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230228 公共DXフォーラム / publicDXforum
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東京都副知事 宮坂学
February 28, 2023
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東京都副知事 宮坂学
February 28, 2023
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Transcript
DX推進に向けた 組織のイノベーション 第5回公共DXフォーラム 東京都副知事 宮坂 学
目次 Agenda 01 行政デジタル化の立ち位置 02 DX推進に向けた体制の整備 03 シン・トセイ 都政の構造改革 04
「Govtech東京」構想 05 さいごに
01 行政デジタル化の 立ち位置 自らの現状を知る
※調査概要 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ソウル在住の10代~70代(各都市500名)を対象にWebアンケートを実施(2022年12月5日~12月16日) 海外に比べデジタル化された行政手続の利用率は低い 4 東京 海外5都市 税金 転出・転入 学校教育 仕事上の手続
Covid-19関連 7% 30% 7% 22% 17% 28% 20% 44% 33% 44% デジタル化された行政手続の利用率
デジタル化に関する満足度も総じて低い 5 「非常に満足」+「どちらかといえば満足」の割合 総合満足度(※) 税金 転出・転入 学校教育 仕事上の手続 Covid-19関連 79%
83% 63% 78% 57% 82% 57% 80% 67% 85% 東京 海外5都市 26% 66% 東京 海外5都市 昨年度:25% 昨年度:63% デジタル化された行政手続の満足度 (※サービスを利用したことがない人も含めた総合満足度)
職員のデジタル環境満足度調査 都庁職員のデジタル環境の整備も道半ば 6 3% 22% 43% 23% 9% 2021年度 25%
3% 26% 43% 20% 8% 29% 28% 2% 9% 36% 36% 18% 2020年度 32% 11% 54% 2022年度 2021年度 2020年度 大いに満足 やや満足 普通 やや不満 大いに不満
7 一方・・・ デジタル化に対する行政の現状 デジタル以前の昭和型仕事様式のまま、 令和の時代を迎えてしまった 2000年代初頭から、デジタルを前提にしたビジ ネスモデルの構築や組織改革が進められてきた 民間企業 行政 対面窓口
紙文書 現金 はんこ FAX
02 DX推進に向けた 体制の整備 永続的な活動にするための 組織づくり
「都職員」 「外部IT専門家」 「スタートアップ」 「社会起業家」 が同じ船に乗る 9
2021年4月 デジタルサービス局を新設 10 デジタルを活用した都政のQOS (Quality of Service)を 飛躍的に向上させる旗振り役・牽引役として、全庁統括機能等を発揮 各局・区市町村のDXを 技術面からサポート
デジタルに関する 全庁統括 デジタル人材の結集と 都庁職員の育成 • 各局DX(デジタルトランスフォーメーショ ン)の取組を技術面から支援 • 区市町村との連携・DX推進を支援 • デジタル関連経費の把握・分析 • デジタル人材の管理・研修 • ICT職の全庁的な配置管理に関する 調整 • 様々なチャネルを使い、デジタル人材を 確保 • デジタル人材だけでなく、都庁職員全 体のデジタルスキルも向上 行政のデジタル化の 遅れを克服 都庁内外に質の高い デジタルサービスを提供
11 ICTインフラを支えるデジタル技術者はまだ足りていない 建設局 約 2,500 人 事務: 約 900 人
技術: 約 1,600 人 水道局 約 3,600 人 事務: 約 1,300 人 技術: 約 2,300 人 デジタルサービス局 約 270 人 事務: 約 190 人 技術: 約 80 人 (うち、ICT職は約70人) ※令和4年4月1日 ※令和4年8月1日 ※令和4年9月1日 道路等インフラ 水道インフラ ICTインフラ
世界と比較するとデジタル人材は桁違いに少ない 12 17名 80名 ’20 ’21 ’22 今後 123名 ICT職など都のデジタル人材人数の推移
(各年8月1日時点) ∎ シンガポールGOVTECH 約3,200人 ∎ イギリスGDS 約800人 ∎ デンマークKOMBIT 約200人 など (※ 2022年各機関へのヒアリング情報)
13 利用者向けのサービス 1 2 人事制度、研修制度など 働く人向けのサービス
14 ICT職 採用のイノベーションを起こす
多様なデジタル人材で都政のDXを強力に推進 15 デジタルの専門スキルを 持つ即戦力(任期付)の 人材 デジタルシフト 推進担当課長 常勤職員 (ICT職) デジタルシフト
推進専門員 等 デジタルサービス フェロー 週1~2日勤務の人材 (兼業も可能) 2021年度に新たな職種 「ICT職」を新設 公務員試験により採用 政府CIO補佐官や民間CTO経 験者クラスなどの専門家 アドバイザーとして関与
方針策定の基本認識 組織が求めるデジタル人材像 QOSの高いデジタルサービスの実現にあたり、カギに なるのは「ひと」 デジタルサービスを支える「ひと」を確保・育成するとともに、 最大限の能力を発揮できるようにすることが重要 デジタルサービスの利用者からは直接見えない水面下で、 デジタル人材に係る確保・育成の取組みの充実が必要 人材の確保・育成に向けた具体的な取組 リスキリング
人材 高度 専門人材 ICT職 デジタルスキルマップの導入 よりニーズに合致した人材を戦略的に確保 デジタル人材の確保策 1 3 2 特定任期付職員 会計年度任用職員 ICT職以外の職員 ICT職 デジタルスキルと行政の専門 性をバランスよく身に付け、 都のDXに関する施策立案等を 牽引 高度専門 人材 高度なデジタルスキルを活か し、プロトタイプの作製など、 デジタルサービスのクオリ ティ向上を技術面から牽引 リスキリ ング人材 デジタルに関する知見を身に 付け、ICT職や高度専門人材と 連携して、都の施策のデジタ ル化の課題を解決 デジタル人材の育成策 16 2022年2月 東京都デジタル人材確保・育成基本方針策定 「東京デジタルアカデミー」の展開 ICT職・全職員向け等、デジタル力のレベルに応じた育成策を整備 海外や民間の先進事例の調査・分析、区市町村との連携と一体的に推進
IQ EQ GQ DQ ビジネス力 IQ EQ チームプレイ力 行政力 GQ
DQ デジタル力 ビジネス力、チームプレイ力、行政力に加え、「デジタル力」を向上 組織全体で4つのQを大きくしていく 17
18 ジョブタイプ毎に備えるべきスキル項目をデジタルスキルマップとして定義 ICT職のデジタルスキルを体系的に整理
2022年5月 「東京デジタルアカデミー」を開講 19 デジタル力のレベルに応じた育成策を体系的に整備
いつでもどこでも学べるよう、 オンラインを活用した学習環境 を整備 業務改善等への活用を見据え、研修時に ノーコード/ローコードツール を導入 Ex.) オンライン学習ツール研修 情報技術関連の動画講座を受講
隙間時間やテレワークなど 柔軟な受講形態 オンデマンドで何回でも 視聴可能 アイデアソン型研修 ワークショップ型研修(長期) IT基礎研修 (ITパスポートレベル相当) などを実施 デジタル力レベル 「分かる」 デジタル力レベル 「使える」 すべての都庁職員がデジタルを学べる場を提供 20
採用や人材育成において実施してきた小さなイノベーション 21 採用の応募申込みを郵送からオンラインへ 区市町村職員も参加できるオンラインセミナーを実施 (他県の職員が参加した事例もあり) メンター制度の導入 (ICT職一人ひとりに高度専門人材であるデジタルシフト推進担当課長を任命) 職員自らがオンラインセミナーに登壇し、生の声を届ける 採用活動は、直営から転職エージェントを活用したスタイルに >
> > > > ICT職の海外研修派遣・民間企業派遣を開始 ICT職をセントラライズ(人材プールの創設、各局兼務配置開始) > >
03 シン・トセイ 都政の構造改革 職員の意識を変革する
情報をデジタルツールで 作る DXの進捗 時間 2001年1月 「e-Japan戦略」 2020年 5年以内 2025年 As
is… 進化の速度を 変える 情報のやり取り、共有を デジタルツールで行う 情報の利活用で 社会そのものが変わる オープンデータ 等 PCの電子メールを利用 等 まずは「DX-Ready」の状態へと進化させる 都庁全体で進化の速度を変える「シン・トセイ」改革 23 SaaS、ペーパーレス、FAXレス 等
UI・UX オープンデータ オープンソース BI(GA/NPS) ID 調達 アクセシビリティ 手続のデジタル化 リーディングプロジェクト 人事制度
技術評価制度 シビックテック SaaS セキュリティ ポリシー カスタマー対応 可視化 そのための制度・仕組み・ルール 局横断で取り組む改革 QoS(Quality of Service) の高いデジタルサービス 「シン・トセイ」 24 制度・仕組み・文化の構造を改革する オープンデータ オープンソース UI・UX ID アーキテクチャ
「手続きは原則文書、デジタルでも可」 25 2021年 4月1日 施行 「原則デジタル」へ180度転換 <目標> 2023年 約20,000プロセス(全体の70%) 約15,100プロセス
デジタル化済+着手済 <実績> 2022年12月末時点 約7,900プロセス 52.7% 27.6% 28,000 デジタル化対象 デジタル化済+着手済 デジタル化済 0
26 2016 (実績) 2020 (実績) 2021 (実績) 2022 (見込) ▲33%
▲55% ▲70% ペーパーレス FAXレス ▲84% ▲99% 取組 継続 2019 (実績) 2020 (実績) 2021 (実績) 2022 (見込) < コピー用紙調達量(年度合計比)> < FAX件数(3月単月比)> はんこレス 行政相談 約 100件 説明会・講演会等 約 300件 タッチレスで実施 キャッシュレス タッチレス 都民利用施設 全 78施設 キャッシュレス化完了(2021年度末) (2022年9月末時点) 電子決定率※ 99.5% (2022年11月時点) ※対象外案件を除く
27
28
都庁デジタルアワードを創設し、称え合う文化を醸成 29 全国知事会 先進政策バンク大賞を受賞!!
30
令和5 (2023) 年 1月 東京都 QOS Quality Service of Open
Flat シン ・ トセイ3 都政の構造改革QOS アップグレード戦略 2023 version up
「オープン&フラット」で、「政策イノベーションを起こす都庁」へと進化する 都庁内だけで政策を考えるのではなく、都庁を出て、 都民や多様なプレーヤーと直接向き合い、対話する。 行政が持つ情報を積極的に公開・提供し、都政課題 の解決に向け、多様なプレーヤーの参画を得ていく。 多様性が確保され、職員誰もが自らのアイデアを提 案し実現できる。また、様々な挑戦や成長の機会が開
かれている。 Open Flat 常にユーザーである都民の目線に立ち、都民と共に、 使いやすい行政サービスを追求し、創り上げていく。 多様なプレーヤーと、官民の垣根を越えて、問題意識 を共有しながら協働し、都政課題を解決していく。 職層や所属を越えて職員が自由にアイデアを出し合い ながら活発な議論を展開していく。 政 策 イ ノ ベ ー シ ョ ン を 起 こ す 都 庁 へ ! 32 フラット オープン
職員の成長に合わせてプロジェクトをバージョンアップ ~ 全庁的な改革推進の核となるプロジェクト ~ 06 都政スピードアッププロジェクト コア・プロジェクト 6つのシン・コアプロジェクト 33 01
未来型オフィス実現プロジェクト 02 5つのレス徹底推進プロジェクト 03 ワンストップ・オンライン手続 プロジェクト 05 スタートアップ・シビックテック との協働推進プロジェクト 06 内部管理事務抜粋見直し プロジェクト 07 組織・人材マネジメント変革 プロジェクト 04 オープンデータ徹底活用 プロジェクト 01 都庁のワークスタイル変革プロジェクト 02 都政スピードアップ・制度改革プロジェクト 03 サービスデザイン徹底プロジェクト 04 オープンイノベーション実践プロジェクト 05 データドリブンな都政の推進プロジェクト 06 都庁の活性化・ウェルビーイング実現 プロジェクト シン・トセイ1 シン・トセイ2 シン・トセイ3 01 未来型オフィス実現プロジェクト 02 5つのレス徹底推進プロジェクト 03 ワンストップ・オンライン手続 プロジェクト 05 スタートアップ・シビックテック との協働推進プロジェクト 07 組織・人材マネジメント変革 プロジェクト 04 オープンデータ徹底活用 プロジェクト 進化 再編
各局でもDXを推進するプロジェクトが増加 ~ 各局事業でのDXを推進するプロジェクト ~ 各局リーディング・プロジェクト 各局事業のサービス提供のあり方や、仕事の進め方そのものの改革実践 34 31 46 0
10 20 30 40 50 60 +11 (約25%) 57 シン・トセイ1 シン・トセイ2 シン・トセイ3 +15 (約50%) 年々プロジェクト数が増加
35 現在 数 時間 過去 ← デジタルサービス局の事業 (全庁的なプラットフォームになるもの) ガイドラインに基づいて 各局が自ら実施するプロジェクト
各局リーディングプロジェクト (各局&DS局で進めるもの) デジタルシフトに向けた行動指針及び 機能別標準ガイドライン を遵守したサービス開発が全庁的に浸透すれば QOSの高いサービスが飛躍的に増加 リーディングプロジェクトが 10年間毎年2割ずつ増えれば、 57×1.210=353事業
04 「GovTech東京」 設立構想 東京全体のDX推進に向けた 組織のイノベーション
37 2022年9月 「GovTech東京」 設立構想を発表
サービス 開発 技術支援 国等との連携 人材確保・育成・ 教育 東京都 (デジタルサービス局) GovTech東京 東京都と「GovTech東京」が協働し、東京全体のDXを牽引
東京全体の DX を進展させる枠組みとして、 人材シェアリングや共同調 達などの機能を備えた新団体を2023年に設立 62区市町村 官民共創 38 戦略・ 計画策定 サービス 標準化 住民向け デジタルサービス 庁内統括
デジタル化に関する都民の満足度は、いまだに低い DXの担い手となるデジタル人材が大幅に不足している 今後爆増するデジタルサービスの品質確保が課題 都庁の仕事を支えるシステム基盤の連携と効率化が課題 区市町村でも、デジタル化を進める人材・ノウハウの充実が課題 課題 ❶ 課題 ❷ 課題
❸ 課題 ❹ 課題 ❺ 「GovTech東京」設立構想に至った課題認識 39
「GovTech東京」の6つの機能 40 一つ一つの成功を礎に、信頼を得ながら機能を発揮 都庁各局DX (政策連携団体含む) 区市町村DX デジタル基盤強化 共通化 デジタル人材 確保・育成
データ利活用 推進 官民共創・ 新サービス創出
41 共同化 キーワードは
共 同 調 達 な ど の ス キ ー
ム イ メ ー ジ 42 ITベンダー、 販売事業者など 東京都 交渉 納品 発注・契約 共同調達 区市町村 調達の共同化により、コスト軽減と品質確保を両立 42 GovTech 東京 共同調達サービス
A区 B市 C町 D村 採用 A区 紹介 任用 登録 区市町村
公的分野に興味の あるデジタル人材 区市町村 公的分野に興味の あるデジタル人材 デジタル人材を共同活用し、区市町村のDXを強力に推進 43 GovTech 東京 GovTech 東京 非常勤 「CIO補佐官」 など 伴走サポート 技術的助言 人材プール 共同活用 人材紹介 デ ジ タ ル 人 材 の シ ェ ア リ ン グ の 仕 組 み
オープンデータの整備を共同化し、データのカバレッジを拡大 44 新サービス 創出 データの カバレッジ拡大 利用者の 範囲拡大 全国レベルの サービスに
課題の提示 解決策の提案 共創 テックカルチャー 行政カルチャー 官民がフラットに共創し、共同して政策イノベーションを創出 45 GovTech 東京 スタートアップ
シビックテック 行政 新サービス 創出
06 さいごに DXの成功に向けた展望
仕事のやり方や組織文化そのものを変えていく デジタル化 仕事のやり方 ・組織文化の変革 制度や仕組みなどの構造的な課題を見出し、 それらを打破し最適化することこそが、まさに構造改革の本質 47
0 25 50 75 100 Innovators 2.5% Early Adopters 13.5%
Early Majority 34% Late Majority 34% Laggards 16% 出典:「イノベーションの普及」 (エヴェリット・ロジャーズ著) 組織全体へ波及 100 % アーリーアダプターに受け入れられるかが鍵 48
複利を効かせて改革の速度を上げる スタート 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目
9年目 10年目 複利1.2倍×10年 ⇒ 初年度の 6.19倍に 単利1.2倍×10年 ⇒ 初年度の 3.0倍 複利の上積み 複利の上積み 毎年2割ずつの改善を10年続けた場合、 複利と単利は2倍の差がつく 49
「DX(Digital Transformation) 」 × 「GX(Green Transformation) 」 =「SX(Sustainable Transformation) 」
DX (Smart TOKYO) GX (Zero Emission) SX 50
51 脱皮できない蛇は滅びる フリードリヒ・ニーチェ
EoF