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minamizaki
November 22, 2022

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Transcript

  1. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 自己紹介 2 15年間電気自動⾞の研究をしていましたが

    僕らが作った⾞はどこにも⾛っていません 世界⼀の⾞を作っても(論⽂にはなるけど) 地域で使いやすいものではないことに気が付きました  名前:井原(武末)雄人  所属:早稲田大学 スマート社会技術融合研究機構 電動車両研究所 客員准教授  :株式会社早稲田大学アカデミックソリューション 統括研究員  :一般社団法人日本バス情報協会 監事  :公共交通マーケティング研究会 幹事  これまでの研究開発プロジェクト  :電動車両の開発・実証(東京都、奈良県、本庄市、長野市、川崎市、周南市など)  :コミュニティ交通などの導入(瀬戸市、沼津市、気仙沼市、大井町、南三陸町など)
  2. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 調べてみたらそなに不便じゃなかった 4 名古屋

    名鉄瀬戸線 愛知環状線 菱野団地  名鉄瀬戸線、愛知環状線の鉄道により名古屋市、 豊田市に対すて1時間以内の通勤圏  名鉄バスおよび東鉄バスにより広域基幹バス3 路線、市内基幹バス5路線が運行  公共交通空白地域には、市が運営するコミュニ ティバスが8路線運行 それなりに公共交通が便利な地域
  3. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University ⾼齢化の進⾏により顕在化した移動の課題 5 商店街

    大型 スーパー 名鉄バス バス停 名鉄バス バス停 集会所 公民館 尾 張 瀬 戸 駅 公民館 入居当時は歩けた500mが歩けなくなり公共交通空白地域が拡大  名鉄瀬戸線(尾張瀬戸駅・新瀬戸駅)からの 市内基幹バス、名古屋市内(名鉄バスセン ター、藤が丘)からの広域基幹バスなど49便 /日の路線バス  平均利用者数400人/日程度と利用客の多 い黒字路線  団地内のどこからでも500m以内にバス停 にアクセスでき、集会所・公民館などはバス 停の近くに設置  八幡台、原山台、萩山台で構成され、台=丘 を切り崩して造成したため坂道が多い  入居開始から40年が経過し、急速に高齢化 が進行した結果、徒歩可能圏が縮小
  4. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 当時はまだグリスロという呼び名はありませんでした 7 ナンバープレート取得済

    公道が走れます 車両サイズ 4.4m×1.9m×2.4m 定員 10人 最高速度 19km/h 航続距離 40km 製作会社 株式会社 シンクトゥギャザー 運行会社 株式会社桐生再生 太陽光パネルを搭載して 走りながら充電もできます 対面の座席で車内での おしゃべりが弾みます 主な性能 ICカードで乗降情報を 蓄積できます(オプション)
  5. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 住⺠バスの運⾏ダイヤと⾛⾏ルート 8 走行ルート

    名鉄バスへの乗り換え のためのダイヤ 外周部だけでなく坂道の 多い団地内も走行 名鉄バスとバス停 の設置場所を共用 外周部は自由乗降 運行ダイヤ 路線バスへのフィーダー路線を自治会が主体となった「住⺠バス」として運⾏
  6. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 社会実験の様子 9 運転説明会

    住民説明会 運行車両① 運行車両② 笑顔な車内の様子 運転手との意見交換会
  7. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University  運行状況を共有し改善に繋げるための菱野団地コミュニティ交通運行協議会を月1回継続的に開催 

    利用者と最も近い運転手からの意見を踏まえて、運行ダイヤ・ルートを変更 変更後のダイヤ 目的に合わせて柔軟なダイヤ・ルート変更 10  駅前の病院に行くほど具合悪ければタクシーや 送迎で通院  スーパーの方が品揃えは良いけど普段の買い 物は商店街で事足りる  公立病院に受付時間ではなく、商店街が開く時 間に合わてダイヤを変更  荷物をもった買い物帰りにこそ、自宅近くで降 車できるルートへ変更  名鉄バスに乗り換え、市中心部のスーパーや病 院を利用  乗り換えを考慮したダイヤ設計を実施 分かり易い30分ごとの パターンダイヤ 商店街が開く前に到着 最終便が外周を回ってから 車庫に戻る 求められていたのは市中⼼部への移動ではなく団地内の便利な移動
  8. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 25.0 30.0 35.0

    40.0 45.0 50.0 55.0 0 200 400 600 800 1000 1200 7月 8月 9月 10月 11月 12月 月間利用者数 平均利用者数/日 社会実験の結果(利⽤者数) 11 ※7月10日からの集計、10月から6日/週から5日/週に変更 平均乗⾞率60%(最大輸送人数85人に対して50人乗⾞)を達成 朝のピーク時は満⾞になって若者(60代)が席を譲るの事態に ニーズに合わせて 運行ダイヤを変更 平均利用者数 50人/日を達成
  9. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University ⾞両選択の重要度 14 0.0%

    5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% -0.300 -0.200 -0.100 0.000 0.100 0.200 0.300 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 電動 ディーゼル 導入費用 運行費用 CO2削減 排ガス 乗り心地 空調 速度 外観 カテゴリスコア 重要度 ⾞両選択をする際の要素において、電気バスのメリットとされる項目の重要度が低い CO2削減は良いこと だけど重要ではない 毎日使う 生活交通では コストが重要 早く移動でき ることも重要
  10. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 0 2 4

    6 8 10 12 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均乗車人数 人/便 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 0% 50% 100% 住⺠同⼠の交流促進 商店街などの地域活性化 高齢者の外出促進 通勤・学の利便性向上 満足 やや満足 どちらともいえない やや不満足 不満足 無回答 住⺠バスの効果の捉え方 15 平均乗車人数 導入による効果 実証運行 緊急事態宣言 により運休 コロナでも減っていない 移動⼿段としてだけでなく地域に様々な影響を与えたことで⾼い乗⾞率を実現  9人乗りの車両で平均8人前後の乗車と極めて高い乗車率(市内の他のコミュニティバスは2.3人)  通勤通学といった実際の移動に関わる満足度より、商店街の活性化や住民同士の交流に対する満足度の方が高い。
  11. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 地域が欲しかったもの 16 地域が本当に欲しかったのは

    駅前に出るより、地域を巡る移動⼿段 そして、⾒た目より、安くて速いもの 環境︖あまり関⼼がない なので、グリスロやめました