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DAOの世界

 DAOの世界

話題の新しい組織形態DAOに関して、基本的な考え方から事例、働き方はどう変わる?など

こちらのイベント登壇で話した内容です
https://ng31.peatix.com/

遠藤太一郎

September 12, 2022
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Transcript

  1. 遠藤太⼀郎(えんどう たいちろう) ・ 株式会社カナメプロジェクト 取締役CEO ・ 国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授 ・

    理化学研究所AIP 客員研究員 ・ 株式会社エクサウィザーズ フェロー(パートナー) AI歴25年。数百のAI/データ活⽤/DXプロジェクト。 1996年、18歳からAIプログラミングを始める。⽶国ミネソ タ⼤学⼤学院在学中に起業し、AIを⽤いたサービスを開始。 AIに関する実装、論⽂調査、システム設計、ビジネスコン サル、教育等幅広く⼿がけた後、AIスタートアップのエク サウィザーズに参画し、AI部⾨を統括。数⼈のチームから スタートし、組織開発しながら40-50のAI案件を並⾏して ⾏う組織にスケール。上場後、独⽴。 働き⽅や組織開発の視点からDAOの可能性に惹かれ、様々 な取り組み中。
  2. DAOに興味を持った経緯 • 2016年初頭からブロックチェーンに興味 • 勉強会などに参加 • サトシ・ナカモトのBitcoin論⽂読んでディスカッションなど • 同じ頃からAIブームになり、AIに注⼒ •

    AIスタートアップのエクサウィザーズに創業期からジョイン • AI部⾨責任者として、上場まで駆け抜ける • 数年で数名→400名超の成⻑ • 組織開発、特に⾃律型の組織づくりに取り組む • 同時にパラレルキャリアも実現 ↓ • DAOおもしろい︕ • より⾃分を活かした働き⽅ができる社会の実現のため、DAO という新しい組織のありかたを普及させたい 5
  3. DAOを知る︕ • DAOに関する興味深い記事の共有 • DAOに関する記事執筆 – 例︓ゼロから始めるDAOの作り⽅ 〜ウォレット作成からトークン の配布まで •

    DAOの勉強会開催 – 今回のような話 – DAOを体感する会 • その場でAragonを設定/トークン配布&投票体験 – ゲスト講演会 • 10/5 Roopt神楽坂 DAO様 / 近⽇公開 – ゼロからはじめるDAO(企画中) • 基礎知識 / MetaMaskウォレット作成 / 記念トークン受け取り / Discordに⼊る 8
  4. DAOの持つ機能 • 全て揃っているわけではない • これらの機能を提供するサービスがいくつもあり、組み合わせて利 ⽤することが多い 17 • ⽬的/ミッションを実現したい/共 感した⼈が集まったチーム

    • 中⼼⼈物不在で⾃律的に回る • 権限はトークンによって、メン バーに分散 • トークンを票とした投票によって 意思決定する • 決定事項はプログラムによって⾃ 動実⾏される • ビジョン • コミュニティ機能 • 投票機能 • トークン発⾏機能 • プロジェクト運⽤機能 • ファイナンス機能
  5. DAOへの参加 ビジョン コミュニティ機能 投票機能 トークン発⾏機能 プロジェクト運⽤機能 ファイナンス機能 24 webサイト等で公開 参加⾃由のケースが多い

    機能 参加 運⽤はガバナンストークン保 持者だが、閲覧は誰でもでき ることが多い プロジェクトで働いたり、 トークンや暗号資産を受け取 るのにはガバナンストークン 不要であることが多い
  6. MakerDAO • 「Dai」という暗号通貨を運営するために作られた組織 • 1 Daiが1ドルになるよう調整されいる – ステーブルコイン • 「プロトコルDAO」に分類される

    – 分散⾦融(DeFi)を⽀えるために構築されたDAO – DeFi︓仮想通貨⾃体に埋め込まれたプログラムで、完全⾃ 動実⾏される無⼈の⾦融サービス 27 https://makerdao.com/ja/
  7. 投票から実⾏までのステップ 1. フォーラムでのディスカッション – 様々な提案や意⾒などが、トークン⾮ 保持者も含めて広く議論される 2. ガバナンス投票 – ディスカッションの内容に関して、メ

    ンバー全体で投票を⾏い、組織として の意思決定を⾏う 3. Excecutive投票 – 実際に変更を適⽤する仕組み – ⾃動実⾏プログラムであるスマートコ ントラクトの変更を決議 29
  8. The DAOの仕組み • 指定のウォレットにETHを送⾦ – 1ETH=100DAOトークン – 11,000⼈以上から、1,270万ETH=1億5,000万ドル調達 • 投資ファンドとして

    – 投資先を投票で決める – 利益を投資者に分配 • ソフトウェアを核にした、分散型でリーダーレスな組織 • DAOが各役割に関して参加者と契約 – DAOのプログラム作成 – 投資 – 投資先の提案書作成など、実作業 – 提案内容の確認と承認 31
  9. The DAOの新しさ 32 経営陣による中央集権的 な管理 経営陣等による不正の可 能性 会計担当者の不正等 投資家は記名 投資家に議決権はない

    トークンによるオープンな意 思決定 意思決定過程と結果のブロッ クチェーンによる記録と公開 スマートコントラクトによる、 報酬の⾃動かつ確実な⽀払 投資家は匿名 投資家は議決権を持つ これまで The DAO
  10. The DAOの問題とその後 • プログラムのバグを付かれ、1/3の資⾦が流出 – イーサリアムが分裂する事態に繋がった • 連邦証券法に違反の決議 • これらにより、The

    DAOは消滅 • 「投資DAO」のコンセプトを否定するものにはならず、 その後は合法的な投資DAOが設⽴される流れに 33
  11. フラミンゴDAOの仕組み • 合法的なDAOであるため、種々の条件を設けている – メンバーは最⼤100名 – 本⼈確認が必要 – 年収20万ドル以上or夫婦で30万ドル以上 –

    純資産が100万ドル以上 • フラミンゴユニットを購⼊することで、議決権と収益の ⽐例配分件を取得 – 購⼊には上限あり • DAO⽅向性に不満がある場合は、出資の撤回も⾃由 • NFTの購⼊に関する専⾨家集団もついている 35
  12. FBW (Friends With Benefits) • 投資家によるDiscordグループとしてスタート • 「ソーシャルDAO」に分類される – オンラインコミュニティとして、意⾒交換や社会的な活動を⾏う

    – ⼊会にあたって審査があることが多い – 審査、トークン購⼊を経てメンバーになると、参加者のみのパー ティや、オンラインコミュニティに参加できる 36
  13. DAOのマッピング(私⾒) 39 ⾃律度 公共度 中央集権的 ⾃律分散的 利益 ⽬的 公益 ⽬的

    完成形のDAO ピュアDAO ⽴ち上げ 当初 公共度軸は⼤きく変化しないが ⾃律度軸が進んでいく ⾃律的な 営利組織
  14. 株式会社との⽐較 • 株主、経営者、従業員、等の違いがない • 意思決定はガバナンストークンによる投票により決定 • 意思決定の過程、お⾦の流れなど、全て公開 • 最終的な意思決定はブロックチェーンに記録される •

    トークンで資⾦調達が可能 – DAOの価値が上がると、ガバナンストークンの価値も上がる – 売却すればキャピタルゲイン – 保有すればインカムゲイン • 個⼈は雇⽤契約なしに、主体的にDAOで働くことを選ぶ • DAOメンバーは無限責任を負う – DAOが被害を出し、原告が勝訴した場合、原告の請求が満たされるまでメ ンバーの個⼈資産に対して請求を⾏うことができる – 実際は、株式会社や有限責任会社としてDAOを興すことが多い 41
  15. 個⼈としての働き⽅⽬線 42 • できること(得意、好き)でDAOに貢献 • 得意を持ち寄る • 仕事はプロジェクトベースで、複数DAO掛け持ちも • ⾃分が望む形で、⾃分が望む時間だけ参加

    • 深いコミットも去るのも⾃由 • ⾃分の仕事や働き⽅は、組織に決められるのではなく、 ⾃分で決める • 仕事は、⾯⽩いことに本気で参加するものになる • 仕事の内容、場所、時間からの解放 ※ DAOが普及することで、このような働き⽅の選択肢が増える
  16. DAOへの参加 43 1. 閲覧 – ホワイトペーパー等を読んでDAOの趣旨を知る – 気になったらDiscord等のオープンなコミュニ ティに参加 –

    中の様⼦を⾒ながら雰囲気をつかむ 2. 発⾔ – 様⼦が分かってきたらコミュニティで発⾔ – 掲⽰板でのディスカッションに参加 3. 貢献 – トークンを⼿に⼊れ、投票に参加 – 新しいことを提案 – DAOが募集している仕事を受ける
  17. DAOの課題 • 法的⽴場が明確ではない – 確たる主体がいない • 創業者もトークンホルダーの1⼈ • 責任者はを出せない •

    メンバーは無限責任を負う – DAOが被害を出し、原告が勝訴した場合、原告の請求が満たさ れるまでメンバーの個⼈資産に対して請求を⾏うことができる – 実際は、株式会社や有限責任会社としてDAOを起こすことが多 く、DAOの理念に完全に基づいた組織は作りにくい • プログラムのバグ等により、⼤きな損害を得る可能性が ある 44