Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

エンジニアを成長させる組織の在り方

Avatar for Takamichi Dobashi Takamichi Dobashi
June 18, 2025
190

 エンジニアを成長させる組織の在り方

Avatar for Takamichi Dobashi

Takamichi Dobashi

June 18, 2025
Tweet

Transcript

  1. KDDIアジャイル開発センター株式会社 CHRO / 人事部長 どばし たかみち 土橋 孝充 新卒でKDDI株式会社入社。 サービス開発部門のエンジニアリングマネージャーとして活動。

    2022年当社設立に伴い兼務出向。 人事領域の責任者としてゼロから人事制度を策定。 人事組織の立ち上げと共に、採用活動、人材育成に従事。 趣味は、カメラ、野球観戦、人事図書館会員。 @Taka_Dobashi
  2. 【運用・保守】 ⚫ モニタリング ⚫ ログ取得、手順書対応 抽 象 度 AIによる代替難易度 難

    易 高 低 かつて、エンジニアの仕事は「仕様どおりに、正しく、速く、つくること」でした。 しかし今、AIがコードを生成し、バグを検知し、設計すら支援する時代に突入したことで、 「つくる」力だけでは価値を生み出せない局面に差し掛かっています。 【実装・コーディング】 ⚫ コードを書く ⚫ テストコードを書く 【アーキテクチャ・技術選定】 ⚫ どの技術スタックを選ぶか? ⚫ 保守性をどう担保するか? 【プロダクトコンセプト】 ⚫ なぜこのプロダクトを作るのか? ⚫ 顧客に届ける価値は? つくる力だけでは価値を生み出せない局面に
  3. 抽象度の高い役割を担うためには? 不確実かつ答えのない問いに答える能力(思考力・越境力・対話力・探求力)が必要になります。 なぜそのプロ ダクトをつくる のか? 顧客の真の 課題は何 か? 思考力 問題を定義し

    構造化する力 対話力 他者やAIと 建設的に対話する力 越境力 ビジネス・デザイン 倫理を理解する力 探求力 自ら学び変化に 適応する力 エンジニア力 構想を形にする力 これからの時代に求められる 希少価値のあるエンジニアスキル どんな体験を 提供するの か? ここも 当然必要 社会にどのよ うな価値をも たらすか?
  4. 集合知の蓄積こそ組織の生き残る手段 学習が必要な技術領域は多岐に渡り、技術の進歩は極めて速い 組織全体で学習し、組織の集合知を蓄積することができる組織が生き残る時代へ フロントエンド バックエンド AI XR Native クラウド 機械学習

    IoT … … 技術領域は多岐に渡り それぞれの技術の進化は極めて速い 1人1人の個の力で学習し続けるのは困難 組織全体で相互作用しながら集合知を蓄積 全てを学習し続けるには人生は短すぎる
  5. 組織としての相互作用とは? 成長は「個人の努力」と「組織の設計」に依存する 組織としての 成長環境 個人の 努力 個人の 努力 個人の努力 業務の内外を通じて

    自己研鑽する力 組織としての成長環境 社員1人1人の成長を支える 組織風土・人材育成のサイクル 相互作用 本日 お伝えしたいこと
  6. 1. 心理的安全性の高い「問いと対話の文化」を育む オープンコミュニケーション 考えや意見を安心して 言い合える環境をつくる 肯定的な問いかけ オープンクエスチョンを通じて 相手への関心を示す 協力的な姿勢 信頼関係を構築し

    共に目的に取り組む 心理的安全性の高い「問いと対話の文化」を育む 人事やマネジメントの役割は、この対話の「土壌」を耕すこと。 心理的安全性の高い問いと対話が根づいたとき、組織は静かに、しかし確かに変わり始めます。 ※心理的安全性は、“ぬるま湯“や“言いたい放題“とは大きく異なります。
  7. 2. 成長を構造化する「学習モデル」の導入 実務経験 50% 他者との関わり 20% 公式な教育 10% 非公式な学習 20%

    公式な教育  社内研修  Eラーニング  会社提供の外部研修 実務経験  特定のタスク  難易度の高い状況・修羅場  特別な業務の機会  新しい責任範囲や業務 など 他者との関わり  上司からのコーチングとフィードバック  アセスメント結果の利用とフィードバック  メンターとの定期的な1on1 非公式な学習  社外コミュニティでの学び  自己学習(趣味の世界)  仲間との研鑽など エンジニア版 ロミンガーの法則 エンジニアの「非公式な場」での学習を支援する仕組みと環境づくりが重要 (注)正式なロミンガーの法則とは異なる定義です 土橋オリジナル ロミンガーの法則 人材育成における学習効果の割合を示す考え方
  8. 3. エンジニアのキャリアを単線ではなく複線で描く 思考力 問題を定義し 構造化する力 対話力 他者やAIと 建設的に対話する力 越境力 ビジネス・デザイン

    倫理を理解する力 探求力 自ら学び変化に 適応する力 エンジニア力 構想を形にする力 これからの時代に求められる 希少価値のあるエンジニアスキル 1つ目の軸 (エンジニア) 2つ目の軸 (UXデザイナー) 3つ目の軸 (PdM) 面積の大きさを 希少性につなげる 働き方も選択肢の1つ AI全盛の人生100年時代、キャリアの作り方も多様化(複線化)していく 「配置の多様化」「副業・社外経験の支援」「自由度を持たせた人事制度」など仕組みの整備も必要 越境のすゝめ