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Cloudflare「Kitesurf」を読む
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赤神青空
August 11, 2026
Programming
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Cloudflare「Kitesurf」を読む
赤神青空
August 11, 2026
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Transcript
2026年8月 Cloudflare「Kitesurf」を読む 人間が見ないブラウザは、どう設計されるのか 赤神 青空
▪2026年8月6日、Cloudflare「Agents 何が起きたか Week」 Cloudflareがブラウザを作った。 ただし、人間が見るためのものではない。 名前 Kitesurf。Browser Run でベータ提 供中、現在は無料。
中身 Chromiumを使わず、Workers上の V8 isolateで動く。 結論を先に Chromiumより速くない。それでも 意味がある、という話。 AIエージェントが使うことだけを前提に設計された、初期段階のブラウザです。 今ココ はじめに 2/13
▪世の中のブラウザの大半が、これで動いている そもそもChromiumとは Googleが公開しているオープンソースのブラウザ実体。ここを土台に各社が製品を作っています。 これを使っている主なブラウザ Chrome、Edge、Brave、Opera、Vivaldi など Safari は別系統(WebKit)、Firefox も別系統(Gecko) 画面のない使い方もできる(ヘッドレス)
PuppeteerやPlaywrightが既定で動かすのがこれ スクレイピングやE2Eテストは、たいていこれを動かしている だからこれまでのAIエージェントも、人間用のChromiumを借りて使ってきた 今ココ はじめに 3/13
▪同じ仕事を、別の部品で組み直している Kitesurfが捨てたもの Chromium ⼈間のために作られた Kitesurf エージェントのために作られた タブ‧テーマ‧拡張機能 端末間の同期‧セッション保持 GPU合成‧60fpsスクロール この4層は、そもそも無い
エージェントは画⾯を⾒ないので要らない ピクセル単位で正確な描画 HTML / CSS の解析とレイアウト Blitz + Stylo(Rust製) JavaScript の実⾏ V isolate + Boa JS ネットワークからの取得 SandboxOutbound 人間のための4層を落とし、エージェントが使う3層だけをWorkersの上で組み直した 今ココ しくみ 4/13
▪「何を敵と想定するか」が、人間向けとずれている 脅威モデルも違う 脅威モデル=「何を敵と想定して守るか」の前提。 使い手が人間かエージェントかで、ここが入れ替わる。 人間のブラウザ 自分で選んだサイトを開く。前提は ある程度の信頼。 エージェントのブラウザ 任意のサイトを開けと指示される。 信頼の前提が置けない。
だから主役の脅威が変わる プロンプトインジェクションなど、 指示の乗っ取り。 Kitesurfは「すべてのページ読み込みは信頼できない入力」から出発しています。 今ココ しくみ 5/13
▪隔離とステートレスを、構造で担保している 3つの部品と、1つの出口 Kitesurf(Cloudflare Workers の上で動く) 画像‧CSS‧fetch() ページを開く エージェント Puppeteer /
MCP Engine 唯⼀の公開⾯(CDP) セッション状態を持つ RPC: renderFrame() PageScript 1ページ = 1 isolate HTML/CSS解析‧JS実⾏ シーン(ページ内容) 最初の⽂書取得 PageRenderer SandboxOutbound 唯⼀の出⼝ CORS強制‧Cookie分離 違反は403で落とす Web 任意のサイト ラスタライズ PNG / JPEG / PDF この範囲から直接インターネットには出られない 状態を持つのは Engine だけ。ネットに出られるのは SandboxOutbound だけ 今ココ しくみ 6/13
▪行ごとに長いほうを最大幅にしている(14URL・5回計測の中央値) 何が良くなり、何が悪くなったか Chromium Kitesurf(有利) Kitesurf(不利) CPU時間 メモリ 所要時間 スクリーンショット取得時‧中央値 ,
ms ms . MiB . MiB ms , ms 3.1倍 少ない 4.7倍 少ない 1.8倍 遅い 上2つが請求書に乗る。下1つは体感にしか乗らない。 有利な2つと不利な1つは、効いてくる場所が違う 今ココ 数字 7/13
▪普通のブラウザなら「失敗」と呼ばれる結果 ここが一番おもしろい 速いブラウザを作ったのではない。 安いブラウザを作った。 遅い理由 温まったJITに、冷たいソフトウェアレンダラは勝てない。 それでも良い理由 課金されるのはCPU時間とメモリであって、体感速度では ない。 1台をどれだけ速くするかではなく、同時に何台立てて捨てられるかで評価する製品です。
今ココ 数字 8/13
▪Cloudflare自身がそう案内している 今は二階建てで使う ◯ Kitesurfが向く HTML抽出、スクリーンショット、PDF生成 単発で終わる Quick Actions 短時間・大量・並列のバースト処理 使い捨て前提のエージェント作業
✕ まだChromiumが要る 動画の再生、WebGLの描画 TLSフィンガープリントを見るbot対策 長時間ログインを維持する処理 表示互換性が厳しく問われる場面 「全部置き換える」ではなく「安いほうに流せる仕事を流す」という出し方をしています。 今ココ 使う 9/13
▪CDP互換なので、既存のコードは書き換えない 切り替えはパラメータ1つ Puppeteer / Playwright / MCPクライアントが、そのまま向き先を変えられます。 bash # Quick
Actions(スクリーンショット) curl -X POST "$BASE/browser-run/screenshot?browser=kitesurf" \ -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \ -d '{"url": "https://example.com"}' text # CDPエンドポイント wss://.../browser-run/devtools/browser?browser=kitesurf 今ココ 使う 10/13
▪発表時点で決まっていないこと 保留にしておきたいこと 面白い一方で、まだ判断材料が揃っていないところもあります。 ベータの無料枠で試すぶんには関係ありませんが、載せる前には効いてきます。 01 02 03 現在はベータで無料。アカウント単位の 上限つき 「準備ができたら」のみ。リポジトリも
ライセンスも未公開 移植性やデータ所在に制約があるなら、 そこから検討が要る 正式な料金が未発表 今ココ 使う OSS化は時期未定 Workers前提 11/13
▪Kitesurfをどう位置づけるか まとめ 01 評価軸が置き換わった 速度ではなくCPU・メモリで測る。同時実行数と使い捨てやすさで評価する製品。 02 安全性を構造で担保している 出口を1つに絞り、毎回まっさらなisolateで開く。モデル任せにしない。 03 今は併用が前提
短時間の抽出・撮影はKitesurf、動画や長時間セッションはChromium。 今ココ まとめ 12/13
▪個人的に気になっていること 最後に Webが人間用とエージェント用に分かれ始めている。 ブラウザが分かれたのは、その一番わかりやすい形かもしれない。 同じ週の発表 WebMCPなど、サイト側がエージェントに機能を差し出す 仕組みも並んでいる。 これから見る点 実サイトの互換性、正式料金、OSS化の時期。採用可否は ここで決まる。
まずはPlaygroundに手元のURLを入れてみるのが、一番早い確かめ方です。 今ココ まとめ 13/13