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July 19, 2025
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Cases of order based on cooperation and self-organization and the whole team approach

スクラムフェス大阪

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July 19, 2025
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  1. 1. はじめに a. 原体験、本セッションの⽬的、私を取り巻く状況、免責 2. 理論パート)相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ事例 a. 贈与と寄り合い b. 2つの事例からの学び

    3. 実践パート)ホールチームアプローチを相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ秩序の要素で再解釈する a. プロダクト開発との関係性、実践しているアプローチとアウトカム 4. 導⼊と実践に向けたステップと考慮事項 5. まとめ アジェンダ
  2. 相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ事例 1. 暴力や強制によらない規範遵守: 贈与の義務は法的な強制力ではなく、 「評判」「世間体」「名誉」といった社会的な価値によって維持 されま す。人々は共同体の一員として認められ、信頼されることを重視するため、自発的に贈与のルールに従い ます。 2. 非階層的な社会の流動性と柔軟性:

    贈与のシステムは、特定の個人や集団に富や権力を固定化させるのではなく、 資源や義務の流動的な循 環を促します。ポトラッチのように、競って贈与し、消費することで富を「消尽」させる文化は、過度な富の集 中を防ぎ、社会的な均衡を保つ役割を果たしました。 3. 関係性の構築そのものが目的: 贈与は単なる経済活動ではなく、 「人間関係を築き、維持すること」そのものを目的 とします。贈り物のやり 取りは、友情、親族関係、政治的同盟といった社会的な絆を強化する儀礼的な行為です。 相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ秩序の事例 贈与論 引用元:『負債論 ─ 貨幣と暴力の 5000年史』(以文社、 2016年)
  3. 相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ事例 相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ秩序の事例 寄り合い 寄り合いにおける意思決定は、特定のリーダーによる指⽰や多数決ではなく、参加者全員の納得、すなわ ち「総意」や「合意(コンセンサス)」を⽬指す傾向が⾮常に強いです。 • 意⾒の対⽴があっても、感情的な議論を避け、時間をかけて「落としどころ」を探ります。それでも 全員が合意に⾄らない場合、無理に結論を出さず、問題を「棚上げ」したり、次回の寄り合いに「持 ち越し」たりすることがあります。これは、関係性を壊さずに問題を継続的に検討し、熟成させるた めの戦略です。 ‐

    最終的な決定に対する全員のコミットメントを強化する効果がある • 明⽂化された法や規則が少ない⼀⽅で、「ムラ⼋分(村⼋分)」に代表されるような⾮公式な社会的 圧⼒が存在しました。共同体の規範から逸脱する⾏動は、評判の失墜や関係性の断絶に繋がり、個⼈ にとっては極めて重い制裁となります。秩序は、外からの強制ではなく、個々⼈の⾃律的な規範意識 と、共同体からの相互監視‧相互評価によって維持されます。
  4. ソフトウェアにおける品質は、単に技術 的な完成度やバグの少なさだけでなく、 ユーザーにとっての有⽤性、ビジネス⽬ 標への貢献、⻑期的な保守性や拡張性な ど、多様な「価値」を内包します。この ように広く存在する品質を⽀えるのはテ クノロジー、プロセス、そして組織で す。(cf: 品質富⼠⼭) 品質を広義で捉えた結果、明らかにQAの

    みでは実現できないので全員でやってい く必要性が⾼まりました ホールチームアプローチを相互扶助と⾃⼰組織化で成り⽴つ秩序の要素で再解釈する 2:意思決定と権⼒の「⾮集中性」  →QAとして横断組織をおかないで、チームの中に⼊る
  5. 実践コミュニティの構成モデル 1. ドメイン: そのコミュニティで取り組む共通のテーマ 2. コミュニティ: メンバー間の相互作⽤と学習。どのようにコミュニティを運営していくか 3. 実践: 知識を⽣み出す活動

    上記3つともが流動的な状態だと存続が危ういとのことだが、品質に関する実践コミュニティは、ドメイン や実践を強固にするための題材には事⽋かない。安定した要素が⼀つでもあれば、それを元に他の要素の 安定にもつなげられて、メンバーの出⼊りは激しくてもコミュニティにあまり影響がないとも記載されてい て、今までの経緯を思い返すと合致する。 会社組織の中で品質コミュニティをやっていくにあたり、上記構成モデル3つを同時に発展させていくこと は他のドメインと⽐べると簡単なのでは?と思います 導⼊と実践に向けたステップと考慮事項 コミュニティの運営 引用元:コミュニティ・オブ・プラクティス ナレッジ社会の新たな知識形態の実践
  6. 寄り合いと国家の関係性からも学べる部分がありそうです • 階層型組織的体制の⽬標を理解するための時間は惜しまない。納得し⾃分の⾔葉で語れるまでになる • 階層型組織的体制の⽬的をネットワーク型組織の⽬標に⼀部取り⼊れる • 安定性や実⾏速度を出したいときは階層型組織的な組織設計を⾏う • 階層型組織的体制とネットワーク型組織の窓⼝‧インターフェースを⼀元化し、調整能⼒の成熟を図 る

    ダンバー数からも分かる通り、巨⼤な組織の上から下までネットワーク型でやろうとするのは難しいの で、上記のような⼯夫を取り⼊れていく必要性があります。 階層型組織的な権⼒を⼀概に否定することは難しい 階層型組織体制とネットワーク型組織のいい感じの落とし所とは? 導⼊と実践に向けたステップと考慮事項