Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
依存を意識して安定した変更に強いコードを書こう
Search
akatsuka
August 16, 2024
Technology
0
99
依存を意識して安定した変更に強いコードを書こう
良いコードの書き方勉強会 in 京都 で発表した資料です
https://kansai-web-app-dev.connpass.com/event/325588/
akatsuka
August 16, 2024
Tweet
Share
More Decks by akatsuka
See All by akatsuka
PHPで物理エンジン(PHPysics)を作ってみた - PHPカンファレンス沖縄2024
akinoriakatsuka
0
76
password_hash に詳しくなりたい - PHPオレカンファレンス
akinoriakatsuka
0
220
composer dump-autoloadを「なんとなく使う」から「理解して使う」になる
akinoriakatsuka
0
1.6k
リバーシを作って学ぶテスト駆動開発
akinoriakatsuka
0
100
OSS Gateに参加したら Larastanに コントリビュートできた - Kobe Laravel
akinoriakatsuka
0
83
知っておきたいautoloadのはなし - PHPカンファレンス関⻄2024
akinoriakatsuka
1
1.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
ドメインの本質を掴む / Get the essence of the domain
sinsoku
2
150
Lexical Analysis
shigashiyama
1
150
Amazon Personalizeのレコメンドシステム構築、実際何するの?〜大体10分で具体的なイメージをつかむ〜
kniino
1
100
強いチームと開発生産性
onk
PRO
33
11k
【若手エンジニア応援LT会】ソフトウェアを学んできた私がインフラエンジニアを目指した理由
kazushi_ohata
0
150
The Rise of LLMOps
asei
6
1.3k
SREが投資するAIOps ~ペアーズにおけるLLM for Developerへの取り組み~
takumiogawa
1
100
エンジニア人生の拡張性を高める 「探索型キャリア設計」の提案
tenshoku_draft
1
120
New Relicを活用したSREの最初のステップ / NRUG OKINAWA VOL.3
isaoshimizu
2
590
Evangelismo técnico: ¿qué, cómo y por qué?
trishagee
0
360
dev 補講: プロダクトセキュリティ / Product security overview
wa6sn
1
2.3k
Making your applications cross-environment - OSCG 2024 NA
salaboy
0
180
Featured
See All Featured
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.1k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
409
22k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
A better future with KSS
kneath
238
17k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
44
2.2k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.5k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
33
2.4k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.2k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
Code Review Best Practice
trishagee
64
17k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
329
21k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
334
57k
Transcript
依存を意識して安定した 変更に強いコードを書こう 良いコードの書き方勉強会 in 京都 2024/8/17 あかつか
自己紹介 • あかつか X: aki_artisan • 神戸でPHP書いてます • レガシーPHPをLaravelに移植 •
PHPカンファレンス関西2025実行委員長 2
そもそも良いコードとは? • 読みやすいコード • 保守しやすいコード • 変更しやすいコード • パフォーマンスが良いコード •
安全なコード • バイト数が少ないコード(コードゴルフではね) 3
つまり、良いコードとは? • 読みやすいコード • 保守しやすいコード • 変更しやすいコード • パフォーマンスが良いコード •
安全なコード • バイト数が少ないコード(コードゴルフではね) 目的を満たすコード 4
ソフトウェア開発において良いコードとは? • 自社プロダクトか受託で作るシステムなのかにもよる ◦ 仕様が変化しづらく、再現性を求められる? ◦ 環境に適用して柔軟に振る舞いを変えていくことが求められる? ◦ パフォーマンス最優先? 目的によって、良いコードは異なる
自分たちで考えていくことが大事 5
今回は自社プロダクト開発の文脈で話します プロダクト開発にはアジリティが求められる 作ったものが正しいとは限らない 頻繁に機能拡張や、仕様変更、バグ修正、リファクタリングが行われる 6
変更しやすく保つ必要がある アジリティを失わないようにするためには、 変更しやすく保つ必要がある • テストコードを書く • 疎結合な状態を保つ • こまめにリファクタリングする 7
変更しにくくなる原因は? • 影響範囲がわからない • 複数の責務をもつクラスやメソッド、関数がある • 大事なところほど、手が入りやすくどんどん複雑になっていく 依存関係が複雑になっている 8
「依存」をキーワードに考えてみよう 9
「依存」ってなんだか難しい? AがBに依存している→ピンとこない 大胆に「AがBを使っている」と言い換えよう! AがBを使っている。Bがないと機能しない。AはBに依存している。 AはBを使っている。だから、Bの変更の影響を受ける。 10
11
依存しているとは使っているということ 12
「AがBに依存ている」とは A B AがBを使っている状態 13
例:「ユーザー登録機能がメール送信機能を使っている」 ユーザー 登録機能 メール送信 機能 AがBを使っている状態 14
依存すると何が困るのか 15
依存すると変更の影響をうける(A視点) A B AがBを使っている状態 変更 影響が 波及 16
依存されると変更しづらくなる(B視点) 共通モジュールを変更したら、いろいろなところでバグが波及した! A B AがBを使っている状態 変更し づらい 17
実際のプロダクト開発では 実際の世界では、依存先(われわれが使うもの)は外部のものだったりする メリットの方が大きいので依存することを選んでいるとも言える わたしたちの プロダクト Laravel PHP 18
実際のプロダクト開発では わたしたちの プロダクト Laravel PHP LaravelやPHPのバージョンアップに振り回されるのはこのため だからこそ、できるだけ安定なものに依存したい → 依存注入というアプローチが一役買う 19
実演:依存性を注入してみよう 20
最初の状態 ログ出力処理が べた書き ログ出力の仕様を変えたい時、毎回全ての箇所で変更しないといけない 21
level1 : ログ出力を外部に委譲 ログ出力処理を 切り出した 22
level1 : ログ出力を外部に委譲 ログ出力処理を 切り出した 直接ロガーを 使っている 23
level2 : ログ出力用クラスを外から与える どのロガーを使うかを 外から与えるようにした ログ出力機能との結合が疎になった 24
level2 : ログ出力用クラスを外から与える どのロガーを使うかを 外から与えるようにした ログ出力機能との結合が疎になった 25
level3 : ログ出力用のインターフェースに依存させる logメソッドを 持てば良い (抽象化) 26
level3 : ログ出力用のインターフェースに依存させる logメソッドを 持てば良い (抽象化) 27 抽象に依存するとより安定に
依存を外から与えるメリット 28
依存を外から与えると差し替えることができる • テストがしやすい ◦ 例えばテストの時はログ出力をオフにしたい、などの場合、 logメソッドの実装が空のモックで置き換 えるなどで、安全にテストが行える ◦ 時間がかかる、お金がかかる、副作用が許容できない、など様々なパターンに対応できる •
拡張性が上がる ◦ 既存の部分に影響を与えることなく、別の実装を使うように差し替えることが可能 • 依存関係が追いやすい 29
良いコードの書き方 30
良いコードを書くには依存を意識する • 変更しづらいコードはビジネスとして価値を産みづらい • 無自覚な依存はコードを変更しづらくする • 「これに依存して大丈夫?」「これはどのくらい安定?」と問いかける • 依存しないといけない時は、依存を外から与えるようにする ◦
コンストラクタ経由で与える ◦ Laravelだと、サービスコンテナを使うなど 31
おすすめ資料① https://speakerdeck.com/blue_goheimochi/phperkaigi2024 32
おすすめ資料② なぜ依存を注入するのか DIの原理・原則とパ ターン (Compass Booksシリーズ) 33
まとめ • 依存とは使っている ということ • 変更の影響を受けないように、安定なものに依存しよう • 依存を外から与える ようにすると疎結合になる(依存注入) •
何が何を使っているかを意識してプログラミングしよう • 依存する時は、「それはどのくらい安定?」 を考えるようにしよう 34