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解析力学入門

Etsuji Nakai
November 26, 2019

 解析力学入門

ver1.0 2019/11/26 Initial version
ver1.1 2019/11/27 練成振動子の例を追加
ver1.2 2019/11/29 typo
ver1.3 2019/12/02 「勉強会の目的」を追加
ver1.4 2019/12/10 typo

Etsuji Nakai

November 26, 2019
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Transcript

  1. 質点の運動法則に対する要請 • 時刻   における座標値      が分かれば、次の瞬間       の座標値は決定できるか? • できない。次の瞬間の位置は、その瞬間の速度      にも依存する。 (*) 一般に時刻 t

    の関数を t で微分したものをドット記号で表す: • (デカルト座標とは限らない)質点の座標を       として、質点の 運動を決定する根本法則は、             を用いて表される はずである。(厳密には、これに加えて、質点に加わる力も含まれる) 13
  2. 最小作用の原理 • 唐突ですが。信じてください。 • 時刻  に座標   にあった質点が、時刻  に   に到達したとする場合、 ある関数      があり、この質点は、次で計算される値

    S が最小にな る経路を通って運動する。 (*) ここでは複数の座標      をまとめて  と表記しています。) 15 ラグランジアン 作用
  3. • y 軸方向に重力 mg を受ける質点のラグランジアン • x に対するラグランジュ方程式 • 一般にラグランジアンに変数

    q が含まれない時、    は保存量になるこ とがわかる。 一般化運動量 22 x 方向の運動量保存則 一般化運動量
  4. 放物運動 31 • x 方向のハミルトン方程式 • y 方向のハミルトン方程式 通常の意味での運動量の定義 x

    方向の運動量保存 通常の意味での運動量の定義 y 方向のニュートン方程式
  5. (参考)時空間の対称性と保存則の関係 37 • ハミルトニアンがある座標に依存しない時、対応する一般化運動量は保存す る。 • 中心力を受ける質点の場合、ハミルトニアンは θ に依存しないので、それに 対応して、角運動量が保存した。

    • つまり、空間をある方向に動かしても、系の性質(ハミルトニアン)が変化 しなければ、対応する保存量が必ず存在する。 • 同様に、ハミルトニアンが時刻に依存しない、すなわち、時刻を変えても系 の性質が変わらないことに対応して、エネルギーが保存すると言える。
  6. 調和振動子 39 • 一般解は、A と δ を任意の定数として、 • この時、ハミルトニアン(エネルギー)の値は、 •

    これより、点    は、ある楕円上を回転運動 することがわかる。(楕円の大きさはエネルギー によって決まる。)
  7. (参考)リウビルの定理 42 • 相空間の連結部分の各点が運動方程式に従って移動する時、連結部分の体積 は不変に保たれる。 • 一次元   の場合で証明する ◦ 密度    で相空間に分布する点の集合の運動は、連続方程式を満たす ◦

    これを用いると密度関数の時間発展は次式になる ◦ ハミルトン方程式を代入すると、上記は 0 になる。つまり、相空間に分布する点 は密度を一定に保って運動するので、体積が増減することはない