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奥尻島視察レポート

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April 25, 2014
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 奥尻島視察レポート

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santsuna

April 25, 2014

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  1. 視察の経緯 1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震では、津波、火災、斜面崩落などによ り230名もの命が奪われました。この災害による最大の被災地となった奥尻島は、防 潮堤の建設、集落の移転やかさ上げなどを経て、1998年3月に「完全復興宣言」を果 たしています。   東日本大震災発生後、奥尻島は津波災害の貴重な事例として注目されるようになり ました。 被災者の生活再建、被災地の復興をめぐる課題は多様であり、今後も奥尻 島の経験を発信することが期待されています。その一方で、奥尻島は過疎化、高齢

    化、地域医療といったまちづくりの課題に直面し続けており、島の将来に向けた取り 組みが求められています。 このシンポジウムでは、奥尻島の20年間の復興プロセスを振り返り、島内外に発信 する機会とします。同時に、奥尻島の復興を担ってきた人々、東北の復興に関わる 人々、地域振興の担い手達と奥尻の若者が、奥尻島の活性化に向けた議論を展開 する場を設けます。また、シンポジウムと関連行事への参加を通して、津波災害から の復興と地域づくりのあり方について探っていきます。
  2. 視察の行程 7月26日(金)      7:00  函館 出発  11:50  奥尻島 到着

       12:30  昼食 「恵比寿亭、青苗丼」  ⇒⇒  奥尻島津波館 視察    ⇒⇒  奥尻フットパス    17:00  旅館チェックイン     7月27日(土)      8:30  奥尻島内視察  13:00  奥尻の未来を考えるワークショップ(車座トーク)            〜奥尻の未来を語るべ!〜  17:30   北海道南西沖地震20年記念奥尻島シンポジウム        〈関連行事〉記念パネル展 「東北の被災地は今」  20:30  交流会     7月28日(日)      9:00  球島山    10:00  奥尻ワイナリー視察    12:00  奥尻島 出発
  3. 奥尻島の概要 奥尻町は、北海道の最西端に位置し、檜山管内江差町から西北へ61km、大成町か ら西へ28kmの日本海に浮かぶ離島です.   「おくしり」の由来は、古いアイヌ語の「イクシュン・シリ」がその後「イクシリ」と訛ったも ので、イクは「向こう」、「シリ」は島の意味です.   この「向こうの島」は東西11km、南北27km、周囲84kmと細長く、総面積は143㎢と道 内で2番目に大きな島です.  

      ★北海道南西沖地震    ・1993年(平成5年)7月12日 午後10時17分12秒 ⇒ 約3分後に津波が襲来    ・奥尻町北方沖の日本海海底で発生    ・マグニチュード7.8    ・推定震度6 (烈震)    ・死者230名(うち198名は奥尻島)、行方不明者29名    ・被害総額 約664億円(奥尻島のみ)     ・島の人口  震災前 約4700人 ⇒ 現在 約3000人   ・復興基金  764億円(現在の町の一般会計の25年分)   ・観光客数  3万2千人台(2012年度) ⇒ ピーク時(約6万人)の6割以下   ・主要産業  漁業(主にウニ漁)、観光  
  4. 奥尻島津波館 平成5年7月12日に発生した北海道南西沖地震。
     その直後に島を襲った大津波の痛ましい記憶を後世に伝える施設   1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震。   震源地に近い奥尻島は、直後の大津波により壊滅的な被害を受けました。   ここ「奥尻島津波館」は、災害の記憶と教訓、全国から寄せられた復興支援への感謝を伝 える施設です。展示スペースは7つのテーマに別れ、災害翌日の写真や子どもたちの詩・

    作文、198名の被害者を悼むモニュメントなどが展示されています。地階の映像ホールで は、災害から復興までの姿をつづったドキュメントと美しい島の自然を映し出した2  作品を 公開。     震災から8年後、2001年にオープンした「奥尻島津波館」。   施設ガイドが詳しく説明しながら館内を案内してくれます   【開館時期】  4月~11月末まで(期間中は無休)   【入館時間】  9:00~17:15まで   【入 館 料】  大人500円・小中高生170円
      団体割引(10名以上)10%割引
  5. 奥尻フットパス B.青苗岬めぐりコース
 ▪全長:約3.5km
 ▪所要時間:約2時間
 ▪主な資源:世界でひとつ津波防災を学べるコース
 (人工地盤 →  青苗市街地 →  寺院

    →  徳洋記念碑)     1993(平成5)年7月の震災で大きな被害を受けた青苗岬を   めぐります。   いそ舟が並ぶ海岸とイカ釣り漁船が停泊する漁船、朝陽も   夕陽も楽しめる南端の岬が見どころ。津波館に立ち寄れば   震災当時と復興後の新旧市街地を見比べることができます。 A.空港・大寺屋敷コース
 ▪全長:約6km
 ▪所要時間:約3時間
 ▪主な資源:壮大な島の緑と海を満喫コース
 (牧草地 →  旧空港 →  群来岬 →  牧草地 ) C.奥尻の森と街コース ▪全長:約5km
 ▪所要時間:約2時間30分
 ▪主な資源:島民と自然の間近さを感じられるコース
 (鍋釣岩 →  塩釜川 →  調理師の森 →  市街地) 《その他のコース》
  6. 北海道南西沖地震20年記念 奥尻島シンポジウム 奥尻の未来を考えるワークショップ(車座トーク)                        〜奥尻の未来を語るべ!〜     ▪日時:7月27日(土)  13:00〜16:30 ▪会

    場 奥尻町海洋研修センター ホール 内 容:分科会形式で、島民と参加者がそれぞれのテーマについて語り合い、      最後に  20  年後の奥尻島みらい新聞を作成します。   分科会:島おこし(地域)、住まいと暮らし(生活)、文化(文化)、生業(経済)、ひと・教育(社会)
  7. 北海道南西沖地震20年記念 奥尻島シンポジウム ▪テーマ 復興のその先へ 〜幸(さち)の島おくしりの輝く未来に向けて〜   ▪主催:奥尻町文化協会   ▪共催:日本災害復興学会   ▪後援:奥尻町・奥尻町教育委員会・北海道檜山振興局・

            北海道開発局函館開発建設部・札幌管区気象台・函館海洋気象台   ▪日程:  2013年7月27日(土)17時30分〜20時   ▪会場:  奥尻町海洋研修センター ホール   ▪人数:  70  名(島外から  50  名、島民  20  名)   ▪プログラム     主催者挨拶 工藤 明子 奥尻町文化協会 会長             中林 一樹 日本災害復興学会会長     パネル討論「復興のその先へ  ~幸の島おくしりの輝く未来に向けて~」        【コーディネータ】 定池 祐季(北海道大学)        【パネリスト】   竹田 彰 (奥尻町 総務課長)             佐野 由裕(奥尻島観光協会)             菅川 仁 (奥尻ワイナリー)             前田 剛 (長崎県対馬市)             室崎 益輝(ひょうご震災記念  21  世紀研究機構・副理事長)
  8. 奥尻ワイナリー ★企業理念      ◎海老原グループ企業理念 「奥尻島の振興に寄与する」    ◎ワイン製造理念
    『奥尻島が育む葡萄で、世界中の人々に愛され続けるワイン造りに邁進する』
  

     ・奥尻島の知名度向上を図りたい
    ・奥尻観光に向けた新たな『奥尻ブランド』を創りたい
    ・雇用の場を広げたい      名称    株式会社 奥尻ワイナリー  本社所在地  〒043-­‐1524 北海道奥尻郡奥尻町字米岡177番地
        TEL01397-­‐3-­‐3290 FAX01397-­‐3-­‐2668    設立    2007年(平成19年)3月20日    創業    2008年(平成20年)9月31日(奥尻ワイナリー製造工場)    代表者    代表取締役 海老原 浩    資本金    1000万円    業務内容  果実酒の製造・販売    従業員    社員8名 季節雇用者12名
  9. 奥尻ワイナリー ★沿革  1999年(平成11年) 奥尻島に自生する山葡萄の苗木を植栽  2001年(平成13年) ワイン専用種の栽培開始  2002年(平成14年) 苗木15,000本定植(8.6ha)  2004年(平成16年) 9月台風18号で塩害を被る  2008年(平成20年) 10月にワイナリー完成(2階建 床面積1,460㎡)畑面積約20ha    2009年(平成21年) 4月10日初出荷

     2011年(平成23年) 植栽約60,000本(約25ha)   ★栽培葡萄  約60,000本  シャルドネ    約9500本    メルロー      約13000本    ピノ・グリ      約9500本    ピノ・ノワール    約9500本    ケルナー      約4000本    ツヴァイゲルトレーペ  約3000本    ミュラートゥルガウ  約3300本    セイベル13053  約4000本    ノースレッド    約3000本    山葡萄      約500本    その他      約700本  
  10. 全体を通して感じたこと ◆全体を通して感じたこと、学んだこと、参考になった点 •  立派な建造物が目立つが、それらを有効的に利活用する人材が育っていない様 に感じた。   •  復興基金でハード整備が進められる一方で、莫大な維持費が掛かってくること   • 

    震災後の3年間は復興特需により島内も潤っていたが、公共工事の減少とともに 衰退の一途をたどり、島を離れて本島に移住するなど、人口減少・産業の衰退が 著しく、震災から20年が経過した今も回復の目処は立っていない。   •  奥尻ワイナリーの例は、震災後の新産業においては数少ない成功例である。復興 特需が続かないことを見込んでの「島のワインづくり」であったが、担当者の並々 ならぬ努力が実を結んだ結果、今年ようやく黒字化する見込みとのこと。   •  巨大防潮堤の建造により自然環境が大幅に悪化。特に島の主要産業である漁業 への影響は著しく、漁獲量は震災前の5〜7割までしか回復していない。安全・安 心に暮らすための整備であったが、生業が成り立たず結果として漁業を諦めて本 島への移住者も目立つ。
  11. メモリアルパークに関して ◆震災の基礎情報の蓄積 と 基礎情報を活かす人材育成の必要性 •  どうコンテンツとしてまとめるか以前に、情報の集約が必要   →聞取り、写真、映像などのアーカイブ化を進める   •  学芸員などの「伝えていく人」の「企画力」「構成力」が大切。そのための素材として 情報のアーカイブが重要

      •  震災の様子を伝える実物の保管の必要性   →現物が伝える強さを活かすことも重要。どんどん片付いていって、ここで何が起 こったのか分からなくなってしまう。   •  参加型で市民も外の人と一緒に学びができるモノがあれば、リピートする。   (防災教育、災害教育など)   •  メモリアルパークは、フィールドミュージアムのセンター施設として、ツーリズムの 入り口にもなり得る。   •  地元学校の防災教育のプログラム提供、修学旅行のプログラム提供の拠点にな り得る   •  ハード先行の施設では、立派なものができるかもしれないが、一度来て終わりに なってしまう可能性が高い(奥尻の事例より)                         ▼ 施設にお金を掛けるより、それを10年分の人件費に充てるなど、ソフト面を充実させ、 例えば、熱意のある学芸員や市民が自分の言葉で伝えていく仕組みをしっかりと育 てる、つくっていくことが重要。