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デマを自動判定したかった自動推論

denjiry
June 07, 2020
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 デマを自動判定したかった自動推論

denjiry

June 07, 2020
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  1. 組合せ範疇文法(Combinatory Categorial Grammer) ➢ 形式意味論の文法の理論のひとつ。辞書と組合せ規則からなる ➢ 辞書は{単語, 統語範疇, 意味表示}の三つ組の集合 ➢

    単語毎の統語範疇へ、組合せ規則を適用して構文木を算出する ➢ 構文木と組合せ規則から、文の意味として論理式を算出する 9
  2. ccg2lambda: A Compositional Semantics System CCGに基づいて、文章を論理式に変換するソフトウェア ➢ CCGに基づくパーサーの出力から論理式を導く ➢ 定理証明支援系によって論理式同士の含意関係を出力

    ➢ 実装 https://github.com/mynlp/ccg2lambda ➢ 含意関係認識のデータセットJSeMにおいて高い適合率を達成 14 “ccg2lambda: A Compositional Semantics System”, Martinez-Gomez,Pascual; Mineshima,Koji; Miyao,Yusuke;Bekki,Daisuke; (2016). In Proceedings of the 54st Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics (ACL2016), System Demonstrations, pp.85-90, August 7-12, Berlin, Germany.
  3. ccg2lambdaによる変換例 ➢ 例文 ⭗ 日本人研究者は誰もノーベル賞を受賞しなかった。 ➢ 出力 ⭗ all y.(exists

    x.(_日本人(x) & _者(x) & _研究(x) & (x = y)) -> -(_賞(_ノーベル) & True & exists e.(_受賞(e) & _する(e) & Past(e) & (Nom(e) = y) & (Acc(e) = _ノーベル)))) 15
  4. サンプル文章の話の整理 帰結 ➢ 症状のある人全員にはPCR検査は必要ない 根拠 ➢ PCR検査によってCOVID-19を検出できる可能性がある ➢ COVID-19にかかっても、無症状・軽症例に特別な治療は必要ない ➢

    検査を行っても治療法が変わらない場合、その検査を行う必要はな い 「根拠たちが帰結を意味として含むか」を自動で判定したい 17
  5. 論理式に変換(手作業版) ➢ 症状のある人全員にはPCR検査は必要ない ⭗ ¬∀x. (症状のある人(x) → PCR検査が必要な人(x)) ➢ PCR検査によってCOVID-19を検出できる可能性がある

    ⭗ ギブアップ ➢ COVID-19にかかっても、無症状・軽症例に特別な治療は必要ない ⭗ ¬∀x. (COVID-19(x)∧無症状(x) → 特別な治療が必要な人(x)) ➢ 検査しても治療法が変わらない場合、その検査を行う必要はない ⭗ ギブアップ 18
  6. 論理式に変換(ccg2lambda版) ➢ 症状のある人全員にはPCR検査は必要ない ⭗ ∀ x.((_人(x)) -> (Content(x,\F1.∃ x.(_症状(x))) &

    -∃ z2.(_PCR(z2) & _検査(z2)))) ➢ PCR検査によってCOVID-19を検出できる可能性がある ⭗ ∃ x.(_性(x) & _可能(x) & Content(x,\K.∃ x.(_COVID(x) & _HYPHEN(x) & _19(x) & ∃ e.(K(\e2.(_ 検出(e2) & _できる(e2) & ∃ x.(_PCR(x) & _検査(x) & _によって(e2,x))),e) & (Acc(e) = x))))) ➢ COVID-19にかかっても、無症状・軽症例に特別な治療は必要ない ⭗ エラー ➢ 検査しても治療法が変わらない場合、その検査を行う必要はない ⭗ エラー 19
  7. 前提知識の不足 普段我らが推論するときには、無意識に前提知識を考慮している → 無意識に使用している前提知識を補完する必要がある 例: 「その人は上手に日本語を話せる」 → 「話すのに時間がかからな い」 •

    日本語は言語のひとつである • 任意の言語について、上手に話せるならば、話すスピードが速い • 話すスピードが速いと、話すのに時間がかからない 22
  8. 『日本語文法の形式理論』 [戸次 2010] 24 ➢ 日本語におけるCCGを網羅的に定義 ➢ 1章でいわゆる言語学とNLPの剥離、 及びその剥離を埋めるCCGの導入 ➢

    2章でCCGの説明 ➢ 3章で日本語におけるCCGの概観 ➢ 4章以降は個別の文法に対する網羅的 な分析
  9. 『現代意味論入門』[吉本・中村 2016] 25 ➢ 形式意味論の幅広い分野をカバーする ➢ 数理論理学の基礎 ➢ 句構造文法、CCGなどの文法理論 ➢

    可能世界意味論 ➢ モンタギュー意味論 ➢ 動的意味論など、1990年代までの比較的 新しめの話
  10. 参考文献 ➢ Bekki,Daisuke; Miho,Sato; (2015).”Calculating Projections via Type Checking”, In

    Extended abstracts of the ESSLLI 2015 workshop TYTLES: Types Theory and Lexical Semantics, Robin Cooper, Christian Retore (eds.), Aug 2015, Barcelona, Spain. 2015. slide:https://www.slideshare.net/kaleidotheater/bekki-satotytles2015 ➢ Martinez-Gomez,Pascual; Mineshima,Koji; Miyao,Yusuke;Bekki,Daisuke; (2016). “ccg2lambda: A Compositional Semantics System”, In Proceedings of the 54st Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics (ACL2016), System Demonstrations, pp.85-90, August 7-12, Berlin, Germany. ➢ 『日本語文法の形式理論』戸次 , 2010 ➢ Koji Mineshima, Ribeka Tanaka, Pascual Martínez-Gómez, Yusuke Miyao, Daisuke Bekki. “Building compositional semantics and higher-order inference system for wide-coverage Japanese CCG parsers”, Proceedings of the 2016 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing, pages 2236-2242, Austin, Texas, 1-5 November 2016. 27