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Graph Engineeringで作るSRE Agent ~ ⼿動対応者からAIの監督者へ ~

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September 03, 2026
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Graph Engineeringで作るSRE Agent ~ ⼿動対応者からAIの監督者へ ~

Devincon 2026 登壇資料

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Yudai Sugiyama

September 03, 2026

Transcript

  1. 00 ⾃⼰紹介 メディア統括本部 Data Science Center 機械学習エンジニア 杉⼭ 雄⼤ YUDAI

    SUGIYAMA 2026.04 WinTicketのPlatformチーム でSRE領域を担当 2025.04 サイバーエージェント新卒⼊社 WINTICKETの競輪予想モデル“AI予想”などの 機械学習システムの運⽤‧保守に従事 2
  2. 02 Agent設計技術の変遷 これまで設計してきたもの Prompt Engineering Context Engineering Harness Engineering 単⼀のモデル呼び

    出しで与える指⽰ の設計 扱える情報として 何を与えるか の設計 エージェントの 実⾏環境の設計 9
  3. 02 Agent設計技術の変遷 Loop Engineering Peter Steinberger(OpenClaw開発者) Boris Cherny(Claude Code開発者) “エージェントに直接プロンプトすべきではない

    エージェントに指⽰するループを設計すべきだ” “もうClaudeにプロンプトしない Loopを⾛らせ、それがClaudeに指⽰する 私の仕事はLoopを書くこと” 引⽤元 https://x.com/steipete/status/2063697162748260627 引⽤元 https://www.youtube.com/watch?v=RkQQ7WEor7w 10
  4. 02 Agent設計技術の変遷 Loopを構成する6要素 要素 説明 Automations スケジュールまたはイベントをトリガーに⾃動起動する仕組み Worktrees 複数のエージェントが互いに⼲渉しないよう、それぞれ独⽴した作業 ディレクトリを持たせる隔離の仕組み

    Skills プロジェクト固有の知識‧慣⾏を説明し直さずに済むようにする再利 ⽤可能なナレッジ Plugins / connectors MCP などを介して、既存の外部ツール群にエージェントを接続する 仕組み Sub-agents 詳細調査やコードレビューを専任のサブエージェントに任せる構造 State 単⼀の会話セッションの外側に存在し続ける記録媒体 引⽤元 https://addyosmani.com/blog/loop-engineering/ 11
  5. 02 Agent設計技術の変遷 Graph Engineering Josh C. Simmonsの記事 Peter Steinberger(OpenClaw開発者) AI

    Agent設計はLoopから明⽰的なGraphへ移⾏す ると論じる記事 “まだループの話をしてるんですか? それとも、もうグラフの話に移ったんですか?” 引⽤元 https://www.drjoshcsimmons.com/writing/weare-entering-the-graph-engineering-phase 引⽤元 https://x.com/steipete/status/2078277297791189132 12
  6. 02 Agent設計技術の変遷 Graphを構成する3要素 要素 説明 Node 能⼒の単位。思考‧⾏動‧観察サイクルを実⾏するモデル、単純な決 定論的関数、検索ステップ、あるいは⼈間。1つの処理だけを実⾏ し、単独でテスト可能であり、他の部分に影響を与えることなく交換 可能なもの

    Edge 決定事項。あるNodeから次のNodeへ状態を伝達する型付き遷移。 決定論的なものとモデルによって決定されるものがある。重要なの は、どちらがどちらであるかを把握し、可能な限り決定論的な処理を デフォルトにすること State 状態。スキーマを持つオブジェクトであり、境界を越えるたびに チェックポイントが作成される。「たまたまコンテキストウィンドウ に表⽰されているもの」ではない 引⽤元 https://www.drjoshcsimmons.com/writing/we-are-entering-the-graph-engineering-phase 13
  7. 02 Agent設計技術の変遷 これから設計するもの Prompt Engineering Context Engineering Harness Engineering 単⼀のモデル呼び

    出しで与える指⽰ の設計 扱える情報として 何を与えるか の設計 エージェントの 実⾏環境の設計 Loop Engineering Graph Engineering エージェントが継 続的に⾃律実⾏し 続けられる仕組み の設計 Loop内の明⽰的な 状態遷移グラフ の設計 14
  8. 03 SRE Agentの導⼊ SRE Agentとは テレメトリ‧アラート‧インシデント履歴などのコンテキストを継続的に観測‧推論し、⼈間が定 義したガードレール下で障害の調査‧復旧を担うAI Agent Gartner® Report:

    Predicts 2026 — AI Agents Will Transform IT Infrastructure and Operations 2029年までに企業の70%が、ITインフラストラクチャを同時に運⽤するためにAI Agentを導⼊する⾒込み であり、これは2025年の5%未満と⽐較して⼤幅な増加となる 引⽤元 https://www.pagerduty.com/resources/itops/analyst-report/gartner-predicts-report-2026-ai-a gents-transform-it-infrastructure-operations/ 16
  9. 03 SRE Agentの導⼊ 通知の種別 クリティカル通知 ワーニング通知 ‧SLI/SLO ‧Error tracking ‧5xx増加

    ‧Crashloop Backoff ‧票数報告や情報取得の失敗 ‧リソース枯渇系(CPU/RAM/Disk) ‧外部決済サーバーの障害 ‧パケットロス ‧Cron Jobの失敗 ‧Cloud Armor ワーニング通知対応の課題 SLOを事前定義可能なアラートは、OnCallで元々キャッチできていたが、ワーニング通知は⼈間の即時対 応が必須でないものも多く、対応が漏れることもある(特に休⽇) 17
  10. 03 SRE Agentの導⼊ Devin Auto-Triageの特徴 24/7対応可能 障害のたびに賢くなる トリアージ‧原因調査は、継続的に更新されるメモ 常に待機しており、新しいバグやアラートが通知さ リを使⽤して動作する。チームがバグをどのように

    れると、即座に調査を開始できる 処理するかを学習し、適切な担当者を割り当て、過 去の調査を参照できる 重複排除 繰り返される通知を認識し、関連するSlackスレッ ドとリンクさせ、既に調査済みの事項を追跡するこ とでノイズを減らせる セキュリティ DevinとSub-Devinは安全なネットワークサンド ボックス環境で実⾏される 19
  11. 03 SRE Agentの導⼊ トリアージ基準 優先度 基準 P1 主要導線が利⽤できない。業界や取引先、多くのユーザーに影響が ある P2

    機能は⼀部利⽤できるが、限定ユーザーに失敗、遅延、不整合が発 ⽣している可能性がある P3 ユーザー影響は限定的、または確認できないが、再発⾒込みや運⽤ 影響がある P4 対応不要。単発、⾃然復旧済み、仕様通り、誤検知、または既に対 応中 21
  12. 03 SRE Agentの導⼊ SRE Agentを運⽤してみての所感 トリアージ ‧アラート対応のカバレッジが広がった ‧⼈間が全てのアラートを⾒る必要がなくなった ‧不要なメンションが多い ‧⼈間から「本当に影響がないか」の追加質問が多い

    コード品質 原因調査におけるコンテキスト ‧Devinの権限をDatadogのみに絞っている ‧そのため、本番DBへのクエリやkubectlの実⾏な どが必要になる調査が実⾏できない 責任の所在 ‧ログレベル変更などの軽微な修正は対応可 ‧Devinのセルフマージを許可すると、その変更に対 ‧AI単体では設計判断を要する修正は難しい する責任の所在を説明できなくなる ‧過去のレビューをナレッジ化する仕組みがないと ‧そのため、AuthorがDevinのPRに対して⼈間をア 同じ間違いを繰り返してしまう サインする仕組みが必要 25
  13. 04 AIと⼈間の役割 責任の所在の明確化 責任の所在 ‧Devinのセルフマージを許可すると、その変更に対 する責任の所在を説明できなくなる ‧そのため、AuthorがDevinのPRに対して⼈間をア サインする仕組みが必要 対応 ‧Devin

    Auto-Triage経由でPRを作る際には特定の ラベルを貼るよう指⽰ ‧そのラベルが貼られたPR作成をトリガーに 対象のGitHub Teamからランダムにアサインする ワークフローを作成 ⼈間レビューの必要性 ⾃動化が進むほど「⼈間が何もしなくてよい」と錯覚しがちであり、AI駆動開発では これをプロセスの萎縮(Process Atrophy)と呼び、最⼤のリスクのひとつと位置づけている 27
  14. 04 AIと⼈間の役割 ⼈間レビューのフィードバックループ コード品質 ‧ログレベル変更などの軽微な修正は対応可 ‧AI単体では設計判断を要する修正は難しい ‧過去のレビューをナレッジ化する仕組みがない と同じ間違いを繰り返してしまう 対応 ‧過去のPRレビューでの同じ指摘を検出し、ルール

    化を提案するワークフローを作成 ‧ルールの肥⼤化を防ぐために⾃動化する部分は、 収集‧分析‧提案まで Context Advantage ⼈間はAIよりもコンテキスト⾯で優位性がある。⼈間はシステムがどのように動かなければならないかの コンテキストについてAIよりも多くを知っている。これは、コンテキスト注⼊ステップを⾃動化できない 理由にも繋がる。⼈間がAIが知らない何かを知っている限り、⼈間は関与する必要がある。 28
  15. 04 AIと⼈間の役割 SREにおけるAIの⾃律性レベル 現在のSRE Agentの⾃律性レベル: L1 - Assisted Monitor 異常や兆候を検知‧観測すること

    Investigate データを分析し原因を診断すること Mitigate (Approval) 対応⽅針を承認すること Actuate 承認された変更を本番に適⽤すること Self Direct ⼀連の対応を⾃律的に考案‧実⾏すること 引⽤元 https://sre.google/resources/practices-and-processes/ai-engineering-reliable-operations/ 29