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公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤

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November 08, 2022

 公教育市場におけるプロダクトづくりの試行錯誤

『プロダクトマネージャーカンファレンス 2022』の登壇資料です。
2022年4月にリリースした保護者連絡サービス「tetoru」におけるMVP検討時の工夫などを話しました。
https://2022.pmconf.jp/session/Ns1de1hF

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Kazuma YONETANI

November 08, 2022

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Transcript

  1. © 2022 Classi / EDUCOM 2
 自己紹介
 米谷 和馬
 Classi株式会社

    
 小中事業開発部 プロダクトマネージャー 
 
 2004 - 2018 ゼロベース株式会社 
 IA / UXデザイナー / ディレクター 
 
 2012 - 2018 株式会社リクルートライフスタイル(現リクルート) 
 業務委託(UXデザイナー) 
 
 2015 - 2018 Classi株式会社
 業務委託(UXデザイナー/アドバイザー) 
 
 2019 - 現職
 tetoruプロダクトマネージャー 

  2. © 2022 Classi / EDUCOM 3
 1. tetoruについて
 2. MVP検討の工夫


    3. α〜β版のYWT
 4. サービスイン後の評価
 5. まとめ
 本日お話しすること

  3. © 2022 Classi / EDUCOM 7
 戦略上の位置づけ
 小中学校×校務支援領域でシェア獲得
 10,000校
 高校×学習支援領域でシェア獲得


    高校生の3人に1人
 データテクノロジーを活用して
 「新しい学びが広がる未来の教育プラットフォーム」を創り 
 小中学校へ提供していくための一歩目 

  4. © 2022 Classi / EDUCOM 10
 公教育市場の特徴
 ▪システムの契約は3〜5年、1年以上先の導入に向けて商談
 ▪数年後を見据えた機能開発のロードマップを求められる
 ▪スペックによる競合サービスとの比較検討

     検討・意思決定
  配慮事項
 ▪地場産業・地元企業
 ▪多様な家庭環境(貧困家庭、外国人家庭など)
 ▪公平性の担保
  教育ICTの課題
 ▪自治体ごとのICT整備状況・個人情報の取り扱いなどガイドラインの差異
 ▪ITリテラシーのギャップ(学校/先生/家庭)
 ▪学校現場の活用を妨げる多機能が生み出す使いづらさ

  5. © 2022 Classi / EDUCOM 11
 ▪共働き家庭/デジタル世代の増加 
 ▪紙・電話・印鑑文化の負担感 


    ▪コロナ禍におけるICTの公私格差の拡大 
 ユーザーの課題・背景
 学校・教職員 保護者 自治体 ▪保護者対応の負担、働き方改革 
 ▪保護者連絡デジタル化の文科省通知 
 ▪低予算でサービスの選択肢が少ない 
 学校現場にふさわしい保護者サービスを広く届けたい 

  6. © 2022 Classi / EDUCOM 12
 バリュープロポジション
 背景・課題や各種リサーチを踏まえて3つバリュープロポジションを設定 
 


    基本機能
 無料
 ※公立の小中学校、教育委員会からの 
 申込に限ります 
 
 グループ会社製品との
 連携
 
 
 
 知見を活かした最適な
 UX
 
 
 プラットフォーム戦略
 スイッチングコスト低減
 
 競合が真似しづらい優位性
 ビジョン実現とマネタイズ
 教育プロダクトの運営経験
 保護者としての経験
 

  7. © 2022 Classi / EDUCOM 14
 プロダクトの原型を抽出
 ▪ペルソナを元にプロダクトを通してやりとり する情 報と流れを将来像も含めて整理 


    ▪先生のアクションで保護者が集まり、保護者 のア クションで先生が集まる最小構成を抽出 
 顧客への提供価値を押さえつつ 
 将来を見越したプロダクトの原型がMVP 

  8. © 2022 Classi / EDUCOM 15
 知見に基づく細部の進化
 教育系プロダクトに携わってきたからこそ気づける 
 アンチパターンの回避と新しいアプローチへのチャレンジ

    
 ID/パスワード忘れ対応の先生負担  ▶ 自己解決形のアカウント体系
 毎年保護者の登録作業が必要  ▶ 一度の登録で使い続けられるように 
 兄弟のアカウント切り替え  ▶ シームレスに利用できるように
 初期登録や年度更新作業の負担  ▶ 校務支援システムのCSV取り込み 
 扱いづらい根幹的な概念  ▶ 年度やクラス編成の工夫

  9. © 2022 Classi / EDUCOM 16
 シンプルさを保つためのトレードオフ
 Dev Design CS

    ▪相反するようなユースケースを吸収できるか
 ▪設定項目が複雑化しないか
 ▪年度の切り替え前後に混乱を起こさないか
 ▪ユーザーに強いる操作に必然性があるか
 ▪ヘルプやガイドの工夫で回避できそうか
 ︙
 様々なユースケースの最大公約数を意識して手広く構えつつ 
 ユーザーへの負担をデザイン/開発/CSのどこで吸収するかを判断 

  10. © 2022 Classi / EDUCOM 18
 α版での大混乱
 Y:やらかしたこと
 ▪先生の認証方式が全く受け入れられなかった 


    T:次にやること
 
 
 認証方式の大幅な見直し
 (でもα版のうちに気づけてよかった…)
 W:わかったこと
 ▪α版に飛びつく層でもフリーメールを利用 
 ▪GoogleやMSのメールアドレスは配布されても メー ラーは開放されていない実態 
 主要機能のPSFは検証できたが、 先生の認証で大混乱
 コロナ禍のICT整備加速でもメールは普及しなかったことが判明 

  11. © 2022 Classi / EDUCOM 19
 β版に向けての仕上げ
 主要機能
 申込〜初期設定
 その他


    認証方式の見直し
 オンボーディングの改善
 一括登録
 ︙
 利用規約
 退会・解約
 ヘルプセンター
 ︙
 α版を踏まえた改善
 負荷試験
 脆弱性診断
 ︙
 見込んでいた機能拡充は諦めて残課題のシューティング 
 ユーザーストーリーマッピングで俯瞰して抜け漏れの確認 

  12. © 2022 Classi / EDUCOM 20
 新しい認証方式は問題なかったが、 障害の多発で足元の甘さが露呈
 各種フローやドキュメントの整備に追われることに… 


    β版での大失態
 Y:やらかしたこと
 ▪安易なリリースや設計の不備による障害 
 ▪オペレーションミスによるサービス停止 
 T:次にやること
 障害対応やリリースフローの整備 
 全コードの見直し
 設計レビューの徹底 
 各種ドキュメントの整備 
 ︙
 (でもβ版のうちに気づけてよかった…)
 
 W:わかったこと
 ▪プロダクトを仕上げることに夢中になりすぎて 
  ドキュメントやフローの整備がおざなりに 

  13. © 2022 Classi / EDUCOM 23
 起こったこと
 不安とは裏腹に大きなトラブルもなく順調な滑り出し 
  ▪コールセンターの稼働が想定よりも大幅に少なかった


     ▪事前に設計していたオンボーディングの指標が役に立たなかった
  CS
  セールス
  ▪デモを見せれば意思決定者にも使いやすさが伝わる
  ▪無料かつシンプルなプロダクトで戦う土俵をずらせている
  プロダクト
  ▪VOCが集まることで機能拡充や改善など次の一手を選べるように
  ▪優先順位を組み替えてマネタイズ機能の開発を前倒しに
  顧客
  ▪β版を利用した校長先生が異動先の学校でも4月に即導入
  ▪導入校の保護者が隣接する学校を説得して即決
  CS負荷軽減
  SLGへの寄与
  グロースの
  方向性
  PLGの兆し

  14. © 2022 Classi / EDUCOM 24
 ユーザーからの評価
 教職員 保護者 NPS


    MHS / PMFスコア
 SUS
 +33.3 +7.2 76.2% 40.7% 74.4 73.2
  15. © 2022 Classi / EDUCOM 27
 何がよかったのか
 結果として、スペックでは比較されない「これでいい」を実現できていた 
 顧客の課題を


    的確に解決できている 
 プロダクトを
 シンプルに保てた
 バリュープロポジションが 噛み合っている
 (工夫をした甲斐もあって) (いろいろ諦めたのもあって) (チームにも助けられて)