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チームの仕事はまわっていたけど、メンバーはそれぞれモヤモヤを抱えていた話──40名の大規模開発チームで1on1ログを公開してみた / opened 1on1 logs

vaccho
April 10, 2022
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チームの仕事はまわっていたけど、メンバーはそれぞれモヤモヤを抱えていた話──40名の大規模開発チームで1on1ログを公開してみた / opened 1on1 logs

PHPerKaigi 2022 スポンサーセッションのスライドです。
https://fortee.jp/phperkaigi-2022/proposal/5a260e4e-542d-4d82-849d-ef3d6cb7c854

vaccho

April 10, 2022
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  1. チームの仕事はまわっていたけど、
    メンバーはそれぞれモヤモヤを抱えていた話
    40名の⼤規模チームで1on1ログを公開してみた
    2022/4/10 PHPerKaigi 2022
    サイボウズ株式会社 柴⽥ ⼀帆

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  2. ⾃⼰紹介
    ▌柴⽥ ⼀帆(しばた かずほ)
    ▌Twitter: @vaccho
    ▌2008年サイボウズ新卒⼊社
    ▌エンジニアでキャリアをスタートし、現在は組織マネジメントを中⼼に活動
    ▌チームをより良くすることで、チームの成果と個⼈の幸福を両⽴したい
    ▌⾃分のことを話すよりも⼈の話を聞く⽅が得意です

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  3. サイボウズでは、ガルーンを PHP で開発して20年⽬︕

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  4. 今回はチームをより良くしていく取り組みを紹介します
    ▌ガルーン開発チームの状況
    n 20年⽬の製品で、コードもチームも⼤規模に
    n ⽇本40名、ベトナム50名
    n コロナ禍で2年間リモート中⼼の働き⽅に
    ▌そんな状況の中で「チームだけではなんとなくうまくいってない」という声が

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  5. サイボウズの開発組織は3年前からチーム主体の体制に
    Before
    ▌職能単位の部分最適ではなく、職能横断で全体最適化しやすい構造
    ▌チームに必要なことはチームで意思決定できるように権限委譲
    After

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  6. 「チームだけではなんとなくうまくいってない」
    ▌チーム主体の組織体制の中、特に⼤規模チームでは難しさが
    n チームだけで⾃律的にうまく機能していくことが難しい
    n 仕事はまわっているけど、いろいろツラくなってそう
    n 特定の⼈に負担が偏るなど
    n チームのことだけ考える⼈が必要そう
    n それぞれ⽇々の業務で忙しい中、⽚⼿間ではできることが限られる
    ▌コロナ禍でのリモート中⼼の働き⽅も影響してそう
    n 雑談やコミュニケーション機会がどうしても減ってしまう

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  7. 組織全体のマネジメントの⽴場から、ガルーンチーム内へ
    ぼく
    ▌「チームのことだけ考える⼈」をチームの中で担ってみる︕

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  8. 取り組みの紹介

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  9. どんな⾵に取り組もうと思ったか(1/2)
    ▌具体的にどんな問題がありそうかをまず知りたい
    n 「チームのことだけ考える⼈」が必要そうというのはわかったけど、具体的
    にどんな問題を抱えているのかはわからなかった
    n ⽇々の業務が忙しく、うまく⾔語化できていないこと⾃体がまず問題と
    してありそうだった
    n どういう問題を抱えているのか、それを⾒える化していくことが最初の⼀
    歩だと思った
    ▌まずは全員と1on1をして、教えてもらおう︕

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  10. どんな⾵に取り組もうと思ったか(2/2)
    ▌⾃分だけで問題を解決していくというより、みんなで解決していけるように
    したい
    n ⾃分⼀⼈で解決できる範囲は限られそう
    n ⽇々の業務をしているメンバー⾃⾝だからこそ解決していけることも多
    そう
    n 属⼈化/ボトルネックを⽣まないことがチームとしてより良さそう
    n そのためには情報を共有していくのが⼤事そう
    ▌1on1で得られた情報を共有できるように、ログを公開してみよう︕

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  11. 全員と1on1
    ▌⽇本の40名を対象に
    ▌1ヶ⽉ほどかけた
    n 1⽇新規2名のペースで20営業⽇
    ▌1度で終わりではなく継続的にやる⼈が多かったので、だいたい週15-20
    名のペースで⾏った

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  12. 1on1の時間
    ▌⽬的
    n どんな問題がありそうかを知りたい
    n ⽴ち⽌まって考える機会を提供したい
    ▌初回はこちらから質問して教えてもらう
    n 今やっていること
    n モチベーションや望んでいること
    n 今感じている問題
    ▌2回⽬以降は、話したい/考えたい話題を相⼿に決めてもらう
    n こちらは聴き役に徹して、⼀緒に⾔語化したり深堀りする機会に

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  13. これまでの1on1ログは⾮公開にしていた
    ▌ログがあることのメリット
    n 話した内容を思い出せる
    n ネクストアクションなどが共通認識に
    ▌⾮公開であることのメリット
    n その場限りの話題も安⼼して話すことができる
    ▌⾮公開であることのデメリット
    n 情報がマネージャー/リーダーだけに集まってしまう

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  14. 1on1ログをどんなふうに公開したか
    ▌どんな内容で公開されるかわかる状態で話す
    n 本⼈と画⾯共有をして、書いている内容を⾒える状態で
    n 書き⽅としては議事録のような感じ
    ▌すべてを残しているわけではない
    n 書いた後、その場で「これは消そうかな」と相談したり
    n 「これは書かないで欲しいんですけど」と前置きして話してくれたり

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  15. 1on1ログのイメージ
    話してもらった内容を
    わりとそのまま書いてる
    聴き役に徹しているので
    こちらの発⾔はとても少ない

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  16. 1on1ログのイメージ
    読んだ⼈が「いいね︕」で反応してくれる

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  17. 1on1ログのイメージ
    1on1が終わった1分後に投稿。
    その場で確認してもらっているので、
    ⾯談以外の時間は使わずにできてる

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  18. やってみてどうだった︖

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  19. 「なんとなくうまくいってない」から⾔語化されてきたこと
    ▌⽇々忙しくはしてるんだけど、全体最適なところに⼒を⼊れられているかという不
    安を抱えているメンバーが多い
    n プロダクトの⻑期的な⽅向性がわかってない
    n プロダクト間をまたいだ戦略がもっと良くできそう
    ▌やり⽅を改善していくところに⼒が⼊れられてない
    n 斧を研ぐような活動
    n 特定の⼈に負担が偏ってそう
    n ベトナムチームとの連携をもっと良くできそう
    ▌などなど

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  20. みんなの反応
    「あーこれみんなやっぱり思ってたんだな」とか
    「この⼈はこういうことに関⼼があるんだな」とか
    分かって⾯⽩い
    分報にいいねしてくれること以外何もやって
    ることがわからなかった⼈たちが何してるか
    わかった
    ⾃分でも「そっかこう考えてのか︕」みたいな
    気付きがありますね。⽂字にしてもらうことの
    良さを感じました
    1on1ログ、どの⼈のもめちゃめちゃ
    共感する
    私から⾒ると〇〇さんは何でも出来るマンだ
    けど、やっぱり⾃分じゃそうは思わないよな〜
    △△さんが××の決断に
    こんな苦悩してたのが⾒えるのすごいな

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  21. ログを公開したことでうれしい⾏動も
    ▌「これ⾃分も思ってました、⼀緒にやりましょう」
    ▌「ここに興味あるんだな、じゃあこれお願いしてみよう」
    ▌「ここで困ってたんだな、⾃分にこういうサポートができるな」
    ▌情報を共有することで⾃発的に⾏動して解決していく状態に
    n 情報を集約したマネージャー/リーダーが指⽰するのではなく

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  22. 学び(1/4)
    ▌改めて時間をとって話してもらう機会を持つと、問題の発⾒や⾔語化が
    できる
    n ⾃分⾃⾝でも「そうかこう考えてたのか︕」という気づきに
    n ⼈に話す/聴いてもらう機会があるから⾔語化できることってありそう

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  23. 学び(2/4)
    ▌情報を共有することで、チームにある問題の透明性が上がる
    n すぐにできそうなことは⾃発的に⾏動してもらえる
    n ⾏動につながるだけでなく、単純に考えていることがわかることによる安
    ⼼感もありそう

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  24. 学び(3/4)
    ▌改めて、いろんな⼈のいろんな視点がやっぱりある
    n そういう⼀⼈⼀⼈の考えていることが、広く深く共有されることってあまり
    なかった
    n チームふりかえりだけでは得にくい情報
    n やっている仕事は⾒えるけど、感情とかは⾒えにくい
    n 特にPMなど権限や情報を多く持つ⼈とか、普段そんなに分報書かない⼈とか

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  25. 学び(4/4)
    ▌⼈に話す、というフィルタが効果的な⾯もありそう
    n 聞き⼿を通して引き出してもらうことで、⼈に伝わりやすい形で⾔葉を
    残せる
    n 分報に⾃分⾃⾝で書くものとは違った感じがありそう
    n 考えていることがなんでも⾒えたら良いわけでもなさそう
    n 共有すると良さそうなことの取捨選択としてのフィルタ

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  26. 今後やっていきたいこと
    ▌今後チームに新たに⼊るメンバーとは特に公開/⾮公開のバランスを慎重に
    n 公開前提で話す機会ばかりだと、話す話題や⾒せられる姿が限定的にな
    るかもしれない
    n 安⼼して話せる機会/関係性を作ることとのバランスに気をつけたい
    ▌⾔語化して⾒える化できた問題の解決にも絶賛取り組み中
    n 影響範囲の⼤きい問題はすぐできるものではないので、時間をかけて取り組
    んでいく
    n チーム構造を書籍「チームトポロジー」に沿って⾒直すなど

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  27. まとめ
    ▌⼤規模&リモート中⼼のチームをより良くするための取り組みを紹介
    ▌1on1ログを公開することで、⾒えにくくなっていた感情や考えていることの
    透明性を広く深く上げることができた
    ▌情報を共有することで、すぐにできるものは主体的に各所で解決していく
    動きにつながった
    ▌今後は時間のかかる問題も解決していって、より良いチームにしていく
    ぞ︕

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  28. We are hiring!
    ▌チームをより良くする活動もしているガルーンチームに、あなたもジョインし
    ませんか︖
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    https://cybozu.co.jp/recruit/entry/career/software-engineer-php.html

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