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[アーキテクチャモダナイゼーション]Wardley Mapping、どうすれば現場に持ち込んで...

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February 20, 2026
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[アーキテクチャモダナイゼーション]Wardley Mapping、どうすれば現場に持ち込んで実践できそう?

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February 20, 2026
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  1. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. Wardley Mapping、どうすれば現場に持ち込ん で実践できそう?

    
 2026/2/19 3-shake SRE Tech Talk 特別回 アーキテクチャモダナイゼーション 株式会社スリーシェイク Sreake 事業部 角谷 太雅
  2. • 角谷 太雅(KAKUTANI HIROMASA) ◦ X: @xKxAxKx ◦ GitHub: xKxAxKx

    • Sreake事業部4部チーム03 マネージャー • SIer、WEB制作、SNS開発、ゲーム開発を経て、2024 年6月にスリーシェイクにジョイン • 現在はマネジメントを行いながら、顧客案件にも携わり 開発を行う日々を送る • 趣味: 音楽、サッカー、ランニング、ゲーム 自己紹介 Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved.
  3. モダナイゼーションによって何を目指すのでしょうか? Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 経営・ビジネス層 マネージャー層

    エンジニア層 とにかく早く機能をリ リースして競合に勝ち たい! 運用コストを下げて チームの生産性を 最大化したい! レガシーコードから解 放されて、モダンな技 術を使いたい!
  4. モダナイゼーションによって何を目指すのでしょうか? Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 経営・ビジネス層 マネージャー層

    エンジニア層 とにかく早く機能をリ リースして競合に勝ち たい! 運用コストを下げて チームの生産性を 最大化したい! レガシーコードから解 放されて、モダンな技 術を使いたい! みんな「良くしたい 」という思いは同じ。 でも、目指す場所が少しずつズレているかも。
  5. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. - よくある「停滞」のパターン -

    どこから着手すべきか判断できない - 巨大なモノリスを前に、 DB分割?アーキテクチャ刷新 ?言語刷新? - 影響範囲の大きさに圧倒されて優先順位が決められない - 手段(技術)の導入が目的化している - 「とりあえずマイクロサービス化」のように、特定の技術を導入すること自 体に執着し、本来のビジネス価値を見失う - 短期的な修正にリソースを奪われ続ける - レガシーシステムの「応急処置」に追われ、中長期的なアーキテクチャ 刷新に投資する時間と気力が枯渇する 。
  6. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. - よくある「停滞」のパターン -

    どこから着手すべきか判断できない - 巨大なモノリスを前に、 DB分割かアーキテクチャ刷新か言語刷新か ... 影響範囲の大きさに圧倒されて優先順位が決められない - 手段(技術)の導入が目的化している - 「とりあえずマイクロサービス化」のように、特定の技術を導入すること自 体に執着し、本来のビジネス価値を見失う - 短期的な修正にリソースを奪われ続ける - レガシーシステムの「応急処置」に追われ、中長期的なアーキテクチャ 刷新に投資する時間と気力が枯渇する 。 「選択( Where)」の欠如 「目的( Why)」の欠如 「規律( How)」の欠如
  7. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. - 戦略なきモダナイゼーションの悲劇 -

    「選択(Where)」の欠如 - 既存の依存関係に引きずられ、新しい場所もすぐに「泥だんご」化する。 - 「目的(Why)」の欠如 - 複雑さだけが増し、デリバリー速度が刷新前より低下する - 「規律(How)」の欠如 - 場当たり的な「応急処置」の積み重ねでコストだけが膨らみ続ける
  8. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. - 戦略なきモダナイゼーションの悲劇 -

    「選択(Where)」の欠如 - 既存の依存関係に引きずられ、新しい場所もすぐに「泥だんご」化する。 - 「目的(Why)」の欠如 - 複雑さだけが増し、デリバリー速度が刷新前より低下する - 「規律(How)」の欠如 - 場当たり的な「応急処置」の積み重ねでコストだけが膨らみ続ける どうすればいいでしょうか?
  9. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. ウォードリーマッピングは、アーキテクチャモダナイゼーションにおいてビジネスおよび技術のリー ダーにとっ て不可欠な手法です。

    Simon Wardleyが考案したこの手法は、ビジネス環境を視覚的に地図 として描き、戦略的な意思決定を支援 します。単純な 2x2 マトリクスや直感に頼るやり方から一歩進み、 バリューチェーンとその進化を使ってビジ ネスを可視化するモデルへと発展しています。 これにより、 戦略に関するより豊かで深みのある議論が可能になります。 さらに、ウォードリーマッピングは戦略立案をより協調的なものにします。 技術とビジネスの専門家を含む多様なグループが自分たちの環境を探索し、バリューチェーンのビジネス面 と技術面を結びつけられるようになります。 「アーキテクチャモダナイゼーション 組織とビジネスの未来を設計する 」 本書で登場する『ウォードリーマッピング』がその一助となる (はず)
  10. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 「ウォードリーマッピング」 の概要(超ざっくり )

    https://miro.com/app/board/uXjVPCh97B0=/?share_link_id=585308076467 より 1. 目的を定める :この地図で「どの課題」を解決した いかを明確にする 2. 範囲(境界)を決める :議論の対象とするシステム や組織の境界線を引く 3. ユーザーを主役にする :誰がこの価値を受け取る のか?(アンカーの特定) 4. ニーズを掘り下げる :そのユーザーが本当に求め ている「体験」は何か? 5. バリューチェーンを繋ぐ :ニーズを支える技術や 要素の「依存関係」を並べる 6. 進化の軸でマッピングする :各要素が「世の中で どれだけ一般的か」で配置を決める
  11. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 「ウォードリーマッピング」の概要 (超ざっくり )

    https://miro.com/app/board/uXjVPCh97B0=/?share_link_id=585308076467 より 1. 目的を定める :この地図で「どの課題」を解決した いかを明確にする 2. 範囲(境界)を決める :議論の対象とするシステム や組織の境界線を引く 3. ユーザーを主役にする :誰がこの価値を受け取る のか?(アンカーの特定) 4. ニーズを掘り下げる :そのユーザーが本当に求め ている「体験」は何か? 5. バリューチェーンを繋ぐ :ニーズを支える技術や 要素の「依存関係」を並べる 6. 進化の軸でマッピングする :各要素が「世の中で どれだけ一般的か」で配置を決める ちゃんとやるとめちゃくちゃ時間かかるし大変そう!!
  12. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 具体的な現場への持ち込み方: Step 1「現状の写経」

    やるべきこと : • まずは「理想」を捨て、今のシステムのありのままの姿を書き出していく。 • 現場の「ここが辛い」「時間がかかりすぎている」という不満(ホットスポット)を要素として抽出する。 得られること : • 「差別化にならない部分」に、リソースを使いすぎていないか? ◦ 本来は既存技術やSaaSで解決できるはずのものを、「無理やり内製(カスタムビルド)」して守り続けていないかを確認 する。 • 「本質的でない苦労」が、どれだけ開発者の時間を奪っているかを浮き彫りにする。 ◦ 独自ライブラリのメンテナンスや手作業のデプロイなど、「本来は自動化・標準化されているべき要素」が、いかに「手作 りのフェーズ」に留まっているかを直視する。
  13. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 具体的な現場への持ち込み方: Step 2「ドメインの境界線を引き直す」

    やるべきこと : • 抽出した要素を「自分たちが作るべきもの(コア)」と「外に任せるべきもの(汎用)」に仕分ける 。 • 「本来は既製品で済むはずの領域」を特定し、そこから自分たちの責任(ドメインの境界)を切り離す計画を立てる。 得られること : • 戦略的な「やらないこと」の決定 ◦ 全ての機能に全力を出すのではなく、ビジネス独自の強みとなる「本質」にのみエンジニアの情熱を注ぐ合意ができる。 • 外部サービスやプラットフォーム活用の正当化 ◦ 「なぜ内製せずSaaSを使うのか」を、単なるコスト削減ではなく「コア開発に集中するための選択」としてビジネスサイド へ説明できる。 • 無秩序なシステムの肥大化を抑止 ◦ 境界を定義することで、共通機能が複数のチーム間で重複して作られる「車輪の再発明」を構造的に防げる。
  14. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. 具体的な現場への持ち込み方: Step 3「バイトサイズ・セッション」

    やるべきこと : • チームで集まり、各自が考える「現在の依存関係(=ユーザーに価値が届くまでのつながり)」を短時間で描き出す • 描き出したものを見せ合い、互いの認識のズレ(どれが本質で、どれがノイズか)について議論する。 得られること : • 「暗黙の前提」の解消 ◦ 「当然自分たちが作るもの」だと思い込んでいた要素が、実は他チームから見れば「外部に任せたい共通機能」だった、 といった発見が生まれる。 • 現場主導の「エッセンシャル化」 ◦ マネージャーからの指示ではなく、開発者自らが「この保守作業を捨てて、あっちの新機能に時間を使いたい」というボト ムアップの提案ができるようになる。
  15. Copyright © 3-shake, Inc. All Rights Reserved. これらのことをやるだけでも価値があると思います! 完璧な地図よりも、最初の一歩を •

    書籍「アーキテクチャモダナイゼーション」には、より緻密な戦略を練るための詳細なステップが記されています。 • しかし、現場で最も価値があるのは「何がエッセンシャル(本質)か」を問い直すこと自体にあると思います 「見極め」そのものがモダナイゼーション • 全てを一度に新しくする必要はないはず。 • 「自分たちの強み/独自性だ」と確信できる場所にのみ、リソースを集中させる合意を作っていきましょう。 • それだけで、迷走していたモダナイゼーションはある程度正しい方向へ動き出すのではないでしょうか?