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CLI Agentを使い分ける
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Taisei Ozaki
August 19, 2026
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CLI Agentを使い分ける
Taisei Ozaki
August 19, 2026
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Transcript
Claude code Orchestra: Claude・Codex・Geminiを使い分ける 2026/8/19 Offers Deep Dive 許諾なく撮影や第三者 への開示を禁止します
©︎MATSUO INSTITUTE, INC.
自己紹介 所属 株式会社 松尾研究所 データサイエンティスト 東京大学 松尾岩澤研究室 学術専門職員 大阪公立大学大学院 博士後期
DynamicsDesign研究室 来歴 2023年:大阪公立大学工学研究科 修士課程 入学 2025年:同大学 博士後期課程 入学 2025年:東京大学及び株式会社松尾研究所 入職 学会 EMNLP / NAACL / AAAI / CHI / JSAI (優秀賞*2) / NLP その他 NLP & JSAI 若手の会委員 / GENIAC / AKATSUKI etc… 研究領域 VLM・LLMの開発 / LLM Agent 応用 Ozaki Taisei (尾崎 大晟) 10B級LLMのフルスクラッチ開発を主導 ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. スポーツコーチングAgentを研究 2
メイントピック • 飽和するAgentを使い分けるためのポイント • 実際に使い分けるための具体の方法 ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 3
今日のサマリー CLI Agentを使い分ける際には,ベンチマークの値とSNSでの使用感の両方を見る.複数のModelとHarnessを組み合わせる際には, Orchestrate・Routing型が一つの解になりつつある.その大きな理由の一つが,人間の認知負荷を下げること. 1 どう選ぶか ベンチマークの値 + 2 どう使い分けるか
XなどのSNSでの使 用感 どちらか一つではなく,両方を見る. ベンチマークは「何を測っているのか」. だがハックすることも可能であり,人のレビューも重要. 自分に合うCLI Agentが複数決まったら,次は具体にどう使い分けるか. Orchestrate・Routing型が一つの解になりつつある. Claude Code Orchestraもその一つ. なぜ使い分けるのか そもそも強みが違うなら,使い分ければよい. 尾崎的 CLI Agent を選ぶ観点 Main Agentのコンテキストを汚染しない. コーディング 長文理解 エージェントワーク マルチモーダル 日々変化するベストモデルにも対応できる. そして最も大きな理由が,人間の認知負荷を下げること. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 4
CLI Agent / Claw Agent時代における問題意識 CLI / Claw Agentの登場により,人間の”実作業”はどんどんAIによる代替が進んでいる.”バイブコーディング”から始まるように 人間の認知しない作業が多数存在,増加する中で,どうキャッチアップしていくかという認知不可問題が重要テーマになりつつある.
HumanはどこにInするのがいいのか 時代はHITLを前提としない世界へ 旧来の活動ループ Auto Research ? ? ? • • • 旧来コーディング作業(それ以外のあらゆる活動含め)は 人間の認知・判断を含むパイプラインで構築された. AIの能力向上を背景に人間が行っていた作業が AIに代替されるシチュエーションが増えている. codex・claude codeの登場はその先駆け. • • • • ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 生産性を高めるには当然すべてAIでやるのがいい. ただ現在のAIには限界もあり,適切な人間の介入が 望まれる. しかし介入するにはそのループでどういうことが行わ れていて,直近何をしたのかを認知することが必要. 一方でAIが生み出す文章・コード量は膨大. 5
なぜ Orchestra・Routing 型がいいのか 全Agentの作業を完全に管理することは諦める.そうしなければ,爆発的な生産性は得られない.だから会社と同じように階層をつくり,人間が 介入すべきところを分かりやすくする. 人間が見るのはMain Agent 人間は全エージェントを認知しない.会話も指示 も,OrchestratorであるMain Agentを必ず経由す
る. 出口と入口を二つのファイルに絞る PROGRESS.mdに「今どこか」,DESIGN.mdに 「どこへ行きたいか」を置く.詳細が気になった場合 は,checkpoint,実コードへとリンクを飛ばし,曝露 範囲を増やす. 人間が介入すべきところを決める 全部を管理するのではなく,人間が介入すべきとこ ろを分かりやすくする.そういうハーネス作りを目指 す. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 6
比較検討のためのベンチマークの見方 ©︎MATSUO INSTITUTE, INC.
主要なベンチマーク それぞれのベンチマークが何を測っているのかを理解するのが重要.どのモデルベンダーがどういうベンチマークを推しているの か,どのベンチマークと共にモデルを公開しているのかから,どういう強みをモデルに与えているかが見えてくる. 軸 コーディング 長文 エージェント マルチモーダル コンピュータ操作 ベンチマーク
何を測るか いまの状態 SWE-bench Verified 公開 GitHub issue を修正できるか 95〜97% SWE-bench Pro 能動保守リポジトリの改修 65〜80% Terminal-Bench 2.1 端末環境での実作業 84〜89% ProgramBench バイナリだけからソースを再実装 0〜4.5% AA-LCR 長い文脈を読んだ上で推論できるか 76〜83% MRCR v2 長文に埋めた 8 個の needle を取り出せるか 長さで落ちる GDPval-AA v2 経済価値のある専門タスクを完遂できるか 20% EnterpriseOps-Gym 業務ツールを跨ぐ多段タスク 42〜51% MMMU-Pro 図表・画像の理解と推論 81〜85% gdp.pdf 実務 PDF から根拠を見つけられるか 19〜34% OSWorld 2.0 画面を見て操作を完遂できるか 48〜71% 出典:各ベンチ運営元および Artificial Analysis・OpenAI・Anthropic・Google・Moonshot 公式(すべて 2026-08-15 取得) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 8
コーディング系ベンチマーク CLI Agentが最も重視している指標の一つで,K3もそこそこ頑張っているが,やはりClaudeとGPTが頭抜けている印象. Agentに修正を任せたいか,ゼロから作りたいか,など用途次第でも見るべき指標が変わってくる. SWE-bench Pro(難)|0〜100% 軸 Claude Fable 5
Claude Opus 5 GPT-5.6 Sol ベンチマークの読み方 80.0% 79.2% 64.6% SWE-bench Pro 能動保守リポジトリの実 issue を改修。飽和した Verified の汚染耐性を高めた後継 Terminal-Bench 2.1(AA 単一 harness・Terminus 2)|同じ 0〜100% 軸 GPT-5.6 Sol (xhigh) Claude Opus 5 (max) Gemini 3.7 Flash (high) Kimi K3 (max) Claude Fable 5 (fallback) 89.5% 89.1% 85.8% 85.0% 84.6% ProgramBench(クリーンルーム再構築・200 問)|完全解決率 Claude Opus 5 (xhigh) GPT-5.6 Sol (xhigh) 4.5% 1.0% Terminal-Bench 2.1 実際の端末で 89 タスクを完遂。AA は Terminus 2 harness で 3 回平均を取る ProgramBench バイナリと文書だけからソースを再実装する。 完全解決率はどのモデルもかなり低い. 膨大なコンテキストが必要になるケースが多い. Harness次第で 自分がコーディングエージェントに修正力を求めるならClaudeシリーズ.Cowork力を求めるならGPTシリーズが良いか. 出典:Anthropic system cards §8.2、OpenAI「GPT-5.6」公式ページ、Artificial Analysis Terminal-Bench v2.1、programbench.com(2026-08-15 取得) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 9
長文理解系ベンチマーク K3が強いポイント.元々Geminiが長文タスクは古くから強かったが,Agent時代になって途中で長い文章を読んだり,タスク途中 でDeep researchしたときに,それでもロバストに動けるかが測られる. AA-LCR(Intelligence Index 構成要素・重み 6%)|0〜100% 軸 Kimi
K3 (max) 82.7% Gemini 3.7 Flash (high) 80.0% GPT-5.6 Sol (max) 77.7% Claude Fable 5 76.7% Claude Opus 5 (max) 75.7% effort ラベル必須:AA-LCR 81.0% は Gemini 3.5 Flash と 3.7 Flash (medium) で同値 MRCR v2 8-needle(OpenAI 公式)|256–512K と 512K–1M GPT-5.6 Sol 91.5% ベンチマークの読み方 AA-LCR 長い文脈を読んだ上で推論できるか。Index 唯 一の長文ベンチで重み 6% MRCR v2 8-needle 長文に埋めた 8 個の needle を取り出せるか。 長さ別に測り、伸ばすほど落ちる 73.8% 他 4 モデルは同一バケットの公表値なし。Gemini は行ラベルも粒度も異なり比較不可 採点者の注意 AA-LCR の採点は GPT-5.6 Luna。採点側と被 採点側が同系列 MRCRが今後非常に重要な指標になりそう.長いコンテキストでもロバストに動けるかは後段のOrchestrate設計に直結する. 出典:Artificial Analysis AA-LCR、OpenAI「GPT-5.6」公式ページ(ともに 2026-08-15 取得) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 10
エージェントワーク系ベンチマーク 今後かなり重視されてくるタスク群.多段タスクをこなす能力を問われているが,タスク分解していくつものAgentを使って 多段タスクに対応しようとする旧来戦略が良いのか,単一モデルで行くべきかを測るのに使うことになる. ベンチマークの読み方 GDPval-AA v2(Index の Agents 軸・重み 20%)|
Claude Opus 5 (max) Claude Fable 5 (max) GPT-5.6 Sol (max) Kimi K3 (max) Gemini 3.7 Flash (high) Fable 5 は Opus 4.8 Fallback 構成での測定。 1849 1739 1725 1682 1525 EnterpriseOps-Gym(1,150 タスク・部分点なし)|0〜100% 軸 Claude Fable 5 Claude Opus 5 Kimi K3 GPT-5.6 Sol 51.1% 47.5% 45.3% 42.9% GDPval-AA v2 経済価値のある専門タスクの成果物を 人間専門家と比較。 EnterpriseOps-Gym 業務ツールを跨ぐ多段タスク 512 ツール・部分点なしの最終状態採点 まだまだ多くのモデルで天井が見えないタスク.特にTool useを含む多段タスクは使うHarness次第で変わってきて評価が難しい 出典:Artificial Analysis GDPval-AA v2(2026-08-15 取得)、EnterpriseOps-Gym(arXiv 2603.13594・ServiceNow) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 11
マルチモーダル系ベンチマーク PDFや画像情報の読み取りと, 画面操作という2大タスクがあり,Agentにはどちらも重要な能力. 画像読み取り系は旧来からGeminiの十八番.一方で画面操作となるとClaude in Chromeなどで著名なClaudeが圧倒. gdp.pdf(実務 PDF・100 問/10 領域)|0〜100%
軸 Gemini 3.7 Flash 34.0% GPT-5.6 Sol 30.7% Claude Fable 5 29.8% Claude Opus 5 24.0% Kimi K3 19.0% 採点は Gemini 3.5 Flash。Gemini 3.7 Flash の 34.0% のみ Google 自己申告 OSWorld 2.0(画面操作・108 問)|同じ 0〜100% 軸 Claude Opus 5 70.6% Claude Fable 5 66.1% GPT-5.6 Sol 62.6% Kimi K3 58.3% Gemini 3.7 Flash 47.9% OSWorld-Verified は別ベンチ。Fable 5 は同じ名前で 85.0% と 66.1% を持つ ベンチマークの読み方 gdp.pdf 実務 PDF への答えが正しい根拠に基づくか。 100 問・10 専門領域 OSWorld 2.0 画面を見て実際に操作内容を出力し,適切な 画面遷移を完遂できるか。 MMMU-Pro 図表・画像の理解と推論。10 択 3,460 問で、 tools-off なら 81〜85% に飽和 今後は音声や動画も読みながら動くAgentが一般的になるため,Orchestraするエージェントに一つは入れておきたい. 出典:Surge AI gdp.pdf + OpenAI「GPT-5.6」公式ページ(独立に一致)、Google DeepMind モデルカード、Moonshot 公式(2026-08-15 取得) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 12
具体的な使い分け ©︎MATSUO INSTITUTE, INC.
様々なCLI Agent Agentと一口に言っても,様々な形態がある.大きくセッション型と常設型に分けることができる. また Agent = Model + Harness であり,一般ユーザーではHarness側に工夫代が大きい.
Agent ・・・目的を持って自律的に動くAI Harness・・・手足と神経系になるTool群 Model ・・・ 頭脳となるVLM / LLM セッション型 Harness 常設型 Harness Codex 概要 概要 人がタスクを投げ完了すればプロセスが消える.主導 権は人間側で,Agentは呼ばれたときだけ作業する サーバー上に常駐し,命令に応じ日常業務を自動化す る.人が寝ている間も動いている前提. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 14
様々なCLI Agent Agentと一口に言っても,様々な形態がある.大きくセッション型と常設型に分けることができる. また Agent = Model + Harness であり,一般ユーザーではHarness側に工夫代が大きい.
Agent ・・・目的を持って自律的に動くAI Harness・・・手足と神経系になるTool群 Model ・・・ 頭脳となるVLM / LLM セッション型 Harness 常設型 Harness Codex 概要 概要 人がタスクを投げ完了すればプロセスが消える.主導 権は人間側で,Agentは呼ばれたときだけ作業する サーバー上に常駐し,命令に応じ日常業務を自動化す る.人が寝ている間も動いている前提. 本日のスコープ ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 15
具体どう組み合わせるのか 複数のModelとHarnessを組み合わせる際に,Orchestrate・Routing型が一つの解になりつつある. Claude Code OrchestraもOrchestrate型のHarnessで,Claude codeが基盤になっている. Agent Routing Agent Orchestra
(下記はClaude code orchestra) 概要 目的 Claude codeをインターフェースとし,Codex CLIと Gemini CLIをSubAgentとして扱うことを前提にした Harness (Agent Schema) Sakana Fugu:高性能モデルを組み合わせ性能最大化 AutoRouter:コストと精度の最適化 PRISM:データプライバシーと精度の最適化 結論:ベンチマークなどに基づいて,適切なModel・Harnessにタスクを渡す ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 16
+αの話 Agentと人間の認知負荷 ©︎MATSUO INSTITUTE, INC.
認知負荷を抑えるための考え方 Claude code Orchestraが重視している戦略は2点. ・人間は指定した場所しか書き込まない.Agentとの会話もClaude codeとしか会話をしない.(UIの一元化) ・コンテキストを構造化し,ワークフロー(Skills)パターンをデザインする.(メモリエンジニアリング・パラグラフエンジニアリング) 人間と相対するMain Agentは単体化 メモリエンジニアリング
Checkpointディレクトリ(後述) • 直近のループ(Agentが自律的に 行った作業)が溜まっていく • ここを元に方針を整理したり, 見落としを指摘したり.. Codex researchディレクトリ • WebSearch,Slack,Notion, 他リポジトリなどのRead作業を したときの情報の整理 これらの生データを 所定のMDで管理 (LLM wikiの思想) Codex • • 人間が全エージェントを認知しない. OrchestratorであるMain Agentを必ず経由する. • • ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. “何”を”どこ”に置き,人間は”何”を見るのか 同時にAIにマルチセッションでロバストに動かす土台に 18
人間はどこでキャッチアップし,意図を伝えるのか 人間が見るべき場所と重要指示(作業要件定義)を残す場所を明確化しておく. • 毎回の作業で残したcheckpointをもとに,PROGRESS.mdが構築され,どういう状況なのかを把握できる. • DESIGN.mdに事実上の仕様(要件定義的に最終的に到達したい状態や細かな更新など)を残し,常に作業方針を明確化できる. PROGRESS.md • • 現在地を知るための場所
直近5件のcheckpointから作成される作業まとめ • • セッションの開始時に読む. 人間視点では直近何をしていて,それはなぜで, 今どこまで進んだのかを把握する. • DESIGN.md • • 目的地・方針を共有する場所 リポジトリの立ち上げや作業都度で更新する仕様書 • • セッションの開始時に読む. 人間が要件や細かな仕様を明文化し,Agentはここを適宜 参照しながら進める.場合よっては修正する. 二つのファイルに出口と入口を絞っているイメージ.ただ詳細が気になった場合は,checkpointへのリンク, さらにそこから実コードへのリンクを飛ばして曝露範囲を増やす(SKILLSの技術背景) ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 19
©︎MATSUO INSTITUTE, INC.