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hokan尾花 / 起業家の視点からみるWEB3×保険の可能性と課題

hokan尾花 / 起業家の視点からみるWEB3×保険の可能性と課題

MasashigeObana

November 24, 2022
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  1. ⾃⼰紹介 2017年にInsurTechで起業、主業は保険代理店向けシステムで顧客本位の業務運営に貢献 主業 経歴 3 乗合保険代理店向け顧客・契約管理システム「hokan」 尾花 政篤 株式会社hokan 代表取締役CEO

    東京⼤学経済学部卒 ベイカレント・コンサルティングにて保険会 社向けのITコンサルティングに従事した 後、 2017年8⽉に株式会社hokanを創業 体制整備(意向把握・⽐較推奨)の⽀援に強み
  2. 起業家の視点 限られた情報の中、対象領域の成⻑可能性を⾒極め、制約を考慮し事業⽴ち上げを“決める” - 対象領域の構造分解 - 国内外事例の徹底調査 成⻑可能性の⾒極め 事業アイデアの絞り込み 制約の考慮 -

    世界/⽇本のトレンドの確認 - 原体験・肌感覚での確信 事業⽴ち上げを “決める” 6 - 法務的な制約の把握 - 組織的な能⼒の勘案 “決める”ことが重要で、 情報の完全性は必要ない
  3. 事業アイデアの絞り込み(国内外事例の徹底調査) coincoverはウォレットへの保険を提供、Nexus Mutualの預かり資産額は⼤きい 19 弊社運営サイトWEB3 INSURANCEより抜粋︓ https://www.web3insurance.jp/coincover_inter view Nexus MutualはEthereum上で組合メンバー向けにスマートコントラ

    クト保険を提供するプロトコルである。スマートコントラクト保険は、特定の スマートコントラクトのバグに起因する資産紛失イベントに対して適応され る。Nexus Mutualの資本プールにロックされている保険⾦の総額は約 10万ETH(約50億円)で、合計⼿数料収益は約6,000ETH(約3億 円)に上る。スマートコントラクト保険の中ではNexus Mutualは最⼤の TVLを有しているが、それでもDeFiのTVL全体の僅か0.5%しかカバーで きておらず、DeFi保険市場は今後急拡⼤するポテンシャルがあると考えら れる。 現時点で52のDeFiウォレットサービスに対するスマートコントラクト保険が 提供されている。ユーザーは、特定のDeFiスマートコントラクトと、カバー (保険請求)額を指定し、ETH、DAI、あるいはNexus Mutualの基 盤トークンであるNXMで保険を購⼊する。保険の加⼊コストはそれぞれ のサービスによって異なり、MakerやUniswap、Compoundなどの主要 なプロトコルのカバーコストは⽐較的安いが、新しいサービスのカバーコスト は平均的に⾼い。 当社は⾼い安全性を保ちつつ、仮想通貨の普及を促進するために存在 しています。そして商品は、機関投資家やエンドユーザーが資⾦にアクセ スできなくなることがないように設計されています。そして、ホットウォレットレ ベルで個⼈保険を提供する唯⼀の企業として、万が⼀資⾦が盗まれた 場合にも⽀払いを保証しています。なお、私たちの保険の引き受け先は 英ロイズ保険組合です。 引⽤元︓FISCO DeFiプロジェクト「Nexus Mutual」フィスコ・暗号資産コラム https://web.fisco.jp/platform/selected- news/00108100/0010810020201125001
  4. 事業アイデアの絞り込み(国内外事例の徹底調査) ⽇本初のNFT保険への取り組みが⾏われている⼀⽅、シンガポールに拠点を移した企業も 20 引⽤元︓プレスリリース【国内初】NFTアート専⽤保険の提供開始https://www.ms- ins.com/news/fy2022/pdf/0726_1.pdf InsureDAOはイーサリアム上の保険市場プロトコルで、プロトコルの運⽤ ・管理をDAOが⾏っている。イーサリアムにアクセスできる⼈であれば、 InsureDAOはKYCなしであらゆる保険の作成・購⼊・引き受けが可能 となっている。サービス⾃体はイーサリアムブロックチェーンでトークンホルダー により運営される。

    InsureDAOを利⽤すれば、イーサリアム基盤のDeFiプロトコルを通して 利回りなどを得ている投資家がハッキング被害にあった場合、損害保険 ⾦が⽀払われるようになる。 損害保険⾦の⽀払い⼀例として「yearn.financeにステーキングした資 ⾦がcurve.fiに再配置された場合、curve.fiで資⾦がハッキング/盗難/ 紛失された場合もカバーされます」と過去にInsureDAOが説明している 。 なおInsureDAOは⽇本⼈創業者のチームで、Founderは斯波晃⼠ ⽒、Operation leadは⾼橋基希⽒、Growth leadは岸上ルビオ⽒、 Tech leadは及川駿⽒が務める。チームはシンガポールを拠点に開発を ⾏っている。 1.NFTアート専⽤保険の特⻑ (1)保険対象︓「HARTi」に出品されたすべてのNFTアート (2)補償内容︓第三者の不正アクセスにより、NFTアートの所有 者アドレス※3が改ざんされ、第三者 へNFTアートが移転してしまった 場合に、出品者の損害を補償 (3)保 険 料︓HARTiが保険料を負担し、出品者へ無償で補 償提供 (4)補償⾦額︓出品価格を参考値として作品ごとに決定(50万円 限度) ※3︓ブロックチェーン上で管理されるNFTに含まれるインデックスデ ータのうち、現在の保有者を⽰す⼀意の⽂字列を いいます。 引⽤元︓日本発DeFi保険「InsureDAO(INSURE)」、アスターネットワー ク(ASTR)対応 https://www.neweconomy.jp/posts/243150
  5. 事業アイデアの絞り込み(国内外事例の徹底調査) ⾶⾏機遅延保険・天候インデックス保険で事例が存在 24 引⽤元︓【事例】ブロックチェーンで保険業務の効率化は可能か?証跡としての活用も https://baasinfo.net/?p=5126 米インシュアテック企業のLemonade(レモネード)が、 ア フリカの農家を気候変動から保護することを目的としたDAO( 自律分散型組織)「Lemonade Crypto

    Climate Coalition(レ モネード・クリプト・クライメイト・コアリション)」を3月 22日に設立 アフリカには約3億人の小規模農家があり、その大部分が洪水 や干ばつなどの気候リスクから経済的に保護されていない。こ れに対し「Lemonade Crypto Climate Coalition」では、ブロ ックチェーンを活用したパラメトリック保険を提供する予定だ 。 「Etherisc」はEthereum上で分散型保険を構築するプロジェ クトであり、コミュニティベースで保険を開発できるフレーム ワークを提供しています。 Etherisc最初の分散型保険である「Flight Delay Insurance( 航空機遅延保険)」は、2016年9月に上海で開催された Ethereum開発者の年次カンファレンス「Devcon2」で初めて 発表されました。Flight Delay Insuranceでは、航空機に45分 以上の遅延が生じた場合に払い戻しを受けることができます。 スマートコントラクトを活用して支払いが行われており、保険 会社などの仲介者がいないため、保険にかかる手数料を大きく 削減可能です。 Etheriscでは、他にも基準値を超える風速のハリケーンが発生 した場合の損害保険「Hurricane Protection」や、干ばつや洪 水被害に対する農家向けの保険「Crop Insurance」などが開 発されています。 引⽤元︓米レモネードがDAOを設立し、 アフリカの農家を気候変動から保護へ https://www.neweconomy.jp/posts/206956
  6. 起業家の視点 限られた情報の中、対象領域の成⻑可能性を⾒極め、制約を考慮し事業⽴ち上げを“決める” - 対象領域の構造分解 - 国内外事例の徹底調査 - 法務的な制約の把握 - 組織的な能⼒の勘案

    成⻑可能性の⾒極め 事業アイデアの絞り込み 制約の考慮 - 世界/⽇本のトレンドの確認 - 原体験・肌感覚での確信 事業⽴ち上げを “決める” 25
  7. 制約の考慮(法務的な制約の把握) 産業を⽀えるという保険の価値からして、WEB3への投資の進む海外もターゲットにすべき 28 引⽤元︓Crypto & Blockchain Venture Capital – Q1

    2022 https://www.galaxy.com/research/insights/crypto-blockchain-vc-first-quarter/ ⽇本経済新聞電⼦版より 次世代ネット「Web3」新興へ投資熱 海外には出遅れ(2022/3/15) GALAXYより 引⽤元︓ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC09DOX0Z00C22A3000000/
  8. 制約の考慮 ⽇本で保険×WEB3に取組む際の制約を順を追って検討 29 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない
  9. 制約の考慮 ⽇本で保険×WEB3に取組む際の制約を順を追って検討 30 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない
  10. 制約の考慮 ⽇本で保険×WEB3に取組む際の制約を順を追って検討 34 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない “保険ではない”と いう整理はできない (?)
  11. 制約の考慮 ⽇本で保険×WEB3に取組む際の制約を順を追って検討 35 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない “保険ではない”と いう整理はできない (?)
  12. 制約の考慮 ⽇本で保険×WEB3に取組む際の制約を順を追って検討 39 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない “保険ではない”と いう整理はできない (?) いずれの事業形態 でも暗号資産建は 不可と想定 値動き/世界展開 のため⽇本建の事 業展開は困難
  13. 制約の考慮(組織的な能⼒の勘案) 現状では「海外を拠点に世界展開を⽬指すしかない」と考えており、機会を窺っている 40 保険 保険 “保険ではない” 暗号資産建 ⽇本円建 世界に展開 保険

    ⽇本のみに展開 ⽇本で保険 ×WEB3に 取組めるか︖ 資⾦調達に必要な 成⻑可能性を⽰せ ない “保険ではない”と いう整理はできない (?) いずれの事業形態 でも暗号資産建は 不可と想定 値動き/世界展開 のため⽇本建の事 業展開は困難 結論︓海外を拠点に世界展開を⽬指すしかない →現状の組織的な能⼒を勘案して、 今海外に打って出られるかどうかを検討 本条件分岐に⾒落としはあるか︖ (暗号資産建のみであれば、 暗号資産交換業の中で実現可能︖)