Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AWSインフラ運用の地味だけど大変な話

Sponsored · Your Podcast. Everywhere. Effortlessly. Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
Avatar for tsujikawa tsujikawa
September 16, 2026
15

 AWSインフラ運用の地味だけど大変な話

Avatar for tsujikawa

tsujikawa

September 16, 2026

Transcript

  1. 現場エンジニアが語る IJDS AWS Tech Session AWS インフラ運用の“地味だけど大変”な話 〜Lambda ランタイム更新と RDS

    Blue/Green デプロイの実録 〜 2026年 09月 16日 日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 AWS Platform本部 辻川 弘規
  2. 自己紹介 インフラからアプリまで、幅広く担当しています。 辻川 弘規 (つじかわ ひろき) 所属 IJDS AWS Platform

    本部 仕事内容 インフラ構築(CDK)、アプリ開発(コンテナ系 /Lambda)、PJ マネジメント 保有資格 2025 - AWS Ambassadors 2024 - Japan AWS Top Engineers G 検定 / 生成 AI パスポート 趣味 読書 / 映画鑑賞 / 競馬鑑賞 © 2026 IBM Corporation 2
  3. Agenda 1. 案件概要/背景 2. Lambda EOL対応(ランタイム更新 & Transform Custom) 3.

    RDS バージョンアップ対応(Blue/Green デプロイの一苦労) 4. まとめ © 2026 IBM Corporation 4
  4. 数年前に作ったとあるシステム B to B 及び B to C 向けの複数システム。今も稼働中です。 ポイント:

    APIやバッチで利用するLambda が複数システムに散在。EOL 対応は“膨大な数”になる。 © 2026 IBM Corporation 6
  5. 作って終わり、ではない 適切な状態を保ち、セキュリティ的にも安全に稼働させ続ける。それが保守運用。 安全に保つ 止めない 新しさを保つ 脆弱性・ EOL への対応。 放置はセキュリティリスクに直結。 B

    to C なので、ユーザーは常にいる。 ダウンタイムは最小限に。 ランタイムやエンジンが古びると、 やがて更新もできなくなる。 © 2026 IBM Corporation 7
  6. 今回のミッションは、二つ。 放置すると、どうなる? Mission 1 Mission 2 Lambda の EOL 対応

    RDS のバージョンアップ ランタイムの更新 エンジンの更新 放置すると 放置すると セキュリティ更新が止まり、いずれ新規作成・更新ができなく サポートが切れ、セキュリティ・性能・機能面で取り残される。 なる。 © 2026 IBM Corporation 8
  7. 今回のミッションは、二つ。 放置すると、どうなる? Mission 1 Mission 2 Lambda の EOL 対応

    RDS のバージョンアップ ランタイムの更新 エンジンの更新 放置すると 放置すると セキュリティ更新が止まり、いずれ新規作成・更新ができなく サポートが切れ、セキュリティ・性能・機能面で取り残される。 なる。 © 2026 IBM Corporation 9
  8. 膨大な数に、 AWS Transform Custom 手作業では現実的でない。変換を自動化する。 AWS Transform Customとは AWS Transform

    Custom は、技術的負債を大規模に解消するエージェンティック AI サービスです。最大の特徴は、共通パターンだけでなく組織固有の技術的負債 パターンも学習して自動変換できることです。 1. 実行時間を 80% 以上短縮 - 手動で行っていた反復的な変換タスクを自動化 2. 継続的学習 - コードサンプル、ドキュメントなどから学習精度が向上 3. any-to-any 変換 - 言語・フレームワーク・ランタイム間の任意の変換が可能 4. 自動化の専門知識が不要 - 自然言語で変換を定義可能 © 2026 IBM Corporation 11
  9. 膨大な数に、 AWS Transform Custom 手作業では現実的でない。変換を自動化する。 二つの変換から、カスタム変換を選んだ AWS マネージド変換 カスタム変換(採用) 標準的なバージョンアップをお任せで実行。

    共通レイヤーのパッケージバージョンなど、より細かい指示を渡したかった。 手軽だが、細かい指定はしにくい。 Transform がコードを分析し、変換定義を作って自動適用 新しい型表記へ置換 非推奨記法の刷新 typing.List → list など、組込み型へ。 datetime.utcnow() など 3.13 で非推奨の記法を修正。 © 2026 IBM Corporation 12
  10. 知らないコードは、 Kiro に説明させる 構築担当でなくても、理解を底上げできる。 直面した壁 対象のうち一つは、自分が構築担当ではないシステム。 中身を知らないコードをいきなり更新するのは怖い。 まず「何がどう動いているか」を理解する必要があった。 Kiro で理解を底上げ

    コード構造を解説させる どこがどう呼ばれ、何をしているかを把握。 ドキュメントと照らし合わせ AI の説明と既存資料を突き合わせて裏取り。 AI は作業の代わりではなく 人が判断に集中するための支え © 2026 IBM Corporation 13
  11. CI/CD ごと対応する CodeBuild のランタイムも、 CDK の変更で。 CI/CD を内包しているので、ビルドする CodeBuild 側も合わせて更新。すべて

    CDK の変更で対応。 変更前 変更後 runtime-versions: runtime-versions: python: 3.9 python: 3.13 docker: 18 (古い記述) docker の記述は削除 CodeBuild イメージ CodeBuild イメージ (旧い Ubuntu イメージ) aws/codebuild/standard:8.0 へ © 2026 IBM Corporation 14
  12. Lambda EOL対応のまとめ 良かった点 注意点 膨大な数を一括でさばけた AWS Transform Customによって カスタム変換がコードを分析し、変換を自動化。 依存パッケージは細かく指定

    共通レイヤーのバージョン固定が必要だった。 担当外のコードも理解できた Kiro の解説とドキュメント照合で底上げ。 CI/CD 側の対応も忘れない CodeBuild のランタイム・イメージも同時に更新。 既存CI/CDのおかげでスムーズ更新 ダウンタイム0でLambdaのバージョンアップ完了。 © 2026 IBM Corporation 15
  13. 今回のミッションは、二つ。 放置すると、どうなる? Mission 1 Mission 2 Lambda の EOL 対応

    RDS のバージョンアップ ランタイムの更新 エンジンの更新 放置すると 放置すると セキュリティ更新が止まり、いずれ新規作成・更新ができなく サポートが切れ、セキュリティ・性能・機能面で取り残される。 なる。 © 2026 IBM Corporation 16
  14. RDSのバージョンアップをスムーズに 本番環境を止めずにバージョンアップ対応の実施を。そのために B/Gで切り替えたい。 放置できない理由 RDS Blue/Green デプロイを選んだ理由 2026/5/31 に特定のマイナーバージョンの標準サポー トが終了。

    本番を止めずに切り替えたい 停止は切り替えの瞬間だけ。 放置すればメンテナンス期間に自動アップグレードされる。 いつ・どう変わるかをこちらで選べなくなる。 8.0.42 → 8.4.9 へ、計画的に上げる。 © 2026 IBM Corporation 新環境を安心して検証 Green は Blue から常にデータ同期される。 問題があれば戻せる 旧環境は一定時間残るので切戻し可能。(ただし注意事項あり) 17
  15. なぜ RDS Blue/Green デプロイを選んだか RDS Blue/Green デプロイとは データベースの変更をより安全、簡単、高速に行うための機能です。本番環境の クローンを作成し、変更をテストしてから データロスゼロで切り替えます。

    特徴 1. 通常 1 分未満の切り替え - 短時間・予測可能なダウンタイム 2. 常にデータ同期 - Green環境作成後も常にデータ同期 データ同期 3. データロスゼロ - 切り替え中は書き込みをブロックし、完全同期後に切り替え 主なユースケース - メジャー/マイナーバージョンアップグレード -スキーマ変更(論理レプリケーションを壊さないもの) © 2026 IBM Corporation 18
  16. パラメータグループは Kiro と整理 変更と整理を、相談しながら進めた。 バージョンが上がるとデフォルト値が変わる。現行と新を全部突き合わせ、どう扱うかを三つに分類した。 戻す 維持する 自動に任せる 8.4 で変わったが、アプリに影響するも

    の。 8.4 の値の方が適切だと確認できたもの。 インスタンスサイズに応じて自動で決 まるもの。 time_zone / 文字セット / スロークエリ監視 binlog_format=ROW / ssl_fips_mode=ON など。 innodb_dedicated_server=ON でバッファプー 安全・性能面で 8.4 のままで良い。 ル等を自動調整。無理に固定しない。 必須 8 パラメータ ポイント:必須 8 パラメータはすべて Dynamic 。パラメータグループの即時適用でリブート不要。 © 2026 IBM Corporation 19
  17. 想定外だったこと ダウンタイムは短い。でも 2 段階更新が待っていた。 バージョンアップしたGreen環境の作成ができない —— 作成→変更の 2 ステップ (カスタムのパラメータグループを適用させたい場合に限り)

    1 Green を新規作成 現行と同じ 8.0.42 ・デフォルト構成で 作る 2 Green を変更 8.4.9 に上げ、カスタムパラメータを適 用 この間も、 Green は Blue からずっとデータを同期し続けてくれる。 切り替えのダウンタイムを実測 接続コマンドを 1 秒間隔で叩く検証ツール(これも Kiro に作成させた)で、実際の停止時間を計測した。 実測したダウンタイム 15 秒 ほど。この瞬間だけの停止。 © 2026 IBM Corporation 20
  18. RDS バージョンアップ対応のまとめ 1 パラメータグループは事前に突き合わせ with Kiro Green には必ずカスタムパラメータグループを明示指定する。 2 バージョンアップは

    2 ステップで変更 作成→変更の順で進む。(カスタムのパラメータグループを適用させたい場合) 3 ロールバックには注意 切り替え後、旧 Blue にはデータが同期されない(読み取り専用で残るだけ)。切戻し時はその間の更新が失われる。 4 最後にレグレッション試験 切り替え後に主要機能が壊れていないかを必ず確かめる。 © 2026 IBM Corporation 21
  19. 大きなトラブルなく、成功 メンテナンス時間を最小限に。 地道で怖い作業を、安心・安全にやり切った 1 メンテナンス時間を最小限 B/G で切り替えの瞬間だけ。ダウンタイムは実測 15 秒ほど。 2

    大きなトラブルなく成功 事前の検証と手順確立で、本番を安定して切り替え。 3 AI で安心・安全に 膨大で神経を使う作業を、 AI の支えで進められた。 © 2026 IBM Corporation 24