【ShowNet Stage】ShowNet Media over IPにおける各放送局の取り組み

2024年6月に幕張メッセで実施されたInterop Tokyo ShowNetブース内ステージでのNOCチームメンバーによる講演資料

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1. Media over IP (MoIP) 1
2. 放送局の制作システムのIP化の流れ 2 Source:番組制作設備のIP化における標準化の動向（NHK技研） IP化はこれから IP化は概ね完了
3. IP化の背景 同軸ケーブルから光ファイバーへ 従来の局舎内伝送メディアは同軸ケーブルを用いたSDI(Serial Digital Interface)が主流 フルハイビジョン対応、フレームレート増加などに対応してきた が、4K/8K時代を迎えるにあたり高周波特性の限界に達しつつある 光ファイバーが主要な伝送メディアに！ 3 Source: Bunji Yamamoto IIJ
4. EthernetとSDIの速度向上比較 4 Source: https://ethernetalliance.org/technology/ethernet-roadmap/ Source: Bunji Yamamoto IIJ
5. なぜIPか？（1） 帯域幅 IPは1本のケーブルで最大800Gbpsを伝送可能 12G SDIと比較した場合66倍以上も高速 近い将来1.6Tbps（テラ:1000Gbps)まで伝送可能 4K, 8Kのインフラであっても伝送可能な速度 伝送距離 SDIは最長100mまで。IPは最大80kmを伝送可能（10Gbpsの場合） トランシーバーやケーブルの種類を変えることによりユーザーが必要な距離を柔軟に変える ことが可能 5 1. 帯域幅 SDI 12Gbps IP 800Gbps 2. 伝送距離 SDI 100m IP 80km
6. なぜIPか？（2） ケーブル重量 20mケーブルの場合 SDIケーブルは1.2kg程度 IPで利用される光ファイバーケーブルは390g程度 光ケーブルはケーブル径や曲げなど取り回しやすさも容易 スペースの削減、機材室の熱効率の改善、中継車の搭載機材数の増加、 拡張性など多くのメリットにつながる 通信 SDIは 1本のケーブルに対し片方向通信対応 (往復で2本要) IPは双方向通信を1本のケーブルで構成可能 こちらもスペースの削減などにつながる 6 3. ケーブル重量 SDI 1.2kg IP 390g 4. 通信 SDI 片方向 IP 双方向
7. 標準規格 標準規格の必要性 マルチベンダーによる構築が可能 設備ごとのベンダーが異なるシステムであっても、システム間の相互接続が可能 導入するタイミングで、最良な設備を選択することが可能 システム規模を、少しずつ拡張することが可能 SMPTE Society of Motion Picture and Television Engineers：米国映画テレビ技術者協会 SMPTE Media over IPの標準規格（代表的なもの） ST 2022-6：SDI over IP • 2012 Transport of High Bit Media Signals over IP Networks（HBRMT） ST 2110スイート：SDI over IP • 2017 – Professional Media Over Managed IP Networks 7
8. ST 2022-6, ST 2110の違い ST 2022-6： ベースバンド信号（Video, Audio, ANC +blanking, padding）を単一の IPストリームで伝送する 特定データ（例：Videoデータ）のみ扱いたい場合、アプリケー ション側でストリーム全体を受信した後に、特定データを抽出する PTP同期：不要（※SDI側のBB同期は必要） ST 2110： Video, Audio, ANCデータを別々のIPストリームで伝送する方式 ライブ番組制作システムをターゲットとして策定 特定データ（例：Video）を特定のアプリケーションにダイレクト に伝送することが可能 PTP同期：必要 8 SMPTE ST 2022-6 （例） 1080i@29.97 1.535Gbps SMPTE ST 2110 （例） 1080i@29.97 1.285Gbps ANC Audio Video ANC (ST 2110-4x) Audio （ST 2110-3x） Video （ST 2110-2x）
9. SMPTE ST 2110スイートの構成 9 RP 2110-23 (2019)： 複数のST 2110-20ストリームを介し たシングルビデオエッセンスの伝送 ST 2110-21 (2017)： 非圧縮Videoタイミングモデ ST 2022-7 (2013)： SMPTE ST 2022 IPデータグラムのシ ームレスな保護切替 ST 2110-20 (2017)： 非圧縮Videoストリーム仕様 ST 2110-30 (2017)： 非圧縮Audioストリーム仕様、AES67 準拠 ST 2110-40 (2018)： 補助データストリーム仕様 ST 2110-31 (2018)： Audioストリーム仕様、AES3準拠 ST 2110-22 (2019)： 圧縮ビデオ ST 2110-41： Fast Metadata ST 2110-42： SDP Object ST 2022-8 (2019)： ST 2110-10システム上のST 2022-6ス トリームタイミング ST 2110-10 (2017)：システムタイミングモデルと共通要件 ・SMPTE ST 2059 (2015) PTPの使用 ・RTP タイムスタンプ ・IP ストリームの一般要件 ・Session Description Protocol（SDP）の使用 各エッセンス固有事項 ・映像系：-20番台 ・音声系：-30番台 ・補助データ系：-40番台 ・ST 2022-8：ST 2022-6をST 2110で扱う目的で定義 ※RP：Recommended Practice（推奨事項）
10. ShowNet 2024 : コンセプト 放送を支えるサービスプロバイダー"ShowNet"が誕生 Network as a Service : 放送局や中継拠点の接続に必要なネットワークを柔軟に提供 Clock as a Service : 放送システムへ高精度の時刻を一元的に供給 特別企画 : ShowNet史上初、実網を活用した放送局との相互接続が実現 10
11. 11 PTPによるシステム同期の ため、放送局、幕張メッ セにGNSSアンテナより PTP GMにGNSS信号を入力 MOCにVenue、各放送局の 素材を集約 各放送局、幕張メッセ間 はL2/L3 VPNにて接続 L3VPN (IPsec)
12. MoIP関連エリア 12 D-1ラック（回線センター相当） • ShowNetバックボーンとの接続 • 放送局とのL2/L3 VPN接続 • ネットワーク運用監視 Media Operation Center（制作サブ相当） • ShowNet Stage中継素材ライブ制作デモ ンストレーション • 放送システム運用監視 ShowNet Stage（Venue相当） • セミナー中継
13. ご協力頂いた関係各社の皆さま Contributor 特別協力：北海道総合通信網（HOTnet） Media over IP 特別企画 参加放送局：テレビ朝日、テレビ北海道、日本テレビ、 日本放送協会 13 敬称略、五十音順
14. 参考資料 放送業界のMoIP動向が分かりやすく解説されています 番組制作設備のIP化における標準化の動向（NHK技研） • https://www.soumu.go.jp/main_content/000849328.pdf 番組制作用IPインタフェース標準化に関するARIBの取り組み （ARIB） • https://www.inter-bee.com/assets/dl/pdf/ja/ip_pavilion/IP154_164_174.pdf 14
15. 15 Media over IP分科会