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環境・サステナビリティ領域におけるナレッジグラフ構築と利用
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Kouji Kozaki
January 26, 2026
Technology
0
87
環境・サステナビリティ領域におけるナレッジグラフ構築と利用
第7回ナレッジグラフ勉強会(2026/1/26)
https://kg-wakate.connpass.com/event/379632/
で使用した講演スライドです
Kouji Kozaki
January 26, 2026
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Transcript
環境・サステナビリティ領域に おけるナレッジグラフ構築と利用 大阪電気通信大学 情報通信工学部 情報工学科 古崎 晃司 第7回ナレッジグラフ勉強会 2026/1/26
自己紹介 ◼ コミュニティ活動 研究成果として 公開中のソフト ◼ 古崎(こざき)晃司
[email protected]
◼ 所属:大阪電気通信大学
情報通信工学部 情報工学科 ◼ 専門: オントロジー工学(情報科学・人工知能) ◼ 研究テーマ:「オントロジー工学」と「LOD(Linked Open Data)・ 知識グラフ」を基盤とした「セマンティック(意味処理)技術」 によるAIシステムの開発 「ナレッジグラフ」を用いたAI技術開発のコンテスト http://challenge.knowledge-graph.jp/ オープンデータ活用のコンテスト http://lodc.jp 2026/1/26 2 2026/3/15 LODチャレンジ2025授賞式
◼ 本講演のねらい ◼ 知識グラフ(ナレッジグラフ・KG)の基本的な考え方について, 環境・サスティナビリティ領域の利用事例を通して紹介する ◼ 本講演の立場 ◼ セマンティック(ウェブ)技術の観点からのKGを紹介 ◼
グラフデータベースの観点や実装詳細については述べない ◼ 講演内容 ◼ 知識グラフとオントロジー ◼ 環境・サスティナビリティ領域における利用事例 ◼ ① 知識グラフ可視化機能を持つオンライン熟議システム ◼ ② 気候変動オントロジーの構築と利用 ◼ ③ LLMによるオントロジー・知識グラフの自動構築 ◼ まとめ/QA 講演内容 2026/1/26 3 講演途中の質問も歓迎です
知識グラフ(ナレッジグラフ) ◼ 知識グラフとは ◼ さまざまな「知識」の関係(つながり)をグラフ構造で表したもの. ◼ 知的システム開発の基盤となるデータベース(知識ベース)と して用いられる. ◼ 知識グラフの表現
◼ Linked Data(2007-) ◼ Web標準技術(RDF)に基づいて公開された知識グラフ ◼ Webの仕組みを用いてデータを“リンク”することにより,「データの新た な価値の創出」をめざした技術 ◼ オープンデータ(誰でも自由に利用可能なデータ)をLinked Dataとして 公開したもの=Linked Open Data(LOD) ◼ プロパティグラフ ◼ ノード・エッジからなるグラフ構造に「キー・値」形式の属性(プロパティ) を持たせたグラフ表現 ◼ Neo4j などのグラフDBで実装されている (単なる)グラフデータとの違い 2026/1/26 4
大学 大阪電気 通信大学 分類 1941年 設立日 寝屋川市 日本 位置する行政区 国
日本 国 位置する行政区 リソース: URIで表される事物 プロパティ: リソース間(もしくはリ ソースとリテラル間)の 関係を表す リテラル :文字列 主語 述語 目的語 トリプル(3つ組み)でグラフ構造を表現 RDF (Resource Description Framework) ナレッジグラフ記述のデータモデルを提供するW3C標準の技術仕様 大阪府 http://www.wikidata.org/entity/Q7105556(大阪電気通信大学) に関するナレッジグラフの一部(Wikidataより) SPARQL(RDFを検索するクエリ言語)など,Web上でナレッジグラフ を公開・利用する様々な技術仕様がW3Cから公開されてる 5 知識グラフのRDF表現 2026/1/26
知識グラフのモデリング ◼ 知識グラフ(KG)を有効活用するには,KGのモデリング・ 設計を適切に行うことが重要 ◼ 使用するエンティティやプロパティの「種類」の統一 →エンティティ・プロパティの「分類(階層)」を用意して, それらを用いてKGを表現する ◼ どのような「知識」をどのような「グラフ構造」で表現するか?
→KGで表現するグラフ構造の「記述の仕方,制約など」 の仕様を明確にし,それに従って表現する これらのKGの表現に関する規約を 「オントロジー」で定義する 2026/1/26 6
知識グラフとオントロジー ◼ オントロジー ◼ 「対象世界をどのように捉えたか?(概念化したか)」を計算機 と人間が共有できる形で明確化・体系化したもの ◼ オントロジーの役割 ◼ 知識グラフのモデリングの観点においては,
「知識グラフの記述に用いる語彙(分類や関係の種類など)」を 提供する ◼ 統一した語彙を用いることで,知識グラフの意味が明確に なると共に,知識の統合・相互利用が可能となる ◼ オントロジー工学の観点においては, 「知識が持つ意味を明確化し,知識を体系化」する ◼ 概念が持つ共通性と相違点を明確にし,意味に基づく推論 が可能となる 2026/1/26 7
環境・サスティナビリティ領域 における知識グラフの利用事例 独立行政法人観環境再生保全機構「環境研究総合推進費」 再生可能エネルギー導入に向けた オンライン・オフライン熟議による重層型 (マルチレベル) 合意形成・コミュニケーション手法の開発 (2024 年度~2026 年度,研究代表者:馬場健司(東京都市大学)
における サブテーマ3: 再生可能エネルギー導入を含めた地域の将来社会像の 知識グラフに基づくオンライン熟議システムの開発 (大阪電気通信大学 古崎晃司,竹内広和) として実施中 2026/1/26 8
研究の全体概要 https://www.erca.go.jp/suishinhi/seika/db/pdf /kenkyu_gaiyou/1MF-2401.pdf 2026/1/26 9
研究背景・目的 ◼ オンライン熟議における相互理解の支援 ◼ 対面による意見交換のようなリアルタイムのやり取りが 困難のため、参加者がお互いの発言を正しく理解するこ とがより重要となる ◼ 知識グラフに基づくオンライン熟議システムの開発 ◼
登録された情報に関連する因果構造を知識グラフとして 可視化することにより、現場知と専門知を結びつける機 能を持つオンライン熟議システムを開発する ◼ 実施内容 ◼ 知識グラフ構築に用いるオントロジーの構築・拡充 ◼ 知識グラフ可視化機能の開発 2026/1/26 10
SNS上の言語データ (反対派のブログ等) 審議会・委員会等 の議事録データ 専門知の概念構造 を体系化した表現 Web全体から構築し た汎用言語モデル (生成AI) オンライン熟議や合意形成に向けた
ガイドラインにつながる 「深い意味レベルにおける分析」を実現 議論の因果構造を 知識グラフとして可視化 オンライン 熟議システム 多 様 な レ ベ ル の 情 報 を 収 集 ・ 統 合 ②気候変動オントロジー の構築・拡充 ③各種文書+LLMによる オントロジー・知識グラフの 自動構築 研究の全体像 ①知識グラフ可視化機能を持つ オンライン熟議システムの開発 2026/1/26 11
オンライン熟議システムの概要 スレッドを作成し, オンラインで議論が 可能な掲示板を提供 タイトルをクリック するとスレッドの 詳細を表示 各スレッドには コメントの追加が可能 スレッド・コメント内の
キーワードをクリックすると 知識グラフを表示 https://hozo.jp/board/ ①知識グラフ可視化機能の開発 12
知識グラフ(因果構造)可視化の仕組み 1. 気候変動に関する知識を体系化したオントロジーを構築 2. オンライン熟議システムに入力された内容とオントロジー に登録された知識(用語)を対応付け 3. 対応付けされた知識(用語)を起点としてオントロジーで 定義された概念構造(知識の関連)を探索し,知識グラフ を生成・可視化
熟議システム との対応づけ 知識グラフを 生成・可視化 オントロジーを構築 ①知識グラフ可視化機能の開発 2026/1/26 13
オントロジー構築の流れ オントロジー構築は以下の流れで行われる. 1. 定義する概念(用語)の抽出・選択 2. 概念のis-a階層の構築 3. 各概念の定義内容の記述 4. 外部の知識グラフ・データベースなどとのマッピング
②気候変動オンロジー の構築・拡充 2026/1/26 14
オントロジー構築は以下の流れで行われる. 1. 定義する概念(用語)の抽出・選択 2. 概念のis-a階層の構築 3. 各概念の定義内容の記述 4. 外部の知識グラフ・データベースなどとのマッピング 地球温暖化によるさまざまな影響
地球温暖化によるここ数十年の気候変動は、人間の生活 や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。たと えば、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつなど の影響、陸上や海の生態系への影響、食料生産や健康な ど人間への影響が観測され始めています。 地球温暖化によるさまざまな影響 地球温暖化によるここ数十年の気候変動は、人間の生活 や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。たと えば、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつなど の影響、陸上や海の生態系への影響、食料生産や健康な ど人間への影響が観測され始めています。 オントロジー構築の流れ ②気候変動オンロジー の構築・拡充 2026/1/26 15
オントロジー構築は以下の流れで行われる. 1. 定義する概念(用語)の抽出・選択 2. 概念のis-a階層の構築 3. 各概念の定義内容の記述 4. 外部の知識グラフ・データベースなどとのマッピング 1.
地球温暖化,気候変動,氷河の融解,海面水位の変化, 洪水,干ばつ → 環境問題 2. 自然,陸上,海 → 地理空間 3. 生態系,人間 → 動物 4. 生活,観察 → 活動 5. 数十年 → 時間 オントロジー構築の流れ ②気候変動オンロジー の構築・拡充 2026/1/26 16
オントロジー構築は以下の流れで行われる. 1. 定義する概念(用語)の抽出・選択 2. 概念のis-a階層の構築 3. 各概念の定義内容の記述 4. 外部の知識グラフ・データベースなどとのマッピング 1.
地球温暖化,気候変動,氷河の融解,海面水位の変化, 洪水,干ばつ → 環境問題 2. 自然,陸上,海 → 地理空間 3. 生態系,人間 → 動物 4. 生活,観察 → 活動 5. 数十年 → 時間 オントロジー構築の流れ ②気候変動オンロジー の構築・拡充 2026/1/26 17
地球温暖化 海面変化 氷河融解 環境問題 気候変動 地理空間 地球 海 陸 氷河
is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a (a) (b) 環境問題に関するオントロジーの構築例 1. 地球温暖化,気候変動,氷河の 融解,海面水位の変化,洪水, 干ばつ → 環境問題 2. 自然,陸上,海 → 地理空間 2026/1/26 18
オントロジー構築は以下の流れで行われる. 1. 定義する概念(用語)の抽出・選択 2. 概念のis-a階層の構築 3. 各概念の定義内容の記述 4. 外部の知識グラフ・データベースなどとのマッピング 1.
各概念の「部分」を表す関係 例)地球の「部分」として陸や海がある 2. 各概念が持つ性質を表す関係 例)環境問題の「対象」,「状態」など 3. 概念間の関係性を表すものなど 例)環境問題は,他の環境問題や生態系,人間生活 などに「影響」する ... オントロジー構築の流れ ②気候変動オンロジー の構築・拡充 2026/1/26 19
地球 地球温暖化 気温上昇 海 海面変化 水位変化 氷河 氷河融解 融解 状態変化
増減 下降 上昇 環境問題 気候変動 地理空間 変化 融解 変化 生態系 人間生活 影響 影響 影響 対象 状態 状態 状態 状態 地理空間 地球 海 陸 氷河 影響 影響 対象 対象 対象 部分 部分 部分 is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a is-a (a) (c) (b) 状態 状態 環境問題に関するオントロジーの構築例 「部分」「対象」 「状態」「影響」 などの関係を追加 「状態」を表すた めに「変化」の is-a階層を追加 2026/1/26 20
専門知の概念構造を体系化したオントロジー 地球環境学ビジュアルキーワードマップのオントロジー 概念数:2180,スロット(関係)数:3117 気候変動適応シナリオのオントロジー(RISTEX馬場PJ) 概念数:344,スロット(関係)数:227 ※共に熊澤輝一氏(大阪経済大学)が構築 ②気候変動オンロジーの構築・拡充 2026/1/26 21
オントロジーの構築の方針 構築方針:気候変動の議論で使用するための知識として、 以下の4点を中心とした関係を構築[土井 05] 1. 事象が発生する原因 2. 事象が引き起こす影響 3. 事象が引き起こす影響の予測
4. 事象に関する対策法(適応策) 事象及び 原因、影響、 影響予測 事象及び 原因、影響、 影響予測 対策法 関係性の定義 Is-a(分類)階層定義 ②気候変動オンロジーの構築・拡充 2026/1/26 22
事象に関する ・原因 ・影響 ・対策 が記載された 文章を抜粋 ※事象にカテゴリ分け 抜粋した文章の内容より、カテゴ リ作成・カテゴリ分けを行う 関係性の構築方針
1. 事象が発生する原因 2. 事象が引き起こす影響 3. 事象が引き起こす影響の予測 4. 事象に関する対策法(適応策) 各種資料文書からのオントロジー構築① ②気候変動オンロジーの構築・拡充 23
is-a 関係の定義 24 is-a 関係の構築方針 ・気候変動に関する事象の概念は、「現象」または「状況・状態」の 下位概念に構築 ・事象による原因、影響、影響予測の概念は、「現象」または「状 況・状態」の下位概念に構築 ・事象による対策法の概念は、「行為」の下位概念に構築
さらに「渇 水」 の上位概念を 構築 各種資料文書からのオントロジー構築② 主題となる 「渇水」を定 義 ②気候変動オンロジーの構築・拡充
関係性の定義 「渇水」の関 係性を構築 各種資料文書からのオントロジー構築③ 関係性の構築方針 1. 事象が発生する原因 2. 事象が引き起こす影響 3.
事象が引き起こす影響の予 測 4. 事象に関する対策法(適応 ②気候変動オンロジーの構築・拡充 25
原因、影響、影響 の予測、適応策 の4点についてまと める 他の文書の例 各種資料文書からのオントロジー構築④ ②気候変動オンロジーの構築・拡充 26
27 ・有機態炭素量の上昇 ・COD濃度の上昇 ・アンモニア態窒素濃度の上昇 ・有機態窒素濃度の上昇 ・生活排水による栄養塩供給 ・農業廃水による栄養塩供給 ・流出負荷量が大きい ・流出負荷量が小さい ・ミクロキスティス属の現存量増加
・アナベナ属の現存量増加 ・水草の枯死 ・藍藻類の出現比率 ・珪藻網の出現比率 ・アオコ発生 ・強固な水温躍層の形成 ・etc… 構築した概念の一部 ・ヒートアイランド現象 ・熱中症-リスクの増加 ・都市-気温低減 ・台風の増加 ・湖沼-水温の上昇 ・水稲-品質低下 ・海-漁獲量減少 ・回遊性魚介類の分布域の変化 ・雪上レジャー-経営悪化 ・内水面漁業の変化 ・生息環境の悪化 ・ワカサギの漁獲量減少 ・二ホンジカの増加 ・農地-捕獲管理 ・スーパーセルの発生頻度増加 ・etc... 平成6年琵琶湖渇水の報告書 気候変動の資料 各種資料文書からのオントロジー構築⑤ ②気候変動オンロジーの構築・拡充
気候変動オントロジーの拡充結果 第一層 第二層 第三層 第四層 下位概念数 中間概念数 関係性の数 下位概念数 中間概念数
関係性の数 下位概念数 中間概念数 関係性の数 Any 具体物 もの 人工物など… 104 44 41 361 128 216 257 84 175 地形 岸, 層 - - - 12 3 4 12 3 4 生起物 イベント 災害など… 19 6 19 26 9 18 7 3 -1 プロセス 活動 31 10 22 106 41 112 75 31 90 行為 6 1 4 216 83 248 210 82 244 現象 133 55 213 449 186 1004 316 131 791 開発 - - - 7 2 8 7 2 8 行動 - - - 5 2 2 5 2 2 方法 - - - 4 2 4 4 2 4 状況 4 2 2 5 2 2 1 0 0 状態 44 18 42 184 78 240 140 60 198 準抽象物 ロールなど… 資源など... 61 26 42 50 66 130 -11 40 88 抽象物 基底など… 時間など… 22 9 1 352 83 113 330 74 112 424 171 386 1777 685 2101 1353 514 1715 統合前 統合後 統合後 - 統合前 合計 拡充前 拡充後 追加した概念 1353 514 1715 • 先行研究で構築したオントロジーを気候変動に関する専門文書(報告書, 白書,など)を元に拡充 [土井 05] →拡充方針:気候変動の因果構造に関わる原因,影響,対策を中心に… • 拡充結果:追加した概念(用語)1867,関係 1715 ②気候変動オンロジー の構築・拡充 28
オントロジーから 知識グラフへ変換 (幅優先探索) 再帰的に関係性 を辿ることで 複数段の関係を 表示可能 オントロジーを用いた知識グラフの生成 オントロジーからの知識グラフ生成(簡易版) ②気候変動オンロジーの構築・拡充
①知識グラフ可視化機能の開発 ※システム上は「法造」からRDF形式で出力したオントロジーをRDF-DBに 格納しSPARQLで処理を実装している 29
気候変動オントロジーの自動構築 ◼ Zero-shotのプロンプトを用いたオントロジー構築 ◼ 気候変動というキーワードのみを与え,関連する概念・関係性を生成AIに より取得 ◼ 構築例)GPT-4 Turbo (OpenAIのAPIを利用)により約5,000の関係性を抽出
→専門家1名よる主観評価では妥当性は80-90% ◼ 専門文書+LLMによるオントロジーの自動構築 ◼ 手動で気候変動オントロジーを拡充した方法と同様に,専門文書を解析し てオントロジーを自動構築 ◼ 初期的な試行が終了し,手動で作成した結果を比較・評価中 ◼ 対象文章を拡大した本格的な自動構築を試行予定 ◼ LLMから自動構築した知識グラフを元にしたオントロジー構築 【計画段階】 ◼ 様々な文書を元にした知識グラフをLLMを用いて構築し,DBに収集する ◼ 収集した知識グラフから共通点を抽出し,オントロジー構築に利用する ◼ その際,既存のオントロジー・LODを用いて品質をコントロールする ③LLMによるKG/オントロジーの自動構築 2026/1/26 30
文書からの知識グラフ自動構築 ◼ 実施内容 ◼ プロジェクトの他グループが収集した気候変動(主に風力発電)に 関する文書から,LLM用いて知識グラフを自動構築 ◼ 対象となる主な文書 ◼ 議会議事録
◼ 環境保護団体のブログ記事 ◼ 環境に関する白書など ◼ LLMを用いた知識グラフ構築手法の概要 [東川 06, 堀田 06] ◼ 文書から「トリプル」を抽出するFew shotプロンプトを利用 ◼ DB化した際の共通性を考慮して関係の種類を「原因」「影響」「対 策」の3種類に限定 ◼ 各トリプルに対し「ステークホルダーの意見」を合わせて抽出 ◼ 抽出した「トリプル+意見」の妥当性を人手で評価中 ◼ 議事録のような内外文書は,対象となるトピック(ここでは風力発 電)に関連する内容のみを,LLMによる前処理で抽出する ③LLMによるKG/オントロジーの自動構築 2026/1/26 31
LLMで自動構築した知識グラフ の例(一部) 元文書(市民団体のブログ記事) https://note.com/fushao_kangaeru/n/nd410d9bd7072 2026/1/26 32 [東川 06]
LLM抽出した各トリプルに対する ステークホルダーの意見 subject relation object speaker 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 東洋経済オンライン記事
土砂災害 原因 無謀な森林伐採 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 NPO法人 自伐型林業推進協会 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 能登地震の災害ボランティア参加者 土砂災害 原因 樹木の伐採や人為的改変 能登地震の災害ボランティア参加者 土砂災害 原因 樹木の伐採や人為的改変 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 取り付け道路造成のための広域伐採と山の切土 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 急峻な斜面での工事・運搬 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 崩れやすい地質(ゼオライト等の軟弱地盤)米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 通行止め 原因 降雨量の増加 地域住民・道路利用者 運休 原因 気象の影響(在来線利用のミニ新幹線) 地域住民・鉄道利用者 水質汚濁 原因 工事に伴う粉塵・水質汚濁 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 水源への影響 原因 貴重な水源の大元での巨大風車建設 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 西栗子トンネルへの影響 原因 土石流 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 高速道路入り口への影響 原因 土石流 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 水窪ダムの越水 原因 土砂と大量の倒木の流入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 地盤の不安定化 原因 ブナの伐採と道路拡幅・重機搬入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 西栗子トンネルへの影響(左右両側から) 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 高速道路入り口への影響 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 水窪ダムへの土砂・倒木流入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 水窪ダムの越水の心配 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 崩れやすい地質 影響 降雨時の通行止め 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 気象の影響 影響 山形新幹線の運休が多い 地域住民・鉄道利用者 通行止め 対策 標高の低いところに新しいトンネルを掘る 地域住民・道路利用者 運休 対策 標高の低いところにフル規格のトンネルを整備 地域住民・鉄道利用者 土砂災害 対策 流域治水関連法の公布・施行 東洋経済オンライン記事 土砂災害 対策 災害と林業の関係性の調査・報告 NPO法人 自伐型林業推進協会 意見を持つ「ステークホルダー」 と「意見の内容(この図には未掲載)」 をLLMで抽出 2026/1/26 33 [東川 06]
LLM抽出した各トリプルに対する ステークホルダーの意見例 subject relation object speaker 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 東洋経済オンライン記事
土砂災害 原因 無謀な森林伐採 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 NPO法人 自伐型林業推進協会 土砂災害 原因 無謀な森林伐採 能登地震の災害ボランティア参加者 土砂災害 原因 樹木の伐採や人為的改変 能登地震の災害ボランティア参加者 土砂災害 原因 樹木の伐採や人為的改変 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 取り付け道路造成のための広域伐採と山の切土 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 急峻な斜面での工事・運搬 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 原因 崩れやすい地質(ゼオライト等の軟弱地盤)米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 通行止め 原因 降雨量の増加 地域住民・道路利用者 運休 原因 気象の影響(在来線利用のミニ新幹線) 地域住民・鉄道利用者 水質汚濁 原因 工事に伴う粉塵・水質汚濁 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 水源への影響 原因 貴重な水源の大元での巨大風車建設 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 西栗子トンネルへの影響 原因 土石流 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 高速道路入り口への影響 原因 土石流 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 水窪ダムの越水 原因 土砂と大量の倒木の流入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 地盤の不安定化 原因 ブナの伐採と道路拡幅・重機搬入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 西栗子トンネルへの影響(左右両側から) 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 高速道路入り口への影響 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 水窪ダムへの土砂・倒木流入 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 土砂災害 影響 水窪ダムの越水の心配 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 崩れやすい地質 影響 降雨時の通行止め 米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 気象の影響 影響 山形新幹線の運休が多い 地域住民・鉄道利用者 通行止め 対策 標高の低いところに新しいトンネルを掘る 地域住民・道路利用者 運休 対策 標高の低いところにフル規格のトンネルを整備 地域住民・鉄道利用者 土砂災害 対策 流域治水関連法の公布・施行 東洋経済オンライン記事 土砂災害 対策 災害と林業の関係性の調査・報告 NPO法人 自伐型林業推進協会 ステークホルダー :米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会 意見内容 :森林伐採と土砂災害の関係は明白と主張 2026/1/26 34 [東川 06]
議会の議事録から抽出した 知識グラフの例 2026/1/26 35 [堀田 06]
まとめ・今後の展開 ◼ まとめ ◼ オンライン議論の内容に応じて,関連する内容を「知識 グラフとして可視化」して提示するシステムを開発・試験 運用している ◼ 手動で構築したオントロジーを基にする方法から,LLM を用いて自動構築したオントロジー・知識グラフを合わ
せて利用する仕組みに拡充中 ◼ 今後の展望 ◼ LLMを用いたオントロジー・知識グラフの自動構築が一 定レベルで実現できたので,対象を拡充し本格利用に つなげる ◼ 自動構築により収集した知識グラフを分析することで, 「継続的に知識が拡充・成長するプラットフォーム」へと 進化させたい 2026/1/26 36
参考文献 [土井 05]土井浩平, 古崎晃司, 木村道徳, 馬場健司:知識グラフによる因果 構造可視化のための気候変動オントロジーの構築手法, 第53回環境システム 研究論文発表会, 福岡県,
2025年11月15日-16日 [東川 06]東川英瑚:大阪電気通信大学2025年度卒業論文, 執筆中 [堀田 06]堀田健弘:大阪電気通信大学2025年度修士論文, 執筆中 2026/1/26 37