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[DevelopersSummit2025] 20年のSaaSプロダクト開発から学んだ、生き残...

katsuya uehara
February 17, 2025
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[DevelopersSummit2025] 20年のSaaSプロダクト開発から学んだ、生き残るためのエンジニアリング

デブサミ2025年登壇資料

katsuya uehara

February 17, 2025
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  1. YRGLM Inc. 上原 賢也 2006年 日本発ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」の開発 2009年 広告運用「THREe」のインフラ基盤の設計・構築 2012年 全社の品質管理・インフラの導入・運用をメインで実施

    2015年 ベトナム子会社へ出向し、オフショア開発拠点の立ち上げ 2019年 日本に帰国し、主にインフラ面から基盤戦略全般を担当 休日は大学の講師したり、一軒家を借りてロックオフというエンジニ アが集うたまり場を運営したりしていた暇人です 主に広告の効果測定を行うプロダクト「アドエビス」にの立ち上げ後 2年目ぐらいからジョインしており本日はその経験をお話しします 自己紹介 Katsuya Uehara
  2. YRGLM Inc. 計測 広告効果測定 アクセス解析 View計測 LPO クリック計測/SEO計測 経路分析 動画広告

    記事広告 ディスプレイ 広告 コンテンツ マーケティング 純広告 自然検索 アフィリエイト 広告 リスティング 広告 リターゲティン グ広告 ダイレクト SNS LP TOP コンテンツ CV 活用 外部連携 BI/レポーティング MR/CRM/SFA 広告配信/運用管理 リサーチ/モニター 3rd Party Data EC/通販支援ツール TV/オフライン施策 分析 レポーティング 施策軸 ユーザー軸 デモグラフィック カスタマージャーニー 分析 チャネル別集計 アトリビューション 分析 アドエビスは、マーケティングの効果をメディア・デバイス・代理店を横断 して測定、マーケティング活動の成果最大化をサポートするプロダクトです プロダクト概要
  3. YRGLM Inc. システムと売り方の変遷 世代 システム方針 売り方 開発体制 主なイベント 1世代 立ち上げ期

    とりまLAMP 広告とPV (従量課金) 1~2名 アクセス解析 ⇒広告効果測定への ピボット 2世代 サービス拡大 拡張 オプション (従量課金) 3名~10名 LPO/SEO/VT/リス連 など次々とオプション 機能を開発 3世代 深化 統合 オプション (従量課金) +分析機能の深化 10名~30名 ビッグデータへの対応 4世代 高効率化 分散 定額プラン +オプション 30名~ 定額プランへの変更 UXの刷新 プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~
  4. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 1995 2000 2005 2010 2015 2020

    インターネット黎明期 ECサイト・ブログの普及 SNS/スマホの普及 “アドテク”時代の到来 コンテンツ マーケティングの流行 AI搭載時代へ •バナー広告(純広告) •メール広告 •アフィリエイト広告 •リスティング広告 (SEM/検索連動型広告) • Cookieによる 行動ターゲティング •興味関心連動型広告 •アドネットワーク (第三者配信) •動画広告 •DSP/ DMP •マーケティングオートメーション •PV数、クリック数 •セッション数、ユーザー数 •eコマース機能 •アトリビューション分析 •インタラクティブ広告 •個人データ保護 •SEO •クロスデバイス分析 Google Analytics 登場 2005 第1世代~立ち上げ WEB広告を 取り巻く進化 リスティング広告、 SEO、etc…
  5. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 計測 WEBサーバ 計測DB 参照DB 参照 WEBサーバ

    とりま LAMP構成、1~2名が片手間で開発から運用までカバー 10分毎に バッチ集計 第1世代~立ち上げ
  6. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 様々な広告テクノロジー が登場 1995 2000 2005 2010

    2015 2020 インターネット黎明期 ECサイト・ブログの普及 SNS/スマホ登場 “アドテク”時代の到来 コンテンツ マーケティングの流行 AI搭載時代へ •バナー広告(純広告) •メール広告 •アフィリエイト広告 •リスティング広告 (SEM/検索連動型広告) • Cookieによる 行動ターゲティング •興味関心連動型広告 •アドネットワーク (第三者配信) •動画広告 •DSP/ DMP •マーケティングオートメーション •PV数、クリック数 •セッション数、ユーザー数 •eコマース機能 •アトリビューション分析 •インタラクティブ広告 •個人データ保護 •SEO •クロスデバイス分析 第2世代~急成長期
  7. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 行動自体の計測が主流に 1995 2000 2005 2010 2015

    2020 インターネット黎明期 ECサイト・ブログの普及 SNS/スマホ登場 “アドテク”時代の到来 コンテンツ マーケティングの流行 AI搭載時代へ •バナー広告(純広告) •メール広告 •アフィリエイト広告 •リスティング広告 (SEM/検索連動型広告) • Cookieによる 行動ターゲティング •興味関心連動型広告 •アドネットワーク (第三者配信) •動画広告 •DSP/ DMP •マーケティングオートメーション •PV数、クリック数 •セッション数、ユーザー数 •eコマース機能 •アトリビューション分析 •インタラクティブ広告 •個人データ保護 •SEO •クロスデバイス分析 第3世代~ サービスの深化
  8. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 新たな課題 - 媒体軸とヒト軸のデータの違い 媒体軸分析 ヒト軸分析 軸の件数

    媒体の数 ※広告の場合、約150万程度 行動パターン ※組み合わせ爆発発生 データ量 10万件~1000万件程度 ※1日単位の事前集計済データ 100億件~ ※事前集計無しの全行動履歴 要求される 処理速度 数秒~数十秒 第3世代~ 仕組化、技術転換期
  9. YRGLM Inc. コース名 月間クリック数 月額利用料 B-1 •~•• •••円 B-2 ••~•••

    ••••円 B-3 •••~•••• •••••円 プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 第4世代~ 顧客サクセスー洗練されるUX時代 コース名 月間クリック数 月額利用料 A-1 •~•• •••円 A-2 ••~••• ••••円 A-3 •••~•••• •••••円 プラン名 月額利用料 S ••••円 M ••••円 L ••••円 売り方最大の変更 機能ごとにテーブルに応じた従量課金制 新プランは固定料金制
  10. YRGLM Inc. 2006/6 2006/11 2007/2 2007/6 2008/6 2008/9 2008/12 2009/3

    2009/6 2009/9 2009/12 2010/3 2010/6 2010/9 2010/12 2011/3 2011/6 2011/9 2011/12 2012/3 2012/6 2012/9 2012/12 2013/3 2013/6 2013/9 2013/12 2014/3 2014/6 2014/9 2014/12 2015/3 2015/6 2015/9 2015/12 2016/3 2016/6 2016/9 2016/12 2017/3 2017/6 2017/9 2017/12 2018/3 2018/6 2018/9 2018/12 2019/3 2019/6 2019/9 2019/12 2020/3 2020/6 2020/9 2020/12 2021/3 2021/6 2021/9 2021/12 CLICK PV LPO SEO VIEW 質:PVのデータ量が 過去10年の増加トレンドの10倍以上に データ別 計測データ量推移 過去10年のトレンド 俺たちの 非機能要件が 崩壊した日 料金改定後
  11. YRGLM Inc. ※過去の非機能要件では充分であったが… システムには PVがボトルネックになる弱点があった 集計対象データ量と時間予測 0 20 40 60

    80 100 120 0 1,000,000,000 2,000,000,000 3,000,000,000 4,000,000,000 5,000,000,000 6,000,000,000 データ量 予測 処理時間(分) 予測 サーバ台数を増やし ても処理性能が線形 にスケールしない
  12. YRGLM Inc. 年20~30%の増加トレンドが、急に年200%以上の増加へ 2014/7 2014/9 2014/11 2015/1 2015/3 2015/5 2015/7

    2015/9 2015/11 2016/1 2016/3 2016/5 2016/7 2016/9 2016/11 2017/1 2017/3 2017/5 2017/7 2017/9 2017/11 2018/1 2018/3 2018/5 2018/7 2018/9 2018/11 2019/1 2019/3 2019/5 2019/7 2019/9 2019/11 2020/1 2020/3 2020/5 2020/7 2020/9 2020/11 2021/1 2021/3 2021/5 2021/7 2021/9 2021/11 2022/1 2022/3 2022/5 2022/7 2022/9 2022/11 2023/1 量:累積データ量の推移 累積データ量推移 過去10年のトレンド 料金改定後 ピークアウト
  13. YRGLM Inc. 機能 PJ当初前提 料金改定後 売り方 コスト インパクト 料金改定 企画時想定

    クロスデバイス類推 LOG契約 アカウントのみ 全体の8% LOGパッケージ化に より80%超 LOGオプション前提 ↓ 無償提供 原価10倍増 漏れ 分散DB 主要機能 年30%増加見込み 年300%超増 無償提供 原価3.6倍増 見込んでたが想定よ り上振れ 取得機構 年30%増加見込み 年300%超増 定額により LOG/SEO増加 原価2倍増 想定どおり スケールできる構成 で回避 集計機構 年30%増加見込み 年300%超増 定額により LOG/SEO増加 システム稼働が破綻 量は大丈夫だが質で 死亡 多岐に渡る機能性能が処理データの変化でどう変わるか 完全に予測するのは困難
  14. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 処理単位を小さくし、ニアリアルタイムへ刷新 Amazon Kinesis Amazon Kinesis Publisher

    Auto Scaling group Converter Auto Scaling group Analyzer Auto Scaling group 計測 WEBサーバ シャード1 シャード2 シャード..N シャード1 シャード2 シャード..N Amazon DynamoDB rapidflow_tracking_data_histories_prd アーキテクチャは 1行動履歴毎に逐次処理へ 第4世代~ 顧客サクセスー洗練されるUX時代
  15. YRGLM Inc. プロダクトを取り巻く変化 ~その時エンジニアリングは~ 第5世代~ 多角期 市 場 成 長

    率 マーケットシェア 大 小 高 低 製品としては成熟、新しい種まきへ 研究開発 新製品 金のなる木 花形製品 負け犬 問題児 新しい 花形製品に育成