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AI x Platform Engineeringでスケーラブルな組織を作るには

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November 18, 2025
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AI x Platform Engineeringでスケーラブルな組織を作るには

成長フェーズごとに変化するインフラを、SREやPlatformEngineering視点でどう支えるか。開発者に対して横断的な支援をする場合、手厚い支援(Enbedded)・能力獲得支援(Enabling)・ツール化(XaaS)など様々なアプローチがあります。スケーラビリティを担保するにはEnabling/XaaS化が理想ですが難しくもあります。AIの進化を味方につけ、開発者が自律的に動ける土台を整え、組織全体のスケールを支援する──現在取り組んでいる実践と試行錯誤の中身をお話しします。

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Kazuhiro Hashimoto

November 18, 2025
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Transcript

  1. AI x Platform Engineeringで スケーラブルな組織を作るには アーキテクチャConference 2025 - Findy Tools

    @ 25’ 11/20 株式会社タイミー プラットフォームエンジニアリング 1G Group Manager 橋本 和宏
  2. Copyright © Timee All Rights Reserved 2 自己紹介 
 2002〜2014:SIer

    x 2社 ネットワークエンジニア 2015〜2024:ゲーム会社 x 2社 サーバインフラ / SREリード 2024/07〜:株式会社タイミー Platform Engineering 1G にICとしてJOIN 2024/11〜:同、株式会社タイミー 同チームにてGroup Manager SRE / Platform Engineering AWS / GCP IaC / GitHub Actions プロダクトセキュリティ
  3. Copyright © Timee All Rights Reserved 8 Platform Engineering?(つづき) 


    Platform Engineering のきっかけ 開発チームがすべてを担当するのは限界 • Railsアップグレード • AWS管理・クラウドコスト最適化 • CI/CDメンテ • SRE運用 → オフローディングとして PFE部門が生まれた
  4. Copyright © Timee All Rights Reserved 9 Platform Engineering?(つづき) 


    SRE・インフラエンジニアな職能。開発チームの認知負荷を軽減し、 スケーラブルなプラットフォームを提供する。 AWS クラウドインフラの 設計・運用 Terraform IaC Infrastructure as Code によるインフラ管理 Datadog モニタリング 可観測性 GitHub Actions CI/CDパイプラインの 構築・運用 主なスキルセット チーム・ミッション ※AWS、Terraform、Datadog、GitHub Actions の名称・ロゴは各社の商標です。
  5. Copyright © Timee All Rights Reserved 10 Platform Engineering?(つづき) 


    PFEの支援モデル feat. チームトポロジー Embedded High Cost / 乱発するとリソース枯渇 Enabling Medium cost XaaS Low cost / 最もスケーラブル Embedded は「できれば最後に切りたいカード」 通常は XaaS・Enabling で回す構造が理想
  6. Copyright © Timee All Rights Reserved 17 なぜこのテーマなのか - 問題意識・モチベ

    
 プロダクト・組織が成長すると • 機能増加 • 依存関係の複雑化 • ガバナンス・セキュリティ要求増加 → 認知負荷の増加
  7. Copyright © Timee All Rights Reserved 18 なぜこのテーマなのか - 問題意識・モチベ(つづき)

    
 PFEは「少数」になりやすく詰まりやすい PFEは7名(約5%) 組織全体の開発者に対して少ない 制約・ガードレール 基盤でありˮ枠ˮ組みになるもの 属人化で全体スピードが落ちる 知識の偏在が組織のボトルネックに → 開発速度の隠れた律速条件になるかもしれない・人を増やすのも難しいし、人を増やした場合のオーバーヘッドも
  8. Copyright © Timee All Rights Reserved 20 前提となる会社の状況など(個人の感想です) 
 開発者が全部

    PFEがオフロード PFE + xCoE etc. 大規模・分業化 弊社はたぶん このあたり
  9. Copyright © Timee All Rights Reserved 21 中間まとめ - 長いまえおきはここまで

    
 • Platform Engineeringは開発者の認知負荷を軽減し、スケーラブルな基盤を提供する ◦ 比較的少数のPFEチームは開発組織のボトルネックとなりうる (人がnot スケーラブル 😢) • 理想的なPFE支援モデルはよりXaaS(工数少なめ) にすること。であるが... ◦ Embeddedが一周回って早い説 etc. • “手厚い”支援を開発者が受けられる状態にしつつ、 PFEもスケーラブルに ◦ これ、AIでなんとかできないかな?
  10. Copyright © Timee All Rights Reserved 24 背景情報は ”設定の外 ”にある


    AIに調査とドキュメント化をさせる 人がAIのドキュメントに補足する AIがドキュメント化→人間が補足を書く(分からないこと・決まってないことをリファイン AI…というループを想定
  11. Copyright © Timee All Rights Reserved 25 設定(As-Is)を抽出する仕組みについて 
 terraform(IaC)コード

    + CodingAgent + MCPじゃ駄目なんですか? →頑張ればできそうではあるんですが、いろいろ大変でした( awscliのdescribe的なものが結局強かった)
  12. Copyright © Timee All Rights Reserved 26 DevinがPFEの一人として振る舞ってくれる(はず) 
 Devinは一例。Gitのドキュメントを統合して

    Chatで答えてくれるのが良い →もちろんLocalPC上でCodingAgent(Claude Code, Cusror, GitHub Copilot etc)に聞くでもOK
  13. Copyright © Timee All Rights Reserved 27 やりたい世界観はこう - 結構まだ遠いけれど

    ...
 本番環境のDBの可用性 担保はどうなっています か? 😀 日次バックアップが〜〜 で設定されています。 〇〇の目的により△△に よる保護がされていま す。 ◯◯というs3バケットはど ういう用途ですか?な ぜ〜〜な設定なんでしょ うか? △△環境で〜〜な用途で 利用されています。 public accessが〜〜は XXのためになります。 ここまで背景と設定を AIが理解していれば HCL等IaCコード生成もスムーズ(なはず)
  14. Copyright © Timee All Rights Reserved 28 支援モデル x AIで考えると

    
 PFEの支援モデル feat. チームトポロジー Embedded High Cost / 乱発するとリソース枯渇 Enabling Medium cost XaaS Low cost / 最もスケーラブル Embedded は「できれば最後に切りたいカード」 通常は XaaS・Enabling で回す構造が理想 ココをAI支援でブースト コラボモードの選択肢を増やす
  15. Copyright © Timee All Rights Reserved 30 どういうところに効いてくるのか? 
 AIがプラットフォーム全体を説明で

    きる 開発者がAI経由で Why を学べる PFE内の知識共有を加速 担当交代やスケーリングが容易に 監査・統制にAIを活用
  16. Copyright © Timee All Rights Reserved 32 まとめ
 • Platform

    Engineeringは開発者の認知負荷を軽減し、スケーラブルな基盤を提供する ◦ 比較的少数のPFEチームは開発組織のボトルネックとなりうる(人が not スケーラブル 😢) ◦ PFEのスケーラビリティ (複数のドメイン知識の同期・キャッチアップ etc.)をAI支援で担保 • 理想的なPFE支援モデルはよりXaaSにすること。ではある”が” ◦ AIが開発者に対してEmbedded/Enablingをしてくれるとより良い開発体験となるのでは ◦ 開発者がAI支援によりフルサイクル性を獲得 することで開発・価値提供速度が上がるのもアリ • SDD(仕様駆動開発)と似ている がアプローチ・扱うものが少し異なる ◦ AI-DLCは今後の開発のキーになると思うので、これも一つの AI-DLC(かも) • AIの活用は知識共有を加速し、 AIによってPFEをスケーラブル 😀にしていく!