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230203okinawaEV.pdf

minamizaki
December 03, 2023
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minamizaki

December 03, 2023
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  1. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University ⾃⼰紹介 2 20年間⾞の研究をしていますが

    ⾞の免許を持っていません なので私の研究は クルマの作り⽅でなくて、クルマの使い⽅です  名前:井原(武末)雄人  所属:早稲田大学 スマート社会技術融合研究機構 電動車両研究所 客員准教授  :合同会社ビジュアライト 共同代表  :一般社団法人日本バス情報協会 監事  :公共交通マーケティング研究会 幹事  これまでの研究開発プロジェクト  :電動車両の開発・実証(東京都、奈良県、本庄市、長野市、川崎市、周南市など)  :コミュニティ交通などの導入(瀬戸市、沼津市、気仙沼市、大井町、南三陸町など)
  2. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 運輸部⾨におけるCO2排出量 4 CO

    2 総排出量 10億4,400万㌧ (2020年度) その他 1億5,500万㌧ (14.9%) 産業部門 3億5,600万㌧ (34.0%) 家庭部門 1億6,600万㌧ (15.9%) 業務その他部門 1億8,200万㌧ (17.4%) 運輸部門 (自動車、船舶等) 1億8,500万㌧ (17.7%) 自家用乗用車 8,440万㌧ (45.7%) 営業用貨物車 4,039万㌧ (21.9%) 自家用貨物車 3,210万㌧ (17.4%)  自動車全体で 運輸部門の87.6% (日本全体の15.5%)  旅客自動車は 運輸部門の48.4% (日本全体の8.6%)  貨物自動車は 運輸部門の39.2% (日本全体の6.9%) バス 294万㌧ (1.6%) タクシー 126万㌧ (0.7%) 二輪車 75万㌧ (0.4%) 航空 524万㌧ (2.8%) 内航海運 986万㌧ (5.3%) 鉄道 784万㌧ (4.2%) 自動車以外 国土交通省,運輸部門における二酸化炭素排出量,https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html c レンタカーは分類上ここ
  3. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 運輸部⾨のCO2排出量と削減⽬標 5 0

    50 100 150 200 250 300 1990 1996 2001 2005 2013 2020 2030 2050 運輸部門CO2排出量[百万トン] その他輸送機関 貨物自動車 自家用乗用車 削減目標 2013年比 35%減 2013年比 80%減 国土交通省,運輸部門における二酸化炭素排出量,https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html
  4. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University ちなみに沖縄の⽬標は 6 0%

    5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 2003 (最大年) 2013 (基準年) 2018 (現状) 2030 (対策なし) 2050 (対策なし) 2030 (対策あり) CO2排出量[万t-CO2] エネルギー転換 産業 運輸 民生家庭 民生業務 工業プロセス 廃棄物 運輸部門の占める割合 2003 年度 (最大年) 2013 年度 (基準年) 2018 年度 (現状) 2030 年度 (対策なし) 2050 年度 (対策なし) 2030 年度 (対策あり) エネルギー 転換 72 67 59 61 64 61 産業 211 160 139 155 166 110 運輸 380 334 374 393 417 302 民生家庭 273 263 239 248 267 158 民生業務 340 332 301 304 306 180 工業 プロセス 33 26 33 36 39 37 廃棄物 15 14 15 16 17 15 合計 1323 1195 1159 1213 1276 863 2013年比 28%減 運輸部⾨の⽐率が30%超。何も対策しなければ2013年より増加 沖縄県,沖縄県地球温暖化対策実行計画, https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/saisei/jikkkou-keikaku.html
  5. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University ちなみに沖縄の⽬標は_削減量(2030年) 7 関連する主な対策

    見込み削減量(万t-CO2) 次世代自動車の普及 プラグインハイブリッド車・電気自動車への切り替え 9.97 ハイブリット自動車への切り替え(乗用車等) 18.80 ハイブリット自動車への切り替え(軽自動車) 25.31 エコドライブ等の推進 3.22 公共交通の利用促進 1.69 船舶の省エネ化の推進 4.18 航空機の省エネ化・運行方法の改善 9.71 合計 72.88 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 自動車の保有台数に占め 次世代自動車の割合(%) 2.8% 3.8% 4.7% 6.0% 7.3% 8.7% 10.0% 11.1% ⾞両数そのものの増加が⾒込まれ、これだけ減らしても2013年⽐9.6%減 沖縄県,沖縄県地球温暖化対策実行計画, https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/saisei/jikkkou-keikaku.html
  6. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 次世代⾃動⾞の定義と販売台数 8 販売台数

     第3世代プリウス(2009年発売)以降、国内ではハイブリッド車を中心に急速に普及が進んでいる。  次世代自動車の対象範囲は広く、電気自動車・プラグインハイブリッド(=充放電できる)の導入は少ない。 日本自動車工業会,日本の自動車工業2022, https://www.jama.or.jp/library/publish/mioj/ebook/2022/MIoJ2022_j.pdf#page=17  ハイブリッド(HEV)  プラグインハイブリッド(PHEV)  電気自動車(EV)  燃料電池自動車(FCV)  クリーンディーゼル(CDV) 次世代⾃動⾞ 電「動」⾃動⾞ 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 0 400 800 1,200 1,600 2,000 新車販売台数 千台 クリーンディーゼル 燃料電池自動車 電気自動車 プラグインハイブリッド ハイブリッド 販売台数比
  7. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 次世代⾃動⾞の導⼊⽬標 9 国内の導入目標

     各国で内燃機関自動車の規制が発表されているが、ハイブリッド車(HEV)の扱いは国により異なる。  平均置き換え年数(乗用車8.5年、貨物車11.3年)を踏まえると、2030年までの乗り換えチャンスは1‐2回しかない。 車種 2021年 2030年 従来車 56.0% 30-50% 次 世 代 自 動 車 ハイブリッド 39.1% 30-40% プラグイン ハイブリッド 0.62% 20-30% 電気自動車 0.59% 燃料電池自動車 0.07% 3% クリーン ディーゼル 4.1% 5-10% 合計 44.0% 50-80% 経済産業省,自動車新時代戦略会議, https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jidosha_shinjidai/index.html 国・地域 規制内容 HEVの扱い EU 1km当たりのCO2排出を130g‐CO2から 90g‐CO2に厳格化 規制対象 ノルウェー 25年までにガソリン車・ディーゼル車 の販売を禁止 (2019年新車販売の42.4%がEV) 販売禁止 イギリス 30年までにガソリン車・ディーゼル車 の販売を禁止 35年までに 販売禁止 中国 35年に販売の全てを環境対応車に 販売可能 アメリカ 35年前に販売をEV,PHEV,FCVに限定 (カルフォルニア州) 販売禁止 日本 30年代半ばに販売の全てを電動車に 販売可能 内燃機関自動車の規制 2022年 1.7% 置き換え年数の短いレンタカーなら まだまだチャンスがありそう
  8. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University グリーンイノベーション基⾦事業 スマートモビリティ社会の構築10 

    これまでの公共交通車 両に対する電動車両の 導入は、1社あたり1台 から数台の導入にとど まり、シンボル的な導 入に限定されていた  これに対してGI事業で は系統単位や営業所単 位の車両を完全代替す るものであり、脱炭素 に向けた本格的な取り 組みとなり得る可能性 がある  バス、タクシーに続くも のとして、車両の利用 状況を把握することが できる、カーシェアやレ ンタカー業界への進展 が期待される NEDO,グリーンイノベーション基金事業、スマートモビリティ社会の構築,https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101560.html
  9. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 電動⾞両に適しているモビリティニーズ 11 

    電力側(電力需給双方)から見た場合の充放電ポテンシャルをするにあたりモビリティ側のニーズを整理  レンタカーは営業車と自家用車(レジャー等)の良いとこどりができる可能性がある 東京電力ホールディングス株式会社,EVアグリゲーションによるV2Gビジネス実証事業報告書 https://sii.or.jp/vpp30/uploads/B_2_2_tepco.pdf#page=7 使用用途 分類 充放電箇所 基礎(車両保管箇所) 目的地 営業車 旅客運送業  事業所または待機所 夜間など稼働率の低い時間帯で、待機中の時間帯 はリソースとして活用可能。  なし 停留所等を除き、目的地で充電する可能性が低く、リソースと して活用することが困難。 運輸業 顧客訪問 /サービス  事業所 夜間および休日などの稼働率の低い時間帯で、待 機中の時間帯はリソースとして活用可能。  なし 目的地で充電する可能性が低く、リソースとして活用すること が困難。 事業所間移動  事業所 長時間の停車が見込まれるため、リソースとして利用できる可 能性あり。 自家用車 レジャー等  家庭 長期外出の前後以外で、待機中の時間帯はリソース として活用可能。  レジャー施設/宿泊施設等 長時間の停車が見込まれるため、リソースとして利用できる可 能性あり。 買い物等  家庭 待機中の時間帯はリソースとして活用可能。  商業施設等 長時間の停車が見込まれる場合は、リソースとして利用できる 可能あり 通勤  駐車場/事業所等 長時間の停車が見込まれることから,待 機中の時間帯はリソースとして活用可能。 レンタカーは両方の良い所 取りができるのでは?
  10. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 電動化と乗合によるCO2削減効果の⽐較 13 

    電動化した際の車両1台あたりのCO2削減量と乗合を促進することによるCO2削減量を比較  電気バスのCO2削減効果を推計にするにあたり電力のCO2排出原単位の変化を考慮 環境省,温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧,https://ghg‐santeikohyo.env.go.jp/calc 電動化しただけではあまり減らないし、どんなに乗り合っても「脱」にはならない 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1台あたり (1人乗車) 10人乗車 2009年 原発あり 2019年 再エネ18% 2030年目標 再エネ36% 再エネ100% ディーゼルバス 電気バス 電力CO2排出原単位 kg-CO2/kWh CO2排出量 kg-CO2/km CO2排出量 電力CO2排出原単位 同じ車両でも 10人で乗り合えば 一人あたりは1/10 今の電源構成だと 電動化しても 半分くらい
  11. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 自動車 ハイエース バス

    車の種類 動かすための エネルギー 乗る人数 一人運ぶための エネルギー 乗り合うことでの削減イメージ 14 100 2人 50 10 ⼀度に多くの⼈を運べるので(たくさん乗っていれば)環境にやさしい 5人 150 200 20人 30
  12. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 輸送量(⼈キロ)あたりのCO2排出量 15 2019年度

    2020年度(コロナ禍) バス・鉄道の⾛ってる距離は変わらないけど乗ってる⼈が減ったので⼤幅に悪化 17 57 98 130 0 50 100 150 鉄道 バス 航空 自家用乗用車 CO2排出原単位[g-CO2/人km](2019年度) 28 109 133 131 0 50 100 150 鉄道 バス 航空 自家用乗用車 CO2排出原単位[g-CO2/人km](2020年度) 国土交通省,運輸部門における二酸化炭素排出量, https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html
  13. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University 移動における脱炭素化への選択肢 16 

    買い物をまとめてする  テレワークの推進  ガソリンなどの内燃機関からハイブ リッドや電気自動車に変える  用途に合わせて、小さくて軽い、燃費 の良い車に変える  バッテリ・モータなどの効率を上げる  車両を軽量化する  充電効率をあげる  再生可能エネルギーによる発電の多 い時間に充電する(夜より昼間)  使い切れない太陽光発電を優先的に 充電する  エコドライブ =運転の仕方を変える  渋滞を減らす=車速をあげる (効率の良い車速で走る)  公共交通を使う  カーシェアリングを使う(所有しない)  マイカーでも知り合いと一緒に乗る そもそも移動を減らす クルマを変える 車両性能をあげる 充電方法を変える 走り方を変える 使い方を変える(乗り合う) 公共交通の利⽤促進 ⾞両の電動化 再エネの導⼊促進 ⽣活習慣の転換