かつて、ある愚かなエンジニアがいた。彼は意気揚々とマイクロサービス移行という壮大な計画を立ち上げ、2年という歳月を費やした。しかし完成の暁に彼を待ち受けていたのは、栄光でも賞賛でもなく、すでに陳腐化した設計と、ふたたび着々と積み上がる技術的負債という名の瓦礫の山であった。なんたる業か。なんたる滑稽か。
nwiizoによるこのセッション「技術的負債の泥沼から組織を救う3つの転換点」は、そのような哀れな魂たちへの救済の書である。2026年3月4日、Engineering Management Conference Japan 2026のホールBにて、40分間にわたり語られる。
氏が説くに、モダナイゼーションの失敗とは技術の失敗にあらず。組織構造を軽視し、意思決定を技術者のみで完結させ、ビッグバン式の大改革に酔いしれた者たちが、コンウェイの法則という冷酷な摂理によって粛清される、それだけのことである。古い組織は、新しいシステムを確実に、かつ静かに、腐らせていく。
ならばいかにすべきか。氏はAMETという概念を持ち出す。答えを与えるチームではなく、組織が自ら考えられるよう手助けし、最終的には己の存在意義を消滅させることを目標とするチームである。なんと殊勝な自己犠牲の精神であろうか。EventStormingやWardley Mappingを駆使し、組織の内なる知性を呼び覚ます。
また、経営層に「技術的負債がやばい」と訴えても暖簾に腕押しであることは、諸君もよくご存知であろう。Core Domain Chartによって複雑性を可視化し、それを「年間XX億円の機会損失」という経営者の母語に翻訳してこそ、初めて投資という名の援軍を呼び込むことができるのだ。
そして何より肝要なのは、壮大な計画を立てないことである。3〜6ヶ月で成果を示せる小さな戦場を選び、勝利を積み重ね、信頼を醸成していく。Team Topologiesを携え、技術・組織・文化を同時に変革していく。
レガシーシステムという名の泥沼で溺れかけている諸氏よ、このセッションはあなた方のために存在する。
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