの blog を読んで助かってる人もいるんだろう)
  14. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 自分の存在価値・・・? 24

    ◼ 旧来から、情報の流通を自分自身にとどめることで自身の存在価値を高める手法を取ってる方はいた ⁻ 端的に、嫌な奴、嫌われやすいので、存在価値としてはそこそこでとどまる気はする (私見) ◼ 人に話すことで自分の学習になる (再掲) ⁻ 詳しい人は最初から詳しいわけではない https://zenn.dev/skmkzyk/articles/experts-werent-always-experts ⁻ 他人から A について詳しいと思われると、A について質問が来るようになって、A についてより詳しくなる ⁻ 餅は餅屋 ◼ 本当に価値のある情報は、人に話した程度では価値が棄損されない ⁻ 脳みそのあるナレッジグラフのカバレッジと、それをどれほど早くたどれるかがわかりやすい存在価値になる ⁻ Ex.) トラブルシュートなど、あの人に聞くと よくわからないけど 解決するのが早い
  15. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 商業誌は名刺代わりになる 25

    ◼ 「Azure の知識地図」のさけみさん ⁻ 著者割引で少し安く本が買えたりする ⁻ お客さんに配ったり、なんかのイベントでプレゼント企画やってみたり ⁻ そのほかには “オレンジのパーカーのさけみさん” とか ◼ 親に喜んでもらえたりする ⁻ 「内容はさっぱりわからない、難しい、けど、よく頑張ったね!」みたいな ⁻ 親以外にも昔の同僚とかにほめてもらったり ◼ とっても大変ですけども、ぜひ商業誌、書いてみましょー ⁻ 書きたい内容があれば ”持ち込み企画” もできます、出版社さん紹介できますー
  16. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. ポエム集 26

    ◼ 詳しい人は最初から詳しいわけではない ⁻ https://zenn.dev/skmkzyk/articles/experts-werent-always-experts ◼ 技術的なアウトプットはえらい ⁻ https://zenn.dev/skmkzyk/articles/why-tech-output-matters ◼ なぜ俺たちは技術同人誌を書くのか ⁻ https://zenn.dev/skmkzyk/articles/why-we-wrote-techbooks
  17. Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 28 会社名

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