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プロダクトマネジメントざっくり整理
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kyo9bo
May 06, 2024
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プロダクトマネジメントざっくり整理
kyo9bo
May 06, 2024
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Transcript
プロダクトマネジメント ざっくり整理 久保 京介
• 筆者の考えに基づくものであり、所属組織は関係ありませ ん。 • プロダクトマネジメントは会社やステージによって⼤きく異 なるので、全てに⼀律に⾔えることはありません。 • とはいえ、型を知らないと型破りはできないように、ある程 度、⾃分の中で型を作ることは有⽤でしょう。 •
このスライドは、筆者が学んだことをアウトプットするため に作成されてます。インプットした情報を再構築し、⾃分の 体系⽴った知識にすることが⽬的です。その過程で誰かの参 考になれば幸いです。 • 今後の成⻑次第でこのスライドの内容もアップデートしてい きます。 注意 ※このスライドのデザインは「デザインシステムの利⽤の⼿引き」(デジタル庁)を参考にしつつ、⼀部デザインの変更を加えて作成しました。
• プロダクトの成功 • プロダクトの未来を描く • 事業を理解する • ユーザーの理解を深める • 機能を企画する
• プロダクト指標 • 提供終了を考える • PMとしての基本的スキル ⽬次
プロダクトの成功
プロダクトを⽤いてプロダクトビジョンに近づき、その中で事業 価値とユーザー価値が向上するということがプロダクトの成功で ある。 したがって、それぞれのバランスを考慮しつつ、プロダクトを成 ⻑させていく必要がある。 プロダクトビジョン、事 業価値、ユーザー価値 プロダクト ビジョン プロダクト
(事業価値) (ユーザー価値)
プロダクトの未来を描く
プロダクトビジョンとは、プロダクトが全社ミッションに対し て、どの市場にどんな価値を提供することで貢献するのかについ てシンプルにまとめたものである。数年スパンでのプロダクトの あるべき姿を明確にして、どこに向かうのか、どこに注⼒するの かの共通認識を関係者間でとる。 プロダクトビジョンを 作る 全社ミッション プロダクト どこの誰にどんな価値を
提供することで
プロダクトビジョンを達成するために具体的にどのような開発を すべきか、ざっくりとした注⼒領域である開発テーマを作成す る。例として、「世界の⼈々を繋げる」というビジョンをもった チャットサービスで考えてみる。 開発テーマを作成する Product Vision:世界の⼈々を繋げる 開発テーマ1: 伝えたいことを直感的に伝えられる、 チャットのユーザー体験の向上
開発テーマ2: さまざまな⼈と繋がれる、アプリ外の⼈と やりとりできるゲスト機能の強化 開発テーマ3: さまざまな内容をやりとりできる、外部の アプリケーションとの連携強化
開発テーマの下に具体的な要件を作成し、それぞれの優先順位を 出して、実施時期を暫定で出す。それに合わせて開発をスケ ジューリングする。 ロードマップを作成する 開発 テーマ1 開発 テーマ2 要件A 要件B
要件C 要件D 要件E
事業を理解する
事業の全体感を理解する上で、ビジネスモデルキャンバスを埋め てみることが⼿っ取り早い。作成してみたらどこに優位性がある のか、弱みがあるのか考えてみよう。 ビジネスモデルキャンバ スを埋めてみる 出典:ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは 書き⽅‧事例‧ポイントを紹介
事業に関わる関係者を社内外問わず洗い出してみよう。”事業”と して⾒ると⼤きく実体が無いように⾒えるが、⼈の活動が集約さ れているものであるため、どんな⼈が関わっているのかを理解す ることは事業を理解する上で重要だ。 ユーザーにもエンドユーザーや管理者、経営者など。社内におい てもセールス、CS、エンジニア、デザイナー、マーケなど。ま た、第三者としてパートナー企業もいるかもしれない。詳細に分 解して考えてみよう。 関係者を洗い出す ざっくりとしか
⾒えていない事業 ⼈の活動 ⼈の活動 ⼈の活動 ⼈の活動
関係者の利害をざっくり考えてみよう。それぞれの欲求と逃避を 理解すると、誰にどんな価値が提供できるのかイメージしやすく なる。また、0or100のような極端な思考をせず程度を意識する。 ざっくり例としてユーザータイプに応じた欲求と逃避を記載して おく。(もちろん社内も含めて考える) それぞれの思惑を考える 関係者 こうでありたい (欲求) こうなりたくない
(逃避) エンドユーザー 普段の業務を楽にし たい。 ↔ 使いづらい。 管理者 製品を導入する以 上、成功させたい。 ↔ 費用対効果が出ない。 経営者 事業上、必要なデー タなどを見える化した い。 ↔ 費用対効果が出ない。 事業に貢献しない。
ユーザーの理解を深める
ユーザーが喜ぶプロダクトを作る上で、ユーザーからのフィード バックを回収し、開発に落とし込むことはとても重要である。プ ロダクトライフサイクルのどのフェーズにおけるフィードバック なのか意識しつつ、フィードバックをもらえる体系を整える必要 がある。 プロダクトライフサイクルに 合わせたフィードバック回収 を設計する 導⼊ 試⽤
利⽤ 解約 Log? 顧客DB? アンケート?
ユーザーからのフィードバックには、定性情報と定量情報が存在 する。ユーザーの理解を深める上で、それぞれの特性を理解する ことがとても⼤切である。 • 定性 ◦ 具体的 ◦ なぜその⾏動をしたのかがわかる ◦
あくまで特定の⼀⼈の意⾒の可能性があるので、全 ユーザーが感じてると錯覚しないように意識する ◦ ユーザーが回答するので、ユーザー⾃⾝に認識のズレ があった場合、事実とは異なる可能性もある ◦ 思いもよらない情報を得ることができたりする • 定量 ◦ 事実 ◦ 仮説検証に良い ◦ 全てのユーザー‧特定のセグメントにおける傾向など を出しやすい ◦ なぜその⾏動をとったのかはわからない 定性情報と定量情報
製品は誰か⼀⼈のものではなく、触れる⼈全てに対して影響を与 える。したがって、PMは1ユーザーに対してだけではなく、抽象 度をあげて、ユーザー全体として理解を試みる必要がある。(た だし、1ユーザーの声から全体を考える動きも⼤切) 最⼤公約数的な理解を しよう PM ユーザー全体 △
機能を企画する
誰がどんなことに困っているのか、どんなことを期待しているの か、その課題を特定しよう。 重要なのは、事実から⾃分たちで課題を抽出して⼿段を考えてい くこと。ユーザーの声は時にユーザーの解釈も含んでいて、それ が課題として明確ではない場合も多い。あくまでどのようなシー ンで何がしたい、何ができないから要望をあげているのかという 背景をベースに機能企画することが本質的な課題解決に繋がる。 課題を特定する 出典:「無駄なものを作らない」 がアジャイル開発の⽬的【第3回】
実現⼿段に関してはエンジニアの領域ではある。しかし、鵜呑み にするのではなく、PMとしても複数の解決⽅法を想定して⽐較検 討をする必要がある。実現コスト、検討コスト、ユーザーに受け ⼊れやすいかなどの観点を洗い出し、解決⼿段を松⽵梅で3つほ ど事前に想定できると、デザイナーやエンジニアの意⾒も引き出 しやすい。 ⼿段を複数⽤意する 課題 ⼿段1 ⼿段2
⼿段3
プロダクト開発において、不確実性がつきものである。いきなり 機能を企画して実装しようと思っても、⾒えてなかった懸念やリ スクが出てくることは往々にしてある。今までやったことない領 域などは常に不確実性も実現を阻むものとして事前に考慮する必 要がある。 そして、不確実性の幅を下げるためには、学習と詳細化が必要で ある。短期的にはSpikeタスク、中⻑期的には考慮した優先順位 づけ‧PoCなどの取り組みが策として挙げられる。 不確実性を意識する 出典:プロジェクトの本質とはなにか
仕様を決める際、最⼩機能で機能をリリースし、将来的なアップ デートを考慮することが重要である。最初から⼤きな機能を作る と、リリースも遅れてしまい、失敗した時のダメージがより⼤き くなってしまいがち。機能を絞ってシンプルに⼩さくリリースを 重ねていくことが⼤切です。 また、将来的にアップデートしていく点を考慮して開発しなけれ ばならない。「最終的な理想はこんな機能だが、価値を細分化し て1stではこの価値、学習した結果を踏まえて2ndはこの価値をリ リース」という流れで意識して仕様を決める必要がある。 仕様を決める
出典:MVP(Minimum Viable Product)とは?実践 するメリットと検証⽅法
プロダクト指標
指標を設定する際、頭⽂字をとってSMARTという観点を意識する と良い。 • Specific(具体的) • Measureable(測定可能) • Achievable(達成可能) • Relevant(関連性が⾼い)
◦ 意外とここが重要 • Time-bound(期限付き) • Evaluate(評価) ◦ 数字を評価できないと意味がないので、虚栄の数字に 注意 どんな値が指標として 適切か
KPIと全体像 構造化した上でそれぞれのレイヤーに対して指標を設定し、定期 的に振り返り、ビジョンに近づいているか、事業価値が向上して いるか確認する。⼤事なのは、事業価値とプロダクトビジョンを 分離して考えないこと。全てが連動し、それぞれがうまく値に反 映されているかを検証していくことで、理想に近づくことができ る。 プロダクト ビジョン 開発テーマ1
開発テーマ2 開発テーマ3 施策1-1 施策1-2 施策2-1 施策3-1 施策2-2 施策3-2 事業価値 (売上げ‧利益等) KPI KPI KPI KPI KPI KPI KPI KPI KPI KPI KGI
提供終了を考える
提供終了するとなると、顧客に価値を届けることができなくな る。しかしながら、提供する上でのメンテコスト、オペレーショ ンコストはその分削減され、別の場所にリソースを投下できる。 このメリット‧デメリットを⽐較する。もちろん、これは開発視 点だけでなく、事業全体、各関係者の視点もインプットしてトー タルのコストを勘案する必要がある。 また、終了に関して相談する際に不利益を被る⽅もいるので、⽇ 頃の信頼と丁寧なコミュニケーションをいつも以上に意識する。 トレードオフで価値があ るか考える
Cost Value
今使っているものが明⽇使えなくなる!となったら誰もが困る し、怒りにつながるだろう。提供元としては、今まで使っていた だいている感謝を忘れずに、丁寧にコミュニケーションする必要 がある。 提供をやめた際にどのくらいの影響があるのか、その影響に対し てどのくらい準備すれば良いのか、そもそも顧客⾃⾝で気づける のか、段階踏んで告知をどのようにするか、などスケジューリン グする必要がある。 顧客影響を考慮してスケ ジューリングする
告知① 告知② 段階的 終了① 段階的 終了② 終了
PMとしての基本的スキル
現象は観点、⽴場によってその姿を⼤きく変える。⾃分がどの場 所からものを⾒ていて解釈を付与しているのかを⾃分⾃⾝で理解 する必要がある。加えて、相⼿がどこから⾒ているのかについて も理解するようにし、⾃分との意⾒の差分がどのようにして⽣ま れているのか把握する必要がある。 多⾓的視点で現象を正確 に捉える ⻑⽅形に ⾒える 円に⾒える
何かを選択するということは何かを捨てることである。意思決定 する際に必ず⽐較を意識し、決定したことに対して捨てているこ とは何か、他に選択肢がないのか、なぜそれは選択しなかったの かについて常に説明できる状態にする必要がある。 ⽐較を必ずする リソース 選択肢① 選択肢② 選択肢③ この⽐較を常にするイメージ
物事の階層(レイヤー)を捉えて、議論しよう。抽象度合いを⾃ 分の中で調節して、事業‧プロダクトにどう影響するのか把握す ることを常に意識する。 レイヤーを捉える 抽象 具体
プロダクトが提供するValueを最⼤化することに責任をもつPMは 受け⾝の姿勢では必ず失敗する。常に「理想とは何か」について 考え、そこに向かう上での課題を明確にして解決する必要があ る。 ⾃ら課題を⾒つける 理想 現実 課題 着実に定義することから始める必要がある。
まとめ
プロダクトマネージャーは、上位戦略から戦術まで幅広いレイ ヤーを⾏ったり来たりしつつ、プロダクトの成⻑に対して責任を 持つ必要がある。 プロダクトを成⻑させる上では、事業観点とプロダクト観点の両 ⽅を広範囲に渡って検討する必要があり、多様な知識が求められ る。ただ、もちろん⼀⼈だけでできる必要はなく、チームで補完 しあうことも⼤切だ。 またそれだけではなく、様々なステークホルダーを巻き込んでプ ロジェクトを進める必要があり、その観点におけるソフトスキル も⾮常に重要だ。
まとめ