Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
cls-hooked による実行コンテキストの保存と利用
Search
Hiroaki KARASAWA
March 31, 2023
Programming
0
690
cls-hooked による実行コンテキストの保存と利用
NestJS meetup #5
Hiroaki KARASAWA
March 31, 2023
Tweet
Share
More Decks by Hiroaki KARASAWA
See All by Hiroaki KARASAWA
Google Cloud のモニタリング製品を徹底活用してみた
karszawa
0
28
ダウンタイム 30 秒で AlloyDB に移行した話
karszawa
0
60
DMS で AlloyDB に簡単移行!
karszawa
0
21
【現場の本音】App Engine から Cloud Run に移行してみた
karszawa
0
110
Hasura の Relationship と権限管理
karszawa
0
760
React Native + Expo のバージョンアップと互換性の維持に関する運用と絶技
karszawa
0
710
ダイニーにおけるモニタリングと振り返りの仕組み
karszawa
1
230
ダイニーにおける本番 Hasura 運用
karszawa
1
2k
Hasura Con'21 Recap - GraphQL subscriptions
karszawa
0
450
Other Decks in Programming
See All in Programming
リリース8年目のサービスの1800個のERBファイルをViewComponentに移行した方法とその結果
katty0324
5
3.6k
Why Spring Matters to Jakarta EE - and Vice Versa
ivargrimstad
0
960
Vue SFCのtemplateでTypeScriptの型を活用しよう
tsukkee
3
1.5k
hotwire_or_react
harunatsujita
8
4k
【Kaigi on Rails 2024】YOUTRUST スポンサーLT
krpk1900
1
240
Tuning GraphQL on Rails
pyama86
2
1k
WEBエンジニア向けAI活用入門
sutetotanuki
0
300
詳細解説! ArrayListの仕組みと実装
yujisoftware
0
480
シールドクラスをはじめよう / Getting Started with Sealed Classes
mackey0225
3
400
GitHub Actionsのキャッシュと手を挙げることの大切さとそれに必要なこと
satoshi256kbyte
5
390
カラム追加で増えるActiveRecordのメモリサイズ イメージできますか?
asayamakk
4
1.5k
Webの技術スタックで マルチプラットフォームアプリ開発を可能にするElixirDesktopの紹介
thehaigo
2
910
Featured
See All Featured
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
268
27k
Designing for Performance
lara
604
68k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
69k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
51
4.9k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.1k
Making Projects Easy
brettharned
115
5.9k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
27
4.1k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
80
5k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
26
1.4k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
19
3k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
6.9k
Transcript
cls-hooked による実行コンテキストの保存と利用 Hiroaki KARASAWA from dinii, inc NestJS meetup online
#5 2023/03/31
2 自己紹介 • 氏名 ◦ 唐澤弘明 or @karszawa • 所属
◦ 株式会社 dinii ◦ 飲食店の POS システムやモバイルオーダーを作っています ◦ 【顧客情報 x 喫食情報】で飲食業界で初めて CRM を実現しています • 興味 ◦ TypeScript, React, GraphQL ◦ NestJS 歴 ⇒ 3年(ダイニーに入社してから)
飲食店の All in One SaaS “ダイニー”
dinii と NestJS 4 • ダイニーのバックエンドは NestJS によるモノリスです ◦ 最近
Modular Monolith っぽく分割し始めた ユーザー数【450万人】到達! 🎉🎉🎉
【本題】 ダイニーにおける cls-hooked の活用 5
cls-hooked is … 6 Continuation-Local Storage ( Hooked ) •
Async hooks の便利なラッパー Async hooks is … • Node.js の API で非同期処理のライフサイクルを追跡できる 🤨 • その関数がどういうコンテキストで呼び出されたかを記録できる 🤔 • 関数の呼び出しごとに呼び出しの粒度で情報を保持できる 🧐
関数の呼び出しごとに呼び出しの粒度で情報を保持できる 7 例 • Async hooks を使わないならこんな感じ • もちろん main
がたくさん呼び出されると上手く行かない
cls-hooked を利用するとこうなる 8 例 `context` が cls-hooked によって作成されている
便利ですよね? 9
ダイニーでの活用例を紹介します 10
実用例 ① リクエストごとの id を保存してロガーで出力 11 ヘッダーから x-request-id を抽出 事前に定義した
context にセット context を作成(グローバルで OK) AppModule にて利用 ※ Express.js の app.use と同じ NestMiddleware として実装できる
実用例 ① リクエストごとの id を保存してロガーで出力 12 先程の context から値を取得 logger
で出力 ※ ちなみに winston を使っています ※ ちなみに winston の出力先はこんな感じ 開発環境 ⇒ Human readable format 本番環境 ⇒ JSON で標準出力 + Sentry
実用例 ② NestJS x TypeORM 13 データベースのトランザクションか否かのコンテキストを保存してトランザクション中での利用であればトランザクション用のコ ネクションを利用する • その関数がトランザクション内で実行されていれば失敗時はロールバックして欲しい
• トランザクションではないなら不要な処理はしないで欲しい • それぞれ書き分けるのは面倒くさい というときありませんか?
実用例 ② トランザクションのコンテキスト 14 odavid/typeorm-transactional-cls-hooked というライブラリの実装にて cls-hooked が活用されています
実用例 ② トランザクションのコンテキスト 15 おもむろに runOnTransactionalCommit という関数を 呼び出すとトランザクションコミット時に処理を実行してくれ る (これも呼び出しのコンテキストをストレージとして利用して
いる)
実用例 ② トランザクションのコンテキスト 16 NestJS での TypeORM の実践に関してはこちらの記事もご覧ください!
実用例 ③ Transactional を魔改造 17 OLAP 的なメソッドにおいてリードレプリカの利用を強制する • 重い分析系のクエリを間違ってもプライマリのデータベースに向けたくない •
あるメソッド以下では絶対に特定のコネクション(レプリカ向け)を利用させる
実用例 ③ Transactional を魔改造 18 デフォルトのデータソース レプリカのデータソース Analytical のアノテーションが付いているかどうかを cls-hooked
で保持し、付いていればレプリカの方の DataSource を使うよう Repository にパッチをあてる
まとめ 19
まとめ 20 • cls-hooked について説明しました • アイデア次第でいろいろなことができる • 実現不可能と思っていた難しい課題があっさり解決してしまうことも •
実は 500 行ぐらいしかないライブラリなので読んでみて下さい