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認知のはなし(2020/08/28 FFTT#407)

Yoko TAMADA
August 28, 2020
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認知のはなし(2020/08/28 FFTT#407)

Feedforce Inc. 社内技術勉強会での発表資料です。

Yoko TAMADA

August 28, 2020
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Transcript

  1. 認知のはなし

    2020/08/28 Fri. FFTT#407 @tmd45
    cognition

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  2. 入社7年になりました tmd45 です。

    今日はいろんな本を読んだら、じつは同じこと言っ
    てたおもしろ〜!って気づいた話。

    407 Proxy Authentication Required


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  3. “認知とは(心理学などで)

    人間などが外界にある対象を知
    覚した上で、それが何であるかを
    判断したり解釈したりする過程の
    こと。

    3
    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/20 00:55 UTC 版) 


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  4. 人は正しく事実を認知できない

    「事実」を見て、ひとが頭の中で認識することを「認
    知」という。考え方のクセとも言える。

    ひとの頭の中にはたくさんの「フィルター」がある。
    これまでの「経験」や「性格」、「本能」などによるも
    の。

    実際に起きていることと、それをひとが感じた認知
    では大きな隔たりがある。

    見出しは『エンジニアリング組織論への招待』1-4. 論理的思考の盲点 より 


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  5. 認知のフィルターが、物事を事実から遠く離れたも
    のに歪めてしまう。

    極端な例:

    「僕はAさんに嫌われている」(フィルター)

    → 会話の返事がなかった。Aさんは僕のことが嫌
    いだから無視したのだろう

    → 実際はただ聞こえてなかっただけで "嫌いだか
    ら" という事実はない

    認知のゆがみ


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  6. さきほどの "極端な例" を見て、なにを考えました
    か?どういう感情になりましたか?

    認知と感情はつながっている


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  7. 認知は感情とつながっていて、感情は行動とつな
    がっている。

    事実に対して認知がゆがんでいると "怒り" "恐
    怖" "不安" といった「感情」が発生し、そこから自
    分を守るための「行動」が発生する。

    認知と感情はつながっている


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  8. ● ゼロイチ思考(スプリッティング)

    ● 一般化のしすぎ(主語が大きい)

    ● すべき思考(常識の押し付け)

    ● 選択的注目(ひとは見たいものしか見ない)

    ● レッテル貼り(属性だけに注目する)

    ● 結論の飛躍(先読みのしすぎ)

    ● 感情の理由付け(感情的なことに理由をつけて正
    当だとみなす)

    認知のゆがみ いろいろ


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  9. 『エンジニアリング組織論への招待』

     2-2. 傾聴・可視化・リフレーミング

     認知フレームとリフレーミング

    ● メンタリングの章。自己をメンタリングすると捉えて
    読むのをおすすめ

    ● 情報の非対称性の話もここにある

    ● 認知行動療法とはリフレーミングすること

    認知フレームとリフレーミング


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  10. 認知フレームとリフレーミング

    Amazon|偽窓ステッカー https://www.amazon.co.jp/dp/B078T834SB

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  11. 『世界一のコーチですら「素直じゃない人は放って
    おけばいい」と思っていた。』

     https://blog.tinect.jp/?p=66220

     元ネタは『1兆ドルコーチ』

    ● 素直はじゃない人はコーチングできない

    ● 素直じゃない人=認知のリフレーミングができない人

    ● 記事にあげられているコーチャブルでない例は、認知の
    ゆがみが強いタイプ

    素直じゃない人


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  12. 認知(フィルター)のなかで事実を悪い方向に歪める
    ものを「認知のゆがみ」という。

    しかし認知(フィルター)によって、事実を良い方向に
    "歪めて" 捉えることでポジティブに物事を進められ
    ることもある。それがリフレーミング。

    このことを「認知のゆがみ」とはあまり言わないが、
    事実に対してフィルターを掛けているということは同
    じ。

    認知のゆがみは悪いもの?


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  13. 感じた本人は気持ちよくはないだろうが、善悪でいう
    ところの悪ではない。

    怒りを感じる、といった感情を持つこと自体は悪いこ
    とではない。感じたことはそのまま受け止める。私は
    いま怒りを感じている、と客観視する。

    感情にまかせて直情的に行動してしまうのは気をつ
    けたい。

    → 参考:『「やさしさ」という技術』

    怒り・恐怖・不安は悪いもの?


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  14. 認知と心理的安全性


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  15. 認知と心理的安全性
    心理的安全性が高い状態とは、

    認知のゆがみが生じにくい状態とも言える。

    チームメンバーに対して認知のゆがみが無く、事
    実を事実として捉られる状態。

    逆に認知のゆがみがあり、それを認識できていな
    いと、お互いがお互いを理解できないまま、怒り・
    恐怖・不安が膨らんでいく。

    → 適応課題 ※『他者と働く』より


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  16. 『他者と働く』第1章、第2章

    ● 適応課題を解決するためにナラティヴを知って歩
    み寄る

    ● ナラティヴとは「解釈の枠組み」つまり「認知」や「認
    知フレーム」のこと

    ● 同書のなかには認知という言葉は出てこないが、
    読むと意味として同じである

    適応課題とナラティヴ

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  17. 心理的安全性が高ければいいのか
    『エンジニアリング組織論への招待』

     2-3. 心理的安全性の作り方

     ■心理的安全性と責任


    『心理的安全性は何であって何でないのか』

     https://note.com/nabeharuj/n/n26cb34a0d2fa

     なべはる氏の note 記事

     元ネタは『チームが機能するとはどういうことか』


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  18. "私" が思っていること
    ● 仲間であるからには、まずは相手を信頼して接した
    い(基本的に性善説)

    ● 信頼とは無条件に信じることではなく、相手のナラ
    ティブを知る努力をして、可能性を信じながら対話
    すること

    ● とはいえ、ひとにも自分にも過度な期待をしない


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  19. 自分が読んだ本

    エンジニアリング

    組織論への招待

    不確実性に向き合う思考と
    組織のリファクタリング


    2018/4 から読み始めて2019/6 に読了。

    途中で気が散ってただけで、そんなに難しい本ではない
    よ。


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  20. 他者と働く

    「わかりあえなさ」から始める
    組織論


    実はまだ最後まで読み切ってないけど^^; 1、2章読む
    のはおすすめする。

    これも「人間とは」みたいな話

    自分が読んだ本


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  21. 「やさしさ」という技術

    賢い利己主義者になるため
    の7講


    2019/9 に読了。

    「汝、隣人を愛せよ(本心はいかにせよ行動はそうしま
    しょう)」みたいな感じ。

    自分が読んだ本


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  22. 図解 やさしくわかる

    認知行動療法


    …これに限らず、

    ストレスやメンタル関する書籍はそんなに多くはないも
    のの、いろいろ読んでいます。

    自分が読んだ本


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  23. 仏教の考え方は、認知を知る、自分の認知を変え
    るということがほとんど。

    宗教としてはよく知りませんが、考え方は知ってお
    いて損はないと思うぞ〜



    本じゃないけど

    気楽に仏教の考え方を知れる漫画 →


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  24. おわり

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