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What is Meridian 180 by Yuki ASHINA

OpenCollege
August 02, 2017

What is Meridian 180 by Yuki ASHINA

メリディアン180という多言語のプラットフォーム、オンラインのですね。プラットフォームのご紹介をさせていただきたいと思います。

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August 02, 2017
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  1. 「メリディアン180」の誕⽣ u 2011年:東⽇本⼤震災&福島第⼀原⼦⼒発電所事故 発⽣ u コーネル⼤学(⽶)を中⼼に「⽬の前の破滅的な危機を乗り越え るために研究者や官僚に何ができるだろうか」という議論が始ま る。 u 「グローバルな課題」を設定した上で、「多⾔語」で議論するオ

    ンラインフォーラム https://meridian-180.org/ が⽴ち上がる。 u 初期の代表的なテーマのひとつが「⽇本の震災・原発事故のよう な危機における知識⼈やプロフェッショナルの役割は何か?」 だった。 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  2. メリディアンの組織運営の仕組み u コーネル⼤学マリオ・エイナウディ国際学センター、コーネル⼤学法科 ⼤学院クラーク・プログラム「東アジアの法と⽂化」、韓国ソウルの梨 花⼥⼦⼤学、東京⼤学社会科学研究所のパートナーシップにより運営さ れている。 u メンバーは、29カ国、380の組織にわたり、⼤学の研究者、弁護⼠、官僚、 ビジネスマン、⼈類学者、コンピューター⼯学、経済学者、政治学者、 社会学者、医療関係者、ハッカー、法律家等800⼈以上いる。

    u 4⾔語(中国語、英語、⽇本語、韓国語)で運営されており、メンバー が投稿した内容は、短時間で各⾔語に翻訳されるため、⾔語の障壁がオ ンライン上ではない。 u 活動は、オンラインフォーラム上での議論を中核に、国際的なワーキン ググループ、カンファレンス、ワークショップの運営をしつつ、4カ国語 での書籍、政策⽩書の出版等を⽬指している。 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  3. これまで議論されてきたテーマ u グローバル・データ・ガバナンス u 中央銀⾏をめぐる政治の変容 u 原⼦⼒エネルギーと気候変動 u 多様な法システムの複合的形成における翻訳としての法 u

    透明性の時代における秘密の在り⽅ u 知識層は財政の⾏き詰まりを解決できるのか? u ⾼齢化国家において⺠主主義は持続可能か? u 幸せとは何でしょう? ・・・等々多様なテーマ設定で、様々な投稿が混在。 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  4. グローバルサミット:プログラム内容① u 全体テーマは、"How to respond to the rise of Inward-Looking

    Society" (「内向き社会」にいかに対応するか) u (初⽇) 1,基調講演 初代EU⼤統領(欧州理事会議⻑)のHerman Van Rompuy⽒ Europe in the Storm(激動のヨーロッパ) u なにかの「機能不全」に対する批判が、容易にその「存在」そのもの に対する批判に横滑りしてしまうことの危険性を指摘 u たとえば、「⺠主主義は経済成⻑の役に⽴つから価値があるのではな く、その存在⾃体のうちに価値があることを⾒失ってはならない」 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  5. グローバルサミット:プログラム内容② 2,⼣⾷会 王⽴美術館ホールでの⼣⾷会は、会議のテーマである“Inward-Looking Society”にちな んだキーワードが11個のテーブルに置かれており、各⾃が好きなキーワードを選んで座る 仕組み。キーワードはCuriosity(好奇⼼)、Tolerance(寛容)、Risk(リスク)、 Discovery(発⾒)、Hope(希望)、The Gift(贈り物)、The Stranger(⾒知らぬ⼈)、 Planting

    the Seed(種をまく)、Diversity(多様性)、Dialogue(対話)、Trust(信頼)。 u 【2⽇⽬】 1,全体ワークショップ 各⾃が“Inward-Looking Society”を象徴する⾝の回りのもの(オブジェ)を持参し、ま ず2⼈組をつくって、相⼿にオブジェを⾒せながら、それがいったい何なのか、⾃分に とってどういう意味を持っているのか、なぜそのオブジェが"Inward-Looking Society"に関 連すると考えたのか、⾔葉で相⼿に説明する。「もの」について「語る」、まさに⽂字通 りの「ものがたり=Story Telling」だ。ストーリーを聞いた相⼿は、⾃分が聞いた話のな かからパートナーの真実(Truth)に迫る3つのキーワードを選ぶよう求められる。そして 最後に、グループのメンバーに対してそれをジェスチャーとともにプレゼンテーションす る Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  6. グローバルサミット:プログラム内容③ 2,4つの専⾨部会 u 1) Migration(移⺠): Cultural homogeneity and Migrations 2)

    Energy(エネルギー): Energy cooperation, dependence and appreciation 3) Trade(通商): Local prosperity and global sustainability 4) Security(安全保障): Security at home and peace abroad u 会議の参加者はそれぞれどの専⾨部会に参加するかを事前に選択している。各部 会に議⻑が決められ、それぞれの部会ごとのセッションをどのように運営するかを 企画する。それぞれの専⾨部会ごとに別々の会議室にわかれ、午前中から昼⾷を挟 んで午後も議論が続く。それぞれの部会には、普段からテーマを研究している専⾨ 家もいれば、⾃分の研究テーマとは敢えて関係の遠いテーマを選んだ参加者もいて、 多様なバックグラウンドのメンバーを擁するメリディアンならではの活発な議論が ⾏われた。 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  7. グローバルサミット:プログラム内容④ u 【3⽇⽬】 1,各専⾨部会の議論の紹介 →それぞれの部会が趣向を凝らしたプレゼン。 u *Tradeのグループは、まるで演劇の舞台のように広いホール全体を使って、メン バーが⼀⼈ずつ順番に今⽇の貿易が直⾯する問題を表現するスローガンを叫びなが らパフォーマンス u

    * Migration(移⺠)のグループは全員が⼤きな円座をつくって内側に向いて座り、 ⼀⼈ずつ「移⺠」にまつわる個⼈的な記憶やエピソードを語る、というパフォーマ ンス 2,エッセイの提出 →サミットを振り返ってのごく短いエッセイを提出。壁にぐるりと張り出される。私は、 「どんな深い闇の中でも、⼈⽣と世界に真摯に向き合い、必死に向き合う⼈間の放つ光 は、⼒強く暖かい。私も、私の⼈⽣にいつも真摯で誠実でありたいと思う」と書きまし た! Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e
  8. メリディアン180が私にもたらした影響 1,「学ぶこと」それ⾃体の喜びを⾒いだしたこと u ⽬の前の課題を解決するために、今すぐ役⽴つ知識と情報を集めることは重要ではあるが、 ⼀⽅で、⾃分にとって「今」「すぐに」役⽴つ話が、豊かで深いとは限らないということを、 強く感じた。 u 多様で幅広く、すぐには結果が出ない「学び」こそ、本当に難しい課題に⽴ち向かっていく ための本物の底⼒となる。 2,専⾨的知識の役割を再認識したこと

    u 専⾨家は、その知を社会に還元し、社会を変えていくために使わなければならないと強く感 じた。 u アメリカや欧州の様々な地域の専⾨家が、社会の危機を⾃らの危機として受け⽌める姿に⼤ きな感銘を受けた。 3,⼈⽣に真摯に向き合い、どんなことにも真剣に取り組む⼈の美しさを感じたこと u グローバルサミットの内容は、専⾨的な知識を直接使う場ではなかったし、特定の結論が想 定されているものではなかった。 u それでも、各国の⼈々が、遊びの要素も含め、⾃分の意⾒をしっかり持って真剣にプログラ ムに取り組んでいる様⼦がとても美しかった。「⾃分の軸をしっかり持って真剣に取り組 む」⼈が、評価される世界は素晴らしいと感じた。 Yuki ASHINA h t t p : / / o p e n . c o l l e g e