Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
3ヶ月で20万行を消すためにやったこと
Search
Naoto Sato
June 29, 2019
Technology
17
16k
3ヶ月で20万行を消すためにやったこと
Naoto Sato
June 29, 2019
Tweet
Share
More Decks by Naoto Sato
See All by Naoto Sato
ドキュメンテーションを はじめよう
naopr
6
1.3k
「推測するな、計測せよ」 〜小さく始める生産性可視化と分析〜
naopr
38
18k
メルカリ・メルカリShopsのCRE
naopr
0
550
Technique to delete unused codes
naopr
0
1.6k
Other Decks in Technology
See All in Technology
タイミーのレコメンドにおける ABテストの運用
ozeshun
2
300
不感対策ソリューション
jtes
0
220
Autonomous Database - Dedicated 技術詳細 / adb-d_technical_detail_jp
oracle4engineer
PRO
3
6.5k
横断組織として考える共通DBの課題解決 〜 桃園の誓いアーキテクチャ 〜 / Addressing Shared Database Challenges as Cross-Team: “Peach Garden Oath” Architecture
4geru
1
490
HashHub会社案内「なぜ今、パブリックブロックチェーンに賭けるのか」
hashhub
3
75k
Vista FinderMx
jtes
0
160
オブザーバビリティの探求 〜性能劣化から始まった旅路〜
sansantech
PRO
3
350
CDK Pipelinesをざっくり理解する
smt7174
0
190
【株式会社ELYZA】|GENIAC成果報告会 自社開発モデルプレゼンテーション
elyza
2
770
Classmethod AI Talks(CATs) #2 司会進行スライド(2024.09.25) / classmethod-ai-talks-aka-cats_moderator-slides_vol2_2024-09-25
shinyaa31
0
110
What’s new in Keycloak, the open source IAM?
ahus1
1
120
GC24 Recap: Interface Internals
task4233
0
430
Featured
See All Featured
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
23
1.7k
Making Projects Easy
brettharned
114
5.8k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
6
530
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
26
1.3k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
271
40k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
61
7.4k
Pencils Down: Stop Designing & Start Developing
hursman
119
11k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
79
5k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
322
23k
How to name files
jennybc
75
98k
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
48
2.8k
Transcript
3ヶ月で20万行を消すためにやったこと PHP Conference Fukuoka 2019 @naopr
@naopr • Backend Engineer of CSTool Team ◦ CSTool =
CS用管理ツール • Love ☗
メルカリと福岡 仙台 ・お問い合わせ返信 ・商品・コメント等の監 視 福岡 ・コールセンター ・開発拠点 東京 ・本社
・アプリ開発
メルカリとPHP • メルカリのAPIはPHPで書かれている! • モノリス→マイクロサービスへ移行中 ◦ PHPからGoへ ◦ 既存のAPIのふるまいを変えずに各サービスにブレークダウン中 ◦
MTC2018 - Mercari API: from Monolithic to Microservices
3ヶ月で20万行を消す ためにやったこと
アジェンダ • 不要コードを削除するメリット • メルカリで実際に行ったコード削除 ◦ どのようにコードを削除したのか ◦ 結果 •
まとめ
不要コードを削除するメリット • コードの複雑度の低下 ◦ 行数の削減 ◦ 循環的複雑度の低下 ◦ トランザクションの複雑度の低下 •
システムの高速化 ◦ レスポンスタイム ◦ CIの実行時間
メルカリで実際に行った コード削除
コード削除の手法 機能単位 API単位
コード削除の手法 機能単位 API単位 今回はこちらのお話
API単位でコードを削除するステップ 不要なAPIをリストアップする プロジェクトチームを作る コードを削除する 1 2 3
不要なAPIをリストアップする (1/3) 1. 直近アクセスのないAPIを抽出する a. BigQueryに保存しているアクセスログとPHPのAPI定義を突き合わせる b. 1ヶ月アクセスのないものを抽出する 2. 使われているものと使われていないものに分類する
a. ひたすらコードを読む b. `git blame` で開発者を見つけて聞く c. そのAPIに関する開発チケットを読む
None
不要なAPIをリストアップする (2/3)
不要なAPIをリストアップする (3/3) • 抽出されたAPI(526個) ◦ 別リージョンでのみ使われていたAPI i. メルカリでは元々全リージョン同一リポジトリだった ◦ どこからも呼び出されていないAPI
◦ 呼び出し元が既に使われていないAPI • 抽出されたが削除NGになったAPI(156個) ◦ 直近アクセスがないだけで使用されているAPI 526 - 156 = 370 個が削除対象
メルカリで不要API削除のために行ったステップ 不要なAPI群をリストアップする プロジェクトチームを作る コードを削除する 1 2 3
プロジェクトチームを作る (1/3) • 一緒にコード削除をやってくれる仲間を探す ◦ バックエンドエンジニア x 7 ◦ フロントエンドエンジニア
x 1 ◦ QAエンジニア x 1 • 削除手順を決める ◦ APIリストをどう管理するか ◦ どのようにQAを行うか
プロジェクトチームを作る (2/3) • 仲間探しについて ◦ 370個のAPIを1人で消すのは物理的にも精神的にも無理 ◦ 気が向いたときにやってくれるくらいのゆるい同士を募る ◦ チーム・部署横断でチームを作るのでキックオフをする
◦ タフなプロジェクトになるのでの力も借りる
プロジェクトチームを作る (3/3) • API管理シート アサイン欄が空のものを選んで ステータス欄とアサイン欄を更新 メモ欄で難易度と雰囲気を感じとる 好きな時に好きなAPIを消せる
メルカリで不要API削除のために行ったステップ 不要なAPI群をリストアップする プロジェクトチームを作る コードを削除する 1 2 3
コードを削除する (1/2) • 再度直近のアクセスログをチェックする ◦ リストを作ってから消すまでにタイムラグがあるため • Controllerを起点に再帰的に消す ◦ `git
grep` をひたすら叩く ◦ IDEのシンボルサーチも役に立つ ◦ Controller, Service, Exception, Entity, DB table, DB schema, test, etc… ◦ 中途半端に残すと後の混乱の種になるので徹底的に消す ▪ ただしリファクタはスコープが大きくなりすぎるのでほどほどに
コードを削除する (2/2) • 「デグレリスクが怖いです…」 ◦ 単体テストと結合テストがある程度書かれている前提 ◦ メルカリはテストが充実しているので思い切って削除できた ▪ 新機能実装時に必ずテストを書く文化
▪ QAチームによる自動e2eテストもある ◦ クリティカルな機能をさわった場合にはQAエンジニアにマニュアルのテストも お願いした ◦ 複雑度が高すぎるAPIは消さない判断もアリ
結果
結果サマリー • 349個のAPIを削除 ◦ 3ヶ月で20万行 • Reverted 9 PRs ◦
DBテーブルを削除したら別のサービスで使っていた ◦ 使われていたAPIを誤って消してしまい大量のエラーが発生 ◦ 突っ込んだ話はAsk the Speakerや懇親会でぜひ
まとめ
コード削除は難しい(だがやる価値がある) • 地道にコードを読み、わからなければ詳しいエンジニアに聞くべし • 一人でやるのは無理。チームを作るべし • アクセスログのチェックはしつこいくらいにやるべし • DBテーブルを消す時は他サービスへの影響をチェックすべし •
ストレスのたまる作業なので適宜ガス抜きをすべし ぜひ、みなさんのチームでも少しずつコード削除を始めてみてください
Let’s delete codes!