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金融時系列のためのデータ拡張入門

tonic
March 29, 2024
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 金融時系列のためのデータ拡張入門

tonic

March 29, 2024
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  1. 3.a. 問題設計 ◼ 分次リターン予測(Optiver) • Kaggle で最近開催された金融コンペの問題設計を利用 • データ範囲: 匿名の200銘柄

    * (480日 * 55 snapshot) • 評価指標: MAE • 目的変数: 各銘柄の60秒後のスペシフィックリターン • 特徴量: NasdaqでのClosing Auction板の集約情報 例) インバランスサイズ、ベスト価格・サイズ、WA …
  2. 3.a. 問題設計 ◼ 日次リターン予測(Jquants API) • Jquants API ライトプランで取得可能な日次データ(4本値、財務情報)を利用 •

    データ範囲: 198銘柄(N225から抽出)* 5年分 • 評価指標: 相関係数 • 目的変数: 各銘柄の日次相対リターン • 特徴量: ファクター別指数ランキングから10個程度ピックアップ 例) ROE、時価総額、移動平均乖離…
  3. 3.a. 問題設計 ◼ モデル・評価方法 • Optiverの解法で用いたNeural Networkのアーキテクチャを使用 • mixupの有無、適用率(※)による精度の違いを調べる •

    特徴量集合に対して、ミニバッチごとにランダムに拡張を行う • mixupのPytorchでの実装はこちら(2023マケデコアドベントカレンダー) ※適用率 … ミニバッチ内でmixupを適用するデータの割合
  4. 3.b. 結果・考察 ◼ 分次リターン予測 … mixupの効果あり • リーダーボードなら、tonicの位置(89位)から -50~+40位くらい ◼

    日次リターン予測 … mixupでむしろ悪化 • ただし、適用率は大きいほど精度が上がる傾向 適用率 相関係数 MAE 0.0 0.2107 6.2440 0.7 0.2122 6.2402 適用率 相関係数 標準誤差 0.0 0.0346 0.0031 0.5 0.0278 0.0044 0.7 0.0280 0.0049 1.0 0.0290 0.0047 分次リターン 日次リターン
  5. 4. まとめ ◼ 金融時系列におけるデータ拡張(mixup)の有効性を検証 ◼ ロバストな問題設計では効果あり! • 汎用かつ手軽にデータを増やせるのでぜひお試しあれ • データ不足で解けなかったタスクも解けるかも?

    ◼ 非ロバストな問題では工夫が必要かも • 今回は特徴量集合をランダムに合成したが…考えられる方法はたくさん • 特徴量を合成 vs 元系列を合成? • 似たデータ点(同日、同銘柄、同セクターetc)を合成? • 分類タスクでソフトラベルを利用?