Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

2023年度「リサーチ入門」1.イントロダクション

Gensei Ishimura
February 21, 2024
4

 2023年度「リサーチ入門」1.イントロダクション

本科目の趣旨と進め方を理解する。また、リサーチの目的、価値、方法などについての概略を理解する。

Gensei Ishimura

February 21, 2024
Tweet

Transcript

  1. 講義スケジュール(予定) タイトル A, E D, C B, F 第1回 イントロダクション

    10/3 10/4 10/6 第2回 リサーチの基本とイシュー 10/10 10/11 10/13 第3回 調査テーマの分解と問題解決 10/17 10/26 10/27 第4回 問題構造分析 10/31 11/2 11/3 第5回 仮説/クロス集計/因果関係 11/7 11/9 11/10 第6回 どのリサーチ手法を選ぶか? 11/14 11/16 11/17 第7回 リサーチの失敗事例 11/21 11/24 11/24 第8回 リサーチの種類と既存情報の調査 11/28 11/30 12/1 第9回 アンケート調査 12/5 12/7 12/8 第10回 データ分析手法 12/12 12/14 12/15 第11回 インタビュー調査 12/19 12/21 12/22 第12回 リサーチ倫理 12/26 12/28 1/5 第13回 ケースメソッド[受験生獲得] 1/9 1/11 1/12 第14回 生成AIとリサーチ 1/16 1/18 1/19 第15回 リサーチ能力の向上イントロダクション 1/23 1/25 1/26
  2. 授業で活用するツール等 • Slackチャンネル – 各クラス用、並びに全体用のチャンネルを用意(招待済み) • Google Classroom – 各クラス用のルームを用意(招待済み)

    • Google Docs – 授業スライドのPDF、各種資料、各種フォームへのリンク等 – https://drive.google.com/drive/folders/1q9_PfCy- 6DHpt_5UtnzGhMcg6nAGjxrz?usp=sharing
  3. 本日のメニュー • 授業概要 • 講師自己紹介 • リサーチとは何か? • この講義「リサーチ入門」はなぜ必要か? •

    カリキュラムにおける「リサーチ入門」の位置づけ • 「リサーチ入門」の特徴 • 次回事前課題
  4. 講師自己紹介 • 石村 源生 (いしむら げんせい) iU専任教員 • 山口県出身、東京、大阪、カナダ、北海道 •

    専門分野 – 科学技術コミュニケーション (科学技術を取り巻く社会におけるコミュニケーションのあり方を考える分野) • 今の分野の研究者になる前は・・・ – 科学館・博物館の企画構想、展示ディレクション、ワークショップ・イベントの企画運営 • さらにその前は・・・ – 認知心理学、ニューロサイエンスの研究者 • 大学では – 理系学部(理学部・工学部系)に入学して転部し、文系分野(人文地理学)を卒業
  5. 講師自己紹介 • 石村 源生 (いしむら げんせい) iU専任教員 • 山口県出身、東京、大阪、カナダ、北海道 •

    専門分野 – 科学技術コミュニケーション (科学技術を取り巻く社会におけるコミュニケーションのあり方を考える分野) • 今の分野の研究者になる前は・・・ – 科学館・博物館の企画構想、展示ディレクション、ワークショップ・イベントの企画運営 • さらにその前は・・・ – 認知心理学、ニューロサイエンスの研究者 • 大学では – 理系学部(理学部・工学部系)に入学して転部し、文系分野(人文地理学)を卒業
  6. 授業で学ぶ範囲 • 統計学について – 統計や分析の数学的手法については踏み込まない。 – 統計については「数学」、分析の数学的手法は「データサイエンス」の授業で学ぶ。 • マーケティングについて –

    マーケティングそのものについては「マーケティング」の授業で学ぶので扱わない。 • より深く学びたい学生のために – 適宜参考文献を紹介する。
  7. 「リサーチ入門」に出てくるキーワードの例 調査 /リサーチ 情報収集 文献 インタビュー アンケート 行動観察 統計 平均値・

    標準偏差 グラフ・ チャート データ分析 クロス集計 問題解決・ 課題達成 問題/課題 発見 意思決定 問題の分解 ロジックツリー フレーム ワーク MECE イシュー 仮説 デザイン思考 マーケティング 調査倫理 個人情報
  8. ワーク • 問い • リサーチとはなにか? • リサーチは、何のために行うのか? • リサーチを行わないとどうなるのか? •

    手順 • 一人で考える(1分) • 二人一組で考える(2分) • 全員の前で発表する(3分)
  9. ワーク • 問い • 我々は事実(ファクト)をどれだけ知っているか、確かめてみよう。 • 「『ファクトフルネス』チンパンジークイズ」13問の答えを考えてみよう(※URLは次のスライド)。 • 手順 •

    二人一組で考える。(2分) • 一人で考え、回答する。(3分) • 回答の集計結果を共有する。 • 「正解」を発表する。 • これらについて意見を述べる(3分)
  10. 10の本能 分断本能 • 何事も2つのグループに 分けてしまう。 • 分断本能は、世界が 「金持ちグループ」と「貧 乏グループ」に分かれて いて、その間には大きな

    隔たりがある、という勘 違いを生んでしまう。 • しかし実際には、ほとん どの国がその中間にある。 ネガティブ本能 • 良いことよりも悪いことに 注目してしまう。 • 世界は実際は良くなっ ているのにもかかわらず、 どんどん悪くなっていると 勘違いしてしまう。 直線本能 • どんなグラフも直線を描 くと思い込んでしまう。 • 直線本能のせいで、 人々は何か大きな対策 を打たなければ世界の 人口がひたすら増え続 けると勘違いしてしまう。 • 実際には、世界の人口 は大きく増えてはいるが、 そのスピードはすでに緩 やかになっており、今世 紀末を迎える頃にはグ ラフは横ばいになる。 恐怖本能 • ドラマチックな危険に気 を取られ、最大のリスク を伴う物事を見落として しまう。 • 恐怖本能のせいで、実 際よりも世界は恐ろしい と勘違いしてしまう。
  11. 10の本能 過大視本能 • 特定の物事の大きさや割 合を見失ってしまう。 • 世界の進歩を過小評価 する。 パターン化本能 •

    物事を間違ったパターンに 当てはめてしまう。 • パターン化は避けられない が、間違ったパターン化は 実際は全く異なる人や国 などをひとくくりにすることに つながる。 宿命本能 • 国や人々の未来は先天 的な要素によって決まると 思い込み、社会や文化が 常に変わり続けていること に気づかなくなってしまう。 • ゆっくりとした変化であって も、何も変わっていないと 勘違いしてしまう。
  12. 10の本能 単純化本能 • 人々はシンプルな考え方 に惹かれ、何事にも単純 な説明や解決方法を求め てしまう。 • わたしたちは単純化本能 のせいで、自分のものの見

    方に合わない情報を見落 とし、世界について誤解し てしまう。 犯人捜し本能 • 悪いことがあると犯人を捜 し、良いことがあるとヒー ローを捜してしまう。 • この本能のせいでわたした ちの分析力は鈍り、世界 を単純にとらえてしまい、 他の原因を探すことができ なくなってしまう。 焦り本能 • 「いつやるか? いまで しょ!」とすぐに行動したく なってしまう(その一方で 人々は、長期的なリスクに は鈍感なことが多い)。 • 複雑な問題に直面すると、 批判的に考える力を失っ てしまう。
  13. ワーク • 問い – 以下の2つの質問に回答する(※URLは次のスライド)。 – 好きなアーティストは? – 「好きなアーティストについてのアンケート調査」で1位になるのは? –

    これらをふまえ、アンケート調査とは何か、について考えてみる。 • 手順 • 一人で考える(3分) • 二人一組で考える(2分) • 全員の前で発表する(3分)
  14. 学生ファーストの追求とリサーチ iU生 iU大学 学生 「学生」ファースト 将来、優れたビジネスパーソンになる 「ビジネスパーソンになる皆さん」ファースト 将来、自らが取引する顧客のために価値 を創造・提供し、顧客と社会全体を幸せ にする。

    みなさんが「未来の顧客ファースト」になれ るように支援する」ことで学生ファーストを 実現する。 他者にとって何が幸せかを理解する、つま り、他者のことを知る。 「他者を知る」ための強力な武器である、 「リサーチ」を学ぶ機会を提供する。
  15. 方法論の大切さ • どのように実施するか、という方法について解説したもの。 • 高いハードルを超えるための強力な武器。ハンディを克服するため、遅れを取り戻 すためにも役に立つ。 • 「リサーチ入門」は、 – 方法論とは何かを理解し、方法論を身につけるための最適の授業。

    – 他の授業で方法論を意識しながら学ぶためにもこの授業での学びは役に立つ。 • ただし – 方法論にこだわり過ぎて時間を浪費してもいけない。ときには何も考えずに飛び込むこと、ひた すらやり続ける愚直さも必要。
  16. 何を目指すか 自分でリサーチを 実施できるようになる • 例:自分たちが企画・実施 したイベントの参加者に対し て、満足度や意見をアン ケート調査で確認し、次回 イベントを行う際の改善に役 立てる。

    他人のリサーチを 利用できるようになる • 例:新規事業のアイディア を検討するのに先立ち、想 定されるマーケットの動向を 把握するために、そのマー ケットの実態についてすでに 第三者が実施した調査の 報告書を探し、その内容を 理解した上で利用する。 他人にリサーチを 発注できるようになる • 例:自社で開発中の新 サービスのプロトタイプのユー ザビリティ調査を、調査専門 会社に適切な要件定義を 行った上で依頼し、実施して もらう。
  17. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  18. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  19. 反転学習/ケースメソッド • 事前課題 • 事前に短い文章(ケース)とそれについての設問を提示する。 • 次回の授業までに、それを読んで自分なりの考えをまとめておく。 • 説明・解説の聴講 •

    なるべく簡潔に情報提供。 • スクリーンにはスライドもしくはnotionの内容を提示。 • スライドとnotionの内容はあらかじめ学生にシェア。復習にも活用可。
  20. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  21. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  22. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  23. アクティブラーニング • 発言 – 授業内では積極的な発言が奨励される。 – 間違えることは恥ではない。 – ほとんどの問いには「正解」が存在しない。 –

    考えること、考えをまとめて発言することの意義と方法を学ぶ。 – 他の学生の発言を歓迎する。 – 他の学生にどう思われるかは気にしない。
  24. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  25. 「フリーライダー」についての考え方 • フリーライダーは確率的に必ず発生する。 • 人によって事情は様々(cf. 志村さん)。 • 体調やメンタルの調子が悪いのかもしれないし、すでにその科目で学ぶ内容は知っていてモチベー ションが上がらないのかもしれないし、逆に、難しすぎて関心がわかないのかもしれない。 •

    その時たまたまそうなだけで、別の場面では、あるいは一年後、二年後には、非常に協力的でアク ティブになるかもしれない。 • フリーライダーにどう対処するかを工夫するのも学習の一つ。 • 原則的には「気にしない」「とにかく仲良くする」。
  26. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  27. 成績評価 • 評価の考え方 – 真面目にアウトプットを出していれば単位は取れる。 – 評価も大切だが、自分が何を学べたかが最も大切。 • 評価対象 –

    授業貢献度 – 授業課題 – 最終課題 • 備考 – 事前課題:評価対象ではないが、授業での学習効果を高めるために随時取り組む。
  28. 授業貢献度 授業課題 最終課題 評価 対象 • 個人の発言(口頭/オンライン) • ペアワーク/グループワークの全体 への成果報告

    • 課題への回答内容 • 課題への回答内容 実施 方法 • 授業終了時に指定のフォームに回 数を記入して自己申告 • 遅くとも当日中に提出 • 授業終了時にフォームにて提出 • 遅くとも当日中に提出 • 期末に期限までにフォームにて提出 項目 • 授業で学んだ重要概念 • それについての自分の考え 配点 • 1回1ポイント • 毎授業最高3ポイント • 毎回最高5ポイント • 最高25ポイント 注意 • 全員が閲覧できるようにするので虚偽の 申告を行わないように注意。 • 単純な選択式の回答、授業内容に関 係のない発言、アンケートへの回答はカ ウントしない。 • 無意味な文字列、課題と関係のない 内容、複数項目への同じ内容のコピペ 等には点を与えない。 • 全員が閲覧できるようにするので不正 等を行わないように注意。 • 他者の回答内容の剽窃等、不正が見 られた場合にはiUのルールに沿って処分 を行う。 • 無意味な文字列、課題と関係のない 内容、複数項目への同じ内容のコピペ 等には点を与えない。 • 全員が閲覧できるようにするので不正 等を行わないように注意。 • 他者の回答内容の剽窃等、不正が見 られた場合にはiUのルールに沿って処分 を行う。 評価方法
  29. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  30. 講義スケジュール(予定) タイトル A, E D, C B, F 第1回 イントロダクション

    10/3 10/4 10/6 第2回 リサーチの基本とイシュー 10/10 10/11 10/13 第3回 調査テーマの分解と問題解決 10/17 10/26 10/27 第4回 問題構造分析 10/31 11/2 11/3 第5回 仮説/クロス集計/因果関係 11/7 11/9 11/10 第6回 どのリサーチ手法を選ぶか? 11/14 11/16 11/17 第7回 リサーチの失敗事例 11/21 11/24 11/24 第8回 リサーチの種類と既存情報の調査 11/28 11/30 12/1 第9回 アンケート調査 12/5 12/7 12/8 第10回 データ分析手法 12/12 12/14 12/15 第11回 インタビュー調査 12/19 12/21 12/22 第12回 リサーチ倫理 12/26 12/28 1/5 第13回 ケースメソッド[受験生獲得] 1/9 1/11 1/12 第14回 生成AIとリサーチ 1/16 1/18 1/19 第15回 リサーチ能力の向上イントロダクション 1/23 1/25 1/26
  31. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  32. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  33. 「リサーチ入門」の特徴 • 反転学習/ケースメソッド • 「トレーニング」という考え方 • 「重要概念」を学ぶ • アクティブラーニング •

    「フリーライダー」についての考え方 • 成績評価 • 講義スケジュール • 倫理 • 本授業で収集する様々なデータについて
  34. 今後準備しておくこと • 第2回(次回)の授業まで 1. GoogleのアカウントをiUのメールアドレスで作成する(もしまだ行っていなければ)。 2. Google Classroomにログインする(教員から招待メール)。 3. 授業用Slackチャンネルに参加する(教員から招待メール)。

    4. オンラインコラボレーションツールMiroにアカウントを作成し、Miroの基本的な使い方を修得し ておく(教員から招待メール)。 https://miro.com/ • 第9回の授業まで – Googleフォームの使い方を習得しておく。