QAを早期に巻き込む”って どうやるの？ モヤモヤから抜け出す実践知

Developers Summit 2025 Summerでの登壇資料になります。
https://event.shoeisha.jp/devsumi/20250717/session/5910

リンク一覧
- Voicyチャンネル「世界が広がる🌍ソフトウェア品質」
　https://voicy.jp/channel/784829
- #1 QAは懐中電灯のように一歩先の暗闇を照らす仕事
　https://voicy.jp/channel/784829/6071569
- #49 QA as a question asker
　https://voicy.jp/channel/784829/6364925
- QAはチームの外から支援するのか？中から支援するのか？
　https://voicy.jp/channel/784829/6364925
- QA組織立ち上げ奮闘記 〜はじめに行ったこと、それは、理念を広めること〜
　https://www.slideshare.net/slideshow/qa-251110354/251110354#6
- 湯本剛さん「QAのスキルアセスメントシートを作って適用してみた
　https://developers.freee.co.jp/entry/qa_skill_assesment_sheet

Transcript

1. “QAを早期に巻き込む ”って どうやるの？ 　モヤモヤから抜け出す実践知
2. 本セッションのゴール • QAを早期に巻き込むとは？ • 事業に貢献できるQAの関与とは？ QA活動をブラッシュアップする、最初の一歩を踏み出 す 解像度を上げる
3. 会場を温めるための問い どんなお悩みをお持ちですか？ 1. QAメンバーの活用に戸惑っている ◦ テストの役割やプロセスをあまり知らない 2. 外部QAメンバーにモヤモヤを抱えている 3. 前工程から関わりたい
4. 自己紹介 Sammy（MORITA Masami） • テストエンジニア　 2年 • テストマネージャー 2年 • QAエンジニア　　　2年 • QAリーダー　　　　3年 • EM見習い　　　　0.5年
5. 自己紹介 Sammy（MORITA Masami） • JaSST Tokyo実行委員 • JSTQB 翻訳WG ◦ Expert LevelのTest Management • Voicyパーソナリティ ◦ 「世界が広がる🌍ソフト ウェア品質」
6. 自己紹介 QAへの想い • 「エンジニア自身が品質を担保して、自信を持って 製品をリリースできる」 • 懐中電灯のような存在になりたい • QA as “Question Asker“ 🎙#1 QAは懐中電灯のように一歩先の暗闇を照らす仕事 🎙#49 QA as a question asker
7. 本日の流れ ❖ 背景、課題の提示 ❖ 事例の紹介 ❖ 具体的なアクション、Tips QAが“巻き込まれない” 現場のリアル
8. • 遅れて入るQAのあるある ◦ 仕様が固まった後に呼ばれる ◦ テストだけやる人と思われている • 「モヤモヤ」の正体 ◦ もっと早いタイミングから関わりたい ◦ 早期QAによるメリット提示方法は？ QAが巻き込まれない現場のリアル QAエンジニア視点
9. • QAを巻き込めないあるある ◦ いつから参加させたら良いか分からない ◦ 何から手をつけたら良いか分からない • 「モヤモヤ」の正体 ◦ 早期QAのROI ◦ 改善効果の測定 QAが巻き込まれない現場のリアル 開発リーダー・ EM視点
10. チーム視点での課題 ここまでのまとめ QAが巻き込まれない 仕様の理解にギャップ いつから参加させたら良 いか分からない リリース直前にバグ検出、大慌てで修正 PJ後半でのテスト活動
11. 本日の流れ ❖ 背景、課題の提示 ❖ 事例の紹介 ❖ 具体的なアクション、Tips 1人目QAとしての 実践
12. 1人目QAとしての実践① • QAチームのミッション、ビジョンをプレゼン ◦ QAが何者かを宣言 • リグレッションテスト省エネ化 ◦ 新機能開発に関与できる時間を確保 • 不具合件数を計測、グラフ化 ◦ 現在地の認識合わせ 課題の把握
13. • 仕様確認や提案、テスト活動 ◦ QAから“問い”を投げる ◦ テスト設計＝対話ツール • 自分が一番貢献できることをやり切る ◦ プロジェクトの進捗報告 ◦ ユーザー視点、俯瞰した視点 1人目QAとしての実践② 新機能開発に関与
14. • 徐々に仕様決定の前に呼ばれるようになった • QAの立ち位置の変化 ◦ 「最後の砦」から「懐中電灯（パートナー）」へ • リリース直前の不具合検出数、リリース後の高ラン ク不具合検出数が減少 1人目QAとしての実践③ 起きた変化
15. 効果 リリース後の高ランク不具合検出数
16. 本日の流れ ❖ 背景、課題の提示 ❖ 事例の紹介 ❖ 具体的なアクション、Tips 3名のお悩みと その対策
17. 3名のお悩み QAメンバーの 活用に戸惑う 開発リーダー 外部QAにモヤモヤ を抱えるEM 前工程から 関わりたいQA
18. お悩み1 QAメンバー活用に戸惑う開発リーダー • 開発チームのリーダーになりたて • テストの役割やプロセスを知らない • 早期段階でのQA専門知識を導入したい • QAメンバーが「言われたことだけをやる」 状態 • QAメンバーにどう指示し、価値を最大限 引き出すか？
19. 組織における問題の分解 ロナルド・ A・ハイフェッツ 技術的課題 適応課題 解決策が明確で、 既知の知識や技術で 解決可能な問題 問題の当事者が認識や 関係性を変えなければ 解決しない問題 『最難関のリーダーシップ-変革をやり遂げる意志とスキル』 (英治出版　2017)
20. • カンファレンス参加などの情報収集（JaSST、SQiP、ス クラムフェス新潟など） • 学習（JSTQBのFL受験など） • おすすめ書籍 ◦ 『土台からしっかり学ぶーーソフトウェアテストのセ オリー』(リックテレコム　2023) ◦ 『リーディングクオリティ』（KADOKAWA　2023） 具体的なアクション、 Tips QAメンバー活用に戸惑う開発リーダー 技術的課題
21. • QAエンジニアを「テストする人」→「問いを立てる 人」へ再定義 • CheckingとVerifying チームとのコミュニケーション QAメンバー活用に戸惑う開発リーダー 適応課題
22. • 機能リリースのスピードへの課題感 ◦ テストを早める→リリース直前での手戻りが減る→ 早くリリースできるようになる • テスト実行コストへの課題感 ◦ 手戻りコストのデータを使って、早くテストすることの 価値を説明する • 最近のプロダクト品質への課題感 ◦ ポストモーテム、再発防止策の提示 経営とのコミュニケーション QAメンバー活用に戸惑う開発リーダー 適応課題
23. 「普段は分からないが、 潮が引いた時に、誰が全裸で泳いでいたかがわかる」 引用元： Ronald Cummings-John (著), Owais Peer (著), 河原田 政典 (翻訳) 『リーディングクオリティ』（KADOKAWA　2023）
24. 詳細 設計 開発プロセスの改善 QAメンバー活用に戸惑う開発リーダー PRD 作成 リグレッション テスト テスト 実行 テスト設 計 企画 設計 実装 テスト リリース テスト分 析 コーディング 単体テスト 技術的課題
25. お悩み2 外部QAにモヤモヤを抱える EM • 複数の開発プロジェクトを統括 • 大部分を外部のテスト会社に依頼 • 連携ミスによるテスト項目漏れ • コストをかけたのにモヤモヤが残る • 外部連携におけるQAの鍵は？
26. • 単価の高い方に、改善も含めて推進してもらう • QAリーダーを採用/育成する ◦ 期待値の明確化（テスト管理、内製化、自動化） • 役割を明確にする 具体的なアクション、 Tips 外部QAにモヤモヤを抱える EM 技術的課題
27. • 「社外の人間」と線引きしない ◦ 情報を開示する、MTGに参加させる 外部QAとのコミュニケーション 外部QAにモヤモヤを抱える EM 適応課題
28. 経営とのコミュニケーション 外部QAにモヤモヤを抱える EM • 収益、コスト削減、リスク軽減の観点 • 外部に委託しているテストをやらなかったら、どうい うリスクがあるかを説明 適応課題
29. 詳細 設計 開発プロセスの改善 外部QAにモヤモヤを抱える EM PRD 作成 リグレッション テスト テスト 実行 テスト設 計 企画 設計 実装 テスト リリース テスト分 析 コーディング 単体テスト QAはチームの外から支援するのか？中から支援するのか？ https://speakerdeck.com/moritamasami/scrum-fest-niigata-2023-qahatimunowai-karazhi -yuan-surunoka-zhong-karazhi-yuan-surunoka 技術的課題
30. お悩み3 前工程から関わりたい QAエンジニア • 開発初期段階でのQAの関与の重要性を 強く認識 • QAが「最後の砦」と見られがち • スキルアップの必要性 • QA貢献度の定量化の難しさ • QAをプロセス早期に巻き込む具体的なス テップは？
31. • 時間を作る。 • 想いとやりたいことを伝える。 • 課題の把握。実務を通して、QA活動の理解 • →品質の共創へ • おすすめの書籍 ◦ 『ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデ ア』翔泳社　2022 具体的なアクション、 Tips 前工程から関わりたい QAエンジニア 技術的課題 QA組織立ち上げ奮闘記 〜はじめに行ったこと、それは、理念を広めること〜 https://www.slideshare.net/slideshow/qa-251110354/251110354#6
32. 前工程から関わりたい QAエンジニア • スキルマップの活用（Test .SSTなど）でメンバーと の期待値を合わせる（湯本さんの記事） • 仕様確認や提案、テスト活動 ◦ Question Askerになる QAチームとのコミュニケーション 適応課題 湯本剛さん「QAのスキルアセスメントシートを作って適用してみた」 https://developers.freee.co.jp/entry/qa_skill_assesment_sheet
33. 開発チームとのコミュニケーション 前工程から関わりたい QAエンジニア 適応課題 認知 QA活動の理解 品質の共創 向き合うのではなく、 同じ方向を見る
34. 経営とのコミュニケーション 前工程から関わりたい QAエンジニア • △リリース後に検出された致命的な不具合件数が どのくらい減ったか • （リリース前に検出した致命的な不具合件数） ◦ 修正にかかるはずだったコストを算出 • 開発チームの声（定性データ） 適応課題
35. 詳細 設計 開発プロセスの改善 前工程から関わりたい QAエンジニア PRD 作成 リグレッション テスト テスト 実行 テスト設 計 企画 設計 実装 テスト リリース テスト分 析 コーディング 単体テスト 技術的課題
36. • QAは“ユーザーの視点”と“問いを立てる力”でプロ ダクトを支える存在 • QAはリスクと曖昧さを照らす存在🔦 • QAはロール。QAエンジニアでなくても良い おわりに 事業に貢献する QAとは
37. • 「QAを早期に巻き込む」の真意は“品質に関する対 話を早く始めること • QAの役割を再定義し、事業貢献へ おわりに 伝えたいメッセージ