20200118_ngk2020s_iddm

2019年も血糖測定に始まり血糖測定に終わる一年でした。IDDMで特に大変なのが、日々の血糖データの管理！Flameeyesさんのglucometer utilsのお陰でSMBG生活がちょっとだけ楽になったお話です。
自分のためのエンジニアリング(プログラミング)は、エンジニアにとって一番の薬なのかもしれません。

Transcript

1. 持病を楽しくhackしよう 大野 哲生(@g_plains) On 2020/01/18
2. アジェンダ？  自己紹介  前回までのあらすじ  困りごと:血糖値レポートの作成  転機:IoTSecJP  遭遇:Glucometer Utils  発表:わんくま名古屋  良かった気づき  今後の課題  おわりに
3. 自己紹介  ハンドル ： こてつ(@g_plains)  出身 ： 愛知で銀杏のおいしいところ  おしごと ：オンプレ基盤(SV/NW)の管理  最近の趣向 ：近所をゆるーくお散歩・自転車 善光寺参りからのお饅頭が美味しい
4. 前回までのあらすじ  2017年夏に初搬送初入院 (糖尿病性ケトアシドーシス)  2018年夏に再入院、IDDM診断  毎食前に血糖測定とお注射の毎日  …という身の上話をNGK2018Bで発表 懇親会では久しぶりに楽しく会食しました 生野菜サラダおいしかった！
5. I型糖尿病(IDDM)について  膵臓の糖代謝機能の不具合 数百万人の糖尿病患者のうち、10万人近くが IDDMと言われています。  細工されたバゲットを与えると サービス不能になります (細工してなくても糖類食べ過ぎはNG)  血糖バランスを保たないと他のモジュール (目、足、etc)にも不具合が生じます  血糖バランスを保てばきっと大丈夫！
6. とあるIDDM患者の一日  食事前に血糖値を測ります  測定値と食事から補給量を決めます 補給量、多すぎも少なすぎもダメ  (プシュー)  ＼いただきます／  …を三食(時々、おやつでも)  寝る前に測定(持効性をプシュ？)  つまり、めんどくs
7. 困りごと:血糖値レポート作成  IDDMで一番大変なもの:血糖値の記録 毎食前と就寝前の血糖値、補給単位の記録 こんな感じの書式に記入していきます
8. 困りごと:血糖値レポート作成  普段使いはAbbott FS Precision Neo  一応Micro-USB ポートでPC接続、できます  レポート作成時e-inkの画面を連打、つらい
9. 困りごと:血糖値レポート作成  Abbott標準のアプリがいけてない - 1ページに2-3日分だけ印字する仕様 - 空き時間に転記しようとしたけど、紙束！
10.  …HIDデバイスってことは もしかして普通にdumpできるんじゃね？  悶々としながら手書き転記する毎日
11. 転機:IoTSecJP(9/21)  SMBG(自己血糖測定)、CGM(持続グルコースモニ タリング)について患者視点でLT発表を行いました  SMBG測定器の入手法だったり、測定データの管 理法なんとかならないかな話だったりと、予想外 の反響を得られました  なかったら作っちゃおうかなと思いながら wiresharkやUSBpcapについて調べていた そんなある日！そのものずばりを見つけました！
12. 遭遇:Glucometer Utils  複数のベンダの血糖測定器に対応したライブラリ  コードはpython3.xで書かれている Windows10 のpython3.xでも動作しそう  FSプレシジョンネオはUSB:hidapiで対応 ソース自体もhidapiで完結、安全安心  なんかやれる気がしてきた！
13.  …pythonの勉強ついでに使ってみました！  血糖値も補給単位もdumpできました。(うれしい)
14. 発表: わんくま名古屋(11/30)  Glucometer UtilsについてLT発表を行いました  血糖測定とダンプもその場で実演したり (ま、まあ採血しないと補給量決めれないし)  懇親会では久しぶりに楽しく会食しました 生野菜サラダおいしかった！(二度目)
15. 良かった気づき  技術発表会やIDDM患者会などで、「困った」話な どを吐き出すことで、少し心が軽くなりました。 主治医からも「面白いことやってるねｗ」と褒め れて、今まで以上に元気が出ました。  身近な医療機器のセキュリティについて一通り書 き出すことで、「患者として安全な医療機器の使 い方」を再発見できました。  何より「エンジニアリングたのしい」！ 「おいしく過ごせる」幅が広がりました！
16. 今後の課題  自分自身のデータをかっこよく取り扱いたい 医者に提出する月報をもっと楽に作りたいとか O365に置いてPowerAppsから見たいな、とか  機器やデータの取り扱いを見直したい 他の人がもし使いたくなったら、どうしようとか 野良アプリをベンダから制限されたら、どうしよ うとか 技術者倫理や、法順守等考えることはいっぱい…  でも、考えれば考えるほどワクワクします。
17. 最後に  エンジニアリングで得られる達成感は、一番のお薬！  IDDMって診断された時は本当に落ち込みましたが、 先輩患者のエンジニア・アーティストの方々に励まさ れて今があります。  I型II型問わず、落ち込んでいる方の助けになれるよ うな、ステキなエンジニアになれるようこれからもが んばります！
18. [参考]  Glucometer Utils(Diego Elio Pettenòさん) https://github.com/Flameeyes/glucometerutils  glucometer-protocols https://protocols.glucometers.tech/  ゆびさきセルフ測定室(測定できる薬局一覧) http://navi.yubisaki.org/