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AI-native時代の信頼性を育てる、 インシデント学習と改善ループの実践

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July 09, 2026
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AI-native時代の信頼性を育てる、 インシデント学習と改善ループの実践

AIでリリースは加速し、インシデントも増える。素早く解決するだけでは、振り返りと改善のループが止まり、同じ問題が再発する。メルペイは「運用でカバー」に陥ったが、SLOを見直すPJ-5Ninesで中長期改善への投資判断を動かし、ループを再起動した。SREが手を動かす側から、ループを設計し、開発者とAIが自律的に回す側へ移る。その転換を実例で話す。

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July 09, 2026

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Transcript

  1. 3 メルカリの提供するサービス 2013 メルカリリリース 毎月2,484万人※が利用す る 個人が簡単にモノの売り 買いが楽しめるフリマアプリ 「メルカリ」 ※

    FY2026.6 第3四半期 2019 メルペイ リリース 2,065万人※が利用するモ バイル決済サービス 「メル ペイ」 ※ メルペイ利用者の合計(自主 退会・重複を除く) 2026年3月末 時点 2023 メルコイン リリース モノや信用に加えて、あ らゆる価値が交換できる マーケットプレイスへ 2025 メルカリ グローバルアプリ 台湾・香港での提供を皮切 りに世界50ヵ国以上へ
  2. 4 気づけば、 改善が回っている。 リリースは加速する、 Human in the loop から on

    the loopへ 改善を止めない、自律的に信頼性が育つ組織へ 目標
  3. 5 AIによる開発サイクルの変化と影響 リリースは加速している ▶ PJ-Double が AI Pods / Agent

    駆動開発で、開発 と QA のインパクトを倍にしようとしている ▶ リリース加速は偶然ではなく会社の意思 ▶ SRE は加速を止める側ではなく、安全に加速させ ることに貢献する。 インシデントも増えている ▶ インシデントの発生原因はソフトウェアの変更であるこ とが多い。 ▶ リリース回数に相関していて、確実に増えてしまってい るのが現状。
  4. 10 状況整理の自動化 ▶ Slackの情報を収集 ▶ 概要整理 ▶ 外部レポート作成 ▶ レトロスペクティブレポート生成

    ▶ レトロスペクティブレポート評価 ▶ 分析基盤への情報提供 AIが情報を収集し任意 のフォーマットで出力
  5. 15 インシデント原因の分析 短期改善 ▶ 改善しやすい、内容が明確、回しやすい 例 ▶ 暫定対応 :インスタンス追加、レートリミット ▶

    恒久対応 :クエリインデックス追加、バグ修正 中長期改善 ▶ コストが高い、投資判断が必要、止まりやすい 例 ▶ 恒久対応 : アーキテクチャ改善、技術的負債の解消 ▶ 再発防止策 : E2Eテスト必須のリリースゲートを設置、 SLOアラートによる劣化検知と対応の仕組み化 暫定対応 : 今起きている問題を止血する。原因を直さず影響を抑える 恒久対応 : 問題の直接原因を直す。該当箇所限定の修正 再発防止策 : 発生した要因に対処し、誰がやっても同じ間違いが起きない状態にする
  6. 16 改善ループの必要性と課題まとめ 改善ループ ▶ 再発を繰り返す負の循環 を防ぐため、インシデントを素早く解決 し振り返りと改善 ループを回すこと が重要 課題

    ▶ 発生原因に大きな偏りはなく全てのフェーズで対応が必要 ▶ いくつかの機能やコンポーネントにインシデントが集中している ▶ 中長期改善進まず、改善ループが止まる -> 根本的な課題解決がされない
  7. 17 改善ループが止まる原因と直近の成功事例 原因 ▶ 基本的にビジネスの成長が重要しされ改善するためには 明確な目的が必要 ▶ 再発防止策などの中長期課題はコストが掛かる ため組織的判断が必要 ▶

    課題に対する認識が曖昧で長期的に対応する投資判断ができず、 チケットが積まれるだけ になりがち 成功事例 ▶ 前提: お客さま体験を数値化 して、定量的に判断できるようにする ▶ 短期: プロジェクト化 することで、関係者の認識と期待値を揃える ▶ 長期: インシデント対応やSLO Breachに対するポリシーなどを定義し、定期的なレポート作成や振り返りを実 施することで改善を文化として定着させる
  8. 24 99.999% 99.999% 99.99% 課題は大きい、対応コストも高い ▶ SLO 99.99%をキープしていても “運用でカバー” している、そもそもSLOが間違っているのでは

    ▶ 共通サービスを経由してしまう構成は、 SLO 99.99%を満たせないしそれ以上はもっと無理 ▶ 解決するには共通サービス依存をなくす必要があるが … ▶ 投資判断ができずしばらくこの状態が続いた メルペイにおける失敗と成功 SLO: 99.99% は適切? BFFレイヤー 共通サービスレイヤー ドメインレイヤー ボトルネック解消?
  9. 25 新規プロジェクトの立ち上げ ▶ お客さま体験を数値化して、定量的に判断する ▶ 現場のエンジニア、SRE、EM、PM、VPs、皆の認識を数値で統一する ▶ 現在の状況を定量化、目標とのギャップを示して優先度判断の場に持っていく ▶ 困難だった意思決定を前に進め、中長期課題を解決する

    PJ-5Nines 強インパクトかつあるべき信頼性の提示 メルペイにおける失敗と成功 5Nines (99.999%)の妥当性 ここで提供されるものは、レジ前のお客さまやネット決済などお金が絡む体験であり、水準 は非常に高い。またこれまでの実績から見ても無理な目標ではない。 improve improve
  10. 26 SLOの見直しと、アーキテクチャ変更への投資判断 ▶ これまでの運用実績と業界水準をもとに関係者 で議論してSLOをアップデート ▶ ボトルネックだった共通サービスレイヤーを外す ことのトレードオフを受容して決断 ▶ 飛躍的に稼働率は上がったがまだ未達であり、

    プロジェクトとして継続して改善を続けている 99.999% とある決済機能で本当に求められていた稼働率 メルペイにおける失敗と成功 99.999% 99.999% BFFレイヤー 共通サービスレイヤー ドメインレイヤー 99.998% 継続的なメンテナンスコストの増加や実装 コストなどのトレードオフを受容
  11. 27 PJ-5Ninesによる社内へのインパクト 詳細なエラーへの意識向上 • 単発のエラーや軽微な可用性低下は、これまで見過ごしていた • SLOを上げたことで、それらが見る必要性のあるものに変わった コンポーネント依存関係への意識改善 • 元からリスクと感じ対応すべきと思っていたが、優先度が上がらず未着手だった

    • SLO基準を上げたことで、この課題も拾えるようになった Observabilityへの意識向上 • SLIは分かりやすさとコストの低さを重視し、単純なメトリクスを採用している • ただし原因究明・改善には、詳細なテレメトリが必要となる メルペイにおける失敗と成功
  12. 29 改善ループを自律的にまわすため SREチームの役割 Incident improve Fast Recovery 自律的な改善ループ ▶ 開発チームが自分のサービスの

    SLOを自分で守 り、改善ループを自律的に回す ▶ AIを活用して、調査・整理・分析を先回りし、ルー プを回すコストを下げる SREチームの役割 ▶ ループそのものを設計する ▶ SLOの仕組み、Breach Policy、Reliability Reportの発 行など、SRE文化を形成する 今日一番伝えたいこと SRE がループの中で手を動かす状態から、 SRE がループを設計し、開発者が自律的に 回し、AI が駆動する状態へ Move Fast with the SRE Culture
  13. 31 We are hiring! Software Engineer (Site Reliability) - Mercari

    Minato City, Tokyo, Japan AI NativeなSREチームを一緒に作ってくれる仲間を積極的に募集しています。 興味がある方はぜひ声をかけてください!