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企業価値に繋がるAI事業の創り方

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December 16, 2025
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 企業価値に繋がるAI事業の創り方

AI Engineering Summit Tokyo 2025 #AIE2025
2025/12/16 15:20~16:00 @ Room B

株式会社estie
取締役CTO 岩成達哉
Nari (@tiwanari)

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December 16, 2025
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  1. © 2025 estie Inc. 企業価値に繋がるAI事業の創り⽅ AI Engineering Summit Tokyo 2025

    2025/12/16 15:20~16:00 @ Room B 株式会社estie Nari (@tiwanari)
  2. © 2025 estie Inc. バックグラウンド • 松江⾼専 [島根] 情報⼯学科出⾝ •

    ⾼専在籍時に開発したプログラミング教育教材で ⼤学在学中に起業するも撤退 キャリア • 2017/04にIndeed Japanに参画し、 求⼈情報を収集・提供するパイプライン開発に従事 • 2020/10にestieへ⼊社しデータパイプライン構築 2021/10に取締役CTOに就任して開発部⾨を統括 2025/01に不動産AI Labを設⽴ 個⼈ • 5歳と3歳の男の⼦の⽗ • 2025/10から社会⼈博⼠課程に進学してAIを研究 ⾃⼰紹介 8 株式会社estie 取締役CTO 岩成達哉 (Nari)
  3. © 2025 estie Inc. バックグラウンド • 松江⾼専 [島根] 情報⼯学科出⾝ •

    ⾼専在籍時に開発したプログラミング教育教材で ⼤学在学中に起業するも撤退 キャリア • 2017/04にIndeed Japanに参画し、 求⼈情報を収集・提供するパイプライン開発に従事 • 2020/10にestieへ⼊社しデータパイプライン構築 2021/10に取締役CTOに就任して開発部⾨を統括 2025/01に不動産AI Labを設⽴ 個⼈ • 5歳と3歳の男の⼦の⽗ • 2025/10から社会⼈博⼠課程に進学してAIを研究 ⾃⼰紹介 9 株式会社estie 取締役CTO 岩成達哉 (Nari) 今⽇はこの1年の 学びの共有
  4. © 2025 estie Inc. 12 オフィス・店舗・物流施設・データセンターなどは 「商業用不動産」と呼ばれます。 商業用不動産は、私たちの暮らしに欠かせない 社会インフラです。 オフィスは企業の経済活動の拠点であり、

    店舗は人々の消費活動を支え、 注文した商品が届くまでには物流施設が稼働し、 Webサービスの裏にはデータセンターが存在します。 そう、あらゆる産業はこうした商業用不動産の上で 成り立っています。
  5. © 2025 estie Inc. © 2025 estie Inc. 25 企業価値の⾒取り図

    • 評価される企業の3つの条件 • estieの経営プロトコル
  6. © 2025 estie Inc. estieの例︓社員に共有されている経営プロトコル 33 データ Moat構築 業界リーダー 広⼤なTAM証明

    コスト削減 時価総額 売上 経営資源の調達 市場シェア向上 M&A マルチプル 利益 新規事業 AI KPI KGI レバー あらゆる側⾯に 影響を与える 重要な要素
  7. © 2025 estie Inc. AI活⽤によって変わるestie 34 「AIがあらゆる場所で使われる状態」を実現し、企業価値をさらに伸ばす 「不動産 x AI」のポジショニング

    データのさらなる蓄積によるMoat強化 新たな事業・価値創造による売上向上 ⽣産性の抜本的改⾰によるコスト削減
  8. © 2025 estie Inc. 「新規⽴ち上げはカオス︕以上」で終わらないために︓考え⽅のフレームとして「知識創造企業」 38 振り返ると、事業創りにおいて 知識創造のプロセスを実践していた ※事業創りの最中は気づいていません 野中郁次郎・⽵内弘⾼が1995年に英語で出版

    「企業の強さは“知識を創り出し、 製品・サービス・仕組みに具現化できる⼒”にある」 という⽴場から、イノベーションの起こり⽅を理論化 『知識創造企業(新装版)』 東洋経済新報社出版 (野中郁次郎+⽵内弘⾼ 著/梅本勝博 訳) https://str.toyokeizai.net/books/9784492522325/
  9. © 2025 estie Inc. 1. 組織の意図 どのような⽬標を持っているのか明確にする 2. 個⼈とグループの⾃律性 事情が許す限り、メンバーの⾃由な⾏動を認める

    3. ゆらぎと創造的なカオス 外部環境との相互作⽤を促進して組織の前提を崩す 4. 情報の冗⻑性 知識・情報を意図的に重複共有して暗黙知を共有する 5. 最⼩有効多様性 多様な外部環境に対応できる多様性を内部に持つ 知識創造を促進するのに必要な5つの要件 41
  10. © 2025 estie Inc. estieでのAI事業創りの第⼀サイクル 42 知識創造を5フェーズで実践 創世期 ⽴上げ期 探索期

    俯瞰期 移⾏期 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 ⬜ 組織の意図 ⬜ ⾃律性 ⬜ 創造的カオス ⬜ 情報の冗⻑性 ⬜ 最少有効多様性 AI事業創りの試⾏錯誤を知識創造のプロセスで理解して学びとする +
  11. © 2025 estie Inc. 44 創世期(~2024末) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 🟦 組織の意図 🟦 ⾃律性 ⬜ 創造的カオス ⬜ 情報の冗⻑性 ⬜ 最少有効多様性 AIに注⼒する「組織の意図」と 不動産AI Labによる「⾃律性」を構築 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形
  12. © 2025 estie Inc. 「産業の真価を、さらに拓く。」というPurposeがあらゆる起点 ⽴地マッチングから始まり、⼟地の価値を上げるまちづくりを⽬指す ミクロで⾒ると マクロで⾒ると 世界規模でみると 企業が最も⽣産的になれる

    ⽴地選択が可能に オフィス、物流施設など アセットは問わない 都市の未来を データドリブンに導く 最も社会価値の⼤きい 都市の構造を⾏政とともに定義 東京に世界中から 投資を呼び込む New YorkやLondonのような クレーンが眠らない街に進化 現在︓マッチング 未来︓⼟地の価値を上げる 現在の⽴地マッチングから始まり、 ⼟地の価値を上げるまちづくりを⽬指す
  13. © 2025 estie Inc. estieの強みを⽣かして不動産データ×AIで新たな価値を創造し、 業界企業を後押して業界全体のデジタルシフトを推進 49 そのための箱︓不動産業界のAI活⽤を⽀援する独⽴組織「不動産AI Lab」を開設 業務知識・経験を持つ

    ドメインエキスパート ①深い業界理解 培ってきた データモデリングの 技術・知識 ②⾼いデータベース構築技術 他社が持っていない 網羅的な マルチアセットデータ ③所有する不動産データ これまでの蓄積からデータの「活⽤」から データの「応⽤」へ移るための準備がまさに整った時期
  14. © 2025 estie Inc. 50 2026年6⽉末時点で 企業が”不動産 x AI”の取り組みを考えたとき 提携先企業の第⼀想起群(エボークトセット)に

    estieが⼊っていること 掲げた 「⽩⿊がつく」「期限がある」⽬標 そのためにどれだけ価値提供が⾏えるか
  15. © 2025 estie Inc. 51 ⽴上げ期(2025/01~2025/02) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 どっぷりAIに浸かり形式知から暗黙知を形成 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 ✅ 組織の意図 ✅ ⾃律性 ⬜ 創造的カオス 🟦 情報の冗⻑性 🟦 最少有効多様性
  16. © 2025 estie Inc. やり続けることで変わってくる周囲 55 「AIでできない︖」という AI前提の会話が 社内外でなされるように コーポレートメンバーが

    AI Botを⾃発的に作って 業務を効率化 不動産AI Labによる 営業⽀援が 早期に成果を上げる AI駆動開発が 社内で爆発的に広がる (めっちゃ楽しい) AIが関係ないものも含めて 事業の種が舞い込んでくるように
  17. © 2025 estie Inc. 56 探索期(2025/03~2025/05) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 社内・顧客との多数のPJで 暗黙知が蓄積されパターンが⾒えてくる 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 ✅ 組織の意図 ✅ ⾃律性 🟦 創造的カオス ✅ 情報の冗⻑性 ✅ 最少有効多様性
  18. © 2025 estie Inc. 60 俯瞰期(2025/06~2025/07) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 学びを踏まえて⽅向性を⾔語化する 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 ✅ 組織の意図 ✅ ⾃律性 ✅ 創造的カオス ✅ 情報の冗⻑性 ✅ 最少有効多様性
  19. © 2025 estie Inc. さっきのこれも後付け 62 PJをカテゴリー分けして共有することで不動産AI Labの活動を形式知化 「不動産 x

    AI」のポジショニング データのさらなる蓄積によるMoat強化 新たな事業・価値創造による売上向上 ⽣産性の抜本的改⾰によるコスト削減
  20. © 2025 estie Inc. 不動産業界とNorth Star Metrics(北極星指標)の3つのゲーム 66 ROIを説明しやすい⽣産性向上から⼊り不動産取引増加へ登る トランザクション(賃貸・売買取引)が直接業務にあり

    リターン(報酬)が明確なのが価値提供する上で不動産業界の良い点 プロダクティビティゲーム トランザクションゲーム アテンションゲーム estieの Moat
  21. © 2025 estie Inc. 「取り組みカテゴリー」と「勝ち筋」の2つの⾔語化の関係 70 新たな事業・価値創造による売上向上 不動産取引 ⽣産性の抜本的改⾰によるコスト削減 不動産運営

    データのさらなる蓄積によるMoat強化 不動産データ 「ノウハウを蓄積し、事業を作ること」に 全ての取り組みがつながっている Customer Success活動 = 顧客の不動産業務
  22. © 2025 estie Inc. 71 移⾏期(2025/08~2025/09) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 ⾔語化・フレーミングを踏まえ 既存の知と組み合わせて新しい形式知を⽣む 共同化 S 暗 → 暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 ✅ 組織の意図 ✅ ⾃律性 ✅ 創造的カオス ✅ 情報の冗⻑性 ✅ 最少有効多様性
  23. © 2025 estie Inc. デジタル技術を活⽤してビジネスモデルや組織の運営⽅法を 根本的に変⾰し、価値提供を向上させる取り組み Digital Transformation(DX)の定義 72 デジタイゼーション

    (Digitization) アナログ・物理データのデジタル化 デジタライゼーション (Digitalization) 個別の業務・プロセスのデジタル化 デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation、DX) 顧客基点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変⾰
  24. © 2025 estie Inc. この対応もある 73 デジタイゼーション (Digitization) デジタライゼーション (Digitalization)

    トランスフォーメーション (Digital Transformation、DX) 不動産取引 不動産運営 不動産データ
  25. © 2025 estie Inc. この対応もある…が、もっと重要なのはAIがDXを加速させること 74 デジタイゼーション (Digitization) デジタライゼーション (Digitalization)

    トランスフォーメーション (Digital Transformation、DX) ⾮構造化データの 構造化が容易に プロンプトに⾃然⾔語で 業務プロセスを表せる 新しいアプリ・価値の 爆発的創出ができる AI これまで プログラミング⾔語が 最も正確に業務を記述 変更が困難な 既成の⼤規模システム ⼿書きや多様な形式で データ化が困難
  26. © 2025 estie Inc. 77 (後付けだけど) 創世期 ⽴上げ期 探索期 俯瞰期

    移⾏期 知識創造のプロセスを回していた 🟦 組織の意図 🟦 ⾃律性 🟦 情報の冗⻑性 🟦 最少有効多様性 🟦 創造的カオス 共同化 S 表出化 E 内⾯化 I 連結化 C 共同化 S 表出化 E 内⾯化 I 連結化 C 共同化 S 表出化 E 内⾯化 I 連結化 C 共同化 S 表出化 E 内⾯化 I 連結化 C 共同化 S 表出化 E 内⾯化 I 連結化 C 結論
  27. © 2025 estie Inc. (2025/10~)第2サイクルの「内⾯化」が新体制で進⾏ 78 共同化 S 暗 →

    暗 表出化 E 暗 → 形 内⾯化 I 形 → 暗 連結化 C 形 → 形 次は共同化により「組織の意図」の更新を⾏う予定 estieの次回作にご期待ください
  28. © 2025 estie Inc. © 2025 estie Inc. 79 AI事業創りの振り返り

    • やっておいてよかったこと • 難しかったこと
  29. © 2025 estie Inc. 81 事業創りと同時に進めていたこと 知財戦略 「不動産AI Lab」の商標確保 2年で約20件特許申請

    契約書の雛形作成 PJ型での権利の確保 円滑なPJ⽴ち上げと進⾏ 社内ガイドライン AIサービスレビュー(1営業⽇以内) プロダクト組み込みガイド モデル変化に柔軟に AI駆動開発はツールに依存せず 2種類まで選べる、など データガバナンス プライベートデータの 適切な取り扱い これからは品質保証 安定性・解釈性・セキュリティ →社会⼈博⼠の研究テーマへ
  30. © 2025 estie Inc. 道半ばだが、企業価値に繋がると信じて先に進む 1年を振り返って 85 「企業価値に繋げる」という不確実性に向き合った1年 不確実性を下げる課題を特定→⼿を動かす→実例を集めて 抽象化することでパターンを発⾒、といういつものエンジニアリング

    当初は焦りがあった…が、もう「全部賭けろ」はしなくてもいい 「早く成果を出さないと…」という気持ちがあった AIがない世界には我々はもう戻れない ーーー 腰を据えて取り組もう
  31. © 2025 estie Inc. 続きが気になる⽅は… 86 企業展⽰にきてください︕ こんな⽅はぜひ︕ • 裏話が聞きたい⽅

    • AI事業を⽴ち上げたい⽅ (⼀緒にやりましょう︕) • estieで使っている AI技術を深掘りたい⽅ ご清聴ありがとうございました