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Transcript
田原・清研究室の研究 まるわかりガイド 研究室の最新研究28件をわかりやすく1枚ずつ解説 AI ・ 音楽 ・ スポーツ ・ 画像
・ 社会システム — 身近なテーマで読み解く 対話AI 音・音楽 画像・映像 スポーツ・ゲーム 社会システム
5つのテーマと 28本の研究 この資料は、研究を分野ごとに5つのテーマへ分けています。気になるテーマから読んでOK。 7本 対話AI・エージェント AIが会話・議論・協力するしくみと、危険 な知識を忘れさせる安全なAIづくり。 4本 音・音楽 ×
AI 音づくり・和音当て・立体音・音ゲー譜面 など、音楽と音のAI。 5本 画像・映像 × AI 配信やスポーツ映像の要約、写真編集、フ ェイク動画対策など。 5本 スポーツ・ゲーム × AI サッカー・バドミントン・麻雀・FPS・パ ズルをAIで分析する。 7本 社会システム × AI 信号・ソフト開発・金融・プライバシ保護 ・ものづくりなど、社会を支えるAI。
対話AI・生活シミュレーション 役割の設定 → 生活するAI → 会話と行動 ごはんを食べて眠るAIは、ひとり暮らしの孤独を癒せる? 人間のように「生活」するAIで、ひとり暮らしの孤独をやわらげられるか調べた研究。 背景・目的 ひとり暮らしが増え、家で誰とも関わらず孤独を感じやすい。今の会話AIは「
話す」だけで、食事や睡眠などの生活行動をせず、利用者と同じ時間の流れも意 識していない。 方法 AIに名前・職業・人間関係の設定を与え、行動で周囲がどう変わるかを考える 「環境管理AI」も用意。生活させたAIと普通の会話AIを、それぞれ20分会話し て比べた。 結果・わかったこと 孤独をやわらげる効果では普通のAIを超えられなかった。一方「人間らしいか 」では約99.6%が提案AIを人間らしいと評価。もともと孤独感が低い人には効 果が出た。 意義・使いみち 20分では孤独解消は難しかったが、「生活しているように見えるAI」は多くの 人に人間らしいと感じられ、将来の孤独対策AIのヒントになる。 用語 エージェント 自分で考えて行動を決めるAIプログラム 。 マルチエージェント 複数のAIを同じ仮想空間で動かし 暮らしを再現すること。 ベースライン 比較の基準。ここでは普通の会話AI。 資料No. 2210113 01 / 28 | 対話AI・エージェント
LLMエージェント・議論 難しい問題 → 3体で議論 → 正しい答え AI同士の話し合い、間違いに「割り込み」で気づける? 複数AIの議論に「割り込み」と「沈黙」を取り入れ、誤った答えを早く正す手法を提案。 背景・目的 複数のAIが話し合って答えを出す従来の仕組みは発言順が固定で、人のように
自由に話者交代できない。1体が間違いを言い始めても途中で止められず、誤り が広がる問題があった。 方法 発言を一文ずつ順に公開し、聞き手のAIは「今すぐ話したい緊急度」を計算し て、高ければ途中でも割り込めるようにした。試験問題集MMLUで3体に話し合 わせ、3方式を比較。 結果・わかったこと 最初に2体が間違う難条件で、提案手法の最終正答率49.5%は、順番固定(37.2%) より12.3ポイント、割り込み無し(43.7%)より5.8ポイント高く最良。誤りに流さ れにくく議論も安定した。 意義・使いみち AIが自分から誤りに割り込んで早く訂正できると示した。複数のAIが協力して より正確な答えを出す、信頼できるシステムづくりに役立つ。 用語 LLM 大量の文章を学び人のように答えるAI。 ChatGPTなど。 エージェント 一人の参加者のように自分で考えて発言 するAI。 MMLU 幅広い分野の選択式問題でAIの賢さを測るテ スト。 資料No. 2430041 02 / 28 | 対話AI・エージェント
AIの安全性(セキュリティ) 質問・指示 → チームで判定 → 攻撃を発見 AIチャットをだます攻撃、AI同士のチームで見破れる? AIをだます攻撃を、役割分担する複数AIと「例を見せる学習」で見破る手法を提案。 背景・目的 便利なAI(LLM)には、悪意ある指示で有害な情報を答えさせる「プロンプトイン
ジェクション」という攻撃がある。従来の防御は無害な質問まで断ったり、簡単 な例ばかりで精度が伸びなかった。 方法 質問が有害か判定する「解析チーム」と、判定が難しい無害な質問をわざと作る「 生成チーム」が役割分担。高コストな再学習でなく、例をいくつか見せて覚えさせ るIn-Context Learningを使った。 結果・わかったこと 3種類のAIで試すと、提案手法は全指標で4つの比較手法を上回った。防御なし と比べ、判定の正確さを表すF1スコアが平均で約16.6ポイント向上した。 意義・使いみち AI自体を作り直さず、記録(ログ)をためるだけで新しい攻撃に強くなれる。安全 性と使いやすさの両立に役立つ点が面白い。 用語 プロンプトインジェクション 巧みな指示を紛れ込ませ 有害な答えを言わせる攻撃。 In-Context Learning 中身を作り直さず、例を見せ てその場でやり方を覚えさせる学習。 F1スコア 判定の正確さを0〜1で表す成績。1に近いほ ど良い。 資料No. 2430063 03 / 28 | 対話AI・エージェント
AIの公平性 偏ったAI → 忘れさせ統合 → 公平なAI AIの「偏見」だけを、賢さを保ったまま消せるか? AIから複数種類の偏見を同時に消しつつ、文章を作る力は保つ手法を提案・検証。 背景・目的 AI(LLM)は性別や人種などの社会の偏見をまねて、不公平な文章を作ることがあ
る。従来の対策は文章力が落ちたり、ある偏見を消すと別の偏見が強まる弱点が あった。 方法 偏った言い回しが出ないよう、偏見の種類ごとにAIに「わざと忘れさせる(アン ラーニング)」処理をして専用AIを複数作り、それらを「進化的モデルマージ」 で1つに混ぜて統合した。 結果・わかったこと 対象としたすべての種類で偏見を抑えられた。さらに元のAIと比べ、文章の自 然さや他の課題をこなす力は大きく落ちず、核となる言語能力が保たれた。 意義・使いみち AIを社会で安心して使うために欠かせない「公平さ」と「役立つ賢さ」を同時 に実現できる、有望な方向性を示した。 用語 アンラーニング AIが覚えたことをわざと忘れさせる技 術。 進化的モデルマージ 複数のAIを混ぜ、良い組み合わせ を自動で探して統合。 バイアス(偏見) 根拠のない思い込み・決めつけ。 資料No. 2430075 04 / 28 | 対話AI・エージェント
LLMの知識忘却(安全性) 危険な知識 → 選んで忘却 → 安全なAI AIが危険な知識を「思い出せない」ようにできる? 危険な知識だけを選んで消し、遠回りの推論も塞ぐ安全なAIの設計法を提案。 背景・目的 今のAIは危険な質問を直接は断れても、言い換えや遠回りの質問を重ねると禁止情
報を組み立て直して答えてしまうことがある。出力を後から検閲するのでなく、そ もそも危険な知識にたどり着けない構造のAIを目指した。 方法 ①危険な知識を「知識の地図(知識グラフ)」で関連まで広げて特定し、無害な知識 は残して選んで忘れさせる、②危険な結論への推論の道筋を論理ルールで塞ぐ、③ 攻撃者のふりをする模擬攻撃で確かめる、の3段構えの枠組みを提案。 結果・わかったこと 予備実験で、4種類の偏見をGPT-2から属性ごとに忘れさせて統合すると、偏りの度 合いが理想値0.5に近づき(既存手法のずれ0.064に対し提案法は0.026)、言語能 力は保たれた。枠組み全体の大規模な実装は今後の課題。 意義・使いみち AIをだまして危険情報を引き出す「抜け道」への根本対策の土台となり、個人 情報の削除要求(忘れられる権利)への対応にも役立つ可能性がある。 用語 知識忘却(アンラーニング) AIをゼロから作り直さず 、特定の知識だけ後から消す技術。 知識グラフ 物事のつながりを点と線で表した知識の地 図。 レッドチーミング 攻撃者のふりでAIをだまし、弱点を 探すテスト。 資料No. HINT2025 05 / 28 | 対話AI・エージェント
AI社会シミュレーション 2種類のAI → 共同生活 → 行動が変化 違う種類のAIと一緒に過ごすと、AIは優しくなる? 違う種類のAIを混ぜると、AIの社会的な振る舞いが変わることを示した研究。 背景・目的 AI(LLM)を多数動かして人間社会のような現象を再現する研究が注目される。だ
が従来は「同じ種類のAIだけ」の実験が多く、違う種類を混ぜた集団は調べら れていなかった。 方法 「Gemma3」だけの集団と、そこに別種「Qwen2.5」を混ぜた集団を用意。限 りある「食料」を奪い合う2次元マス目の世界でAIに判断させ、1000ステップ を5回くり返して比べた。 結果・わかったこと 混合集団のGemma3は、相手を大事にするQwen2.5に影響され、食料を分け与 える利他的な行動が増え、奪う利己的な行動が減った。会話も上下関係から対等 で仲間的なものへ変化した。 意義・使いみち 今後AI同士が協力するシステムが広がるとき、その挙動をどう制御し安定させ るかのヒントになる。混ぜると新しい「集団の賢さ」が生まれる可能性も示した 。 用語 LLM 大量の文章を学び言葉を扱えるAI。 エージェント 自分で周りを見て判断し行動するAI。こ こでは食料を奪うか分ける住人。 利他的/利己的 相手を助ける行動/自分を優先する行 動。 資料No. 2430117 06 / 28 | 対話AI・エージェント
AI社会シミュレーション(政治) 統治ルール → 国家を実験 → 存続を比較 王様が決める国と、みんなで決める国、どっちが長続き? AIの国に3種類の統治ルールを与え、どれが長く続くか比べた研究。 背景・目的 複数AIで社会をまねる研究は増えたが、多くは協力やルール作りに注目し、国
の「政治のしくみ」自体を比べた例は少ない。有名な社会契約説3種をルールに して比べた。 方法 同じAIで「王」と「市民15人」を役割分担させ50ターン進める。お金が0を切ると 脱落する設定で、税や再分配・革命のルールを3制度(王が決定/王が提案し市民が 決定/市民が決定)で変え比較。 結果・わかったこと 王が全て決める型は早く幸福度が上がったが後半に生存者が急減し崩壊。全員で 決める型は幸福度は中くらいでも15人全員が最後まで生存。盗みや革命などの 過激な行動はほぼ選ばれなかった。 意義・使いみち 政治哲学の理論をAI実験で比べられると示し、効率(高い幸福度)と安全(全 員生存)は両立しにくいと分かった。AI社会の設計を考える土台になる(1回の 試行による探索的結果)。 用語 LLM 大量の文章を学んだAI。ここでは王や市民の頭 脳役。 社会契約説 国や政府はなぜ必要かを説く政治の考え方 (ホッブズ/ロック/ルソー)。 エージェント 自分で考えて動く登場人物(プログラム )。 資料No. 2M1-GS-11g-03 07 / 28 | 対話AI・エージェント
音づくり × AI 音の説明文 → AIが変換 → シンセ設定 言葉で「こんな音」と伝えるだけでシンセの音を作れる? ほしい音を言葉で説明すると、シンセの設定を自動で作るAIを提案した研究。
背景・目的 パソコンでの音楽制作で、文章から音の波形を直接作る方法は後から微調整しに くい。シンセの「設定一式(プリセット)」で作れば後から自由にいじれて便利だ が、研究が少なく学習が難しかった。 方法 入力文を、音と言葉をペアで学んだ「CLAP」で数値に変え、Transformerで設定を 予測。オン/オフ式と量の設定を別々に予測しつつ、互いに参照させた。音データで 下準備する方法も比較した。 結果・わかったこと 単純な多層パーセプトロンより良い結果を出したが、CNNやTransformerとはほぼ 同等で、目玉の相互参照の効果は限定的だった。事前学習は精度より信頼性の指標 で有利という控えめな成果。 意義・使いみち 言葉で音のイメージを伝えるだけで、後から自分で調整できる形の音を作れれば 、作曲や音づくりの初心者でも思い通りの音に近づけやすくなる。 用語 シンセのプリセット 電子楽器の音を出すつまみ・スイ ッチの設定一式。 CLAP 音とその説明の言葉をペアで学び、両者を同じ 物差しで扱うAI。 Cross Attention 2種類の情報を互いに参照し合わせ る仕組み。 資料No. 2210472 08 / 28 | 音・音楽 × AI
音楽 × AI 曲の音声 → AI+音楽理論 → コード進行 曲を聴いてコードを当てるAI、音楽の「文法」で賢くなる? 曲の音からコード(和音)を当てるAIに音楽理論を教え、精度を高めた研究。
背景・目的 和音推定は曲の音から「今どのコードか」を自動で当てる技術で、曲の検索・推 薦や演奏練習支援に使う。だが正解データ作りに専門知識が要りデータ不足で、 複雑な和音を見分けにくい課題がある。 方法 ①和音を根音や三和音などの要素に分解し同時に学ばせて聞き取りを強化。②本や Webに大量にある「音を含まないコードの並びだけのデータ」から、コード進行の 自然さを学ぶ言語モデルを作り統合した。 結果・わかったこと コード進行の言語モデルを統合すると全指標で一貫して有意に向上し、基本和音の 正解率は約78.8%→最良約80.1%に。ただし複雑な四和音は約65.3%→65.7%と わずかで、依然として課題が残った。 意義・使いみち これまで使いにくかった「音なしのコード列データ」が精度向上に役立つと示し た。自動採譜や楽曲分析・推薦、初心者の演奏支援への応用が期待できる。 用語 和音(コード) 高さの違う音を同時に鳴らした響き。 曲の雰囲気を決める。 和音推定 曲の音からどのコードがいつ鳴るかを自動で 当てること。 言語モデル 並びの「次に来やすいもの」を学ぶAI。こ こではコード進行の自然さ。 資料No. 2210741 09 / 28 | 音・音楽 × AI
音響 × AI 動画と平面の音 → 拡散モデル → 立体音響 動画の平たい音を、AIで耳に届く立体音に変えられる? 動画の映像を手がかりに、平たいモノラル音をAIで立体音響に変える研究。
背景・目的 ヘッドホンで方向や距離を感じる「立体音」を専用機材なしで動画に付けられれば 没入感が高まる。だが従来は「立体録音をわざと平たく混ぜ直した音」で試し、本 物の平たい音で通用するかは未確認だった。 方法 実際に録音した音を含む「RealBinaural」データを新しく作成。音が「何の音か」 と「どこにあるか」を一緒に扱う仕組みを考案し、ノイズから少しずつ音を作る拡 散モデル「DiffBinaural」を提案し比較した。 結果・わかったこと 従来手法は本物の平たい音を入れると方向を当てる正答率が0%になり破綻。提案手 法は音の設計図の再現誤差を約40%改善し、方向当ての正答率も従来を30%近く上 回り、入力を変えても崩れにくかった。 意義・使いみち 従来手法が実際の環境では通用しない限界をはっきり示し、ふつうのカメラで撮 った動画に立体音響を付ける具体的なやり方を示した。 用語 バイノーラル音声 右・左・遠近が立体的に感じられる 音。反対はモノラル。 拡散モデル ランダムなノイズから少しずつきれいな音 や画像を作るAI。 音源定位 その音がどの方向から聞こえるかを当てるこ と。 資料No. 2430021 10 / 28 | 音・音楽 × AI
音楽ゲーム × AI 曲と構成情報 → AIが配置 → 音ゲー譜面 サビで盛り上がる音ゲーの譜面を、AIが自作できる? 曲全体の展開を理解させて、音ゲーの譜面を自動で作るAIの精度を高めた研究。
背景・目的 音ゲーの「譜面」(叩くタイミングと場所)は面白さを左右するが、作るには専門 知識と時間がいる。従来のAIは短い時間の音だけ見て作るため、曲全体の流れ(Aメ ロ・サビ)をつかめず単調になりがちだった。 方法 譜面を作るAI「AutoOsu」に、曲をイントロ・Aメロ・サビなどに区切って理解す るAI「SongFormer」の情報を追加入力。配置を決める入力の約半分を曲の構成情 報が占めるようにした。約100曲で従来と比較。 結果・わかったこと すべての評価項目で従来を上回った。リズム予測の正確さF1は0.623→0.683、配 置予測の迷いを表すPerplexityは34.6→26.0に改善(低いほど良い)、配置の正解 率も0.128→0.179に向上した。 意義・使いみち 曲の構成をAIに理解させると、盛り上がりに合った一貫性のある高品質な譜面 を作れると示した。譜面制作の手間を減らし、音ゲーへのコンテンツ供給を速め る助けになる。 用語 譜面 音ゲーで曲に合わせ画面に流れる「叩くタイミン グと場所」の指示。 F1値 予測の正確さの点数。高いほど良い(1.0が満点 )。 Perplexity AIの「迷い」の大きさ。小さいほど自信 を持って正しく予測。 資料No. 3M1-GS-10p-03 11 / 28 | 音・音楽 × AI
映像・配信 × AI 配信とチャット → AIが要約 → 短い要約 長い配信をAIが自動要約!視聴者のチャットも手がかりに? 映像・音声・チャットをまとめて使い、AIでライブ配信を自動要約する新手法。
背景・目的 ライブ配信は何時間にもなり、内容をすばやくつかむ自動要約が求められる。従 来は映像と音声しか見ておらず、盛り上がりを映すチャットを活かせず、お手本 データ作りにも大きな手間がかかっていた。 方法 映像・音声・チャットの3種類をまとめて使う要約手法を開発。お手本データ不足に は、別のAI(LLM)に要約を直させ・評価させ、信頼できるデータだけを選んで自動 で増やす「半教師あり学習」を組み込んだ。 結果・わかったこと VideoChatというデータで、チャットを取り入れたモデルは映像だけより要約の正 確さ指標(ROUGE・BLEU)が向上。提案した学習の繰り返しは単純な自己学習より 文脈をとらえ、少量データからでも性能が上がった。 意義・使いみち 人手のラベル付けを減らしつつ視聴者の反応まで反映した要約が作れ、長い配信 を効率よく把握できる。将来のリアルタイム要約への発展も期待。 用語 マルチモーダル学習 映像・音声・文字など種類の違う 情報をまとめて学ばせること。 半教師あり学習 AI自身がつけた仮の正解も混ぜて学習 データを増やす工夫。 ROUGE・BLEU 作った要約が正解にどれだけ近いか を測る指標。 資料No. 2210688 12 / 28 | 画像・映像 × AI
画像編集 × AI 写真と線画 → 範囲を推定 → 編集の完成 写真に落書きするだけ?AIが編集する場所を自動で見つける 写真にスケッチを描くだけで、AIが編集する場所を自動で見つけて直す手法。
背景・目的 写真の一部だけ描き替える編集では、AIに「どこを直すか」を教える必要があ り、従来は利用者が手作業で範囲を塗っていた。手間なうえ指定次第で仕上がり が変わる。塗りや文章指示をなくしたい。 方法 提案手法は①編集場所を推定②編集後のおおまかな画像を作る③その場所をきれ いに描き直す、の3つで構成。写真と、その上に描いた線画を入れると範囲を自 動予測し、そこだけ生成AIで仕上げる。 結果・わかったこと 自然の風景写真の実験で、GANや拡散モデルなど異なるタイプの複数の画像編 集AIのどれに組み込んでも、提案手法の「編集場所の指定」によって編集結果 の品質が一貫して向上した。 意義・使いみち 範囲を塗ったり文章で指示したりせず、線を描くだけで写真を編集できる。特定 のAIに縛られず後付けできるため、画像編集ツールをより手軽にできる。 用語 マスク 「ここを編集する」範囲を示す型紙。普通は人 が手で塗る。 生成モデル たくさんの画像を学んで新しい画像を作る AI(GANや拡散モデル)。 プロンプトレス AIへの文章指示(プロンプト)なしで動 くこと。 資料No. 2430061 13 / 28 | 画像・映像 × AI
フェイク動画検出 × AI コメント → 要約して判定 → ウソを検出 動画のコメントを手がかりに、ウソ動画をAIで見抜ける? 動画についたコメントをAIで要約し、偽・誤情報の動画を効率よく見抜く手法。
背景・目的 動画で広がる偽情報・誤情報が社会問題(日本のYouTube利用率は平均80.8% )。従来はコメントを全部使うと処理が重く、賛成・反対の対立もうまく扱えな かった。 方法 コメントに感情や肯定/否定のラベルを付け、手元で動くLLMで役割ごとに分類・要 約。その要約をAIに読ませて、動画が偽・誤情報かを判定させた。海外・韓国・自 作の日本版の3データで比較した。 結果・わかったこと コメント全文だと本物まで「偽」と誤判定(本物の再現率0)。要約を使うと性能を 保ったまま処理量を大幅削減し、海外データでは約14万→約3千トークンに。一部 の国のデータでは精度が下がる場合も。 意義・使いみち 少ない計算コストで、偽・誤情報を含む動画を自動で見分けられる可能性があり 、SNSのデマ・誤情報対策に役立つ。 用語 LLM 大量の文章を学んだAI。ChatGPTの仲間。 トークン AIが文章を処理する細かい単位。少ないほど 速く安い。 偽情報・誤情報 わざと誤解させる情報と、悪気なく広 がる誤り。 資料No. 1I4-GS-4a-02 14 / 28 | 画像・映像 × AI
電子透かし × AI AI生成動画 → 透かし埋込 → 出所を確認 AI動画の“見えない印”を、他人にバレずに埋め込むには? AIが作った動画の透かしを、第三者に見破られにくく改良した手法。
背景・目的 AI生成動画が本物そっくりになり、ニセ情報や無断利用が問題に。動画に見え ない印(透かし)を入れ出所や改ざんを確認する技術が重要。既存手法は印の付 け方に規則性が残り、気づかれやすかった。 方法 動画のもとになる「初期ノイズ」に透かしを埋めるが、全コマ同じだと規則性が残 る。そこでHMAC-SHA256という暗号でコマごとに透かしの並びをずらし規則性を 薄めた。取り出す時は同じ鍵で元に戻す。 結果・わかったこと 第三者が透かしの有無を見分ける精度(50%に近いほどバレにくい)は、既存 71.6%→提案65%に低下しバレにくくなった。改ざん位置の特定やコマ入替の検出 (100%)はほぼ維持。別手法(56.8%)にはやや劣った。 意義・使いみち ディープフェイクや無断生成動画の出所確認・改ざん検出をしつつ、透かし自体 を隠して除去や偽装をされにくくできる。 用語 拡散モデル ノイズから少しずつ画像・動画を作るAI。 電子透かし 見えないように埋める印。作者や改ざんを 確かめる。 HMAC-SHA256 鍵と入力から決まった数値を作る暗 号。ずらす量の決定に使用。 資料No. 2K4-GS-7b-02 15 / 28 | 画像・映像 × AI
スポーツ動画要約 × AI 試合の映像 → 文脈で選ぶ → ハイライト 試合まるごと見て、AIがサッカーの名場面を選べる? 試合全体の流れも見て、サッカーの重要シーンをAIが自動で選ぶ手法。
背景・目的 長い試合を短くまとめるハイライト需要が高いが、人手編集は大変。従来手法は 60秒ほどの短い区間だけを見て判断するため、試合全体の流れや文脈をつかめ なかった。 方法 短い場面を切り出す「区間モデル」に、試合全体の流れをつかむ「試合文脈モデル 」を組み合わせた階層型を提案。Transformerで時間的なつながりを学び、各場面 の判断に混ぜた。試合ごとにスコアをそろえる正規化も実施。 結果・わかったこと 従来手法よりF1が0.246→0.268、見逃しの少なさRecallも0.160→0.203に向上。 試合ごとにスコアをそろえるとRecallは0.75まで大きく上がった(そのぶん Precisionは低下)。 意義・使いみち 試合全体の流れを考えることで、より文脈に合った名場面選びができる。得点の 多い試合も少ない試合も公平にハイライトを作りやすい。 用語 ハイライト動画 長い試合から大事な場面だけ集めた短 い映像。 Transformer どこが大事でどこと関係が深いかをAI が自分で見つける仕組み。 Precision・Recall・F1 正確さのものさし(当たり 率・拾えた率・その両立)。 資料No. 2K5-GS-7c-04 16 / 28 | 画像・映像 × AI
パズル攻略 × AI パズルの盤面 → 記号で追跡 → 正しい手順 小さなAIが巨大AIに勝つ?倉庫番パズルの解き方 小型AIに盤面を記号で描かせながら、倉庫番パズルを解かせる研究。
背景・目的 ChatGPTのような巨大AIは言葉の推論は得意だが、箱を押すと盤面が変わる倉庫番 のような空間パズルでは、壁をすり抜けるありえない手を打つ弱点がある。電気や お金のかかる巨大AIに頼らず解きたい。 方法 小型AI(1.5B)に、1手ごとの盤面を記号(ASCII)の地図で予測させながら解かせるよ う訓練(視覚的状態追跡)。盤面を毎回書き出して位置を常に把握。1手ずつ処理と複 数手まとめ処理を比べた。 結果・わかったこと 箱1つでは訓練した小型AIが成功率98.0%で、10倍以上大きい20BのAI(95.0%)も上回 った。箱2つでは複数手まとめ方式(85.0%)が1手ずつ(69.0%)より優秀。箱4つの難問 でも42.0%で巨大AI(16.0%)の約2.7倍。 意義・使いみち 盤面を書き出させ適切にまとめる工夫で、省エネな小型AIでも巨大AI以上の空 間推論ができると示した。ロボットの動作計画など状態が変わる問題への応用が 期待。 用語 大規模/小型言語モデル 答えを作るAI。大規模は賢い がコスト大、小型はその1/10以下。 倉庫番(Sokoban) 箱を押して指定マスへ運ぶパズ ル。壁際に押すと詰む。 ASCIIグリッド 盤面を「#」「$」などの記号で地図 のように書いたもの。 資料No. 2210745 17 / 28 | スポーツ・ゲーム × AI
eスポーツ × AI 試合中の動き → AIが学習 → 勝敗を予測 人気FPSの勝敗、プレイヤーの動きからAIは予測できる? FPSゲームの試合中の動きから、AIで勝敗を予測しようとした研究。
背景・目的 eスポーツ市場は成長中で、FPSはプレイヤー人口が2番目に多い。だが従来の勝利 予測は試合前の情報や体力の増減など限られた情報しか使えず、試合中のプレイヤ ーの「動き」を活かせていなかった。 方法 プロの151試合を1秒ごとに記録。体力や装備に加え、プレイヤーの3次元的な移動 を「点と線のつながり(グラフ)」で表してAIに学習させ、時間を少しずつずらして 切り出し21,534個の学習データを作り比較した。 結果・わかったこと 最も良かったのは別ジャンル(MOBA)向けの既存モデルで正解率約96%。提案した 「移動をグラフで表すモデル」は約91〜92%で既存を超えられず、グラフだけで処 理するGNNは約65%。動きは有効だが扱いは難しいと判明。 意義・使いみち FPSでもプレイヤーの「動き」が勝敗予測に有効と示しつつ、時系列データをグ ラフで扱う難しさという課題も明らかにした。試合分析やeスポーツ戦略づくり への応用が期待。 用語 FPS 自分視点で撃ち合う対戦ゲーム。Counter-Strike など。 グラフニューラルネット(GNN) 点と線で表したデー タを学習するAI。 正解率(Accuracy) 予測がどれだけ当たったかを0 〜1で表す成績。 資料No. 2220002 18 / 28 | スポーツ・ゲーム × AI
サッカー分析 × AI 試合の映像 → 位置を推定 → 攻守を採点 映像だけでサッカー選手の「見えない貢献」を評価できる? 試合映像から選手の位置を割り出し、守備も含めて選手を評価する手法。
背景・目的 サッカーの選手評価は従来パスやシュートなど「ボールに触ったプレー」ばかりで 、ボールを持たない時の動きや良い位置取り(守備)が評価されにくい。全選手の動 きの記録も一部の強豪しか持てず入手困難。 方法 試合映像から選手の位置や背番号をAIで読み取り、自分で位置の記録を作成し、ズ レを補正。従来の「プレー内容による評価」と「位置取りによる評価」を足し合わ せた新モデルを作り、プレミアリーグ3試合で検証。 結果・わかったこと 補正で位置の記録の精度指標が0.174→0.268に向上。プロ採点サイトの点数との一 致度は、プレーだけ(相関0.28〜0.45)より位置取りを入れた評価(0.58〜0.60)が高 い。支える動きのサイドバックが過小評価だったと判明。 意義・使いみち ボールに触らない時の守備や良い位置取りも点数化でき、より公平で多角的な選 手評価ができる。専用機器がなくても試合映像だけで分析できるのも強み。 用語 トラッキングデータ 試合中に全選手が「いつどこにい たか」を記録した位置情報。 VAEP パスやシュートなどのプレーを点数化する有名 な評価手法。 相関係数 2つの数値がどれだけ一緒に動くかの目安。 1に近いほど強い。 資料No. 2430122 19 / 28 | スポーツ・ゲーム × AI
バドミントン分析 × AI ラリー状況 → 木で先読み → 次の一打 バドミントンで勝つための次の一打、AIは当てられる? AIでバドミントンの「勝ちにつながる次の一打」を予測する手法を作った。
背景・目的 バドミントンでは、次にどんなショットを打つかを試合データから予測する研究が 進む。だが従来は各ショットが勝利にどれだけ貢献したかを点数に反映できず、過 去に実際に起きた展開しか扱えない弱点があった。 方法 深層強化学習で、各ショットがラリーの勝利にどれだけ貢献するかを点数化。その 点数を「ゲームツリー」という枝分かれ図に組み込み、実際には起きていない展開 を人工的に作り足して、幅広い状況に対応させた。 結果・わかったこと 主データでは、候補1つの正答率34.6%、上位3候補66.9%、上位5候補81.5%で、いず れも従来(最高31.8%/65.6%/80.9%)を上回った。別データでは一部わずかに及ばず。 ベストな1打だけでなく複数候補を示せるのも特徴。 意義・使いみち 選手やコーチが戦術を分析したり、試合中の作戦の意思決定を助けたりするのに 役立つと期待される。 用語 深層強化学習 試行錯誤し、良い結果につながる行動ほ ど高く評価して学ぶAI。 ゲームツリー 「こう打つと相手はこう返す…」の展開 を木の形で表した図。 ラリー サーブから点が決まるまで打ち合う一連の流れ 。 資料No. 2430130 20 / 28 | スポーツ・ゲーム × AI
麻雀AI × ゲーム分析 盤面の情報 → 関係も学習 → 狙いの役 麻雀AIは、相手が狙っている「役」を当てられる? 麻雀で成立しうる役を、役同士の関係も考えて予測するAIを作った研究。
背景・目的 麻雀AIは強くなったが、打ち方を再現するには「どの役を狙うか」の意図を読むこ とが必要。従来は役を1つずつバラバラに予測し、同時に成立しない役をまとめて「 成立」と誤るなど、つじつまが合わなかった。 方法 ネット麻雀「天鳳」の上級卓10年分(約1416万局)からアガリ局を選び、珍しい役 も残して100万局を抽出。盤面を画像のような形にしてCNNで読み取り、役どうし の関係をGCNで補正。33種類の役を同時に予測。 結果・わかったこと 役を1つずつ予測する従来より、まとめて学習するだけで精度向上(Micro-F1が 0.726→0.759)、CNNでさらに0.783、提案手法は0.784。同時に成立しない役を誤る 「違反」も0.0049→0.0012に減り矛盾が少なくなった。 意義・使いみち プレイヤーの「狙い」を反映した予測ができるので、打牌予測AIの手助けや、 より人間らしい打ち方の再現、AIの判断理由の説明に役立つ。 用語 役 麻雀で点になる牌の組み合わせ(リーチ・タンヤオ など50種以上)。 CNN 格子状データから近くの並びの特徴を見つける のが得意なAI。 GCN 点と線のつながり(グラフ)で物事の関係を扱 うAI。 資料No. 5F3-GS-10s-03 21 / 28 | スポーツ・ゲーム × AI
交通システム × AI 車の経路情報 → 信号を制御 → 待ち時間減 AIが信号を操れば、車の待ち時間は半分になる? 自動運転車の情報を使い、AIが信号を制御して渋滞を減らす研究。
背景・目的 AIの一種「強化学習」で信号を賢く動かす研究が注目される。だが従来は「どれく らい混んでいるか」の大まかな情報しか使えず、これから普及する自動運転車がも つ細かい経路情報を活かせていなかった。 方法 自動運転車の「これからどの道を通るか(経路)」や信号との位置関係をAIに与え、 深層強化学習で信号の切り替え方を学習。良い制御へのご褒美(報酬)の与え方も工 夫し、シミュレーションで検証した。 結果・わかったこと 情報を使わない方法と比べ、車1台あたりの平均待ち時間が約50%減り、CO2排 出量も約10%減った。さらに、自動運転車が急に経路を変えても性能が落ちに くいことも示された。 意義・使いみち 自動運転が広まる未来で、渋滞・待ち時間・環境への負担を同時に減らせる新し い信号制御の可能性を示した。 用語 深層強化学習 試行錯誤しながら「どう動けば良い結果 か」を自分で学ぶAI。 報酬設計 AIに「今のは良い」と教えるご褒美(点数)の 決め方。 ロバスト性 状況が変わっても性能が落ちにくい頑丈さ 。 資料No. 2210308 22 / 28 | 社会システム × AI
ソフトウェア開発 × AI コード小分け → AIが生成 → テストコード AIに関連コードを小分けで渡すと、良いテストが書ける? 関連コードを1つずつAIに渡し、より広く検査するテストを自動で作る手法。
背景・目的 プログラムが正しく動くか確かめる「テストコード」をAIに自動生成させる研究が 盛ん。だが従来は同じファイル内の情報しか渡せず、別ファイルの部品を呼び出し て使うプログラムではうまく作れなかった。 方法 検査対象と、それが使う別ファイルのコードを「1つずつ」AIに渡してテストを作ら せ、関連コードの数だけ繰り返す。全部まとめて渡すとAIが一度に読める量を超え るため、あえて小分けにするのが工夫。4方式を比較。 結果・わかったこと 提案手法が4方式中で最も高い「ラインカバレッジ」(テストがプログラムの何行を 実際に動かして確認できたかの割合)を達成。まったく検査できず0%になった対象 の数も、提案手法が最も少なかった。 意義・使いみち 複数ファイルにまたがる実際の開発でも、AIによるテスト自動生成を実用的に 使え、バグの見落としを減らせる可能性がある。 用語 LLM 大量の文章を学び、文章やプログラムを作れる AI。 依存関係 あるプログラムが別ファイルの部品を呼び出 して使うつながり。 ラインカバレッジ テストが対象の何行を動かして確認 できたかの割合。 資料No. 2210700 23 / 28 | 社会システム × AI
金融予測 × AI 市場データ → 3層で高速学習 → 翌日を予測 明日の株価は上がる?下がる?をAIが高速で予測 長・中・短期を組み合わせ、株価の翌日の上下を高速で予測するAIモデル。
背景・目的 従来のAI(深層学習)による株価予測は学習にとても時間がかかり、刻々と変わる 市場でリアルタイムに使うのが難しかった。そこで学習がずっと速い別方式で、値 動きの速い市場でもすぐ更新できるモデルを目指した。 方法 市場を長期・中期・短期の3段階に分け、それぞれを高速学習できるNGRCという手 法で予測し、上の層の結果を下の層へ引き継ぐ構造にした。更新頻度の違うデータ を合わせる仕組みやゲートも導入。米国株30銘柄で検証。 結果・わかったこと 上がるか下がるかの的中率は約0.549、F1は0.544で、比較手法(約0.47〜0.50) を統計的に有意に上回った。処理時間も1営業日あたり5〜7ミリ秒と、比較手法( 23〜48ミリ秒)より速かった。 意義・使いみち 高速に学習・予測できるため、毎日更新しながらリアルタイムに使う実用的な株 価予測に向く。ただし値そのものの予測精度の改善は今後の課題。 用語 リザーバコンピューティング 仕組みの大部分を固定し 出力部分だけ短時間で学習する方式。だから速い。 時系列予測 過去の並びから次に来る値を予測すること 。 決定係数R² 予測の当たり具合。1に近いほど良い。 資料No. 3E2-GS-2g-05 24 / 28 | 社会システム × AI
ソフトウェア開発 × AI コードのみ → 仕様を推測 → バグの場所 AIはテストなしでも、バグの場所を当てられる? ソースコードだけからAIがテストを作り、バグのある場所を推定する手法。
背景・目的 ソフト開発では、どこにバグがあるかを探す作業が大変。従来手法は人が用意し た「テスト」に頼るため、テストや仕様書がない小規模開発や、古くて整備され ていないプログラムには使えなかった。 方法 まずAIに、コメントやメソッド名・呼び出し関係から「本来こう動くはず」という仕様 を推測させる。それをもとにテスト入力と正しい答えをAIに作らせ、コードを頭の中で たどらせて実際の答えとのズレからバグ確率を見積もる(実際には動かさない)。 結果・わかったこと バグを疑わしさ順に並べ本物が平均何番目に出るかを表すMFR(小さいほど良い) で評価。単純にAIへ聞くだけの1218.9に対し、提案手法は882.5に改善。ただし正 確な人手テストを使う従来手法(1.15)には遠く及ばない。 意義・使いみち 仕様書やテストがない個人・小規模の開発や、整備されていない古いコードでも 、AIだけでバグ探しを助けられる可能性がある点が新しい。 用語 LLM 文章やプログラムを学び生成できるAI。 欠陥限局 プログラムのどこにバグがあるかを自動で推 定する技術。 テストオラクル あるテスト入力に対して「正しい答え はこれ」という期待出力。 資料No. 5J2-OS-31a-05 25 / 28 | 社会システム × AI
推薦システム × AI 感度の設定 → 推薦を50回 → 偏りを観察 オススメに流されやすい人ほど、視野が狭まる? 人ごとの「おすすめへのハマりやすさ」をAIで再現し、推薦の偏りを調べた研究。
背景・目的 おすすめ機能が発達すると、自分好みの情報ばかり見て視野が狭まる「フィルタ ーバブル」が問題に。従来は「誰でも同じくらい影響を受ける」前提が多かった が、実際はハマりやすさに個人差がある。 方法 文章を扱うAIで作った仮想ユーザに「おすすめに流されやすいか」「同じ情報が続 くと影響を受けやすいか」の度合いを設定。高い/低いで組み合わせた4タイプが、 映画データで「おすすめ→行動」を50回くり返す様子をシミュレーションした。 結果・わかったこと アルゴリズムはユーザの感度を知らないのに、感度によって行動が変わりおすすめ の中身にも差が出た。ハマりやすいタイプは探索行動が少なく、ハマりにくいタイ プほど提示される映画が多様で偏りも小さかった。偏りは時間をかけ積み重なると 判明。 意義・使いみち 一人ひとりの「ハマりやすさ」に合わせたおすすめ制御につながる。フィルター バブルは一瞬の推薦でなく、体験の積み重ね全体で見るべきという視点も示した 。 用語 フィルターバブル おすすめで好みの情報ばかり見て視 野が狭まる現象。 推薦システム 好みを予想して動画や商品を勧める仕組 み。 LLM 大量の文章を学んだAI。ここでは仮想ユーザを 演じる。 資料No. 1I4-GS-4a-03 26 / 28 | 社会システム × AI
プライバシ保護 × データ集計 みんなのデータ → 混ぜて偽装 → 安全に集計 みんなのデータを「混ぜる」と秘密は守れる? データを混ぜて集計する仕組みを、攻撃に強く大規模でも動く形に磨いた連作研究。
背景・目的 企業や役所が「どの項目が人気か」を集計したいとき、一人ひとりの回答は秘密の ままにしたい。仲介役がデータを混ぜる「シャッフル方式」は精度が高いが、集計 者との結託や偽データの流し込みという攻撃に弱かった。 方法 ユーザー側でなく仲介サーバー側で間引き・ダミー追加・シャッフルを行う「拡張 シャッフル方式」を設計し、安全性を数学で証明。巨大データへの対応、仲介役自 体をCPU内の保護領域(TEE)で守る方式へと3段階で発展させた。 結果・わかったこと 結託や偽データ攻撃を受けても保証が崩れず、推定誤差は既存方式より最大2〜4桁 小さい。項目数10億の集計が約3年相当の計算から約1日に短縮。ユーザー・項目数 とも1億の集計もTEEで守りつつ16時間以内で実行できた。 意義・使いみち アプリの利用傾向や商品評価などを、個人の回答を誰にも(サーバー管理者にさ え)知られずに集計する基盤になる。企業や政府で広がる差分プライバシを、攻 撃者がいる現実の規模で使えるようにした。 用語 差分プライバシ 結果にゆらぎを混ぜ、個人の答えを言 い当てられないことを数学で保証する仕組み。 シャッフルモデル 仲介役がデータをトランプのように 切り混ぜ、誰の回答か分からなくする方式。 TEE CPUの中の「金庫室」。サーバーの持ち主でさえ 中をのぞけない保護領域。 資料No. ndss・security・SP 27 / 28 | 社会システム × AI
ものづくり(伝熱設計)× AI 冷媒の条件 → AI5体で予測 → 予測+自信度 エアコンの中の熱の流れ、AIはどこまで当てられる? 冷媒の熱の伝わりやすさと流れの抵抗を、自信の度合い付きで当てるAIを開発。 背景・目的
エアコンや冷蔵庫では「冷媒」が液体と気体に変わりながら管を流れて熱を運ぶ。 熱の伝わりやすさ(熱伝達率)と流れの抵抗(圧力損失)の見積もりが機器の性能を左右 するが、従来の式は使える条件が狭く、予測の信頼度も分からなかった。 方法 予測と同時に「自信のなさ」も出すAIを、初期値を変えて5個学習させ統合する Deep Ensembleを採用。冷媒の種類・管の形・流れの速さなどを入力に、実験デー タ約4,600件(熱)・約1,800件(圧力)で従来手法と比較した。 結果・わかったこと 平均誤差は熱伝達率で2.136→0.913、圧力損失で2.413→0.463へ大幅に減少(単位は kW/(m²K)とkPa/m)。予測の96.4%(熱)・93.4%(圧力)が実測の±30%以内に収まり 、「自信あり」の予測ほど実際の誤差も小さかった。 意義・使いみち 新しい冷媒や条件のたびに実験を繰り返さなくても熱交換器を精度よく設計でき 、データが少なく予測が当てにならない条件も見分けられる。 用語 熱伝達率 熱の伝わりやすさの数値。大きいほど同じ面 積・温度差で多くの熱を運べる。 圧力損失 管を流れるときに摩擦などで失われる圧力。 大きいと余計な電力を食う。 冷媒二相流 冷媒が液体と気体の混ざった状態で管を流 れること。ふるまいは複雑。 資料No. 熱伝達率_圧力損失 28 / 28 | 社会システム × AI
まとめ:28本に共通する面白さ 1 身近な場面にAIを応用 ひとり暮らし・音楽・スポーツ・交通・エアコン設計 など、生活に近いテーマでAIが活躍している。 2 「大きいAI」に頼らない工夫 小型AIや、既にあるデータの活用で、少ないコストで も高い性能を目指している。 3
人や社会との関わりを重視 孤独感・公平性・安全性・プライバシなど、AIと人・ 社会のつながりを大切にしている。 4 うまくいかない結果も正直に 「効果が出なかった」「課題が残った」も率直に報告 し、次の研究につなげている。 気になった研究があれば、ぜひ元の論文ものぞいてみてください。