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AI Security と Confidential Computing の位置づけ

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June 13, 2026
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AI Security と Confidential Computing の位置づけ

第5回セキュリティ若手の会

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Takumi Hiraoka

June 13, 2026

Transcript

  1. ©️Acompany Co.,Ltd. 2 Who are you? • Acompany セキュアチャット Tech

    PdM • ソフトウェアエンジニアでもある • Acompany新卒2年目 • 学生時代の研究 • 学部: コンパイラ・プロセッサ • 修士: 差分プライバシー • 趣味 • 海外旅行 (最近はインドへ) • 霜降り明星 平岡 拓海 (ヒラオカ タクミ) @takuuuuu_h__
  2. Agenda 1 会社概要 2 AI Security (Security of AI) ──

    脅威と解決策 3 Confidential Computing の仕組み 4 AMD SEV-SNP の仕組み
  3. ©️Acompany Co.,Ltd. 5 Acompanyについて 秘密を守れる「Confidential AI」で「安心と信頼」のもと「機密情報/個人情報」の活用を実現 会社概要 クライアント/パートナー (一部) 事業イメージ

    会社名 株式会社Acompany 設立 2018年6月 従業員数 約60人 資金調達 約32億円 投資家 認定 個人情報 機密情報 Confidential AI AIによるビジネス革新へ
  4. ©️Acompany Co.,Ltd. 6 ✓ Confidential Computingを核に、データを「暗号化したまま処理する」次世代インフラ Confidential AI SUITE|製品ラインナップ 機密情報さえ入力可能

    セキュアAIチャット 提供中 提供中 提供中 社内エンジニアの 開発コードを守る 機密データ同士を 安全に統合・活用 AIエージェントを 誰でも安全に構築 シャドーAI対策 機密情報検知・保護 準備中 準備中
  5. ©️Acompany Co.,Ltd. 7 ✓ AIエージェントを誰でも安全に構築 Acompany AIスタジオ 数ヶ月のシステム開発を、対話型で数分へ。 コンテナ隔離で機密データへの侵害を遮断。 APIキーレス運用と、組織×個人の合成設計。

    Zero to Agent in Minutes Enterprise Sandbox OAuth Delegation & Composition 自社専用のAIエージェントを、 数分で・安全に・誰でも構築できる マネージドAIビルダー。
  6. 01 2. AI Security Security of AI ── 脅威と解決策のマッピング Confidential

    Computing は「実行時の保護」を担う一手段として位置づく 脅威(Security of AI) 主な解決策(Confidential Computing を含む) プロンプトインジェクション / 脱獄 入力検証・ガードレール・出力フィルタ・権限分離 敵対的サンプル(Evasion) 敵対的学習・入力前処理・頑健性評価 データ / モデルポイズニング データ来歴管理・署名・学習時の異常検知 モデル窃取・重み(weights)流出 レート制限・電子透かし・Confidential Computing(実行時の重み保護) プライバシー侵害・機密データ漏洩 差分プライバシー・出力制限・Confidential Computing(処理中データの秘匿) サプライチェーン / インフラ侵害 SBOM・署名検証・Confidential Computing(Attestationで環境を証明) AIエージェント / MCP リスク 最小権限・サンドボックス・ツール認可・人間承認
  7. 02 3. Confidential Computing CC が埋めるのは「処理中(in-use)」の空白 データ保護の3状態のうち、従来守れなかった領域 データの状態 従来技術 Confidential

    Computing の貢献 保存時 (at rest) ディスク/ストレージ暗号化 (既存技術でカバー済み) 通信時 (in transit) TLS (既存技術でカバー済み) 処理中 (in use) ← 空白だった TEE でメモリを暗号化・隔離 OS・ハイパーバイザ・クラウド管理者からも実行中のデータ/モデルを不可視にする
  8. 04 3. Confidential Computing AI における主なユースケース クラウド事業者にもデータ・モデルを見せずに処理する 1 モデル重みの保護 クラウド事業者にも

    weights を見せずに推論・ファインチューニング(IP保護) 2 機密推論 医療・金融データやプロンプト、ソースコードを事業者に渡さず Confidential Inference 3 マルチパーティ学習 相互不信の複数組織がデータを開示せず協調学習・データクリーンルーム 4 規制対応 データレジデンシー要件下でのAI活用、監査可能性の担保
  9. 05 4. AMD SEV-SNP AMD SEV-SNP とは ── SEV の進化

    VM型TEE(Intel TDX / Arm CCA と同カテゴリ) 1 SEV VM固有のAES鍵でメインメモリを透過的に 自動暗号化(機密性のみ) 2 SEV-ES レジスタ状態の暗号化を追加(割り込み等 のHV遷移時に保護) 3 SEV-SNP 完全性を追加。「最後に書いた値を必ず読 む」保証でリプレイ・改竄に耐性 守る相手はハイパーバイザー: 悪意あるクラウド管理者のメモリ覗き見 / 脆弱性経由の漏洩 / 物理アクセス
  10. 06 4. AMD SEV-SNP 保護を支える多層メカニズム(全体像) 以降のスライドで各機構を順に深掘りする 技術 守るもの 仕組みの要点 メモリ暗号化

    (VEK) データ機密性 VM固有AES鍵をHWで管理・透過暗号化。 C-bitでページ単位制御 RMP 完全性・所有者検証 SPAをキーに所有者/GPAを照合。リプレイ ・エイリアシング防止 Page Validation 明示的な使用許可 PVALIDATE(ゲスト専用命令)で Validated ビットを1に ASID ゲスト間分離 一意IDを所有者と実行中とでアトミック比 較(CPU回路) VMPL VM内の特権分離 4段階。VMPL3(OS)→VMPL0(鍵管理)へは アクセス不可 TCB Versioning ファームウェア信頼性 VCEKでロールバック攻撃を物理的に封殺 暗号化(機密性)+ RMP/Page Validation(完全性)+ ASID/VMPL(分離)+ Attestation(証明)
  11. 07 4. AMD SEV-SNP 完全性の核: アドレス変換と RMP VA→GPA→SPA と辿り、最終的な SPA

    をキーに RMP で整合性を検証 VA(仮想アドレス) アプリが見る 仮想メモリ空間 GPA(ゲスト物理) ゲストOSが物理と 信じる『幻』 SPA(システム物理) DRAM上の 本当の物理位置 RMP(Reverse Map Table)── DRAMの4KBページごとに1エントリ/ソフトからは書込不可・専用命令のみ ① 所有者の確認: このページは本当に現在実行中のVMのものか ② GPAの逆探知: RMPが記録する正規GPAを経由したアクセスか(再マッピング検知) 効果: リプレイ保護・データ破損・メモリエイリアシングを防止
  12. 08 4. AMD SEV-SNP Page Validation と ASID 所有者チェック 「使ってよいページか」と「誰が有効化したか」をハードウェアで強制するRMPの仕組み

    Page Validation(Validatedビット) • 新規RMPエントリは Validated=0 に自動クリア。0の ページはHVもゲストも使用不可 • RMPUPDATE(HV専用): マッピングは作れるが Validated は0までしか動かせない • PVALIDATE(ゲスト専用): Validated を1にできる 。AMD-VでGuest Mode実行をマイクロコードが強制 • メモリコントローラ内のRMP Checkが Validated=0 を物理ブロック(Nested Page Fault) ASID による所有者チェック • VM起動時にCPUが一意の ASID を割当 • PVALIDATE(X) 実行時、RMPの『所有者ASID』と『 実行中ASID』をアトミックに比較 • 不一致なら失敗 → ゲストAがBのメモリを勝手に検 証できない • 比較はソフトでなくCPU回路。HVによるASID偽装 は極めて困難
  13. 09 4. AMD SEV-SNP VMPL ── VM内をさらに4段階の特権に分割 OSがハッキングされても最重要の鍵は別特権面で守られる 特権レベル 用途

    役割 VMPL0(最高) SVSM (Secure VM Service Module) 鍵管理・vTPM・アテステーション等『絶対 に守る機能』を配置 VMPL1–2 中間 用途に応じて使用 VMPL3(最低) 通常の Linux / アプリ (Rich OS) ここでアプリが動く。VMPL0 へは絶対にア クセス不可 vCPUごとにVMPLを割当。ページ単位のR/W/X権限もRMPでHW制御 → VMPL3のバグでVMPL0の秘密鍵は盗まれない
  14. 10 4. AMD SEV-SNP VM固有鍵(VEK)と透過的なメモリ暗号化 ハイパーバイザーですら鍵を知り得ない 鍵の生成・保管 • 各VMに一意のAES鍵(VEK)を AMD

    Secure Processor が生成 • ソフトから読めない専用レジスタ(メモリコントロ ーラ用)に保管 • HVですら鍵を知ることはできない 適用と制御 • メモリコントローラ層で自動的・透過的に暗号化/復号 • 書込時に暗号化、読出時に復号(ソフトは意識不要) • ページテーブルの C-bit でページ単位に制御 • C-bit=1: プライベート(暗号化) / 0: 共有(非暗号化)
  15. まとめ • Security of AI の脅威は、それぞれ固有の解決策にマッピングできる • Confidential Computing は「処理中(in-use)の保護」を担う手段(窃取・プラ

    イバシー・インフラ完全性) • AMD SEV-SNP は 暗号化(VEK) + 完全性(RMP/Page Validation) + 分離 (ASID/VMPL) + 証明(Attestation) を多層で実現